朽木家の次期当主   作:赤いUFO

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ルキアと朝緋の関係は井上兄妹が近い感じ。
昔のアニメOPで黒猫の夜一が砕蜂の刀を口でへし折ってるの凄くね?



中篇

「どうしてあそこにルキアねえさまの写真がかざってあるのですか?」

 

 朝緋に物心がつき始めた頃にそう訊いてきた事があった。

 仏壇に私に似た女性の写真が飾られてあるのに疑問だったのだろう。

 

「この方は私ではないよ。緋真様……朝緋、お前の母上だ」

 

「かあさま?」

 

 母を知らない朝緋は租借するようにかあさまと繰り返す。

 

「ルキアねえさまに似てますね」

 

「そう、だな……」

 

 自分が朽木家に拾われた理由を言われて曖昧に笑う。

 しかし次に朝緋は意外な事を口にした。

 

「はい。特に笑ったお顔がそっくりです」

 

「は?」

 

 確かに顔の作りが似ているのは認めるが、私は緋真様みたいに柔らかく笑ってたりはしないだろう。

 私の困惑を察したのか、朝緋は同じ言葉を繰り返す。

 

「似てますよ、とても」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朽木朝緋は旅禍と思われる黒猫を相手に斬魄刀を抜いて瞬歩で近付く。

 振り下ろした刃は余裕で避けられ、追う形で斬魄刀を振るうが全て黒猫の俊敏な動きに避けられる。

 

(遊ばれてる)

 

 朝緋の斬撃は容易く躱され続けてる。

 

「どうしたどうした! その程度では儂を捉える事は出来んぞ?」

 

 挑発するように笑う黒猫に朝緋は強く踏み込んで跳躍から落下する黒猫に刃を振る。

 黒猫は空中で進路を変えて朝緋の腕へと着地しようとした。

 

「囀ずれ────雷鳥丸」

 

 斬魄刀の解放。

 すると黒猫が着地しようとした腕からバチッと音が鳴り、その小さな体を弾いた。

 

「っ!?」

 

 四本の足で瓦の屋根に着地する弾かれた黒猫。

 朝緋を見ると、彼の斬魄刀と体にチッチッチッ、という音と共に電気を纏っていた。

 

「中々、面白そうな斬魄刀じゃの」

 

「……」

 

 黒猫の言葉に反応を返さずに雷鳥丸を構える。

 雷鳥丸は雷を纏った刃で切断力を上昇させ、体に纏った電気は触れられた箇所に力が集中して敵を弾く攻防一体の斬魄刀である。

 無言のまま再び斬りかかる。

 すると黒猫は先程の比ではない速力で朝緋の視界から消えた。

 周りを見回すと、朝緋が立つ位置より高い屋根の上に黒猫がいた。

 

「すまぬが、儂も暇ではないのでな。長々と遊んでやれんのじゃ」

 

「待ちなさい!」

 

 逃げようとする黒猫に鬼道で止めようとする。しかし黒猫は言葉を残していった。

 

「我らの目的は朽木ルキアの救出じゃ」

 

「!?」

 

「あの者が大事なら、不用意な行動はするな。お主にとって、悪いようになりはせん」

 

 そう言ってこの場を去る黒猫。

 入れ替わるように一番隊の隊員達がやってくる。

 

「朽木五席!」

 

 朝緋の傍に寄って膝をつく隊員達。

 

「すみません、逃がしてしまいました」

 

 斬魄刀を鞘に納める。

 

「いやー! 旅禍を退けるとは流石は朽木五席ですな!」

 

「あしらわれただけです」

 

 煽てる隊員に朝緋はそう返した。

 実際あの黒猫は攻撃をまったくしてこなかった。

 文字通り遊ばれただけなのである。

 遠くを見つめて霊圧から各所の状況を察する。

 

「霊圧の衝突が幾つか収まりましたね。七番隊の一貫坂四席。十一番隊の斑目三席と綾瀬川五席は旅禍に倒されたようですが」

 

「ま、まさか……!?」

 

 上位席官数名が次々と倒された事実に隊員達が動揺する。

 

「気をつけてください。旅禍達は本当に副隊長や隊長と同等の力を持っているのかもしれません」

 

 朝緋の推測に隊員達の怯えが伝わる。

 

「私達は倒された一貫坂四席の救護に向かいましょう。その方が、四番隊の到着を待つより早い筈です」

 

 怪我の度合いによっては救護が間に合わなくなる可能性がある。

 朝緋は近くに倒れている筈の一貫坂慈楼坊をところへ向かうことにした。

 霊圧が消えた地点へと移動しながら先程黒猫が言った事を考える。

 

(ルキア姉様の救出? 誰が何の目的で?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから旅禍の進撃は進み、阿散井副隊長が敗られ、藍染惣右助隊長が殺害される事件が起き、その後十一番隊の更木剣八隊長や十二番隊の涅マユリ隊長が旅禍に倒された。

 しかし次第に一人、また一人と旅禍達も捕らえられていく。

 特に藍染隊長の殺害の真相を解明する為にも旅禍達を安易に殺害する訳にはいかなくなった。

 旅禍侵入から数日が経過し────。

 

 

 

 

 

 

「やぁ、朝緋。久しぶりだな」

 

「浮竹隊長! お体はよろしいんですか?」

 

「ハハハッ! この非常事態に寝てばかりもいられないさ!」

 

 朝緋の心配に浮竹は快活に笑う。

 しかしすぐに真面目な表情へと変化する。

 

「朽木の事は聞いたか?」

 

「はい……」

 

 朽木ルキアの処刑が明日の正午へと早まった。

 この異例の事態に朝緋は四十六室に説明を求めたが、相手にもされなかった。

 その後も、ルキアを救出する良い方法が思い付かず、悶々として時間だけが浪費している。

 

(もういっそのこと、処刑場に乱入してルキア姉様を拐ってしまおうか?)

 

 そんな事も考えたが、処刑に立ち会う隊長達に取り押さえられるのがオチだと朝緋の冷静な部分が判断する。

 それでも万が一に賭けて────。

 暗い表情の朝緋に浮竹が頭に手を乗せる。

 

「少し、話がしたい。良いか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 双極で処刑される事となった朽木ルキア。

 彼女が処刑される寸前に旅禍である黒崎一護によって救出される。

 黒崎一護は阿散井恋次に朽木ルキアを託し、自身はその場にいた副隊長を完封。朽木白哉との決闘に入る。

 他の隊長達もそれぞれの場所でそれぞれの考えの下で行動していた。

 

 

 

 

 

 

 

「バカ野郎。礼を言うところでもねぇよ」

 

 ルキアを抱えた恋次は一護がルキアを助ける理由を語り終えたところだった。

 

「それじゃあ穿界門に急ぎましょうか、御二方」

 

 突然横から声をかけられて恋次とルキアが横を向く。

 

「朝緋かっ!?」

 

「何故お前がっ!?」

 

 走りながら驚く二人。

 

「地獄蝶の手配は出来てます。ほとぼりが冷めるまで、現世で身を隠しましょう」

 

「質問に答えろ!!」

 

 ルキアに怒鳴られて朝緋は肩をすくめる。

 

「浮竹隊長から提案されたのです。京楽隊長と共にルキア姉様の救出を行うので、その後しばらく現世で身を潜めて欲しい、と。まさか、阿散井副隊長が囲えてるとは思いませんでしたが」

 

「浮竹隊長が……」

 

 一護や花太郎。現世で知り合った人間。

 それに恋次や朝緋。

 自分を助ける為に、こんなにも多くの人が動いてくれている。

 その事に喜べば良いのか、ルキアには未だに判らない。

 朝緋は視線を双極の丘に向ける。

 

「父様は誰と闘っているのですか? 凄い霊圧ですが」

 

 朝緋の疑問に答えたのは恋次だった。

 

「一護だ。現世でルキアが死神の力を渡した人間だよ。あの野郎、ルキアを助けに来たって事は、卍解を修得してきたって事だ」

 

「一護が、卍解を……?」

 

 ルキアが信じられないと言った感じで呟く。

 恋次の横を走りながら、朝緋が話す。

 

「ルキア姉様。父様を恨まないであげてくださいね」

 

「朝緋?」

 

「父様は、ずっと迷ってた。ルキア姉様をどうするべきか。本当は一番ルキア姉様を助けたいのに、四大貴族としての責務と掟に背く事が出来なかった」

 

 朽木家は四大貴族の一つ。全ての死神の模範となるべき存在。

 そんな自分達が掟を破れば誰もそれを護る意味を失ってしまう。

 だからこそ朽木白哉が頑なに掟を護ろうとしているのを知っている。

 

「でも私は、それでも家族が大事だから」

 

 母の居なかった朝緋にとってルキアは姉であり、母に近い存在だ。そんな人が処刑されるのをどうして黙っていられるだろう。

 ルキアを助ける理由など、それだけで充分なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現世へと続く門である穿界門に移動する。

 その道中に意外な人物に遭遇した。

 

「東仙隊長……!」

 

 隊長羽織を脱いだ九番隊の隊長である東仙要が待ち伏せていた。

 最悪だと思いながら斬魄刀に手をかける。

 しかし刀を抜く前に東仙が手にしている布をこちらに向け、それが三人を包む。

 すると違う場所へと転移させられていた。

 

「ここは、双極の丘かっ!?」

 

 そしてそこには────。

 

「ようこそ、阿散井君。朽木朝緋君。朽木ルキアを置いて下がり給え」

 

 殺された筈の藍染惣右助隊長が市丸ギン隊長を連れていた。

 事実を呑み込めない三人に藍染がもう一度言う。

 

「聞こえていない訳ではないだろう? 朽木ルキアを置いて下がり給えと言ったんだ」

 

 逃げた罪人を追ってきたにしては明らかに様子がおかしい。

 恋次もそれを察してルキアを抱える腕に力を込める。

 

「断る!」

 

「……そうか。君は強情だからね。朽木ルキアを置いていくのが厭だと言うなら仕方ない────腕ごと置いていきたまえ」

 

 斬魄刀を抜く藍染。

 しかし、動いたのは朝緋だった。

 

「囀ずれ、雷鳥丸っ!?」

 

 恋次の前に出た朝緋が斬魄刀を解放すると刀をくるりと回す。

 

「破道の五十八"闐嵐"!!」

 

 すると藍染達に向かって雷を混ぜた竜巻が発生する。

 本来、闐嵐は竜巻だけを発生させる鬼道だが、朝緋は雷鳥丸の雷を流すことでより強力な術にして使用している。

 しかし、これで隊長格を倒せると思う程、朝緋は自惚れてない。

 

(でも、手傷くらいならっ!)

 

 竜巻が晴れる。

 市丸と東仙が躱したのは見えた。

 だが、藍染は確実に喰らった筈だ。

 するとそこには刀を抜いて自然体で立っている藍染がいた。

 まるで効いた様子の無い藍染に朝緋が動揺する。

 

(鬼道で防いだ? いや、違う! 霊圧だけで私の闐嵐を掻き消した!)

 

 そんな朝緋の動揺に藍染は一歩前に出る。

 

「何を驚く? 君も知っているだろう? 死神同士の闘いとは、霊圧同士の闘いだという事を。君程度の鬼道など、態々躱す必要すらない。僕の霊圧だけで、防ぎきってみせよう」

 

「────っ!?」

 

 藍染が消え、ルキアを抱える恋次に斬りかかる。

 恋次は斬撃を受け止めつつ後ろに跳んだ。

 しかし、完璧には回避出来ず肩から血が飛ぶ。

 追撃をさせないように朝緋が藍染に斬りかかるが容易く受け止められ、そのまま弾かれる。

 弾かれる瞬間に腹部を斬られた。

 

「朝緋っ!?」

 

 幸い傷は浅く、回道で治療を始める。

 

「上手く躱す。君達の成長が嬉しいよ」

 

 恋次は同期の雛森や吉良と共に霊術院卒業後に藍染が率いる五番隊に配属された経験がある。

 朝緋もそれは同じだった。

 

「だがあまり粘って欲しくないな。潰さないように蟻を踏むのは、力加減が難しいんだ。出来れば元上官として君達を殺したくはない」

 

 藍染の言葉に恋次が歯をギリッと鳴らす。

 

「何が元上官として殺したくないだ! なら何故、雛森を殺した!!」

 

「先程の霊圧の震え、"天挺空羅"か。勇音君だね」

 

 鬼道によって藍染達がこの事件で取ってきた行動が知らされた。

 四十六室に成り代わり、ルキアの処刑を早めていたこと。

 雛森副隊長と日番谷隊長が藍染の手によって重症を負わされたことも。

 恋次の糾弾に対して藍染は笑みを絶やさぬまま語る。

 雛森は自分無しでは生きて行けない。そういう風に仕込んだと。

 だから吉良や日番谷に殺されるように策を労したが、上手くいかず、仕方なく自分で手にかけたと。

 同期が利用されていた事に怒りを覚える恋次。

 朝緋は東仙に問いかける。

 

「東仙隊長……誰よりも死神としての正義を問い続けてきた貴方が、どうしてこんなことを」

 

 藍染の反逆もそうだが、朝緋には東仙がそれに協力している事が信じられなかった。

 数年九番隊に所属し、彼の指導を受けてきた。

 隊を離れた後も、瀞霊挺通信で語られる東仙の考えには共感出来る部分も多かった。

 その彼が何故、死神が築いてきた平和を乱す行為に加担するのか。

 

「……」

 

 しかし、東仙は朝緋と話すことなど何も無いとばかりに答えない。

 その間に、恋次が始解で応戦するが、蛇尾丸の刃は素手で受け止められ、呆気なく破壊された。

 

「阿散井副隊長! 離れて!」

 

 朝緋が刀を持ったまま左手を突き出す。

 

「言った筈だよ。君程度の鬼道など、私の霊圧だけで────」

 

「破道の八十八"飛竜撃賊震天雷炮"っ!!」

 

 大虚が使う虚閃(セロ)に似た光線を放つ。

 

「縛道の八十一"断空"」

 

 しかし朝緋が扱える最大攻撃力を持つ鬼道は藍染の鬼道によって防がれた。

 無理な鬼道を使った朝緋は膝をつくが、藍染は笑みを崩さぬまま驚嘆した様子を見せる。

 

「驚いたな。まさか八十番台の鬼道を扱える程に成長していたとは。実に惜しい。上が古参で占める一番隊でなければ、副隊長の座に就けただろうに」

 

 その場から消え、気づけば恋次の肩を斬っていた。

 

「恋次っ!?」

 

「これが最後だ。朽木ルキアを置いて退がりたまえ」

 

「藍染隊長! 私が……!」

 

「断る」

 

 ルキアの言葉を遮るように恋次が続ける。

 

「黙ってろと言った筈だぜ、ルキア。放さねぇぞ。誰が放すかよ、バカ野郎!」

 

「そうか……残念だ」

 

 藍染の刀が恋次に振り下ろされる。

 鉄と鉄がぶつかる音が響く。

 恋次と藍染の間にはオレンジ頭の死神が割って入っていた。

 

「どうした? 随分ルキアが重そうじゃねぇか。手伝いにきたぜ、恋次!!」

 

 藍染を払うように退かせたのは旅禍の少年である黒崎一護。

 恋次が礼を言おうとすると、一護がからかうような言葉を口にした為、軽い口喧嘩に発展する。

 そこで恋次の胸板に押し付けられて呼吸を止められていたルキアが恋次の顎を一発殴る。

 近づいた朝緋が口喧嘩を止めに入る。

 

「あのー。そんな事をしてる場合じゃないんですけど」

 

 会話に入ってきた朝緋に一護が尋ねる。

 

「いや、誰だよお前」

 

「朽木朝緋。朽木隊長のお子さんだよ」

 

「へ?」

 

 恋次の返答に信じられないモノを見る目を向ける一護。

 

「初めまして?」

 

「なんで疑問系なんだよ。会ったのこれが初めてだろうが」

 

 そこで藍染が再び動く気配があり、三人も意識を切り換える。

 一護がルキアを連れて逃げることを提案するが、恋次も朝緋も拒否する。

 恋次が隙を作る間に一護に藍染を斬るように持ちかけた。

 即興の共同戦線。

 恋次が折れた蛇尾丸を地面に突き立てると破壊された刃が宙に浮かぶ。

 

「狒牙、絶咬っ!!」

 

 宙に浮いた刃が一斉に藍染へと襲いかかる。

 その一瞬に一護が急接近し、藍染に斬魄刀を振るった。

 だが、卍解の一撃は藍染の指に容易く止められ、腹部を斬られる。

 

「おや? 腰から下を斬り落としたつもりだっが、浅かったか」

 

 一護が倒れる間に東仙が藍染の後ろに刃を振り下ろした。

 するとそこには藍染を背後から斬ろうとした朝緋が姿を現し、斬魄刀を持った右腕が斬り落とされた。

 

「阿散井の攻撃の隙に鬼道で姿を隠し、瞬歩で藍染様の背後を取った判断は良かった。しかし────その程度の小細工など我らには通用しない」

 

「っ!? 破道の────」

 

「遅いと言っている」

 

 鬼道で応戦しようとすると左手首を斬り捨てられ、朝緋は蹴り飛ばされる。

 同時に藍染が恋次を斬り伏せた。

 

(肋骨が、肺に刺さって……っ!?)

 

 東仙の蹴りで肋骨を折られ、上手く息が出来ずに血を吐く朝緋。

 ルキアに填められている首輪を掴む藍染。

 まだ意識のある黒崎一護に驚きつつ藍染はこれまでの事を語る。

 ルキアが現世で見つかってから四十六室を殺害して成り代わり、これまで命令を下していたこと。

 一護達の侵入と騒ぎのお陰で隊長一人が死んでも騒ぎにならず、実に動きやすかったと。

 彼の目的は過去、十二番隊の隊長だった浦原喜助が開発した死神と虚の境界を取り払う、崩玉であること。

 浦原喜助はその危険な物質を隠すためにルキアの義骸に細工をしていたことも。

 その途中で七番隊の狛村隊長が介入したが、藍染の鬼道によって容易く無力化された

 同じ隊長格同士でのこの差に、一護は愕然とする。

 話が続き、藍染は自分の死を偽装した後に、浦原喜助の研究を調べ、ルキアの魂魄に埋め込まれた崩玉を取り出す方法を探していた。

 藍染がルキアの胸を貫き、手に乗るくらいの大きさの物質を手にする。

 

「驚いたな。こんなにも小さな物なのか。これが、崩玉」

 

 崩玉を懐に仕舞うと、ルキアを見る。

 

「傷一つないか。素晴らしい技術だ。しかし君はもう用済みだ。殺せ、ギン」

 

「しゃあないなぁ……」

 

 市丸ギンが斬魄刀を抜く。

 

 それを見ていた朝緋は助けようとするが、ゴボッと更に吐血しただけだった。

 

(やめろやめろやめろやめろっ!!)

 

 そんな心の中の叫びが届く筈もなく、市丸の斬魄刀がルキアに向けられる。

 

「射殺せ、神鎗」

 

 伸びた刃がルキアに襲いかかる。

 しかしその刃はルキアを貫かなかった。

 

「兄様……」

 

 信じられないといったルキアの声が響く。

 白哉がルキアを庇う形で市丸の斬魄刀を自分の体で受け止めていた。

 それを見た朝緋は、安堵して目蓋が重くなった。

 ここに近付く多くの隊長格の霊圧を感じて。

 

(遅いんですよ、父さ、ま……)

 

 朝緋の意識はそこで途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

朽木朝緋の霊王宮戦はどっちが良い。

  • ジェラルドと戦闘。
  • ユーハバッハと戦闘。
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