ソードアード・オンライン ~闘争の雲~   作:レティス

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けっこう遅くなりました。いろいろと大変でしたので…
では、どうぞ


街でのやりとり

俺は【迷いの森】で出会ったシリカと共に35層の主街区【ミーシェ】に戻ってきた。

大通りから転移門広場に入ると、シリカをパーティに誘おうとするプレイヤー達が現れた。男性プレイヤーが話す様子を見ると、どうやらあいつらはシリカとは顔見知りらしい。

 

「あ、あの、お話はありがたいんですけど…」

「そんなこと言わずに、何処でも好きな所に連れてってあげるからさ。」

 

シリカは相手を傷つけないよう丁寧に断ろうとするが、なかなか引き下がらない。

俺はその間、暇そうにしていたファルコにハッカパイプをくわえさせる。

するとシリカが一回俺の方に視線を送ってから続けた。

 

「しばらくはこの人と組むことになったので……本当にごめんなさい。」

「ええ~、そりゃないよ。」

 

そしてプレイヤー達は俺の方に不満を募らせて睨んだ。確かにあいつらにとって俺の見た目は、紫のかかった紺色のコートには鉄製防具は一切ない。そして焦げ茶色のズボン、茶髪のツンツンヘアー、一見普通の両手剣に見えるが所々に何かの接続部が設けられている両手剣【アポカリプス】、肩にとまっている黒い鳥と、独自の雰囲気を出している俺は360度怪しい人物と思われている。

すると、一人の男性プレイヤーが見下すように俺にこう言った。

 

「おい、抜け駆けはやめてほしいな。俺達はずっと前からこの子誘っていたんだらよ。」

「シリカは、【迷いの森】でアクシデントに遭った。それがきっかけで急遽47層に行くことになったんだ。俺はシリカから【迷いの森】で起きた悲しい出来事を聞いてほっとけなかったから、俺が自ら協力することにしたんだ。お前らにはできる限り今のシリカの気持ちを察してほしい。」

 

プレイヤーが言った言葉に、俺は律儀に答えた。俺の言葉を聞いていたシリカは少し悲しげな顔をしていた。

 

「だ、だったら俺達がこの子と一緒に行けば問題ないだろ!?」

「お前らじゃ力不足だ。」

「何だと…!?」

 

俺はプレイヤーにそう反論すると、怒りを露にして俺を激しく睨み始めた。俺も同じくプレイヤーに対して鋭い目つきで睨んだ。喧嘩の予感が漂う中、シリカが口を開いた。

「すいません!私がお願いしたことなので。ごめんなさいっ!」

 

シリカがそう言って駆け出していった。俺はプレイヤー達に軽く「邪魔したな。」と言ってからシリカの後を追った。

 

 

 

プレイヤー達の姿が見えなくなると、シリカが俺の顔を見て言った。

 

「…す、すいません、迷惑かけちゃって。」

「いいよ、いつものことだし…にしても、結構人気者扱いなんだな。」

「そんなことないです。マスコット代わりに誘われてるだけなんです、きっと。それなのに…あたしいい気になっちゃって…」

 

シリカはピナのことを思い出してまったのか、泣きそうな表情になる。俺はシリカの頭に手を置き、落ち着いた声で言った。

 

「大丈夫だ、俺が必ず蘇生してみせるよ。」

「…はい!」

 

シリカは涙を拭うと、俺に微笑みかけた。何年ぶりだろうか、知り合い以外の人物を信じるのは…

 

その後、シリカがおすすめする宿に泊まることになった。宿に入ろうとした途中、隣の道具屋からロザリアという女性プレイヤーを含むパーティに絡まれた。どうやらシリカが一番会いたくない女性だったらしい。俺はそいつらを軽くあしはらった後、一緒に夕食を食べてそれぞれ別の部屋に入った。

 

 

俺は部屋でスキルウィンドウを見て、その中で一つのスキルを見つめていた。

それは俺が手にしたユニークスキル【合体剣】だ。これはベースとなる両手剣に条件のあった片手剣や短剣を装着させて攻撃力を加算するというスキルらしい。俺は愛剣であるアポカリプスを手にしたときに何故か手に入れていた。

俺がスキルウィンドウを見ていると、ドアからノック音が聞こえた。おそらくシリカだろう。

 

「入っていいぞ。」

 

俺が声をかけると、シリカがドアを開いてやってきた。

 

「どうした?」

「よ、47層の事を、聞いておこうと思って…」

 

どうやらシリカは念のために47層のマップの構造を知っておきたいらしい。

 

「そうか、とりあえずそこに座って。」

 

俺はシリカを椅子に座らせると、テーブルともう一つの椅子を出してから俺は二つ目の椅子に座る。そしてアイテムウィンドウから小箱を出し、その中から小さな水晶玉を取り出す。

 

「それは何ですか?」

「立体マップの【ミラージュ・スフィア】っていうアイテムだよ。」

 

俺はミラージュ・スフィアを起動させると、さっそく説明を始める。

 

「まず、主街区から思い出の丘へはこの道を通っていくんだけど…」

『ピピッ!!ピピッ!!』

 

 

俺が説明している途中、ファルコが何かの気配を察知した。俺はシリカに人指し指を唇にあてて静かにするように伝えると、俺は無言でドアを蹴り開ける。すると階段の方から急いで降りる音がした。逃げられてしまった。

 

「ちっ、盗聴されたか。」

「でも、ドア越しならほとんど聞こえないはずですけど…」

「聞き耳スキルが高いと容易に盗聴が可能だ。」

 

俺はドアを閉めて再び椅子に座った。

 

「でも、何で盗聴なんか…」

「情報泥棒ってやつだ。ちょっとメッセージ打つから待ってて。」

 

俺はスフィアを片付け、手早くメッセージを入力して送信する。これは明日オレンジ達に遭遇してしまうだろうな。

 

「よし…今日はもう遅いから続きはまた明日に…」

 

俺はウィンドウを閉じてからシリカの方を向くと、シリカは既に俺のベッドで眠っていた。

 

「(結構疲れてたんだな。)」

 

俺はシリカにそっと布団をかけると、椅子に座って剣をアイテムストレージに戻し、コートを布団代わりにして眠った。

 




いかがでしたか?
そろそろ別作品も進めたいと思ってます。
それでは次回もお楽しみに!
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