もしぼっちちゃんに幼馴染がいたらというif   作:いっちゃゆ

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文化祭2日目

翌日

 

「行くか」

 

湊は、着替えて自分の機材のリュックを背負い秀華高校に向かう

 

「がんばりなさいよ〜」

 

雪は、湊の文化祭を見るために仕事を休んでいた

 

「姉ちゃんも遅れんなよ」

 

「わかってるって〜」

 

秀華高校

 

ライブも湊の出番が近づいていた

 

「よう湊」

 

「星歌さん」

 

「調子はどうだ?」

 

「万全ですよ」

 

「なら良いけど、気張れよ?」

 

「わかってますよ」

 

「って湊くーん!」

 

「お、虹夏」

 

虹夏が走ってきた

 

「はぁはぁ、私たちの前のバンドって湊くんたちだったの!?」

 

「なんだお前言ってなかったのか?」

 

「あ、忘れてた。ってのは嘘でサプライズ」

 

「サプライズ?」

 

「は、はぁはぁ。に、虹夏ちゃん」

 

「後藤さん大丈夫?」

 

「ひとり大丈夫か?」

 

「な、なんとか」

 

「お兄さんライブに出るんですか?」

 

「あぁ。リョウと星歌さんとな」

 

「ま、そういうことだ。しっかり見てろよ?」

 

「湊、がんばろう」

 

「おう、頼む。ひとり」

 

「な、なに?兄さん」

 

「おれのステージ見ててくれよ」

 

「うん!

 

ドッドッ!

 

タカタカタカ

 

ボンボン

 

ジャカジャカジャカ

 

ドラム、ベース、ギターの調整をする

 

「いけるか?リョウ、湊」

 

「うん」

 

「あぁ。やろう2人とも」

 

「よし」

 

星歌さんが合図をすると幕が上がる

 

幕が上がると大勢の人がこちらを見ていた

 

そういえばライブってこうだったよな

 

「ほら湊。なんか喋れ」

 

「あ、はい」

 

マイクを取り少しだけ話す

 

「どうも、Mというバンドです。僕は最近この高校に転校してきた者です。今日限りですがこのバンドで演奏させて頂きます。それじゃあ1曲目」

 

その瞬間に、マイクを置きドラムソロをはじめる

 

「湊くんやっぱり上手い!」

 

「お兄さんカッコイイですね!」

 

「兄さん!」

 

そこからベースとギターが入り誰もが知っているバンドのコピーをする

 

リョウのベースと星歌さんのギターボーカルが上手く混ざりさらに湊のドラムが入り完璧になり曲が終わる

 

「ありがとう」

 

星歌さんが歌い切る

 

うおおおお!

 

カッコイイー!

 

歓声が上がる

 

「3人ともカッコイイよー!」

 

「リョウ先輩も店長さんもお兄さんも素敵ですー!」

 

「おお〜いいぞいいぞ〜」

 

ってひろ姉いつの間に...

 

ん?

 

ひとりと目が合う

 

「兄さんがんばって!」

 

「湊、MC」

 

「あぁ」

 

再びマイクを手に取る

 

「ありがとうございます。こっからオリジナル曲を披露させて頂きます。じゃあ早速!」

 

シャンシャンシャン!

 

ハイハットオープンのカウントから入る

 

ノリのいいギターとベースが混ざり星歌が歌う

 

「店長さんギター上手い!」

 

「お姉ちゃんあんなに上手かったんだ」

 

そして曲が終わる

 

歓声が上がる

 

「ここでドラムの湊からメッセージがあります」

 

星歌が急なことを言う

 

「!?」

 

「ほら、最後の曲ぼっちちゃんに向けてだろ。最後くらい伝えろ」

 

「あんたって人は...わかったよ!」

 

マイクに入らないくらいの声で話す

 

そしてマイクを取り話す

 

「次で、最後の曲になります。その前に、少しだけ話します。おれは、ある1人との出会いで人生が大きく変わりました。そいつの近くで過ごしてるうちに大きく心が動かされ今では、感謝しかありません。その1人に向けての歌です。ラスト「キミさえ」」

 

スティックのカウントから入る

 

ゆったりと聞けるバラードだ

 

ひとり、おれはお前がいたからここまで来れた

 

お前とあの日に出会ってなかったらおれは、きっとドラムをはじめてなかった

 

虹夏やリョウや喜多ちゃんとも会ってなかったかもしれない

 

でも、ひとりと出会ったから。お前と過ごしたから

 

こんなにも楽しいんだ

 

確かに、トラブルもあったけど、なにより

 

最高に、楽しいんだ

 

お前は自分に自信がないけど、お前は強い奴だ

 

時折見せるお前の強い姿はおれにも真似出来ない

 

だから、お前に向けての曲だ

 

聞いてくれ

 

「あのメッセージってぼっちちゃんに向けてだよね?」

 

「ですね!後藤さん?」

 

「あ、あわわわわ!に、兄さんが私に?」

 

「ああ〜ぼっちちゃん意識失わないで〜せっかくの湊くんのライブだから」

 

「はっ!はい!」

 

「へ〜湊くんやるじゃ〜ん。やっぱり、」

 

2年前

 

「ね〜湊くん〜」

 

「なんだよひろ姉」

 

「湊くんは〜好きな人とかいないの〜?」

 

「はぁ?なんだよ急に」

 

「だって〜思春期真っ最中の男子なら好きな子くらいいるでしょ〜?ほらほら答えなさいや〜」

 

「酒臭っ!?わかったわかった答えるから離れろ!」

 

「で〜?どうなの〜?」

 

「いるよ...」

 

「えー誰だれ〜!」

 

「教えない...」

 

「え〜ケチ〜」

 

「うっせ」

 

「あの頃からぼっちちゃんのこと想ってたんだね。いや、ずーっと前からか」小声

 

「お、お姉さん?」

 

「ううん!なんでもないよ〜」

 

「キミさえいればいいよ。そう、これからも」

 

曲が終わる

 

パチパチパチ

 

拍手が起き湊たちの出番は終わる

 

「よかったぞ湊」

 

「うん。よかった」

 

「2人こそ、ありがとう」

 

3人で拳を合わせる

 

幕がおり、片付けを行い裏側にはける

 

リョウはそのまま残る

 

「お姉ちゃんたちすっごくよかった!」

 

「褒めるなら湊をほめろよ。こいつが発案だから」

 

「あれって湊くんが作ったの?」

 

「いや作曲はリョウだ。作詞はおれだけど。悪いなリョウの曲、結束バンドで使えるはずだったのに」

 

「いや全然大丈夫だって!リョウはもっと作るからね!」

 

「虹夏、プレッシャーかけないで」

 

「お兄さんすっごくかっこよかったです!ね?後藤さん?」

 

「あ、はい。あ、あの兄さん」

 

「ん?」

 

「に、兄さんかっこよかった。あ、ありがとう!」

 

「お前が、ひとりがいたからだよ」

 

「えへへ」

 

「ほら次はお前らの番だ。下で見てるから頼んだぞ?」

 

「はーい!マネージャーからの期待受け取りました!」

 

「うん。本番はここから」

 

「そうですね!みなさんがんばりましょう!」

 

「は、はい!がんばります!」

 

「よし!じゃあ円陣でも組んどく?あっ手ぇ合わせておーっ!ってやつしよっか!」

 

「良いですね!やりましょう!」

 

「え...」

 

「暑苦しい」

 

「みんな左手ね?」

 

「はい!」

 

「え〜」

 

「いいから!」

 

虹夏がリョウの手を掴み乗せる

 

「後藤さんも」

 

「あっはい」

 

「じゃあがんばろう!楽しもう!せーの!」

 

「「「「おー!」」」」

 

「それじゃ行くよ!」

 

「ひとり」

 

ひとりを呼び止める

 

「なに?兄さん」

 

「がんばれよ」

 

「兄さん、私がんばるよ!」

 

「ふぅ。疲れた」

 

「おつかれ〜湊くん。いや〜やっぱり湊くんは上手いね〜」

 

「湊〜」

 

「姉ちゃん」

 

「なんとか間に合ったわ〜。あんたのあんな楽しそうな顔久しぶりに見たわよ?」

 

「あぁ。楽しかったよ」

 

「雪も〜飲もうよ〜」

 

ひろ姉が姉ちゃんに酒を渡そうとする

 

「学校内で酒飲むなこのバカ!」

 

ゴツン!

 

「いった〜!」

 

星歌さんがゲンコツする

 

「あはは相変わらずですね。きくりさん」

 

すると幕が上がる

 

「お、そろそろだな」

 

幕が上がると歓声が上がり、喜多ちゃんのことを呼ぶ声が多い

 

やっぱり喜多ちゃんって人気者なんだな

 

喜多ちゃんもはーい!と答える

 

「お姉ちゃーん!」

 

見ると後藤家が来ていた

 

「ひとりちゃーん!」

 

他にもファン1号さんと2号さんやクラスの生徒も来ていた

 

「ぼっちちゃ〜ん!カッコイイ演奏見せてよ〜!」

 

またこいつは酒飲みながら叫びやがって

 

今更だけどどうやって入った?

 

あ、星歌さんがまたくらわせてる

 

するとひとりと目が合う

 

「がんばれよひとり」

 

うん!

 

ひとりが頷く

 

「あはは、えー私たち結束バンドは、普段は学外で活動しているバンドです。今日は私たちにもみんなにとってもいい思い出を作れるようなライブにします。それでもし興味が出たらライブハウスにも見に来てくださーい!」

 

喜多ちゃんの挨拶で歓声が湧く

 

「それじゃあ1曲目聞いてください!結束バンドで忘れてやらない!」

 

虹夏のスティックのカウントによりギターとベースが入り曲がはじまる

 

ノリのいいギターのメロディとそれを支えるベースと曲の基本的なビートを刻むドラム

 

そしてひとりの作詞した歌詞が混ざり1つの作品として成立している

 

「こんなこともあったってー!笑ってやんのさ!」

 

そして曲が綺麗に終わる

 

歓声が上がり盛り上がる

 

「ありがとうございました!1曲目忘れてやらないでした!」

 

「うわ〜!前よりみんなカッコイイー!サイコー!」

 

「姉ちゃんテンション高いな」

 

「あったりまえよ!ひとりちゃんたちの大きいステージなんだから!」

 

「それもそうか。ひとりのやつこんな大人数の前でも演奏できるようになっ、ん?」

 

ひとりが不安そうにペグを回している

 

まさか、

 

「それじゃあ次の曲の前に、結束バンドのリーダー、ドラムの伊地知虹夏先輩です!」

 

「みなさーん初めまして!盛り上がってますかー?」

 

虹夏の問いかけに歓声が上がる

 

「割と盛り上がってんな」

 

「ですねー。でも、ぼっちちゃん」

 

ひろ姉が真面目に見る

 

ギターに詳しくないおれでもあれくらいはわかる

 

おそらく、

 

「え〜うちのベースの山田リョウいわく、結束バンドはMCがつまらないそうでして、どの口がーって思うんですけどおもしろいトークできるようになるまでライブ告知だけにしときますね〜ってまだ次のライブの予定はないんですけどもし気になる〜って人がいたら喜多ちゃんやギターのぼ、後藤ひとりちゃんに声かけてください!」

 

後藤家、嬉しそうだな。なおきさん泣いてるし

 

それはそうと、

 

「それじゃ次の曲いこっか!」

 

「はい!それじゃあ聞いてください!2曲で星座になれたら!」

 

同じくスティックのカウントで曲がはじまる

 

この曲のタイミングでか

 

おそらくあれはギターの不調だろうな。このライブ中に問題が起きなければいいが

 

いや、すでにチューニングがズレているのか

 

まだそれだけならどうにかなるかもしれないが

 

弦が持つか...

 

ひとりの顔を見ると不安そうに弾いている

 

ひとり自身も気づいてるな

 

その瞬間、1弦が切れた

 

「おいおいマジか...」

 

クソ、これは助けたくてもできねぇ

 

一旦曲を、いやそんなことできるわけねぇ

 

さらにペグが壊れてしまった

 

あれじゃあソロが、クソ!

 

ひとりが絶望したような顔をしている

 

すると喜多ちゃんがそれに気づいたように段取りにないひとりのギターソロをバッキングなり弾く

 

喜多ちゃん...

 

「あっ」

 

湊はひとりの言葉を思い出す

 

「兄さん!私、がんばるよ!」

 

ひとり、見せてみろ

 

お前の強い姿を!

 

ひとりはひろ姉の空のカップ酒をひろいボトルネック奏法をする

 

「この土壇場でボトルネック奏法とか普通やるかー?」

 

「あれならチューニングずれてても関係ないもんね〜」

 

「よくわかんないけどひとりちゃんカッコイイよー!」

 

「カッコイイぞお前ら」

 

そして曲が終わり歓声が上がる

 

見えてるかひとり。お前は成長してるんだ

 

「あ〜えっと、ほんとは続けて最後の曲いくとこなんですけど、これだけ言わせてください!今日はほんとうにありがとー!この日のライブをみんなが将来自慢できるくらいのバンドになりまーす!」

 

「ほら!後藤さん一言くらいなにか言わなきゃ!」

 

「え?」

 

喜多ちゃんがマイクをひとりに持っていく

 

「あ、え、なにかおもしろいこと、なにかおもしろいこと」

 

ひとりがひろ姉を見る

 

「おい、なんかやばい気がするぞ」

 

「え?湊どしたの?」

 

次の瞬間、ひとりは走り出した

 

「まさか、ひとりのやつ!」

 

ドスン!

 

そう、ひとりは客に向かってダイブした

 

だが、床に落ちた

 

「きゃー!後藤さん!?」

 

「ぼっちちゃん大丈夫!?」

 

「お前は伝説のロックスターだ!」

 

リョウが笑いながら言う

 

「てめぇは少しは心配しろ!」

 

「ぼっちちゃんさいこ〜!」

 

「少しは心配しろ!」

 

湊と星歌が同じことを言う

 

「ほんとだよ!」

 

「ひとり!?大丈夫か!」

 

「うちのお姉ちゃんがすみません...」

 

「ああ〜いえいえ」

 

「完全に気絶してるな」

 

「と、とにかく保健室に運ばないと!」

 

「虹夏たちは片付けしてくれ。ひとりはおれが連れてくから」

 

「ありがとう。じゃあまた後でね!」

 

「あぁ」

 

よっこいしょ

 

ひとりには悪いけど運びやすいようにお姫様抱っこで連れてくか

 

「ご、ごめんね湊くん」

 

なおきさんが謝る

 

「いえ、これくらい大丈夫ですよ」

 

「お姉ちゃんずるい〜」

 

「ふたりはまた抱っこしてやるからな」

 

「約束だよ!」

 

体育館から離れ廊下を歩く

 

「まったく無茶しやがって。お前はいつも極端なんだよ」

 

それにしても気絶してるのにいい顔で寝やがって

 

保健室につきベッドに寝かせる

 

「少し怪我してるな。手当だけしとくか」

 

ひとりの頬を消毒しガーゼを貼る

 

「これでよし、と。強くなったなひとり」

 

頭を撫でる

 

その後、無事文化祭も終わりひとりも目が覚めた

 

「ごとうさ、ひとりちゃん!」

 

そんな声が聞こえると保健室から喜多ちゃんが出てきた

 

「よっ、ひとり起きたか?」

 

「はい!お兄さんもひとりちゃんと話してくださいね!」

 

喜多ちゃんはそう言って走っていった

 

「喜多ちゃん、名前で呼ぶようにしたのか」

 

ガラッ

 

入るとすでにひとりが起きていた

 

「あっ、兄さん」

 

「怪我は大丈夫か?」

 

「うん。大丈夫」

 

「それにしても喜多ちゃんよく頑張ったよな」

 

「う、うん。私のせいで、あんなことに...」

 

「バーカ、あの土壇場であんな芸当。なかなかできねぇよ。ひとりもそれだけ成長したってことだ」

 

「そ、そうかな?えへへ」

 

「あぁ」

 

「あ、あの兄さん」

 

ひとりがもじもじしながら聞く

 

「あの、最後の曲って」

 

「あ、あぁ。あれはその、まぁ、ひとりに向けてだよ。お前にはいつも感謝してるし」

 

「えへへ、ありがとう兄さん」

 

兄さんが私のために書いてくれた歌。宝物だよ〜///

 

「あのな、ひとり。その、お前がいたからおれはここまで来れた。お前がいたから今があるんだ」

 

「わ、私こそ、兄さんがいなかったら、成長できてないよ?兄さんがいたから、今の私があるんだよ?」

 

「そうか。おれは、そんなひとりのことが、そ、その、」

 

に、兄さん!?まさか、私、今から、こ、こ、こく、

 

「ひとりのことが、す、す」

 

ガラッ

 

「湊。喉かわいたからお金貸して」

 

リョウが急に入ってきた

 

「や、や、」

 

「湊、のどが、」

 

「山田ァァァ!」

 

「わー」

 

結局伝えきれず虹夏たちと合流

 

「あ、ぼっちちゃんたち来た。あれ?リョウそのタンコブは?」

 

「ジュース飲みに行ったら出て来た」

 

「なにそれ?」

 

「ほら、お前ら行くぞー」

 

星歌さんが言い歩いていく

 

「はーい!」

 

喜多ちゃんが返事する

 

「ったくリョウのやつ」

 

クソ、あんなとこ終わったからひとりの顔見れねぇ

 

に、兄さん勇気出してくれたんだよね。な、ならわ、私も、で、でも、私から告白するのは絶対無理!どうすれば、あ、が、がんぱれ私!

 

えい!

 

ギュッ

 

「ひ、ひとり?」

 

ひとりは湊くんの手を握っていた

 

「に、兄さん、その、あ、ありがとう」

 

緊張しながらも笑顔で伝えた

 

「おれもだ。ありがとう、ひとり」

 

2人は、みんなに内緒で打ち上げ場所まで手を繋いだ

 

 




まだ続くよー
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