文々。異聞録 ~Retrospective Holy Grail Wars.   作:悠里@

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39.天狗と歩く街

 

 

「デジカメほしいなー」

 

射命丸文は、その言葉だけを繰り返すオウムだった。

烏なのにオウムはどうかと思うが、とにかく同じ台詞しか言わない。

街道を歩く俺の周りをグルグルと回りながら、ずっとプレッシャーを掛けてくる。

 

「ほしいなー、ほしいなー。デジカメほしいなー」

「はあ……」

 

肺の空気をすべて吐き出すような重い溜息をつく。

吐いた息はすぐに白くなって、今日という日の寒さを教えてくれた。

やはり、家電量販店に寄ったのがまずかったと今更ながらに思う。

 

初めのうちは、洗濯機や冷蔵庫などの家電コーナーを二人で大げさに驚いていた。

すぐに買うつもりがないにしても、俺も最新家電には興味がある。

 

「電気圧力鍋……圧力調理以外もできるのか。……いいな」

 

調理家電に目を奪われた隙に、文は一人でデジカメコーナーへと足を運んでいた。

そこで店員に捕まり、気づけばデジカメの接客を受けていた。

アナログカメラを持ち歩いていれば、どう見たっていい鴨だった。烏だけど。

 

「へえええ! 凄いです! 凄いとしか言いようがないぐらい凄いです! 凄い凄い!」

 

その時、新聞記者の語彙力は完全に崩壊していた。

彼女の目は、ショーウィンドウに飾られたトランペットを眺める子供と同じだった。

新聞記者を生業にして、暇があれば常に写真を撮っている少女だ。

現代日本最新のデジタルカメラに興味がないはずはない。

店員もかなりカメラに詳しいらしく、文の持つアナログカメラと比較した説明もしていた。

よりにもよって、接客を受けていたのが超高級なデジタル一眼レフ。

望遠レンズや記録メディアなど、オプション品込みでウン十万はする代物だった。

 

「ISO感度? 数値が高いと暗い場所でも明るく撮れるんですか? この絞り値との違いは?」

 

ブン屋という職業柄、大変な聞き上手であり、店員の接客も熱が入っている。

しかも射命丸文は、大変な美少女な上に愛想もよく、接客する側としても楽しいだろう。

……正直、彼女の居候先の主としては、あまり気が気でない状況だった。

接客が終わった直後、文が目を輝かせて俺のほうまで走ってきたのは言うまでもない。

 

「そんなお金、うちにはありません」

「そんなー」

 

手持ちがないという理由で、文を引きずるようにして店から出た。

あのまま電気屋にいたら、ショッピングクレジットを組まされていただろう。学生だから審査は通らないけど。

 

そして、現在に至る。

 

「デジカメほしいなー」

「……もし買っても、幻想郷じゃ他の機材がないし、印刷もできないだろ」

 

今は後ろ髪を引かれまくりの文を連れて、海浜公園に向かっている。

海浜公園は、深山と新都に二分する未遠川からほど近い。

そこは近辺に娯楽施設が多くて、遊ぶにはもってこいの場所だ。

 

「そこは山の技術者である河童たちになんとかしてもらいます。いえ、むしろさせます。あのデジタルカメラはそれだけの衝撃でした」

 

河童たちが哀れでならない。文に何か弱みでも握られているのか?

 

「それでも駄目だ。俺としても買ってやりたいけど、あの金額は学生である俺には厳しい」

 

切嗣の遺産を切り崩せば何とかなるだろうが、なるべく手をつけたくない。

居酒屋のコペンハーゲンのバイトで貯めた金だけじゃ、どうにかできる額じゃなかった。

だが文は、尚も食い下がってくる。

空気を読んで、引くべきところを弁えている彼女からしたら少し驚きの行動だった。

 

「私は今日この世界に来た目的を見つけました。それはデジカメを手に入れることです。そのためなら清く正しく使うと決めたこの手を汚しても構わない所存。それにほら、どうせ別世界ですしね。ここは立つ鳥跡を濁す精神で行きましょうか!」

 

……あー、どうしよう。

この世界に来た目的がデジカメのためだと言い切ってしまった。

しかも犯罪行為を仄めかす発言までも。……これはもしかして脅されているのか?

 

……というより、新聞のネタは? 聖杯戦争は?

アサシンの前で『この世界で妖怪が生きていた証を残す』と啖呵を切ってたけど、あれはどこまで本気だったのか。

聖杯戦争のサーヴァントを全て倒すと豪語していた烏天狗は、もうどこにもいない。

ここにいるのは、新しいおもちゃを親にねだる子供そのものだった。

考えてみれば、あの時の発言から半日もしないうちにアサシン、ランサー、キャスターが別のサーヴァントに倒されている。

……もうよくわからなくなってきた。本当に何がしたいんだ、この天狗は?

 

「どこかで割のいい仕事ないですかね。私、何でもできますよ? おっ、そこのコンビニで履歴書を買いましょう」

「いや、そもそも戸籍がないだろ……」

 

彼女なら力仕事から接客まで本当に何でもできるだろうが、それでも見た目が中学生だ。

雇ってくれるとしても、彼女も得意な新聞配達が関の山だろう。

しかし俺の複雑な胸中も知らずに、彼女の目はどこまでも本気だった。

もう深く考えないほうが精神衛生上良いかもしれない。何か別のことを考えようか。

 

……そういえば、文は今ここを『別世界』と呼んでいたな。

昨日の朝、この世界が幻想郷の外ではなく、別の世界だと言及していた。

今まで不思議とは思わなかったが、どうやってその事実を知ったのだろうか?

……話題を変えるために訊いてみようか。少しだけ気になったのも間違いない。

 

「話は変わるけど、どうしてここが幻想郷の外ではなくて別の世界だと気付いたんだ?」

「会話に脈絡が無さすぎですよ……」

 

う、ちょっと無理があったか。

会話のキャッチボールで例えるなら、ワイルドピッチをしたようなものだった。

 

「うーん、確かに詳しく説明していませんでしたか……。自分の中で完結していたので忘れてました。ちょっと理解しがたい部分もある上に、それなりに長くなります。それでよければ話しますけど」

「ああ、頼む」

 

デジカメのことを忘れてくれれば、なんだっていい。

 

「ええ、わかりました。それでは――」

 

歩きながらも人差し指を立てて、少し得意げな顔をする。

何か説明する時に人差し指を立てる人がいるけど、どういう意味があるんだろうか?

 

「昨日もお話しした通り、この世界から来た時から既に違和感がありました。空気感や気配、そう言った類ですね。話す言葉、地理、空に浮かぶ星々は同じなのに、感じる空気はどこか違う。外と言っても元々私の住んでいた世界です。たかだか百年ちょっとでここまで変わるものなのか、と。まあ……これは感覚的な話なので、分かり難いと思います」

 

今の説明だけだと、確かにピンと来ない。

感覚の言語化は難しいし、超感覚的知覚の論理的説明になると俺には理解できない。

それと……聞き流しそうになったが、百年を「たかだか」と言ってなかったか?

達観した物腰から見た目通りの年齢ではないとずっと思っていたが、まさかそれは百年単位の話なのか?

それなら、このあどけなさを残す少女の年齢は一体……?

正直に言えば、今の話より文の年齢のほうが気になってしまった。

だけど、話の腰を折るわけにはいかないし、それ以前に女性に年齢を聞いてはいけない。

 

「それは『幻想の無くなった世界』だからと無理やり納得しようとしましたが、それでも違和感を拭い去れませんでした。……そしてこれから話すのは決定的な証拠です。この世界に住む烏からの情報なので、私自身は裏を取ってませんが、ほぼ間違いないでしょう」

 

少し勿体付けた口調からして、これから話す内容が本番だと思われる。

そして射命丸文は、一拍溜めて言葉を吐き出した。

 

「それは、この世界に諏訪大社があることです」

 

あまりにも予想外の言葉だった。

 

「……諏訪大社って総本社の? お諏訪さまだっけか?」

「そうです。日本に住む者なら私たち妖怪も含めて、誰でも知ってるお社ですね」

 

諏訪大社というと、信濃国一之宮として信仰されている長野県の有名な神社だ。

全国に二万にも及ぶ分社があるとされている。

それと、10メートルを超す御柱を急な斜面から落とす御柱祭が有名だった。

 

「その諏訪大社に祀られている二柱の神と一人の風祝が、外の世界で失った信仰を求めて神社ごと幻想入りをされました。神々は人々の信仰を集めなければ、御身の維持ができません。そして、ここが外の世界なら諏訪大社は既に無いはずでした。そのはずなのに、今も現存している。……ただ、幻想入りは曖昧なところもあるので、神を失った神社が形骸的に残っているだけかもしれません。蛇足ですけど、幻想郷では諏訪大社ではなく、守矢神社と呼ばれてますね」

 

射命丸文は、いつも以上に饒舌だった。

やはりジャーナリストだけあって、情報を伝えることに関心があるのが窺える。

 

「ですが、ここで神と共に移り住んだ風祝が重要になります。その彼女こそがここが別世界である証明となりました。その風祝の名は『東風谷早苗』と言います。そしてこの世界には驚いたことに『守矢早苗』なる人物が、守矢家の現頭首として実在している。こうも関連した名前の人物が二人いるとは考えにくい。これが決定的でした。……以上から、ここは幻想郷の外ではなく、似て非なる世界に迷い込んでしまったと考えるのが正解でしょう」

 

それだけの物的証拠と状況証拠が重なれば、そう思うのが当然だろう。

 

「私をこの世界に送り込んだ魔女も異世界に飛ぶかもしれないと言ってました。……まさか本当にそうなるとは思ってなかったです。あの萎びた紫モヤシめ」

 

最後に特定の人物を罵って話を締めた。それさえなければ、含蓄のあるいい話だった。

 

「……でも俺は、その魔女に感謝しているけどな」

 

その魔女というのは、いつか文の夢で見たあの眠たそうなネグリジェの少女だろう。

何か持病があるのか顔色は悪かったが、とても可愛い子だったと思う。

 

「へ? なんでです?」

「だって、彼女がいなかったら文に会えなかったってことだろ。俺は文に会えて良かったと思ってる。だったら、きっかけを作ってくれた魔女にお礼を言いたい」

「――――――――」

 

文がほんの一瞬だけ目を見張り、しぱしぱと瞬きをする。

 

「………………あなたは本当に天然のたらしですね」

「? なんか言ったか?」

 

文にしては珍しく歯切れが悪く、うまく聞き取れなかった。

 

「べつにー。なんでもないですよー」

 

文は誤魔化すようにそっぽを向いて嘯く。

何か変なことでも言ったのだろうか? まあいいか。

話もなんだかんだ二転三転したし、これでデジカメの件も忘れてくれただろう。

 

「で、今はそんなことよりもデジカメなんですが……」

 

ばっちり覚えていた。

 

 

 

 

それから程なくして、海浜公園に到着した。

 

冬木大橋が見える場所にあるので、ここからなら帰りは歩きやすいだろう。

当初の予定では、総合デパートに足を運ぶ予定だったが、文にこれ以上欲しい物ができると困るので中止した。

まずは、公園の最寄りにあるバッティングセンターに入る。平日だけあって客は殆どいない。

穂群原学園の生徒もいなかったので、不良なのは俺たちだけだった。

 

「文は野球を知ってるか? 集団でやるスポーツなんだけどさ」

「ヤキュウ? うーん、聞いたことがあるようなないような。……でも団体競技ならサッカーを知ってますよ。こう見えて私も大の得意です」

「へえ、サッカーを知っているのか」

 

これは意外だった。

野球は知らないようだが、サッカーを知っているとは。しかも経験者という談。

俺自身は、野球もサッカーもさほど得意ではないが、共通の話題ができると少し嬉しい。

だけど、彼女のような身体能力で試合が成立するのか?

そもそも、サッカーボールが彼女の非常識な脚力に耐えられるのか?

 

……少し野暮な考えだった。

スポーツは道具さえあれば、誰だってルールの上で平等に遊べる。

特にサッカーはボール一つあればいいから、世界中で愛されているスポーツだ。

 

「観客席を焼き尽くす魔砲をボールに込めて放つシュートや、試合中にフィールドを二つに割られると相手が敵だとしても心が躍りますねー」

「…………それってサッカーの話だよな? フットボールの話だよな?」

「ええ、サッカーの話でフットボールの話ですけど?」

 

どうやら俺の知るサッカーとは根本的に別物らしい。

彼女の身体能力なら、この世のものとは思えないサッカーが見られるだろう。

 

「そうそう、いつだったか永琳さんが人工衛星を……」

 

天狗のサッカー談義を聞いていると、これまでの常識が非常識に塗り潰されてしまう。

俺の頭がおかしくなる前に、さっさとのバッティングの準備をしよう。

 

まずはお手本として、俺が先に打席に立った。

バッティングは普段使わない筋肉を使うので、柔軟体操を念入りにしておいた。

聖杯戦争中にバッティングセンターで腰を壊したら洒落にならない。

 

「あの正面の機械からこぶし大の白い球が飛んでくるから、それをこのバットで打ち返すんだ」

「ほうほう」

 

ピッチングマシンから投球されるストレートを打ち返す。

速度設定は120キロ。球種を知っていれば、なんてことのない速度だ。

それに人の投げる球に比べて癖が少ないので、かなり打ちやすい。

 

「おー、反発力の影響でしょうか。面白いぐらい飛びますね」

 

一球目はいい感じに打ち返せた。ここが球場ならセンターフライで1アウトだ。

そのまま続けて、合計10球ほど打ち返していく。

10球のうち7本はヒット性の当たり。久しぶりにしてはそう悪くない結果だと思う。

 

「じゃあ次は文の番だ」

「士郎さんと同じことをやればいいんですね。任せてください」

 

ネット裏に戻って、文にバットとヘルメットを渡す。

 

「私はペンより重い物は持ったことがないので心配でしたけど。……ふむ、意外と軽い。中身が空洞なんでしょうか?」

 

浪人回しのように、腕の上でくるくると金属バットを回している。

流石というかなんというか、初めてバットに触れた人の扱いじゃない。

そしてヘルメットも被ってもらったが、大人用だと大きすぎて顔がすっぽりと隠れてしまう。

 

「……前が見えません。世界は暗黒に閉じられてしまったんでしょうか?」

「ああ、悪い」

「私は深淵に揺蕩う一羽の烏。闇に染まる翼でいつか世界に光を――」

 

暇があると図書館で借りたノベル作品を読んでいるためか、ごく稀に変な言葉遣いになる。

この間も『士郎さんの左腕は暴走しないですか?』と正気を疑う質問をされた。

よたよたと打席へ歩く姿に愛くるしさを感じたが、慌てて子供サイズの赤いヘルメットを渡す。

 

「……闇の世界に囚われるあまりに、三千世界への道が開けそうでしたよ」

「俺のやつだと大きかったな」

「ふふふ。では士郎さんはそこで見ててください」

 

気を取り直すように打席に立つと、数回ほど見よう見まねで素振りをした。

……予想はしていたが、バットどころか振る腕すら見えない。人気がなくて良かったと本気で思う。

 

「では、いつでもどうぞ」

 

バットをブンブンと回しながら構えている。どこの大リーガーだ。

メットの陰に隠れて見えにくいが、文の赤い目が一瞬光ったような気がした。

背筋に言いようのない悪寒が走る。……まずい予感がした。

 

感情のないピッチングマシンに、そんな心の機微が読めるはずもなく。

無情にも、一球目が放たれる。

外角高めのストレート。設定は俺の時と一緒だ。

佐々木小次郎の剣を全て躱した文からすれば、120キロの球なんて止まって見えるだろう。

 

「――――よっと!」

 

その時、今まで聞いた覚えのない破裂音がした。

 

突然だが――射命丸文という天狗の少女は、現代社会に馴染んでいた。

それなりに冗談は言うが、これまで反社会的な行動をしたことは一度もない。

優れた頭脳と優れた情報収集能力で、現代社会のルールを完全に理解していた。

しかし当人は極めて剛胆な性格をしており、あえて空気を読めない言動も見受けられた。

 

そんな大事なことを、なんで俺は今まで忘れていたんだろう……?

 

 

 

あー、バッティングセンターは楽しかったなー。

うん、楽しかった。もう最高だった。俺はもう二度と行けないけど。

出禁を喰らってしまったから、俺はもう二度と行けないけど!

 

「まさか、あんなところやそんなところから煙が出るとは思いませんでした」

「……本当だな。俺もアレから煙が出るなんて初めて知った」

「私も本気でやったらヤバいかなと薄々感じていたんですが……何だか楽しくてつい。……てへ」

「…………」

 

「てへ」ってなんだ。そんなキャラじゃないだろ、このやろう。

 

海に近いからか、塩気のある匂いがした。……潮を含んだ風が、堪らなく気持ちいい。

ああ、もういっそこのまま海に還りたい。還してくれ。

 

「ドンマイです、士郎さん。土下座だけで許してくれてよかったですね」

「……………………」

 

俺の肩に手を乗せる文の笑顔が、目と心に染み入るほど眩しかった。

 

 

 

 

最寄りの喫茶店で軽食を取った頃、太陽がゆっくりと沈もうとしていた。

時刻は夕方の五時に差し掛かっており、二月だけあって日没が早い。

これから先は、聖杯戦争の時間だ。

そして、今夜はイリヤとバーサーカーとの決着がつく。

今日は午後からずっと遊んでいたせいで実感が湧かないが、その時は刻一刻と迫っていた。

 

「……これからどうする? 家に戻ってイリヤが来るのを待つか?」

 

イリヤは、何があっても俺たちを殺しにやって来るだろう。

謝りながらも『殺しに来る』と言っていた。

明らかに歪んでいたが、あの少女が約束を違えるはずがない。

 

「それについてはちょっと考えていたことがあります。……いいですか?」

 

……驚いた。

俺は、文に聖杯戦争の方針を何度か尋ねることがあった。

しかし、彼女から意見を出してくれたのは今回が初めてだった。

彼女のモチベーションがいつもより高いのか。

それとも、バーサーカーはそれだけ油断のならない相手なのか。

口許を固く結んでおり、そこに余裕の笑みがなかった。おそらくは後者だろう。

 

「ああ――文の案を教えて欲しい」

 

俺の言葉に、少女は少し嬉しそうに頷いた。

 

「相手は、あの最強無敵のバーサーカーです。守りに入ったら確実に負けます」

 

守りに入っても無駄なのはわかる。

イリヤの魔力量はマスターの中でも破格であり、疲れ知らずでいつまでも暴れ続けるだろう。

 

「それならば、ここは相手の逆手を取るべきです。何も素直に待ってやる必要はありません」

「それって……」

 

まさか。

 

「こちらから根城に攻め込み――私たちがイリヤさんの虚を突いてやろうじゃないですか」

 

 

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