極悪少女は縛れない   作:どるふべるぐ

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その手が届かなかった少年は、もう一度手を伸ばす。
愛しい者を離さぬために。その魂を抱きしめるために。
その手が掴むのは、希望か絶望か。

そして少年は、神の領域を手にする。


シーン9『青い涙と掴む神域』

 遠い日の、夢を見た。

 

「騎士……格好いい名前ね」

 

 それが何時かは分からない。

 

「好きじゃないの?私は格好いいと思うけど……じゃあ、ナイトなんてどう?」

 

 そこが何処かも知らない。

 

「うん。いいよこっちも格好いい!何よりどんな時でも守ってくれそうな素敵なニックネームだわ!」

 

 彼女が誰なのかも、覚えていない。

 

「決めた。私、今からあなたのことナイトって呼ぶわね!」

 

 でも、その笑顔だけはいつまでも見ていたいと

 

「……ねえナイト。私を、守ってくれるの?」

 

 いつまでも守りたいと、思ったんだ。

 

「俺が絶対に、お前を守ってやる」

 

 それから、どうなったのかは分からない。

 何もかもが、抜け落ちて、たった一つの想いだけを残して、消えた。

 

 ――俺は、守れなかったんだ。

 

 ◇◇◇

 

 頬を流れた冷たさに、騎士は目覚めた。

 靄のかかった頭で頬に這わせた指先を、零れ落ちた雫が濡らす。

 

「なんで……俺…泣いて…?」

 

 分からない。

 何か、夢を見ていたような気もするが、それがどんな夢で、それに何を感じ何を想ったのか、何も思い出せない。ただ、何時も漠然とだけ感じるぽっかりとした空虚感が、今はひどくはっきりと感じられた。そして何も分からないまま、虚ろな涙だけが流れ、落ちる。

 戸惑いと倦怠感を感じながら、騎士は仰向けの上体を起こし、自分がソファーに横たわっていることに気付いた。

 

「俺、なんでソファーに……――――ッッッッ!?」

 

 靄のかかった頭で、最後の記憶を思い出そうとし、脳裏に全てを呑みこむような無明の瞳が蘇った。

 凍えるような怒りと、凍てつくような殺意。そして、首筋を這う白く細い指先の感触。思い出した恐怖に、戦慄が駆け抜け、冷たい汗が流れる。

 そうだ。俺は昨日、アイツに話しかけ、そして豹変したアイツに見つめられた瞬間

 

「俺、あのまま意識を失って、それから……」

 

 そのまま倒れたのだろう。

 なら、そんな自分をソファーに運んだのは……。

 

「…………」

 

 しばし沈黙した後、ソファーから身を起こし、立ち上がる。

 僅かに重い足取りで、洋室の――少女がいるだろう部屋の扉の前に向かい、立ち止った。

 そしてほんの一瞬だけ躊躇った後、声をかける。

 

「……起きてるか?」

 

 静かな問いに、答えは無い。

 沈黙だけが返ってきた時、その胸に生じたのは、小さな落胆と、僅かな安堵。

 それらを感じながら、騎士は少女へと語りかける。

 

「昨日は、悪かった……」

 

 静かに。

 

「いきなり詰問するような真似をしちまって……」

 

 たどたどしくも、想いを込めて。

 

「昨日は本当にいろいろあって、信じられないようなことを知って、色々詰め込み過ぎちまって、俺自身訳が分からなくなってなってたんだと思う……。だから俺はきっと、お前の顔を見た瞬間、思わずあんなことを言って、問い詰めて、お前を追い詰めちまった……」

 

 二人を隔てる扉越しに、物言わぬ少女に語りかけた。

 

「お前の気持ちも考えないで。ただ、言いたい事を言って……」

 

 触れてはいけない物に触れて、傷つけたのだ。

 

「本当に、ごめん」

 

 頭を下げる。

 見えないことは分かっている。でも、きっと想いだけは届くと信じて。

 

「それと……弁当、届けてくれてありがとな……」

 

 彼は、静かに気持ちを伝えるのだった。

 

 

 

 

 柔らかなベッドに、少女は静かに横たわっていた。

 艶やかな髪を広げて、人形の肢体を投げ出して。

 彼を感じながら、閉じた瞳に広がる闇の中で、小さく呟く。

 

「……けっきょく、何も分かっていないのよ……あなたも……わたしも……」

 

 虚ろな声は、儚く……消えた。

 

 ◇◇◇

 

 一人で食べる朝食は、いつも通りの筈なのに、なぜかとても寒々しくて、騎士は淡々とすませて学校へ行くために外への扉を開けた。

 

「行ってくる……」

 

 返事は、無い。

 

「……朝飯と昼飯は作ってあるから、腹が減ったら食べてくれ」

 

 扉を閉め、家を出た。

 エントランスへ向かう。安美の姿は無い。昨日、騎士を追って全力で廊下を駆けたため、虚弱体質の彼女は身体を崩したらしい。一日安静にしていれば治る程度だと電話で言われ、騎士が俺のせいで済まないと謝ると、安美は弱々しく、だが柔らかな声で言った。

 

『……気にしないで。私は私のやりたいようにやっただけ。ないとだって、もし私が同じようにしたら追いかけて来てくれるよね?……だから気にしなくていいんだよ。友達だもん……』

 

 友達。

 その言葉に、胸のどこか痛んだのを覚えている。

 

「…………」

 

 騎士は一人、自転車に跨り、学校へと走り出した。

 そして学校に着き、あんなことがあった翌日だというのに普通に授業を行うことに改めて呆れつつ、教室の扉を開ける。

 

「いない、か……」

 

 教室の中にたむろするクラスメイト達の中に、凛花の姿は――無かった。

 立ちつくす彼に、親しげな声がかけられる。

 

「おはよう親友。お前にしては珍しく早い登校だな」

 

 そう微笑む飛鳥礼二の変わらぬ飄々とした態度に、何故か少しだけ奇妙な安堵感を覚える。こいつだけは何があっても変らないんだろうなと思いつつ、挨拶を返した。

 

「おはよう悪友。あと珍しくは余計だ」

 

 そして、踵を返し扉へと戻る。

 

「登校したばかりで何処へ行くんだ?」

「悪いな。ちょっと約束があるんでサボるわ」

「そうか。なら坂本教師には俺から適当な理由を言っておこう」

「サンキュ。……理由、聞かないのか?」

 

 問う騎士に、礼二はふっと微笑む。

 

「お前の顔を見れば聞くまでも無い。お前がそういう顔をする時は、誰かの――特に女のために頑張っている時だ」

「…………」

「『真の主役とは、見せ場に必ずキメる者だよ』俺の憧れの人の言葉だ」

 

 ニヤリと笑って、己が友に、主人公と信ずる者にエールを送った。

 

「キメてこい親友。これから向かうその場所が、お前の見せ場なのだろう?」

 

 そう言われた騎士の、先程までどこか硬く強張っていた口元が歪み――呆れたような、だがどこか吹っ切れたような笑みとなった。

 

「相変わらずだな悪友……んじゃご期待通りに、キメてくるよ」

「ああ行って来い。そして面白おかしい土産話を期待してるぞ」

「その期待は捨てとけ」

 

 減らず口に苦笑しつつ、そんな悪友に心の中で感謝して、騎士は歩き出した。

 もう一人の友達を、救うために。

 

 ◇◇◇

 

 冷たいコンクリートの階段を上り、扉を開ける。

 抜けるような蒼空と吹き抜ける風が、彼を迎えた。

 爽やかな朝の光が降り注ぐ屋上。

 そこには、誰もいない。

 

「…………」

 

 あたりを見回し、そこに求める青が無いことに小さな溜息をつく。そして騎士は屋上を囲むフェンスへと向かい、そこに寄りかかった。

 座り込み、空を見上げる。

 澄み渡る夏の青と、流れる雲の白。

 頬を撫でる柔らかな風が、潮の香りを運ぶ。

 フェンスの向こうには、見慣れた街並みと果ても無い海が青く広がっている。

 ここはとても優しく、穏やかで。泣きたくなるほど、心地よかった。

 

「…………」

 

 静かに、瞳を閉じる。

 青い彼女を、瞼の闇の中で想いながら。

 

「待ってるぜ……凛花……」

 

 小さな呟きは風に乗って、夏空に消えた。

 

 

 

 

 

 澄んだせせらぎの音が、聞こえた気がした。

 頬を撫でる海風を感じて、瞼を開ける。閉じた闇から、光が溢れ、視界が青で満たされた。

 澄み渡る空の青。フェンスの向こうに広がる煌く海の青。

 そして。

 

 海風に艶やかな髪をなびかせて佇む、今にも空に溶けて消えてしまいそうなほどに儚い少女の、深く澄んだ、冷たく濡れる虚ろな、青。

 

 その青を、騎士は知っていた。

 この場所で、この二人で、初めて触れ合った日に、心を通わせるその前に、彼女が宿していた青。

 恐れと、孤独と、悲しみに濡れた、一人ぼっちの、青。

 

「……ナイト」

 

 その澄んだ声は、不安と心細さに揺れて、親からはぐれ暗闇をさ迷い歩く幼子が、泣きながら親を呼ぶ声を思わせた。

 だから騎士は、微笑んで

 

「遅刻だぞ……凛花」

 

 彼女を、呼んだ。

 

「――ッ!」

 

 小さく、その華奢な肩が震える。

 堅く結ばれた唇から、たどたどしく、小さな声が紡がれた。

 

「……君こそ、サボリじゃないか……」

 

 違いないと、騎士は笑う。

 

「……約束したからな。また会おうって」

「…………」

「交わした約束をほっといて授業を受けるとかありえないだろ。だから俺はここで待ってたんだ……凛花を」

 

 まあその約束も俺が無我夢中で叫んだだけなんだけどな。

 そう苦笑した後、騎士は自分の隣側を手でポンポンと叩き、彼女を誘った。

 

「来いよ」

「…………」

「遠慮すんな。ほら……」

 

 促してようやく、凛花は一瞬躊躇うように立ち止った後、ゆっくりと歩き出し、騎士の隣に膝を抱えて座った。

 

「…………」

「…………」

 

 互いにフェンスに寄りかかり、並んで座る二人の間に、言葉は無い。

 騎士は促すことも、問いかけることも無く、ただ静かに傍らの少女を見つめていた。

 少女は切れ長の碧瞳を伏せて、抱えた膝をぎゅっと寄せる。

 隣に彼がいるのに、まるで自分の周りには誰もいないのだと孤独に震えるようなその姿に、普段の凛とした面影は無い。在るのは、触れればたちまち崩れてしまいそうな、薄氷のごとき儚さ。

 二人の、何も無い時間が、流れる。

 やがて

 

「……私は、君に嘘をついていた」

 

 消え入りそうな呟きが、流れた。

 

「この手も、足も、君達と同じに見えるだろう?……でも、違うんだ」

「…………」

「作り物なんだよ……何もかもが。私は人間じゃない……私は……」

「――マリアネット、か……」

 

 その言葉に、青い瞳が驚愕に染まった。

 

「ッ!?なぜ、その名を……ッ」

「お前と初めて会った日の夜、ちょっと色々巻き込まれてな」

「なら、自宅が全壊した事故と言うのも……」

「まあ、な……」

 

 しばしの沈黙が流れる。

 そしてぽつりと、冷たく沈んだ声が、響いた。

 

[なら、知っているだろう……私は、人殺しだ……]

「…………」

「主と、姉妹達と、世界中を旅して……色んな所で、殺してきたよ。獣を、魔物を……そして人を」

「…………」

「善も悪も、区別も容赦も無く、疑問にすら思わず、ただただ主の敵を殺してきた……」

「それがお前の『マリアネット・コード』だからか?」

 

 ――彼女は最も哀れな存在だ。なぜなら彼女のコード。存在理由は……。

 

「『忠誠』それがお前の存在理由(マリアネット・コード)だったんだろ?」

「……ああ、そうだ。主のためにこの身を、全てを捧げ忠を尽くす事こそ、私の生まれた理由。生きる全てだった……」

「………」

「いや、『生きていた』と、そう思っていただけなのかもしれない……」

 

 その言葉は、冷たく、どこまでも虚ろで

 

「喪って初めて分かったよ。コードに命じられるままに従い、己では何も思わず、願わず、ただ作られた忠義のみを存在理由としてきた私は、生きていたとは言えない」

 

 何も無い微笑みを、浮かべた。

 

「…………」

「それしかなかった私は、主を喪った時……私の存在理由が意味を失ってようやく、自分が最初から空っぽだった事を知った」

 

 ――彼女の『忠誠』はゼペットただ一人に向けられる物。その存在こそが大前提であるそれは、他の姉妹達のように他者で満たすことは出来ない。故にゼペットを喪った今、彼女は正真正銘の

 

「何かを成そうという意志も、願いも無い……私は、ただコードに繋がれた……主の操り糸のままに踊っていた、空っぽの人形だよ……」

「…………」

「それに気付いた時、私は、主を殺した妹への怒りよりも、それを導いた『害蟲王』への憎しみよりもまず、己の空虚に恐怖して……逃げ出したんだ」

 

 光無き海底を思わせる瞳は、虚空を見つめ、今では無い何時かに想いを馳せる。

 

「それから、色々な場所を…逃げて…逃げて…逃げて…そしてこの街に流れ着いた時、雨宮家に拾われ養女となった。そしてこの学校に入り……」

 

 傍らの騎士に顔を向け、笑った。

 

「君に、出逢ったんだ」

 

 涙の無い、泣き顔のような微笑みで。

 

「手を差し伸べられて、友達だと言ってくれて……こんな私を受け入れてくれて……嬉しかった。……でも、だからこそ」

 

 瞳が揺れ、抱えた膝が強張り、震える。

 

「私は、君を受け入れられなかった……ッ」

 

 ――手を差し伸べてくれた?受け入れてくれた?馬鹿かあなたは嗤わせないでよ。

 

「私は、私が何かを隠して、騙して……」

 

 ――自分を隠して、相手を騙して、ねえなんでそう思えるのぉ?

 

「君の偽らない想いに、偽りの自分で応えていたんだ……っ」

 

 ――そいつが受け入れたのはあなたじゃない。ただの凛花という普通の女の子なのに。

 

「言っても信じられないとか。巻き込みたくないとかじゃないんだ……それを知った君に、拒絶されるのが怖かったんだ。私はッ――」

 

 ――あなたは友を裏切った最低の

 

「私のために手を差し伸べてくれた友を、自分のために裏切っていたんだ!」

 

 ――罪人よ。

 

「すまない……本当に…すまない……ッ」

 

 顔を伏せ、膝に埋めて、震える。

 そうして謝り続けた彼女は、やがてふらりと立ち上がり、友に背中を向けて歩き出し、立ち止まった。

 

「だからもう、さよならだ……」

 

 背中越しに伝えるのは、別れの言葉。

 

「私には、君の友である資格も、共にいていい道理も無い。だからもう……終わりにするよ」

 

 その顔は見えなくても、震える肩が、握られた拳が、その想いを語る。

 空の青と、海の青。

 どこまでも青い世界の中で一人佇む、青い少女は

 

「最期に、君に謝れてよかった……」

 

 別れを告げて、世界から消えゆくように虚ろな足取りで歩き出し

 

 

 

「んなもん知るか!」

 

 

 

 叫ぶ愛しい声とともに、後ろから抱き止められた。

 

「――え?」

 

 背中から回された腕を、凛花は呆然と見つめた。

 

「ない……と……?」

「知るかんなもん!」

 

 困惑する凛花は、思わず背中に目を向け、そこに在った、激情に猛る瞳に囚われた。

 騎士は許せなかった。

 凛花が、笑顔にすると誓った友が、己の罪に涙を流し、去ろうとしている事に。

 そして何よりも、そんなくだらない物のために、二人の友情を捨てようとしている事に。

 怒り、叫んだ

 

「資格とか道理とか関係ねえ。騙されてたとか偽ってたなんてどうでもいい。罪悪感なんか捨てちまえ!」

「――ッ」

 

 息を、呑む。

 その言葉に、そこに込められた想いに。

 騎士は叫ぶ。

 誰よりもまっすぐで、ひたむきだからこそ、誰よりも自分に追い詰められ、心を閉ざしてしまった気高い少女に。

 

「俺はただ、お前と一緒にいたいんだよ。いてくれればそれでいいんだよ……ッ」

「だが…私は……」

「じゃああの日の屋上で、流した涙は嘘だったのかよ!」

 

 抱いた肩が震え、瞳が大きく開かれた。

 

「違うだろ!不甲斐ない俺のために流した涙も、友達だって言った時の涙も、全部みんなお前が流した、本当の涙だろ!」

 

 そうだ。騎士は今でも覚えている。

 あの日、彼女が流した涙の色を。あの冷たさを。あの温かさを。あの美しさを。

 幾億年経とうと忘れはしない。あの涙を見た瞬間、この胸に生まれた想いを。

 

「そんなお前の本当の想いが嬉しかったから俺は、お前と――凛花と友達になろうと思ったんだ」

「……ぁ」

 

 騎士は、背中を向けた凛花を対面となるように向き直らせ、正面からその美貌を見つめて、言った。

 彼女の震えて惑う、その凍った魂に。

 力の限り抱きしめて、己が熱で溶かすように。

 

「マリアネットとか偽りだとかどうでもいい。俺は、ただの一人の女の子としての凛花と友達でいたいんだよ!」

 

 その言葉に、彼女の胸の奥で、凍っていた何かが、ひび割れた。

 

「……いい、のか……?わたしは、空っぽで……何も無いのに……」

「空っぽなのはお互い様だ。それに言ったろ……」

 

 揺れる彼女の碧瞳に、精一杯の笑みを贈る。

 迷う我が子を見つけた親が、その泣き顔に向けるような、悲しみも、苦しみも、全てを受け入れて抱きしめようとする、笑顔。

 

「お前を笑顔にさせてくれって。……お前が空っぽなら、俺がそれを埋めてやる。楽しいっていう気持ちで、思い出で、お前を満たしてやる」

 

 だから。

 

 肩に置いた手を離し。そっと、空虚に震え、孤独に迷う少女へと差し出した。

 

「俺と友達でいてくれ――凛花」

 

 それは、初めて触れ合った時のように。

 それは、初めて心交わした時のように。

 

 差し出した彼の手に、小さな手が伸ばされて。

 

「わかっ、た……」

 

 初めて友となった時のように、再び繋がった。

 

「友達でいよう――ナイト」

 

 そして彼女は、笑った。

 まだどこかぎこちなくとも、暗い雨雲の消えた後に広がる、澄んだ青空の様な笑顔で。

 その瞳から、想いが溢れた。

 一粒。二粒。やがて止め処なく頬を濡らす、涙。

 胸の奥から溶け出したかのようなそれはとても温かで、冷たくも、虚ろでも無い、穏やかな海を思わせる優しい青だった。

 

「……ぅ、ぅあああああああああああああ!」

 

 溢れ出す想いのまま、凛花は友の胸へと飛び込む。

 顔をうずめて声を上げる友を、騎士はただ、言葉も無く抱きしめた。

 

 柔らかな潮風が二人を包み、温かな陽光が二人を照らす。

 青い空が、二人を優しく見下ろしていた。

 

 ◇◇◇

 

「……なあ、ナイト」

「なんだ?凛花」

 

 それからしばらくして、涙も流しきってようやく落ち着いた凛花は、少し照れくさそうに頬を染めて騎士から離れた。

 そして二人は今、屋上を囲むフェンスの前で並んで座っていた。

 

「あらためてありがとう。友達になってくれて……私を受け入れてくれて……」

「気にするなよ。友達が困ってたら助けてやるのは当たり前だろ」

 

 そう微笑む騎士の顔をじっと見つめ、凛花はその碧瞳に力を込め、澄んだ、だがとても強い光を宿して言った。

 

「ならば私も誓おう。ナイト、もし君が苦難にぶつかった時、私はこの身、この命の総てを以って君を助けると」

 

 宣誓と共に、その手に水の刀を成形し、切っ先を蒼天へと掲げる。

 

「今この時より我が剣は、友への友情に捧げることを誓おう」

 

 その澄み渡る刃は、揺るがず、曲がらず、穢れなく美しい少女の決意そのもののごとき輝きを放ち、それを前にした騎士は思わず。

 

「ああ、うん…気持ちは嬉しいが…まあなんつうか…ほどほどにな……」

 

 ちょっと引いた。

 

「別に学校じゃそこまでするほど危ないことは多分無いと思うから、もうちょっと力抜いていいぞ」

 

 だから気楽にいけと苦笑する騎士に、だが凛花はその美貌を一層険しくして首を振る。

 

「いや、むしろここには最大の危険が潜んでいる。……実はだなナイト、この学校には恐ろしい男がいるらしいんだ」

「恐ろしい……男」

 

 ……ゴクリ。

 

 あの極悪変態少女をして殺されかけたと言わしめた凛花が、恐ろしいと言う相手。

 一体どんな魔物がいると言うのか。はたしてそれはどれほど危険な存在なのか。

 戦慄し思わず唾を飲み込んだ騎士に、彼女は碧眼をクワッと見開いて言った。

 

「あの愚妹が言っていたんだ。ここにはアイツを●●●(自主規制)した男がいると!」

 

 騎士が、石化した。

 

「思い出すもおぞましい……。妹の話によればその男は妹に会うなりいきなり…ぶ、ブチ込んで何度も殴りながら(ピー)したという……」

 

 固まった友に気付かず、凛花は顔を蒼ざめて悪寒に震えながら話し続ける。

 

「そしてあろうことかそのまま亀甲縛りにし、目覚めたばかりで空腹の妹に肉の棒を……くぅ……こ、これ以上は言えない…ッ」

 

 遂にはガクリと膝を着き、拳で床を殴りつけながら叫び出した。

 

「たしかにアイツは許されない事をしたッ……だがここまでの仕打ちを受けるのは惨すぎるだろう!」

 

 瞳に光るものすら浮かべる彼女の姿は、妹を汚された怒りと悲しみに震える姉そのものであり、騎士は思わず

 

「よ、よのなかにはおそろしいやつもいるんだなー」

 

 棒読みで目を逸らした。

 

「まったくだ。おそらくはモヒカンでパンクファッションの世紀末暴徒も霞む見境無しの殺戮凌辱魔なんだろう……。だが安心してくれ、たとえどんな相手だろうと、私は君を守ってみせる」

 

 そう力強く宣言する彼女の瞳は、穢れなく純粋な友への友情に溢れていて

 

「お、おう。たのもしいぜー」

 

 と、誤魔化そうとしたところで、見えざる何かの声を聞いた。

 

『それでいいのかい騎士クン!』

「だ、誰だ!?」

 

 驚いて周りを見回すも、屋上には自分と凛花の二人以外の姿は無い。突然声を上げた騎士に。凛花がキョトンと首をかしげた。

 

「いきなり声を上げてどうした?」

『ニャっふっふ。ユーの精神に直接語りかけているから、ミーの声はユーにしか聞こえないよ』

「お前……シャロか?」

『ご名答。あとちょっと声を押さえてくれると嬉しいニァあ。これから話す事は彼女にバレないようにしないと』

 

 騎士は眉をひそめ、それでも律儀に小声で話した。

 

「いきなり何の用だよ?」

『いや何ただのお節介だよ。……騎士クン、ユーは今、凛花に嘘をつこうとしたね』

「うぐっ……そ、それがなんだよ」

『いけないニャあ……今度はユーが友を騙すのかい?』

「ぐうっ!」

『偽りの無い友情を望み、真実の自分として友への友情を誓った彼女を、自分可愛さに欺こうとはユーもニャかニャかどうして悪党だねぇ』

「ぐはああッ!?」

 

 チェシャロックの言葉に胸を抉られよろめく騎士は、だが倒れる寸前で何とか持ちこたえた。

 

「た、確かにそうだ……俺は危うくあいつを裏切っちまう所だったぜ」

『ようやく気付いたようでなにより。……ならば騎士クン、ユーはどうするんだい?』

「……決まってるだろ」

 

 悪友は言った。

 真の主役とは、見せ場に必ずキメるものだと。

 いいぜ悪友見せてやるよ。ここが俺の見せ場ってやつなら……。

 

 

 

「ここでキメなきゃ、主役じゃねえ!」

 

 

 

「ど、どうしたナイト?さっきからブツブツと……」

 

 覚悟を完了した騎士は、いきなり奇行に走った友を心配げに見る凛花の前に立ちあがり。

 

「すいませんでしたああああああああああ!」

 

 全身全霊の土下座をキメた。

 

「……へ?」

 

 凛花の丸くした眼をド正面から見つめ、男らしく叫ぶ。

 

「それ俺だ!」

「……なに?」

「その恐ろしい男ってのは俺の事なんだ!」

「なっ、ちょっ、ええ!?」

「凛花が転校してきた日の夜にアイツと逢ってそれからまあいろいろあった訳でしてとにかく誤魔化そうとしてましたすんませんでしたあああああああああ!!」

 

 額を地面に叩きつけ、心の限りに謝罪した。

 

「…………」

「…………」

 

 沈黙が、降りる。どちらも、動かない。

 乾いた風が吹き抜けて、凍った空気を揺らした。

 これはもうだめだ終わった友情終了したと絶望しかけた騎士だったが、そんな彼に、穏やかに澄んだ声がかけられた。

 

「……顔を上げてくれ、ナイト」

 

 その言葉に、恐る恐る顔を上げると、そこに在ったのは、全てを包み込み受け入れてくれるかのような――柔らかな笑顔。

 

「ありがとう。正直に言ってくれて……」

「怒って、ないのか……?」

「怒らないさ。むしろ私と違って嘘偽りの無い自分をさらけ出してくれた事を、嬉しく思うよ……むしろ謝るのは私の方だ」

 

 瞳を伏せて、騎士の前に跪き、彼の手を取って包み込むように握った。

 そして、その瞳が騎士の眼を見つめた。

 どこまでも蒼く、だが何故か悲しみと悔しさに濡れた瞳で。

 

「今の今まで、私は君がそこまでの闇を抱えていることに気付けなかった……ッ」

「…………」

「まさか十代の性欲と暴力衝動がそれほどの物だったなんて、私は知らなかったんだ!」

「…えっとぉ…凛花さん……?」

「それを君は持て余して、遂に爆発させてしまったんだなっ…」

「もしもーし……」

「●された妹もそうだろうが、君もまた辛かっただろう…」

「…………」

 

 ヤバイ。何かこの人変なスイッチが入ってる。

 

「だが、もう安心してくれ……君には私がいる」

「……よし凛花ちょっと落ち着――」

「これからは私が、その欲望を受け止めてやる!」

 

 

 

 …………。

 

 

 

「……すまん。なんだって?」

 

 しばしの思考停止から回復し、改めて聞く。

 普段の凛々しいクール凛花さんはどこへやら。何やら使命感に燃える美貌で詰め寄るヒート凛花さん。

 

「君が私を受け入れてくれたように、今度は私が君を受け入れる番だ。故に私は逃げない。恐れない。君の全てを受け止めて見せる!」

 

 何かカッコいいけどそこに痺れて憧れない。

 むしろ騎士の脳裏では、危機回避本能がアラートを大音量で鳴らしている。

とりあえず落ち着かせようと目を合わせた瞬間、騎士はビビった。綺麗な碧眼がハイライトの消えたグルグルお目目になっていたのだ。コワイ!

 

「いやほんと落ちつけ凛花。たぶんお前はテンパッてる!」

「私は冷静だ!」

「冷静な奴はそのセリフだけは言わねえよ!」

 

 叫ぶと、凛花はショックを受けたようにビクッと震えて、その瞳がみるみる潤んでいった。

 

「な、なぜだナイト……やはり君は、私を受け入れてはくれないのか……」

「い、いやそういう訳じゃなくてだな……ッ」

 

 助けてシャロえもん!

 

 たまらず叫んだ心の声に、黄色い猫が答えた!

 

『ニャはははははは!いいね実に面白い。あの凛花がここまで壊れるとは素晴らしい発見だ。いいぞ騎士クンもっとやれ!』

「ぶっ殺すぞてめええええええええええええ!」

「ひうぅ!?や、やはり私などが受け入れられるなどありえなかったんだな……すまなかったナイトッ」

 

 そしてダッシュで立ち去ろうとする凛花の目には光る物が!

 

「ってなんなんだよこの修羅場わ!?」

 

 今までの努力とか感動とか友情その他もろもろが一気にブチ壊しになりそうな事態に、騎士は思わず駆ける凛花の肩を掴み、そこでバランスを崩してもつれ合うように倒れ込んだ。

 

「く、うぅ……悪い凛花。怪我は――」

 

 衝撃に呻き、下敷きにしてしまった凛花の無事を確かめるべく声をかけた騎士の両手が

 

 ふにゅん。

 

 と、味わったことも無いほどに心地よい柔らかさを感じた。

 

「…………」

 

 

 世界は、運命の糸で縛られている。

 ならばこれも、全てを操る運命が導いた物なのだろうか。

 これは、偶然にして必然たるお約束。

 

 

 ダラダラと汗を流し、恐る恐るそこに向けた視界に

 

「ふぁ…っ…な、ナイト……!?」

 

 首元まで捲れ上がった制服から露出したお胸様を鷲掴みにされた、涙目で顔を真っ赤に染めた凛花がいた。

 

 ――その絶対不可避の運命を、人は『ラッキースケベ』と呼ぶ。

 

『ニャんとお!?今の倒れ方でなぜそうなるんだい!?馬鹿なおかしいありえない。物理法則をねじ曲げるほどの何かが働いたと言うのかッ。ああ気になるよ解明せねばっ。騎士君、一体ユーはどうやって……って、騎士君?』

「…………」

 

 騎士の理性はもちろん、すぐに両手を離し謝るべきだと知っていた。

 だが、離せなかった。

 本能が、離さなかった。

 ただの胸ならば離せた。ただのブラならば理性が勝った。

 だかそれは、騎士の両手が掴みしそれは

 

「でかっ!?」

 

 でかかった。柔らかかった。そして何よりも、美しかった。

 

『お、おーい。騎士クン……』

 

 騎士は童貞である。

 そして当然、女性の胸など母親以外触っていないし、その感触すらも遠い記憶の彼方に消えた。故に、比較対象など知らない。だがそれでも、断言できる。

 

 ――これは、良い乳だ。

 

 この人ならざる神の奇跡のごとき産物が人工的に作られたものだと言うのか!

 騎士はこの時初めて、『傀儡王』ゼペットの恐るべき才に恐怖した。

 

『聞いてる……かい?』

 

 ではなぜ、これほどの胸が今まで制服の中に押し込められ、乳揺れさえも起こさずにその魅力を隠し続けられたのかという謎は、それを包む物がその秘密を解く答えだった。

 

「サラシ…だと……ッ!?」

 

 それは、穢れ無き純白に輝く、一枚の布。だがそれは、この神秘のごとき乳を包む、日の本が生みし伝統の下着。

 それが騎士の掌の中で、緩んだサラシの白と、その隙間から見える火照った乳肌の桃色が、清楚なる淫蘼さというべき矛盾した美を作り出していた。

 

「すげえ……」

 

 俺は今、神の領域を手にしている!

 

『いや意味が分からないよ!?そしてそろそろミーに構ってくれないかな!』

 

 どこかで珍獣が叫んでいる気がするがそんなのはもうどうでもいい。

 今はただ、この奇跡を味わうことにこそ、我が存在の全てがある。

 

『くすん……寂しさだけで死ねるのは兎だけだと思わないでくれよ……』

 

 むにゅん!

 

「んぁっ!?」

「―――ハッ!」

 

 と、思わず力んでしまい、掴んだ胸を握られた凛花がたまらず発した声に、騎士は理性を取り戻した。

 そして今まで自分が何をしていたのかを思い出し、顔面蒼白になる。

 

「ご、ごめっ――」

 

 そして慌ててどけようとした両手は、なんと凛花の手によって止められた。

 

「え、なんでだよ……?」

 

 困惑する騎士に、凛花は、華奢な肢体を緊張で小さく震わせながら、涙目で頬を染めて、それでも精一杯の笑顔を浮かべて、言った。

 

「言ったろう……全てを受け止めると……」

 

 それでも、その瞳を不安げに揺らし、恥ずかしそうに、呟く。

 

「でも、出来ればその……はじめて、なんだ…だからその…やさしく、してくれ……」

 

 濡れた瞳と。火照った肌。そして、普段の凛とした声とは違う、それでも澄んだ囁きに、騎士の中で、切れてはならない物が、切れる音が

 

 ――ブ……

 

「――チッといっちゃだめええええええええええ!」

 

 する寸前のところで、何とか騎士は理性とか道徳とかの切れ目を全力で押さえつけた。

 そして何とか修復し、荒い息をつく。

 

「あ、あっぶねえ……今のはヤバかった……」

 

 もうすぐでR18になる所だった。

 

『ニャッはッは実にいい気味だよ!目先のモノに囚われてミーを無視するからそうなるのさ。反省することだね』

「うるせえメス猫!」

 

 思わず叫ぶと、それに凛花がビクッと震えて

 

「め、メス猫!?」

「ああいや凛花気にすんな。お前はいいから早く手を離して――」

「……ナイトはそういうのが好きなのか……」

 

 恥ずかしげにつぶやき、一瞬ためらった後で、おずおずとその両手を、頭の上にくっつけた。それはまるで、猫の耳の様な形で

 

 

 

「か、可愛がって……にゃん❤」

 

 

 

 その瞬間、騎士は死んだ。

 

 ――ブチ

 

 どこかで、切れてはならない物が切れる音を聞いて。

 

 どぶしゃああああああああああ。

 

 と、自分の鼻から噴き上がる血飛沫を最後に見て。

 その意識を、闇へと墜とした。

 消えゆく意識の中で、彼が最後に感じたのは、倒れ込む己の両頬に当たった、何かとてつもなく素晴らしい柔らかさだったという。

 

 彼は思った。

 

 ――我が人生に、一片の悔い無し。

 

 青い空に、騎士の逝き顔が映って、消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

「いや生きてるけどな」

 

 あの後、大量の鼻血を撒き散らして倒れた騎士は、凛花による必死の治療魔術によって何とか一命を取り留める事が出来た。

 凛花は自分が興奮させたせいだと泣いて謝ったが、どう考えても悪いのは己の煩悩なので笑って許した。でも正直もうちょっと落ち着きと暴走癖を直して欲しいと思う今日この頃。

 その後血を失ったことによる貧血でしばらく寝込んだ。その際に凛花が膝枕をすると言いだしたので断ろうとしたら、泣きそうになったのでしてもらいました。膝がとても柔らかかったです。

 そしてそのまま放課後まで寝込んだおかげで今は体調もばっちり。凛花にお礼を言って、そろそろ家に帰る時間なのでそこで別れました。家まで送ると言う凛花を説得するのが大変だったです。ぶっちゃけネコミミよりもイヌミミのほうが絶対似合うよなと思いました。

 なので今は通学路を一人で下校しています。今日一日とても楽しかったです。

 

「ってなんで小学生の絵日記みたいなナレーションなんだよ!?」

 

 おもわずメタなツッコミを入れた直後、ふらりと身体が揺れ、転ぶ前に何とか体勢を立て直した。

 

「あー。やっぱまだダルいな……それに頭も少しぼうっとするあたりマジで早く安静にした方がいいのかも……」

 

 力無く呟き、ふと通りかかった商店街の入り口に目を向けた時、衝撃に目を見開いた。

 彼が見つめるのは商店街の入り口に造られたゲートの前、そこで手に持ったビラを配る一人の少女の姿。

 

「キラキラ商店街ただ今セール中でーす!おいしい食べ物や可愛い小物など色んな商品が大安売りですよー!」

 

 よく通る鈴の様な声を張り上げ、新緑を思わせる翆緑の瞳を煌かせ、白百合のごときその肌に軽く汗を浮かべ、腰まで届く金髪を揺らして道行く人々にビラを配るその姿は、見るだけでも仕事に対する責任感と喜びに溢れているのが分かった。

 その美しさと、何よりも身の内から溢れるような輝かんばかりの魅力が、誰の目も惹き付ける。

 だがなによりも

 

「ビラ、一枚いいですか?」

「はいどうぞ。ありがとうございます!」

 

 その輝く笑顔が、全てを魅了する。

 

 だが、騎士が驚愕したのは、そのどれでもない。

 この少女の存在そのものが、彼を驚愕させたのだ。

 

 そうして見つめる彼の眼差しと、少女の眼差しが

 

「……え?」

 

 偶然、合わさった。

 

「なんで、お前が……」

 

 思わず、呟く。

 だってそれは、こんな場所ではけして会うはずの無い。日常とは相いれないはずの非日常の住人で。

 あの日、彼の日常を粉砕した二人の内、紫銀の極悪と対を成すもう一人。

 

「……ナイト、さん?」

 

 翆眼を丸く見開いて、小さな口をポカンと開けて立ち尽くすその黄金の名は

 

「ジャンヌ……」

 

 ゼペット式魔導人形『姫傀儡』シリーズ第12番姫『ジャンヌ』。

 光を総べし絶対正義が、そこにいた。

 




シリアス後はギャグ方向への反動が凄いですね。特に作品中ぶっちぎりでめんどくさい女であるところの号泣少女の暴走でまた文字数が大変なことに。そこに笑う珍獣とキレやすい10代が絡んだだけでもう収拾なんて不可能ですね。誰かこいつらを上手く抑えてくれないものかね作者には無理だから。
とまあ言い訳はこれくらいにして、次話の投稿は息抜き用のゾンビ物を書いてからとなります。うんそろそろ精神的にゾンビに癒されたいんだ。そんな腐肉の胸で眠りたい今日この頃。

次回は長らく放置プレイしてた絶対正義(笑)の回です。彼女の活躍にご期待下さい。いい声で鳴かせまっせグヘヘヘヘ……。

ではゾンビの後に会いましょう。
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