数日後
「はぁ」
「後藤さんここはどうすれば?」
「え、えっとここは」
おれの目の前にはひとりにギターを教えてもらう喜多ちゃんと喜多ちゃんにギターを教えるひとりの姿
「喜多ちゃんスタジオに呼び出して何かと思ったら」
「だって後藤さんはお兄さんがいれば安心するってリョウ先輩が言ってたんですもん」
「あのやろう」
「ご、ごめんね兄さんわ、私のせいで」
「いや別に嫌とかじゃないが。メンバーじゃないおれがいても邪魔だろ」
「そんなことないですよ!お兄さんがいれば後藤さんも安心できますし、すたっ、おほん。私たちも色々と助かるので!」
「今スタッフって言おうとしたろ」
「そ、それでね後藤さん」
「は、はい」
「後藤さんも歌ってみたらどうかなって思うの」
「...む、無理です絶対!ムムムムムムムムムムム」
そんなに首をふるな
ガチャ
「いいねそれ。新しいギターパフォーマンス?」
「先輩これ好きですか!なら私も練習を!」
「しなくていいそんなこと。さ、みんな揃ったし向こうに集合ね」
「それじゃあバンドミーティングをはじめるね!はい拍手!」
パチパチパチ
「だからなんでおれが参加させれてるんだよ」
「まぁまぁ固いこと言わないでよ湊くん」
「湊がいればご飯が食べれる」
「お前は人の金と腕をあてにするな」
「湊くんはしばらくぼっちちゃんの保護者ということで。さて本日の議題はこちら!より一層バンドらしくなるには!」
ざっくりしてんなー
ざっ、ざっくりしている
「はぁ。悪いがおれは結束バンドのメンバーじゃない。バンドの方針はお前らで決めてくれ。手伝えることならやってやるから。じゃあな」
「あ、ちょっと〜」
「湊やっぱり変」
「何かあるんでしょうか」
「に、兄さん」
おれの一言でバンドの方針が変わることだってありえる
「と言っても暇だな。久しぶりにスタジオでも入るか」
スターリーのスタジオに1人で入りドラムを叩き始めた
(やっぱりこの曲は楽しいな。あとは、ここでシンバルを入れて終わり!)
1時間ほど叩いていた
パチパチパチ
「おー湊くんやるね〜」
「湊普通に上手いね」
「お兄さんカッコイイです!」
「に、兄さんカッコイイ」
結束バンドの4人が見ていた
「お前らなんで」
「いやー実は会議がさっき終わって」
「そうかいそうかい。じゃおれは帰る」
「ちょ、ちょっと待ってよ〜」
「あっお兄さん!ほら後藤さんからも何か言って?」
「あ、え、えと、兄さん!」
「なんだよ」
「も、もう少し一緒にいたい」
「はぁわかったよ。なら聞くだけ聞く」
かくかくしかじか
帰り道
「ひとりが作詞ね〜。できるのか?」
「い、一応前に書いてたことある」
「ならそれ見せ、」
「それはダメ!」
「んだよ。ま、何か困ったことあったら言ってくれ。じゃあな」
「あ、に、兄さん!」
腕を掴まれた
「ん?」
「あ、明日は予定あるの?」
「土曜は何もないぞ?」
「じゃ、じゃあ、えと、そ、その、」
「なんだよ」
「きょ、今日、う、ウチにと、泊まらない?」
「は?」
「や、やっぱり嫌だよね。冗談なんて〜」
「嫌とかじゃないけど、いやひとり俺たちも年頃の男女だしあまり家に男を呼ぶのは、」
「はっ!ち、ちが、そ、そういうのじゃなくて、お母さんたちがよ、呼びなさいって」
「それならまぁいいけど。じゃあ着替えとか取りに行くから少し待っててくれ」
「う、うん」
ひとりの家に泊まるの小学生以来だな
準備をしてひとりの家に向かった
「ただいまー」
「おかえりー」
「お邪魔します」
「湊くんいらっしゃい。今日はゆっくり休んでいいからね」
「いえこちらこそお世話になります」
「あっ!湊お兄ちゃんだ!」
「よっふたり。今日は泊まるからよろしくな」
「そうなの?やっぱりお姉ちゃんとつきあ、」
「ふっふたり!」
ひとりが口を抑える
「湊く〜んご飯食べてね」
「いただきます」
おれは後藤家の皆さんとご飯を食べた
「湊くんは今彼女とかいるのかい?」
「いやいないですけど」
「それならひとりを!」
「お、お父さん!?」
「あら〜湊くんなら安心できるわね」
「お、お母さんまで!?」
「ひとりが良いなら考えます」
「に、兄さん!?」
「なーんてな」
「も、もう!」
「やっぱりお姉ちゃんつきあ、」
「ふたり!」
その後お風呂に入ったが、ふたりが入ったりして大変だった
ひとりの部屋
「なんだこれ」
おれとひとりの前には布団一つに枕が2つだった
「お、お母さん!」
「だって〜布団が家族分しかなかったからー。それに湊くんなら大丈夫よ!」
ひとりの母はそう言って消えてった
「ひとりのお母さんってあんなんだったけ」
「う、うぅ。兄さんごめんね」
「いやいいけど。おれはその辺でテキトーに寝るからひとりは布団使え、ば?」
ひとりに腕を掴まれていた
「そ、それだとに、兄さんが風邪ひいちゃう」
「自分で風邪ひこうとしたのはどこのどいつだ」
「だ、だってあれは、そ、その」
「仕方ないか。じゃあ寒いしさっさと寝るぞ」
2人で布団に入った
「ね、ねぇ兄さん」
「ん?」
「ありがとう。私のために、結束バンドのために動いてくれて」
「気にすんな。おれにはこれくらいしかできないからな」
「ねぇ兄さん。兄さんはバンドやらないの?」
「...おれはもうバンドはやらないんだ」
「もうって、前はやってたの?」
「あぁ。中学2年から高校1年までな。でも、辞めた」
「なんで辞めたの?」
「メンバーのことが信じれなくなったからかな。でも、結束バンドを見てて応援したくなってるのは本当だから。ひとりは結束バンド頑張れよ」
「兄さんありがとう」
「さてそろそろ寝るか」
「あ、あの兄さん」
「ん?」
「え、えっとこ、こっち見て寝てくれない?」
「あ、あぁいいけど」
ひとりの方を向くと顔が目の前にあった
「逆に寝れない気がする」
「そ、そうだよね。ご、ごめんね」
「いや今日はこれで寝る。ひとりおやすみ」
「うん兄さんありがとう。おやすみ」
翌朝
「あらあら。湊くんがもらってくれるのも意外とすぐかしら」
湊の胸に顔を埋めて寝るひとりとひとりを抱きしめて眠る湊の姿があった