翌日、練習前にシリウスは取り巻き全員を集める。
シリウスの取り巻きA「シリウス様の取り巻き全員集合って、何事でしょうか。」
シリウスの取り巻きB「分からないけど、行けば分かるよ。」
シリウス「静かに。今日は私から重要な話がある。この前からお前の言葉が引っかかった。」
シリウスの取り巻きA「え、えーと、『自分が何も残せずにこの学園を去るというのは嫌だな』ですよね。」
シリウス「そうだ。それで、何か打開策がないかと調べたら、グランドライブという方法があったので、全員を集めた。」
「「「グランドライブ?」」」
シリウス「そうだ。まずは手元の資料を見ろ。何をするかが分かるはずだ。」
読んでいくうちに、取り巻き達の顔色が変わる。
シリウスの取り巻きA「これ、私達全員が踊れるチャンスですか!?」
シリウス「そうだ。」
シリウスの取り巻きB「しかもシリウス様と一緒に!?」
シリウス「やり方次第では可能だ。」
シリウスの取り巻きC「夢みたいです!」
ざわめきが大きくなる。
シリウス「静かに。さて、ここからが問題だ。かつてのグランドライブは、生徒達が独自に行っていたため、ウイニングライブに取って代わられた。だから今度は、それが起きないように、ウイニングライブとは独立したライブとして確立する。」
シリウスの取り巻きA「それって、ウイニングライブを再度グランドライブにするということですか?」
シリウス「それは違う。ウイニングライブはウイニングライブで重要だ。勝者は称えられるべきだからな。だがグランドライブの精神が廃れては、レースが持続しなくなる。だから、両方やるということだ。」
シリウスの取り巻きA「それって、生徒会の方は何か知っているのですか?」
シリウス「いや、何も話していない。これは生徒会の力を借りずに、私達の力で学園やURAに働きかけて実現する。後は分かるな?」
それを聞いて頷く一同。ルドルフとシリウスの確執は知っており、一泡吹かせるのが目的なのは明確である。
シリウスの取り巻きA「そうと分かれば、直ぐにでも動きたいですが…。」
シリウス「慌てるな。既に手は打ってある。」
シリウスの取り巻きA「どうするのですか?」
シリウス「私の取り巻きで学園を去った者に、片っ端からメールを流しておいた。使えそうな材料があれば、直ぐにその内容を連絡するようにとな。」
シリウスの取り巻きA「上手く行くと良いですけど…。」
シリウス「どうやらその心配はなさそうだ。これを見ろ。」
シリウスの取り巻きA「えっと…、本当ですか!?『グランドライブ復活を画策するプロデューサーウマ娘を知っている』って!?」
シリウス「明日にでも会ってくる。お前達、グランドライブ復活を希望する署名を書いて纏めておけ。交渉に使いたい。」
「「「はい!!!」」」
シリウス「それから、事が上手く運びそうだからって油断するな。このような浮ついた気分の時こそ、事故が起きる。そうなったら折角の計画が流れかねない。凡事徹底を忘れるな。」
「「「はい!!!」」」
その日の夜、シリウスがメールを見ていると、先ほどの件の続きが来た。『話をしたところ、直ぐに会いたい。可能なら明日にでも。』当然、シリウスは明日と返信し、了解が得られたので会うことになる。
◇
翌日、シリウスはプロデューサーウマ娘に会うために、トレーニングを休んで学外に出ていた。勿論、署名を持って。
シリウスの元取り巻きE「いやー、まさか学園を去ってからシリウス様のお役に立てるとは思いませんでした。」
シリウス「こういうときのために、私は普段から周りとの関係を築いているからな。」
シリウスの元取り巻きE「私が在籍していたときも、常々おっしゃられていましたね。」
シリウス「まさか翌日に会えるとまでは思わなかったが。」
シリウスの元取り巻きE「今回は先方の都合が良かったからですが。それにしても、本家との関係が良ければ、今頃はルドルフ様とも…。」
シリウス「それ以上は言うな。向こうが頭を下げない限り、私は今の状態を変える気はない。」
シリウスの元取り巻きE「そうでしたね。さ、着きました。ここが、私が話したプロデューサーウマ娘、ライトハローさんのいる事務所です。」
シリウスが待っていると、ライトハローが出てくる。
ライトハロー「初めまして。プロデューサーをしているライトハローです。貴方がグランドライブ復活を画策しているトレセン学園の生徒さんですか?」
シリウス「その通り。シリウスシンボリだ。よろしく頼むよ、ライトハローさん。」
ライトハロー「こちらこそよろしくお願いします。それで、この事は学園には話したのですか?」
シリウス「いや、最初は昔通り我々の独自行動にする。ウイニングライブだけで十分という人間もいるだろうから、実績を作るのが先だ。」
ライトハロー「分かりました。それでは、どれくらい賛成者がいるかアンケートを…。」
シリウス「その必要はない。」
ライトハロー「といいますと?」
シリウス「これが、私の意見に賛成した者達の署名だ。」
ライトハロー「こ、これって、数百人分じゃないですか!?トレセン学園の在籍生徒の半分近くですよね!?こんなにも希望者がいるなんて…。」
シリウス「そうだ。ところで、その口振り、貴方はトレセン学園のOGということで良いかな?」
ライトハロー「ええ、そうです。」
シリウス「何か訳ありじゃないのか。」
ライトハロー「…。そうですね。少し、昔話になりますが、良いですか。」