1週間後
あれから1週間が経過した
おれは2日ほど拘置所にいたがすぐ自宅に帰された
奴らは病院で怪我が治り次第少年院に運ばれるらしい
当然、高校は退学
まぁどこの高校に行ってたのかもしらないが、少なくとも下北沢高校と秀華高校ではない
そしてあの土壇場で星歌さんが動画を撮っていたためおれの疑いは晴れた
ただ、やりすぎとは言われたが...
ひとりとは、あの日以来会えていない
だが、当然学校に連絡が行った
そしてそんなある日呼び出された
虹夏とリョウも呼び出された
校長室
「単刀直入に言おう。鳴上湊くん君を本日限りで退学処分とする」
「そ、そんな!」
「退学なんておかしいです」
虹夏とリョウが反応する
「これは仕方ない判断だ。授業放棄、さらに学外での暴力行為に警察沙汰。我が進学校の下北沢高校でそんな人間を置いておく訳にはいかない」
「そんな、そんなのメンツが大事なだけじゃないですか!湊くんは、大切な人を守るためにここまでしただけなのに!」
「湊が退学なら私たちも退学します」
「君たちは反省文で構わない。それに決まっているのは彼のみだ」
「虹夏、リョウもういい」
「なんで!湊くんの人生が...」
虹夏が泣きそうになりながら言う
「覚悟してたことだ。校長の気持ちもわかる」
「湊、それでいいの?」
「...」
良いわけねぇ。でも、もうどうしようも、
「では、退学手続きを、」
「ちょっと待ったー!」
ガチャ
聞き覚えのある声が通路から響きドアが開く
「みなさんお待たせしました!」
喜多ちゃんがあらわれる
「な、なんだね君は!?」
「き、喜多ちゃん!?なんで、学校は?」
「今日ウチの高校休みなんですよ。それよりお兄さんそんなんじゃ後藤さんが許しませんよ?」
「喜多ちゃん...」
「それより入ってください!」
「あ、あなたは、」
「なんでここに...」
虹夏とリョウが驚く
「みんな久しぶり〜。かわいい弟のピンチにやってきたお姉ちゃんの鳴上雪です!」
鳴上雪、姉ちゃんが乗り込んできた
「姉ちゃんなんでここに...」
「あんたのピンチに来たって言ったでしょ?それに、喜多ちゃんが連絡くれたのよ」
「はい!」
数日前
「も、もしもし雪さんですか?」
「喜多ちゃんから電話なんて珍しいね〜どうしたの?」
「お、お兄さんが」
「湊が?」
「と、とにかくお兄さんを助けてください!」
「わかった!詳しくはそっちで聞くからとりあえず日本に帰るね!それじゃ!」
「あ、ちょ、切れた...」
現在
「ま、そんな訳で帰ってきたわけ」
「あなたは鳴上くんのお姉さんですか?」
「はい。こう見えてファッションデザイナーをやらせてもらってます。本日は、弟の湊の処遇についてです」
「生憎ですが、これは決定事項です。ご理解いただてきたいのですが?」
「えぇ。存じております」
「では、」
「ですが、」
姉ちゃんが強く反論する
何を言いだすつもりだ?
「弟が救った女生徒は秀華高校の1年生。私も知っている子です。その家族からは感謝されています。なおかつ秀華高校の校長からも感謝のお言葉を頂いております」
そういえばその間スマホもなくて誰とも連絡とってなかったし姉ちゃんに学校関連の連絡いくんだった
「何を言いたいのですか?」
「湊の退学を転校に変えてください」
は?
全員驚いた顔をする
「ね、姉ちゃん何言って...」
「あんた昔私に言ったわよね?姉ちゃんを守るって。私は、あの時あんたに救われた。なら今度は私が、あんたを救う番よ」
「て、転校だと!?そ、そんなこと、」
「できるはずです。それならば湊はこの学校から去る。そして秀華高校の校長に話したところ賛成してくれました。湊の退学を転校に変えないのであればこちらとしても弁護士を立てて法的に戦わせてもらいます。一応日本で仕事をする際の顧問弁護士がいますので」
「わ、わかりました。彼の転校を認めます」
校長としてもあまり大事にしたくないのだろう
渋々受け入れた
「それは、よかった。湊、帰るよ」
「お、おう」
「虹夏ちゃんとリョウちゃんも行くよ」
「は、はい」
「はい」
廊下を歩く
「ね、姉ちゃん」
バチン!
雪が振り返り湊を平手打ちする
「って!なにす、」
よく見ると雪は涙を流していた
「バカ!」
雪は湊を抱きしめる
「私に心配かけて、結束バンドのみんなにも、ひとりちゃんにも心配かけて、反省しなさい...」
姉ちゃん...そうか。姉ちゃんにとっておれが1番の家族なんだ
「ごめん。姉ちゃん」
姉ちゃんがおれを離す
「虹夏にリョウ、喜多ちゃんも悪かったな。1人で無茶して...」
「もういいよ。湊くんが転校なのは寂しいけどバンドで会えるし」
「うん。バンドで奢ってもらえばいい」
「私は、お兄さんが来るの楽しみです!」
「ったく。ありがとな助けられた」
「いいって!それに、その言葉を言う人は他にいるんじゃない?」
虹夏がわかったように言う
「だな。ちょっと言ってくる」
湊は走っていく
「はぁはぁ」
2時間かけて後藤家についた
ピーンポーン
「は〜い」
ガチャ
「あ、みちよさん」
「み、湊くん...」
「ひとりに会わせてもらえますか?」
「えぇ。どうぞ上がって。ほんとにありがとうね」
「いえ、礼なんて...おれのせいですから」
「そんなことないわ。ひとりもそう言ってたわ」
「そうですか...」
ひとりの部屋に向かう
その途中でふたりに会った
「ふたり」
「あ、湊お兄ちゃん!お姉ちゃんを守ってくれたんでしょ?ありがとう!」
おれのせいで連れ去られたのにこの家族はほんとに優しいな
「あぁ。心配かけたなお姉ちゃんいるか?」
「うん!」
ガラッ
ひとりの部屋に入る
「あっ」
ひとりが驚いたようにこちらを向く
「よう」
「兄さん!」
ドタッ!
ひとりが飛びつく
「おっと、ごめんな心配かけて」
なでなで
「ひっぐ、に、兄さん、よがっだ、た、たいほされなくて、に、兄さん、兄さん!」
「ごめんな、ごめんな」
ひとりが落ち着くまで胸を貸した
「落ち着いたか?」
「う、うん」
「大丈夫か?」
「うん。怖かったけど兄さんと虹夏ちゃんたちが助けてくれたから」
「そっか。ごめんなひとり、おれのせいで」
「ううん!わ、私こそ、捕まっちゃったから...」
「そ、それでなひとり」
「何?兄さん」
ひとりが不思議そうにこっちを見る
「おれさ、下高にはもういれなくなったんだ」
「え?」
「結構ニュースにもなったからな。進学校におれみたいな奴は置いておけないんだと」
「じゃ、じゃあ兄さん高校中退になるの...?」
「いや、そういうわけじゃないんだけどな。えっとーその、」
「兄さん?」
「おれ、ひとりと同じ秀華高校に転校になった」
「へ?」
「だから昼休憩とか飯付き合ってくれよ?」
「えええええっ!?」
リビング
後藤家のリビングのソファにひとりの父と母と妹、なおきさん、みちよさん、ふたりが座って
おれとひとりは3人の前に正座している
おれは土下座した
「この度は、おれのせいでひとりを危ない目に合わせて申し訳ありませんでした!」
全員が驚く
「あ、に、兄さん...」
「か、顔を上げて?湊くんひとりも無事だったんだし全然怒ってないから」
なおきさんが優しく言う
「でも、」
「そうよ〜?湊くんが助けたからひとりも無事だったんだから」
「よくわかんないけどお姉ちゃんが何にもなくてよかった!」
「でも、」
「に、兄さんのせいじゃないよ。悪いのはあの人たちだよ...」
「そうそう!」
なおきさんが強くうなづく
「湊くん、これからもひとりを守ってくれるかい?」
「当たり前です。命にかけても」
「そっか。それならよろしく頼むよ」
「あら〜よかったわねひとりちゃん?」
「あ、あ、あ、に、兄さん、いの、命って、」
に、兄さんカッコよすぎるよ〜!わ、私なんかにい、命って、そ、そんなう、嬉しすぎて泣いちゃいそうだよ〜!
「それくらい大事なんだよ...」
「やっぱり付き合ってる〜」
「ふ、ふたり!」
1週間後
「それじゃあ今日からこのクラスに新しくはいる鳴上くんだ。皆仲良くしてくれよー」
今日からの担任がおれを紹介する
「下北沢高校から転校してきました。鳴上湊です。よろしくお願いします」
結構イケメンじゃない?
彼女いるのかな〜?
男かよ!
いろんな声が聞こえたがほぼ無視した
ひとりに報告してから僅か1週間でおれは秀華高校に転校した
虹夏やリョウと学校で会えないのは寂しいがバンド活動でも会えるしこの学校にはひとりや喜多ちゃんもいるから少しは安心している
転校生というのもあって結構話しかけられたが、時間もたち昼休憩になった
「さてと、」
話しかけられる前にひとりのクラスに向かった
「あいつのクラスは確か、この辺」
「お兄さーん!」
前を見ると喜多ちゃんが走ってきた
「よう、喜多ちゃん」
「お兄さん今日からですよね!お昼一緒に食べましょ!」
この子はほんとに元気だな
「あぁこっちもぼっちでな。頼むよ」
「もう、後藤さんじゃないんだから」
「ひとりのクラスってここだよな?」
「そうですね。呼んでみますね。後藤さーん!」
びくっ!
「あ、き、喜多さん」
「後藤さんお昼一緒に食べましょ?」
「あ、はい」
ひとりと喜多ちゃんが外に出てくる
「よっひとり」
「に、兄さん!?ど、どうして」
「どうしてって今日からここに転校だったから」
「あ、そ、そっか。あっ、じゃあ私がいつも使ってるところで」
ついていくと
階段の影にかくれている小さいスペースだった
「ひとり、ここで過ごしてたのか...」
「後藤さんごめんなさい。これからはもっとお昼一緒に過ごすわ」
喜多ちゃんが泣きながら言う
「は、はやく食べましょう!」
「「「いただきます」」」
3人で座り食べ始める
「お兄さんのお弁当って自分で作ってるんですか?」
「まあな。父さんと母さんは海外だし姉ちゃんは料理できないから」
「へ〜1つもらってもいいですか?」
「いいよ」
ひょい
もぐもぐ
「お、おいしい!」
「ありがとな。ひとりも食うか?」
「あ、うん」
もぐもぐ
「お、おいしい」
「リョウ先輩がお兄さんの料理食べたがる理由がわかりました」
「あいつ、教室で草食べる時あるからな」
「でも、そんな先輩も素敵!」
「あ〜喜多ちゃん変わってるな」
「そんなことないですよ!」
弁当も食べ終わり雑談をする
「そういえばお兄さんのクラスは文化祭なにやるんですか?」
「文化祭?あーそういえばそんなの言ってたな。おれは特になにも言われてないからなにもやらないんじゃないか?」
「え〜もったいない〜」
「そりゃ初日だからな」
昼休憩終了のチャイムが鳴る
「あ、いそがないと!じゃあまたスターリーで!」
「わ、私も行くね!」
ひとりと喜多ちゃんが走っていく
おれも教室に向かうとその途中に出演希望者募集中と書いてある紙があった
「そういえばおれも出れるんだよな」
手伝ってもらうか
スターリー
「リョウ」
「湊、ご飯食べたい」
「ほらよ」
「ありがとう」
リョウが食べおわる
「それで、どうしたの?」
「ちょっと頼みがある」
「?」
「星歌さんも」
「私もか?」
さて、久々にがんばるとしますか
結束バンドの曲最高!