リリカルに龍があらわる   作:ヒキニックニク

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拾肆

 

 プレゼント交換をして皆で盛り上がっていた店内に緊張が走る

なのはたち魔道士たちはバリアジャケットを身にまといデバイスを構える

守護騎士たちも騎士甲冑をまといはやてを守るように立つ

何故さっきまで楽しいパーティー会場であった店内がこんな緊張感に包まれているかと言うとハクリュウが誤って酒を飲んでしまったのである

何故ハクリュウが酒を飲んでしまったのかと言うと美由希が子供用のシャンパンと間違えて本物のシャンパンをハクリュウに飲ませてしまったのだ

その事に気づいたリインフォースの指示の下結界をはり魔道士たちは臨戦態勢をとったのである

ハクリュウは俯いて立っているため顔が見えない

 

「まったく、大変なことをしてくれたものだな高町姉」

 

いつでも攻撃出来るようにしているリインフォースが言う

 

「お酒を飲ませちゃったのは悪かったけどここまで警戒することなの?」

 

「酒を飲んだハクリュウが暴れればこの海鳴市など地図から消えてしまうぞ」

 

「ええっ!!あんな子供がそんなことできるの!?」

 

「あんな見た目だがこの中ではハクリュウが一番強い。我々なんか簡単に倒されてしまうだろう」

 

「「「ッ!?」」」

 

リインフォースの言葉にハクリュウのことを知らない面々が驚く

そんな中シグナムが提案をする

 

「今のうちにハクリュウを何処かに転移させてしまえばいいのではないか?」

 

「いや、今ハクリュウに向かって魔法を発動したら攻撃されたと思われて暴れ出す恐れがある」

 

「じゃあどうすんだよ?」

 

「最悪ここにいる一般人と我が主だけでも何処か安全な場所に転移させるしかない。湖の騎士頼めるか?」

 

「わかったわ!はやてちゃんと皆さんはこちらに」

 

「転移場所はアースラが安全でしょう。」

 

「母さんそれは!!!」

 

「今は緊急事態です。市民の安全を考えた判断をしたまでです」

 

「そうですが」

 

「もちろん皆さんにはアースラで得た情報は他言無用でお願いします」

 

リンディがそう言うと皆うなずいて了承した

 

「リニス、あなたはアリシアと一緒に行きなさい」

 

「プレシア!!」

 

「大丈夫よ。大魔道士である私がさっさと終わらせるわ!少しの間アリシアを守ってちょうだい」

 

「わかりました」

 

本当は主と共に戦いたいのだが主の願いを聞くのも使い魔のつとめと自分に言い聞かせてアリシアと共に行くことにした

 

「お母さん!」

 

プレシアを呼ぶアリシアは悲しい顔をしていた

 

「大丈夫よアリシア。すぐに迎えに行くからリニスと一緒にいい子にしててね」

 

そう言ってアリシアを優しく抱きしめるプレシア

 

「転移の準備できました」

 

シャマルの準備ができたのでアリシアをはなしリニスに預ける

 

「それではまずは私達が借りている家に転移してからアースラに向かいます」

 

皆いることを確認してからシャマルが転移魔法を発動する

 

「それでは転移します」

 

一般人たちの転移は無事に完了した。

後はハクリュウがこの後どう動くかによってこれからが決まる

今まで静止していたハクリュウが顔を上げた

ハクリュウ頬を赤く染めぼーっとしている

しばらくすると周りを見回して目的のものを見つけたのかフラフラしながらあるき出す

ハクリュウが向かったのはイナホの元だった

イナホは一瞬驚いたが大好きなご主人様が自分のもとに来てくれたことが嬉しくて隠していた耳と尻尾が出てしまった

 

「いなほぉ〜ぎゅぅぅ」

 

ハクリュウはそう言いながらイナホに抱きついた

 

「ぶはっ!」

 

抱きつかれたイナホは鼻から愛が溢れ出してしまったが流石はメイド

ハクリュウにかからないように瞬時に鼻から溢れ出した愛を近くにあったお手拭きで受け止めたのだ

そんなイナホにハクリュウは抱きつき顔を豊かに実ったお胸様に埋める

 

「イナホはあったかいなぁ~」

 

「あっありがとうございます?」

 

イナホはいつもとは違うハクリュウに少し戸惑っていた

イナホにとってのハクリュウは自分を地獄から救い出してくれた恩人であり今では無くてはならない存在であり絶対的な強者なのだ

それなのに今のハクリュウはイナホに甘えている年相応の子供にしか見えなかった

 

「俺イナホに会えて良かったって思ってんだ」

 

「私もです!あの地獄から救い出してくれたご主人様に感謝しております!」

 

そう言ってイナホはハクリュウを強く抱きしめる

 

「戦うことしかできない俺だけどこれからもそばにいてくれるか?」

 

イナホの方が背が高いので必然的に上目遣いになり目を潤ませながら聞いてくるハクリュウを見てイナホはあまりの破壊力により意識が飛びそうになったがなんとかこらえる

 

「もちろんです!!例え世界が敵になっても私はご主人様とこの生命尽きるまでお側におります!!」

 

イナホの言葉に満足したのかハクリュウは満面の笑みを浮かべる

 

「ありがとうイナホ!だいしゅき!!」

 

その言葉で限界を超えてしまったイナホは立ったまま気絶してしまった

ハクリュウはお構いなしにイナホに抱きつきそのまま眠りについたのだった

 

 

ハクリュウが眠りについたことにより緊張の糸が切れたのかなのはたちはその場にへたり込んだ

 

「暴れなくて良かったの」

 

「うん、暴れてたら私達もただじゃすまなかったよ」

 

ハクリュウが暴れなかったことに心から安心するなのはたちだがこの中で一番安心しているのはリインフォースであった

リインフォースは酔っ払って暴れたカイドウを何度も見ているのでその凄さは誰よりも知っているのだ

 

「体がまだ出来上がっていなかったのが幸運だったのだろうな」

 

「そうね、あの子はドラゴンであるけれどまだ子供なのよ。子供がお酒を飲んだら暴れるより眠くなるわよね」

 

リインフォースとプレシアがハクリュウとイナホを並べた椅子に寝かしながら話していた

 

「もう危険がないなら皆をアースラから戻そうと思うもだが」

 

クロノがリインフォースに確認する

 

「大丈夫だろう。ハクリュウはぐっすり眠っているから朝まで起きないだろうからな」

 

「そうか、わかった」

 

クロノはそう言ってアースラに連絡をとる

 

 

 

 

 

 

ハクリュウが酒を飲んでしまったことでアースラに避難した士郎たちはアースラのモニターで店の状況を見ていた

 

「なのはたちは大丈夫なのか?」

 

誰も喋らなかったが恭也がしびれを切らしてリンディに聞く

 

「わかりません。彼が暴れたらただでは済まないでしょう」

 

「なっ!なら今すぐなのはたちをここへ避難させろ!!」

 

恭也はなのはたちが死んでしまうかもしれないと知るとリンディに掴みかかりながら言う

 

「それはっできません!!」

 

「なんだと!!」

 

「誰かがあの場で彼を止めなければ地球が大変なことになります!」

 

「その役目はなのはじゃなくていいだろう!お前たちでなんとかしろ!!それが管理局とやらの仕事なんだろう!!」

 

「そうしたいのですが地球は管理外世界になっているので本局に応援を頼んでも受けてもらえないのです」

 

苦虫を噛み潰したような顔をしながら答えるリンディ

リンディの言葉を聞いてアリサとすずかは泣き崩れ美由紀は自分がしでかしたことで大事な妹とその友達を危険に晒してしまった事に絶望し膝から崩れ落ちる

 

「ふざけるなあああ!!!」

 

ついに恭也はリンディを殴ろうと手を上げたが士郎が手を掴んで止めた

 

「よすんだ恭也!」

 

「でもとうさ「俺はよせと言ったんだ」ッ!?わかった」

 

恭也は士郎がキレているのに気づきリンディから手を離した

 

「息子が失礼しました」

 

「いえ、恭也さんの言うことは何も間違ってはいませんから」

 

「一つ教えていただきたいのですが」

 

「なんでしょうか?」

 

「彼、ハクリュウ君は何者なんでしょうか?」

 

士郎は嘘は許さないと言わんばかりの顔をしていた

リンディはその顔を見て正直に話すことにしたのだ

 

「彼は管理局の研究者が違法に作り出した人間兵器です」

 

「「「ッ!?」」」

 

リンディはハクリュウが作られたことを話した

管理局は万年人手不足であるために自分たちで作り出してそれを解消しようとしたこと

最強の兵器で管理局に逆らえなくさせようと企んでいる輩がいること

その実験で多くの犠牲が生まれたこと

自分の知り得ることを包み隠さず士郎たちに話したのだった

 

「ハクリュウ君のことはわかりました。彼の危険性も」

 

士郎はリンディの話を聞いて今すぐにでもなのはを助けに行きたいと思ったが自分では足手まといにしかならないとわかってしまったのだ

いくら御神流が強いと言ってもそれは人間相手の話であってドラゴン相手では手も足も出ない

自分が無力であることに苛立ち握る拳からは血が出ていた

 

「ハクリュウ君が動きました!」

 

エイミィの言葉で皆はモニターを見る

そこに写っているのはハクリュウがイナホに抱きついている場面だった

モニターを見ている一同は目が点になっていた

それはそうだろうついさっきまでハクリュウがいかに危険な人物か話していたのだから

映る映像は激しい戦いが繰り広げられているだろうと思っていたのだが今写っているのはなんとも微笑ましい光景であった

 

「これはどういう状況?」

 

リンディがエイミィに聞く

 

「ハクリュウ君がイナホちゃんに甘えています」

 

「見ればわかるわ!何でこうなってるかを聞いてるのよ!!」

 

「知りませんよ!!動いたと思ったらいきなりイナホちゃんに抱きついたんですから!!」

 

リンディとエイミィがそんなやりとりをしていたら桃子が口を開いた

 

「いくらドラゴンと言ってもまだ子供なのだから甘えたいのよ」

 

「「「えっ??」」」

 

一同は桃子が言ったことが理解できなかった

 

「ハクリュウ君はまだ子供なのよ?それにリンディさんの話だと彼はご両親がいない。彼は親から愛情をもらったことがないの。だから自分を何よりも愛してくれるイナホちゃんに抱きついてるのよ」

 

桃子の話で皆納得してしまった

ハクリュウは生まれてすぐに戦場に送られ周りにいるのは研究者か敵だけだったのだ

ゆいつ気を許せるのがイナホだけ

そのイナホがいる場所で例え酔っ払っていたとしてもイナホに危害がおよぶことはしないのでは?

そんな考えが頭ををよぎる

もしこの仮説が本当でこの事を管理局の上層部が知ったらイナホを囲い込みハクリュウを制御化に置こうとするだろう

まぁイナホを囲い込むのは不可能に近いことだがやろうとするであろう

 

 

 

 

イナホに抱きつき甘えているハクリュウが眠ったようなので大丈夫ですとクロノから通信が入った

リンディは士郎たちを連れて翠屋に戻ってきた

士郎と桃子はすぐさまなのはを抱きしめて無事を喜んだ

はやてもまた守護騎士たちに抱きつき無事を喜んだ

 

色々とあったがこうしてクリスマスパーティーは無事に終了したのである

 

 

 

 

 

 

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