エグザミアの暴走を食い止めるためのワクチンはディアーチェたちが作っているが間に合わないらしい。
なのでユーリを無人世界に転移させワクチンができるまで俺が相手をすることになった。
「このポットごと運ぶの?」
「そうよ。だからそれごと持ってきて頂戴」
プレシアの指示の元ユーリが入ったポットを指定の場所に置く。
無人世界に行くのは俺とプレシアだけ。
イナホはディアーチェたちがワクチンを作り終えたら転移させるためと万が一のための護衛で居残り。
ジェイルも来たがっていたが戦闘の余波で巻き込まれる可能性があるのでここでモニターで見ることになった。
「準備OKだな。イナホ、転移よろしく」
「かしこまりました」
イナホが転移魔法を発動しようとした時見聞色で異様な気配を感じた。
「彼女を連れてかれるのは困るね」
いきなり現れた男にユーリを連れ去られてしまった。
ここはジェイルの作ったセキュリティがあるのにそれをかいくぐってきたのか!!
「ユーリ持ってかれたけどどうする?」
「追うに決まってるでしょ!!エグザミアが暴走したら地球は木っ端微塵になるわよ!!」
そういう事は早く言ってくれよ!!
せっかく家建ててんのにそれがなくなるとか最悪じゃん!!
急いで見聞色で気配を探るとそう遠くないビルの屋上にいるのがわかった。
「プレシア!結界はれるやつ総動員してくれ!!」
「どういうこと!?」
「やっこさんかなりの部隊を引き連れてるぜ」
俺がそう言うとプレシアは片っ端等に連絡していた。
人員はプレシアに任せて俺は倉庫を出て男がいるビルにむかった。
ビルの屋上につくと男はユーリをポットから出してなにかやっていた。
「幼女趣味の変態か?」
「残念ながら違うよ。これは人ではなく物だ」
否定するとこそこなんだ!幼女趣味の変態は否定しないんだ!!
「まぁなんでも良いから返してもらうぞ?」
俺は金棒を構える。
「君1人でこの人数を相手にできるのかい?」
男の後ろからわらわらと同じ顔した女たちが現れた。
気配からすると月村のとこにいるメイドみたいな感じだから人ではない。
ってことは手加減する必要がないってことだ!
「雷鳴八卦!!」
100体近くいた女たちは半分ぐらい吹っ飛んでいった。
ビルの屋上は今の一発でボロボロになり、下の階のガラスも割れていた。
「君は一体何者なんだ?」
「俺か?俺は偉大なる古代龍であるカイドウさんの息子!ハクリュウだ!!」
かっこよく名乗りを上げると同時に下の方でサイレンが鳴り響く。
ヤッベッ!!結界はってないんだった!!
俺が焦っていると携帯が鳴る。
画面を見るとプレシアの文字が写っている。
ものすごく出たくないんだけど出ないと後で何されるかわからない。
「ちょっと電話でてもいい?」
「かまわないよ」
男に断りを入れて覚悟を決めて電話に出る。
「もしもし?」
「もしもしじゃないわよ!!貴方一体何しでかしたの!外は警察とかで大騒ぎよ!!マスコミだって集まってきてるんだから!!」
大激怒のプレシアからの有り難いお言葉をもらいました。
「とにかく今そっちにリインフォースたちが向かってるから結界がはられるまで大人しくしてなさい!!もしこれ以上騒ぎを起こしたら、わかってるわね?」
「サー、イエッサー!!」
プレシアを怒らしてはいけないって本能が言ってる!!
母は強しって言うけれどプレシア強すぎない?
俺は誰もが恐れるカイドウさんの息子なんだよ?
そんなことを考えていると結界がはられリインフォースたちがやってきた。
「お前は騒ぎを起こさないと生きてはいけないのか!!」
開口一番にリインフォースに怒られた。
「いやだってあんな数いきなり向かってくるんがからしょうがなくない?」
「威圧でなんとか出来ただろ!!」
「あいつらは生き物じゃないから覇王色は効かないんだよ!!」
「だったらもっと周りを考えて行動しろ!!ほんとお前ら親子は!!」
クドクドとリインフォースの説教が始まってしまった。
いや、敵がそこにいるんだから後にしてほしいんだけど!!
「ほぉ、夜天の魔導書の騎士と管理人格か」
男はリインフォースたちを見て感心していた。
「で?あいつは誰だ?」
「幼女誘拐犯」
俺がそう言うとジグナムたちは八神とヴィータを背中に隠した。
「その認識はやめて欲しい!これは人ではなくて物だと言ってるだろう!!」
「いやでもさっきユーリを舐め回すように見てたし」
そういいながら距離を取るとリインフォースたちも距離をとる。
「ええい!!君たちがいると計画の邪魔だ!!ここらで退場してもらう!!やれ!」
人形兵が大量にこちらに向かってくる。
「いいか?結界があるとはいえお前の攻撃には耐えられない。そこをちゃんと理解して戦え。いいな?」
「はいはいわかったよ」
結界が壊れないように手加減をしながら人形兵を蹴散らしていく。
「まさか管理外世界にこれほどの戦力があるとは思わなかったがどうやら私の勝ちだ」
男がそう言うとユーリが動き出した。
『エグザミアの修復が完了しました。これより起動いたします』
ユーリが宙に浮き背中には黒い羽のようなものが生えていた。
今まで感じたことのない膨大な魔力を感じる。
「ここでやり合うのはヤバいな」
「どういうことだ?ハクリュウ」
「俺が手加減して勝てる相手じゃねぇってことだ」
「「「「ッ!?」」」」
「今すぐ俺とユーリを別空間に飛ばさないと結界なしで暴れまわることになる」
「そんなことすればこの街はただでは済まなくなる!!」
「だから別空間に飛ばせって言ってんだよ!プレシアに怒られたくないんだよ!!」
「「「えっ!!気にするのそこなの!!!!」」」
うるせぇやい!お前らプレシアの説教受けたことないからそんな反応が出来んだよ!!
ものすっごく怖いんだかんな!!
いつもは俺の中に流れてるカイドウさんの血は荒ぶっているがプレシアに怒られると大人しくなってしまうほど怖いのだ!!
『危険人物を確認。これより排除します』
ユーリの攻撃ににより俺はふっとばされてしまった。
ああ、ダメだ。
血が騒ぐ。
こんなにもふっ飛ばされたのはいつ以来だ?
ああ、楽しい!
楽しいぜ!!!
今まで抑え込んでいた覇王色の覇気が全身からはなたれる。
それだけで結界はひび割れリインフォースたちは膝をつきなんとか意識を失わないようにする。
『危険人物の威圧の上昇を確認。危険度をさらに上げ全力で排除を実行します』
「そうだ!全力でこい!!俺を楽しませろ!!」
もう結界のことなんて頭になかった。
今はこの楽しい時間を全力で楽しむことしか考えてない。
「まずい!!シャマル!全力で結界をはれ!シグナムたちは主はやてとシャマルを守れ!!」
リインフォースとシャマルが全力で結界をはる。
シグナムたちはシャマルと八神を守りながら敵の人形を蹴散らしていく。
「雷鳴八卦!!」
ユーリにおもいっきり放つが黒い羽のようなものに防がれてしまう。
『反撃を開始します。非殺傷設定を解除します』
ユーリから放たれる魔法を受けてふっ飛ぶ。
傷はつかないが確実にダメージは入っている。
そうだ!この感覚だ!!殺るか殺られるかのこの感じだ!!
「ハハッ!ハハハハッ!!ウロロロロロロォ!!」
俺は笑いながらユーリに近づいていく。
「降三世引奈落!!!」
ユーリはものすごいスピードで落下していき地面に埋まっていく。
同時に結界も壊れた。
そこで正気に戻った俺は冷や汗が止まらなかった。
うん、ここは撤退したほうが良いかな?
そう思い撤退しようとしたら肩を後ろから掴まれた。
「どこに行くのかしら?ハクリュウ」
ギギギと錆びた機械のような動きで首を動かし後ろを向くと目だけが笑っていない笑顔のプレシアがいた。
「どこに行くのか聞いてるのだけれど?」
「いやっ!ちょっとばかし用を思い出して」
「そう。それは私とお話するよりも大事なことかしら?」
ああ、これはもう逃げられないなぁ
「あっちで少しO・HA・NA・SI・しましょうか」
俺はプレシアに引きずられて裏路地に連れて行かれるのであった。