路上ライブから少し経過し夏休みとなった
「せっかくの夏休み。兄さんを遊びに誘おう。うん。じゃあ早速」
兄さん。良かったら明日出かけれないかな?
ロインを送った
「うん。私なんかとじゃ嫌かもしれないけどせっかくの夏休みだからね」
ピロン
「あっ返ってきた!」
悪い。明日用事があってな。また今度行こう
「だ、だよね。あははは...」
チーん
「おかーさーん。お姉ちゃんがピクピクしてる〜」
翌日 下北沢
「結局自主練になっちゃった。でも、兄さんまた今度って言ってくれたしまた遊べるよね」
「ほらー湊〜はやく来なってー!」
「だから待てって!」
あれ?兄さんの声?
ひとりは気になり声のする方を覗いた
そこには湊を先導する見知らぬ女性とそれについていく湊の姿
「へ?」
スターリー
「みんなお疲れー。あれ?ぼっちちゃんは?」
「あそこ」
リョウが指さす方向には隅で体育座りするひとりの姿
「ぼっちちゃんどうしたの?」
「あ、あ、いえ、な、なんでもないです。練習しましょう」
「ちょっとぼっちちゃんそれギターじゃなくてリョウだよ!」
「へ?」
ひとりはリョウをギターのように持とうとした
「後藤さん。どうしたんでしょうか」
「いつもならすぐに戻るんだけどな〜」
「まさかぼっちに弄ばれるもは...」
「なんで少し落ち込んでる」
「ねぇぼっちちゃん何かあったの?」
「後藤さん!私たちにできることならなんでも言って!仲間でしょ?」
「うん。ちなみに相談料は」
「おいそこお金取るな」
「わ、わかりました。じ、実は、」
「「「えーっ!?」」」
「み、湊くんに彼女!?」
「か、彼女かはわからないんですけど。綺麗な女性の人と歩いてて...」
「ねぇ。湊くんてぼっちちゃんが好きなんじゃないの?」(小声)
「えっ?お兄さん妹のことが好きなんですか?」(小声)
「え?喜多ちゃん湊くんは実の兄じゃないよ?」
「そ、そうなんですか!?わ、私てっきり苗字が違うから複雑な家庭かと...」
「ついに湊にも春が来た」
「ぎゃふっ!」
「こらリョウぼっちちゃんにトドメ刺さないの!」
「ふがあっ!」
「伊地知先輩もですよ...」
「と、とにかくじゃあ調査する必要があるね!」
「調査ですか?」
「だってこんな状態じゃ練習にも身が入らないし。私もその人気になるし!」
「確かに、湊に慰謝料請求できて資金にも余裕ができる」
「マネージャーに慰謝料請求してどうするの」
「み、みなさん良いんですか?」
「もちろん後藤さんのためだもの!」
キターン!
「ぐわっ!」
「なら早速探しにレッツゴー!」
「いや練習しろ」
下北沢周辺
「このあたりで見たんだよね?」
「は、はい」
「みなさんあれ!」
「はぁ疲れた」
そこにはベンチに座る湊の姿
「女の人はいないね」
「もう帰ったんじゃない」
「湊ー!はい!」
すると湊の所にソフトクリームを持った女性があらわれた
「ほんと甘いの好きだな」
「ええ〜いいじゃーん」
「や、やっぱり兄さんあの人と...」
「あぁ〜ぼっちちゃんまだわかんないから!ひとりの世界にいかないで〜」
「あっ動いた」
「ほら後藤さん行くわよ!」
「今度は、服屋ですね」
チラッ
「これとか湊に合いそうね」
「別になんでもいい」
「何言ってんのー!私の隣歩くんだから良い服着なさい」
「いや別にこのままでも...」
「はい着た着たー」
「なんか良い感じだね」
「うん。彼女って感じ」
(や、やっぱりあの人が兄さんの彼女...てことは私は、)
「ひとりこの人と幸せになるからじゃあな!」
(それで、メジャーデビューもできずにずるずる行ったら廣井さんみたいにお酒ばっかり飲んで人生終わるんだー!)
「ああああああああぁぁぁ!」
「ん?」
「後藤さん声大きい!」(小声)
「ご、ごめんなさい」
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
「あぁほらほら行くよ!」
「この服良い」
「リョウ先輩行きますよ!」
「今度はファミレスだね」
「というか私たち怪しまれないでしょうか?」
「大丈夫。変人のふりをすれば」
「それはリョウだけだよ」
「はい湊あ〜ん」
「やめろよ恥ずかしい」
「良いから食べなさい」
「はぁわかったよ。あむ」
もぐもぐ
「おいしい?」
「そりゃあな」
「あれは完全に付き合ってる」
「で、ですよね。兄さんカッコイイですもんね」
「ご、後藤さんまだわからないから!」
「いやあれは完全に、」
「リョウ!」
「はぁ」
「どうしたの湊?」
「ちょっと待ってろ。おい結束バンド出てこい」
「ぎくっ!」
「湊ひどい!私というものがありながら!」
ギュッ
リョウは湊と腕を組む
「離せ!この変人!」
「ちょ、リョウ!」
「お兄さん!ひとりちゃんに謝ってください!」
「喜多ちゃんも言い過ぎ!」
「はぁ?お前ら何言って...」
「に、兄さん」
「お、おうひとり。悪かったなこいつとの先約があって」
隣に指をさす
「は〜い先約でーす!」
「そ、そうだよね。彼女さんが優先だよね...」
「は?彼女?」
「湊くんその人は彼女さんじゃないの?」
「お兄さん!」
「いや、こいつおれの姉ちゃんなんだけど」
「「「「へ?」」」」
「だから姉ちゃん」
「はい!湊の姉です!」
「「「「えええええっ!?」」」」
「ご、ごめんなさい!勘違いしちゃって」
「いいよ喜多ちゃん」
「私は最初からわかってた」
「元はと言えばリョウが彼女って言ったんじゃん。それにしてもまさか湊くんのお姉さんとは」
「し、知らなかった。兄さんにお姉さんがいたなんて...」
「は〜い!湊の姉の鳴上雪です!」
「今日は姉ちゃんが帰省してたから久しぶりに2人で出かけてたわけだ」
「ひとりちゃんは覚えてないか〜」
「え?」
「ひとりちゃんが小さい頃に1度だけ会ったんだよ?」
「あ、あのすみません...」
「しょうがないよ1回しか会ってないからね〜」
「姉ちゃんいつ帰るんだ?」
「うーん。来週には帰るかな〜」
「雪さんはどこから帰ってきたんですか?」
「アメリカだよ〜」
「アメリカ!?」
「な、何のお仕事をしてるんですか?」
虹夏と喜多ちゃんが聞く
「私はね、ファッションデザイナーとしてアメリカで働いてるんだ〜yukiって名前でね」
「あっ知ってます!最近すごく話題になってますよね!」
「まだまだ勉強中だけどね〜」
「お兄さんなんで教えてくれなかったんですか!」
「いや別にいいだろ。聞かれなかったし」
「湊。服期待してる」
「自分で買え」
「あっじゃあライブ見に来てくださいよ!」
「ライブ?」
「こいつらのバンド、結束バンドのライブが来週にあるんだよ」
「ひとりちゃんも入ってるの?」
「あ、は、はい」
「湊は?」
「おれは入ってねぇよ。ただ虹夏に脅されてマネージャーやらされてる」
「ちょっ!?脅してないよ!」
「冗談」
「湊くんね〜」
虹夏がジト目で見てくる
「でも、こいつら人の心に問いかけるような良い演奏をするから姉ちゃんも見てて損は無いぞ」
「兄さん...」
「いや〜なんか照れるな〜」
「私は、わかってた」
「お兄さんって急に褒めるから調子狂いますよ〜」
「ふーん。よし!湊がそこまで言うなら見に行こうかな」
「毎度あり。じゃあ1500円」
「いや封筒出すのはや!?」
「甘いな虹夏おれはマネージャーだぞ?」
「しょうがないわね〜はい」
「確かに」
「じゃあ雪さん湊くんぼっちちゃんまたね〜」
虹夏とリョウと喜多ちゃんは帰って行った
「おう。またな」
「ん〜おもしろい子たちだね」
「変わってる奴ばっかだよ」
「じゃ、じゃあ私も、」
「ならひとり駅まで送る」
「あ、ありがとう兄さん」
「あっ湊喉乾いたから何か買ってきてくれない?」
「はぁ。わかったよ」
湊はコンビニに向かった
「ねぇひとりちゃん」
「は、はい」
「ひとりちゃんって湊のこと好きでしょ?」
「ひぇ!?ど、ど、どうしてですか...!?」
「見てたらわかるよ〜」
「あ、あ、そ、そうですか...」
「私はね、湊がバンドを辞めた理由も知ってるし湊がどんな性格かもわかってる。だから湊がまたバンドに関わろうとしてるなら止めたいとも思った」
「...」
(そうだよね。兄さんはあぁ見えて1人で抱え込む人だから)
「でも、ひとりちゃんがいるバンドでよかった」
「え?」
「ひとりちゃんや虹夏ちゃん、リョウちゃん、喜多ちゃんに対する反応見てれば楽しくやってるんだってわかるよ。それに湊も皆のこと好きだと思うよ?特にひとりちゃんのことはね。ひとりちゃんは湊のことどう思ってるの?」
「わ、私ですか?え、えっとに、兄さんは」
ひとりは湊のことを思い出した
「に、兄さんは、小さい頃から優しくて引っ越してからも定期的に会ってくれて今は結束バンドや私のことも支えてくれる、だ、だ、大好きな兄さん、です」
「うんうん!良かったひとりちゃんの本音聞けて!なんかひとりちゃんだけは特別な感じがするなと思うよ〜お姉さんはね。だからさ頑張りなよひとりちゃん!」
「は、はい!」
「おーい買ってきたぞー」
「ほらひとりちゃん。まずは、湊と近づかないと」(小声)
「へ!?い、今ですか!?」
「ほらほら!」
ひとりの背中を押す
「どうしたひとり?」
「に、兄さん!」
「お、おう」
「わ、私ライブ頑張るから!」
ギュッ
「あ、あのひとり」
「え?」
「手」
見ると勢いのあまり湊の手を両手で握っていた
「はわわわ!ご、ごめんなさい!」
「いや良いけど」
「あーっと私用事を思い出した!じゃあ湊ひとりちゃんを駅まで送るんだよー!じゃねー!」
「あっおい!行っちまった」
「わ、私たちも行こっか。兄さん」
「じゃあこのまま行くぞ」
「え!?い、いや私なんかと手繋いでるとこ見られたら兄さんが...あう!」
軽くチョップ
「バカ。おれがそうしたいだけだ。ほら行くぞ」
「あっ、う、うん」
兄さんの顔赤かったような
鳴上 雪 (なるかみ ゆき)
24歳 湊の実の姉。かなりの美人でありナンパされることもしばしば
yukiという名義でファッションデザイナーとして活動中。普段はアメリカで働いている。