はてたして不可解な女心に振り回される彼は青春スイッチをオンできるのか。
そんなこんなな最新話キター!
――いつか、僕は正義に辿り着けるだろうか?
――分からない。だが、それでも……僕は歩み続けるしかないんだ。
「ハアアアアアアア!」
振るう剣は焦げた大気を裂き、敵兵の首を一撃で斬り落とした。
一人を斬り捨てたのも束の間、すぐさま横合いから新たな敵が斬りかかり、返す刃でその胸を貫く。甲冑ごと貫かれた敵から夥しい血が噴き出し、大地を染めた。だがそれは、この夜に流された血の総量からすればほんの一割分にもなるまい。
それほどの血が流れ、死が満ちているのだ。
――この、戦場と化した村では。
燃える炎の赤が踊る。
焼けた骸の黒が映える。
振るう剣の銀が煌く。
小さなこの村は、その三つの色が混じり合い描き出された戦場となっていた。
フランスはロレーヌ地方の農村《ドンレミ村》。
戦略的価値は無く、また有用な資源も無い筈のこの村を、突如イギリス軍の部隊が襲撃した。
その事を受け、部隊を率いて急ぎ駆けつけた僕が見た物は、炎に包まれた村の姿だった。
赤黒く燃える家々の間を村人達が逃げ惑い、それを剣を振り上げ蹂躙する兵士達。
強者が弱者を殺し、力ある者が力無き者を踏み躙る。そんな戦場の理が今、この村を支配していた。
「隊の半分は村人の救助にあたれ!残りは僕と共に敵を殲滅しろ!」
赤黒く燃える村と、民の骸。その光景に胸の奥が僅かにざわめくのは……怒りか。
《正義》というモノが分からない欠陥品の僕でも、非道に対する《怒り》は覚えるのか。
その事を少し意外に思いながらも、血に濡れた剣を掲げて命じた。
「一人でも多く救い。一人でも多く殺せ!」
それに雄叫びを上げて応じる兵たちと共に、僕は敵兵の群へと斬りかかる。
だが僕は同時に、この胸をざわつかせるもう一つの何かを感じていた。それが何なのかは分からない。だが、一歩進むごとに、炎を踏み越えるごとにこのざわめきが、高鳴る胸の鼓動が強くなっていくのだ。
――まるで、恋しい少女に逢いに行く初心な少年のように。
◆◆◆
うららかな朝の光が射しこむキッチンに、香ばしい香りが漂う。
コンロの火で熱せられた温かな空気と、フライパンの上で焼かれる食材達が奏でる音色を、御伽騎士は気に入っていた。
一人暮らしのために渋々始めた料理は、今や彼のかけがえのない趣味の一つとなっている。学生服の上にエプロンを羽織りキッチンで食事を作るこの時間は、悪友共プラス極悪居候がもたらすドタバタ劇で溜りに溜まる日々のストレスを忘れさせてくれる癒しの一時だ。
鼻歌交じりに、炙られ鮮やかに色づいた野菜炒めを手際良く皿に盛り付け、隣のコンロに置いていた鍋の蓋を開け味噌汁を茶碗によそう。鮮やかな手並みで食卓を彩る品々を調理していく光景は、見ているだけで食欲をそそられる。
「……よしっ。完成」
満足げに頷き、騎士はエプロンを脱いで料理を運びリビングのテーブルに並べた。
「わぁ……っ」
次々と並べられる三人分の朝食に、優雅に椅子に座り料理を待っていたドロシーが小さな唇を綻ばせる。
「今日も美味しそう。……ナイトってホントに料理が上手なのね」
紫銀の髪を揺らし微笑むその美貌はうっとりとして、さすがのへそ曲がりもこの食事を前にしては素直になるようだ。
香ばしい味噌汁の香りとふっくらご飯の輝きに小さな喉がコクリと鳴って、待ちきれないとばかりに箸に手を伸ばそうとした所で、騎士の声に止められた。
「待て、まだあいつが来てないだろ。食事はみんな揃ってからだ」
「――え? 何言ってるの? この家にはわたしとナイト以外は誰もいないでしょ?」
「……いやいるだろ」
「あら誰の事かしら」と白々しく首を傾げるドロシーに、やれやれと溜息をつく。
「……ああいるわね確かに。でももうアレは何も食べられないわよ」
「誰もいないハズの部屋の隅を見ながら言わないでくれますか!? そこにナニがいるのかあえて聞かないけど怖すぎるからッ!」
赤い瞳が放つホラーな眼差しに思わず叫び、騎士は頭を抱えつつ言った。
「……ちょっと呼んでくるから、くれぐれもまだ食べるなよ」
「えーー」
「 返 事 は ?」
「ぶぅー……」
頬を膨らませるドロシーに子どもにする様に言い聞かせて、つい先日までは空き部屋だった部屋の扉の前に移動する。
僅かに緊張しつつ、扉の向こうにいるだろう『彼女』――先日この家に来て以来ほぼ毎日を部屋に籠って過ごすもう一人の居候に呼びかけた。
「おーい。朝メシだぞ」
返事は無い。
「……まだ寝てるのか?」
首を傾げ、再度呼びかけるとようやく扉が僅かに開き、人形の様に可憐だが陰のある金髪の少女が顔をのぞかせた。
「……おはようございます」
気だるげなその表情に覇気は無く、淡い唇から紡がれた声もどこか虚ろだ。
「生憎ですが、今はあまり食欲が無いので……失礼しますね」
輝きの無い緑の瞳を騎士に合わせようともせず、そう言って扉を閉めようとする彼女――ジャンヌを騎士は慌てて止める。
「って、昨日もそう言って食べなかったろ。というかこの前ウチに来てからまともに食事を取ろうとしねえし。いい加減身体を壊しちまうぞ!」
「身体なんて別にいいですよ……どうでも」
「俺がよくない! とにかく今日こそは食べてもらうぞ。それまで俺はここを動かんッ」
「…………」
食事を断り部屋に戻ろうとするジャンヌと、なんとしても食べて欲しい騎士。扉を挟み、二人はしばらく無言で対峙する。互いに引かぬ意地の張り合いに、空気が僅かに張り詰め硬く強張るが、二人は互いの目を逸らす事無く見つめ合い、そして――
「……ハァ。分かりましたよ。食べればいいんでしょう?」
疲れたように溜息をつき、渋々といった表情でジャンヌが折れた。
扉を開け、のっそりとした足取りで出てきた彼女の華奢な身体を包むのは、万馬殿安美がどこからか用意した野暮ったいデザインの赤ジャージ。一日中部屋に引きこもる無気力な生活のためか、白百合というよりモヤシの様な白となった柔肌にジャージのくすんだ赤が似合いすぎて、もはや貫禄すら感じるインドアガールに変身していた。
「あら、今日は食事をとるのねえ。お姉さま」
リビングに入り隣の椅子に腰かけたジャンヌを、ドロシーは「あら意外」といった表情で迎える。
「てっきり優等生のあなたの事だからタダ飯は遠慮しているのかと思っていたわぁ」
嫌味をたっぷりまぶした悪意の笑みを向ける彼女は、西に病気の者あらば行って蹴りを入れ、東に泣く子供があれば泣きっ面に蜂を見舞う、今日も安定の極悪節である。
「おいやめろ。せっかく食べてくれる気になったんだから、これ以上茶化すならお前だけ飯抜きだぞ」
「うっ……分かったわよぉ」
そんな彼女を叱る騎士も安定の保護者ぶり。少なくともこと食卓においては彼が最高権力者なのだ。
ともあれ気を取り直し、彼らはそれぞれ料理に手を合わせ
「いただきます」
「いただきまぁす」
「……いただきます」
奇妙な三人の朝の食事を始めた。
「…………」
ジャンヌは緩慢な動きで野菜炒めのモヤシを箸で一本だけ摘むと、小さな口で一齧りし……その目を僅かに見開いた。
「っ……美味しい」
「だろ? お前のために気合い入れて作ったからな。遠慮せずどんどん食え」
そんな彼女の姿に、騎士は嬉しそうに微笑む。一方、ジャンヌはその言葉に眉を寄せた。
「私の……?」
「ああ。少しでも食って元気になって欲しいからな」
「……っ」
屈託なく言う彼の言葉に、口をつぐみ目を逸らす。
だが、それはけして料理が嫌いになったと言うわけではあるまい。
「…………」
目を逸らし、口をきこうとはしないが、その手の箸はしっかり新たなモヤシに伸ばされていたのだから。
「はむっ……ぽりぽり」
一本ずつモヤシを咥えて、ポリポリと食べるその姿はリスかハムスターを思わせて、どこか微笑ましいその姿に、騎士は思わずクスリと笑った。
「……む? なんですか人の顔を見ていきなり。私の顔がそんなに面白いですか?」
「っあ、いや。別に馬鹿にしたわけじゃなくてだな。なんつうか……」
「……なんです?」
「(小動物っぽくて)可愛いなと、思ってな……」
「――っ!?」
(それ以上の意味など一切無い)その言葉に、ビクッとジャンヌが震え、咥えていたモヤシが噛み切られテーブルに落ちる。大きく翆眼を見開いたその顔は、謎の驚きに染まっていた。
「あ、あれ? 俺変な事言ったか……?」
「っ……」
謎のリアクションに困惑し問いかけるも、ジャンヌは無言でプイッと顔を逸らす。
その頬は僅かに赤く上気していて、それがますます騎士を戸惑わせた。
「???」
助けを求めるようにジャンヌの隣に座るドロシーに目を向けるも
「……ぶぅ」
こっちはなにやら不機嫌そうに頬を膨らませ、かと思えばいきなりモヤシを大量に箸で摘み、小さな口を大きく開けて頬張った。
「はむぅっ……んむっんむっ!」
口いっぱいにモヤシを詰め込み、息苦しそうにしながらも必死で噛みつつ、チラチラと何かを求めるように騎士に目線を送る。一体これは何のアピールだろうと思いつつ、騎士はとりあえず言っておいた。
「あー……モヤシが好きなのは良いけど、あんまそればっか食うなよ。偏った食事は良くないから――」
「ばああああああああかッ!!」
「いや何でこっちはキレんの!?」
「ちゃんと読め!女心とこの空気!」
「何かの標語っぽく罵られた!?」
もうわけがわからないよ!
理解不能な少女達のリアクションに、騎士の頭は困惑混沌大混乱。
おかしい。俺はただ精一杯の料理でジャンヌを元気づけようとしたハズなのに、なにがどうしてこうなったと頭を抱えて思わず叫ぶ。
「何!? 何このカオスは俺のせいなのか!?」
「そうだよばああああかッ!!」
「ジャンヌさああんッ?」
「……話しかけないでください。……ばか」
「ぐはッッッ!?」
グサッ――と、見えない何かに胸を貫かれ、騎士はテーブルに突っ伏したのだった。
撃☆沈。
◆◆◆
「――って、事があったんだよ……」
青い空。白い雲。されど心は雨模様。
そんな言葉がしっくりくる表情で、騎士は深々と溜息をついた。
午前の授業も終わっての昼休み。夏の日差しが照りつける神原高校の屋上は、煌く陽光と涼やかな海風が頬を撫でる校内屈指の爽やかスポットである……が、騎士と二人の悪友+αが集まり昼食を取るその一角だけは空気が重く、重加速現象でも起きたのではないかという程どんよりしていた。
その《どんより》の発生源である騎士は手作り弁当を片手に、青みがかった黒髪をポニーテールにした凛とした雰囲気の少女――雨宮凛花に愚痴っていた。
「料理で元気づけようとしたのに、そっぽ向かれるわキレられた挙句罵られるわ……まったく訳分かんねえよ」
とまあブツブツ愚痴って再度溜息を吐く朴念仁。
女心の『お』の字も分からぬ童貞の問いに、膝に手作り弁当を乗せて行儀よく座る凛々しくも清楚な女の鑑とも言うべき少女は「ふむ」と呟き――
「確かに、まったく訳が分からないな」
と、首を傾げたのだった。
雨宮凛花。恋愛の『れ』の字も知らない処女である。
「ふっはっは!いやお前達は面白いな。なるほど鈍感が二人揃うとこうなるのか!」
そんな二人の様子に、堪らずプッと噴き出し笑うのは飛鳥礼二。
悪友その一こと金髪碧眼のハーフイケメンは、今日も今日とて親友のトラブルを全力で楽しんでいる。
「うるせい悪友! ならお前はその訳が分かるってのかよ?」
「見くびるなよ親友。こう見えても俺は古今東西のラブコメを研究してきた男だ……」
「いや何だよそのアホな研究は」
「無論、お前がいつかラブコメイベントに直面し、童貞故の経験不足から思い悩んでいる時に事態を面白おかしく盛り上げてやるためだ!」
「ほんっと悪しき友と書いて悪友だなテメェは!?」
「照れるな親しき友よ」
「ほざくな悪しき友め」
天高く空は澄み渡り、夏の太陽は眩しく輝くというのに、地上ではかくも醜い会話が繰り広げられる。嗚呼友情とは何ぞや。と見ている者が首を傾げそうな二人の横で、凛花にもう一人の悪友が話しかけていた。
「……で、ないとはともかく凛花は本当に分からないの?」
「っ!?あ、ああ……(よ、呼び捨て!?)」
いきなりぬうっと顔を寄せてきた黒髪三白眼の怨霊フェイスにビクゥッとしつつ、名前で呼ばれた事に内心驚く凛花さん。
「(呼び捨てっ!? 呼び捨てだと! これはもしかして親しみを籠めてのものかッ……いやいや、友達ならばともかく私と彼女は只の知り合いだぞ。ならばこれはもしや……ッ)」
「……? 何で眉間にしわ寄せて頭を抱えてるの?」
「(舐められてる!? もしや私は舐められているのか!!)」
ガーンという音が聞こえてきそうな顔で衝撃の真実(?)に気付く凛花さん。
もちろんそんな事実はないのだが、凛々しくてもストレスは全て内側にため込む性格が全力で災いしている今の彼女の心を読む事が出来ない以上誰もツッコめず、ネガティブ思考が加速していく。
「……凛花?」
「(ま、まさかこの私がッ……いや無理も無いか。もう明日には終業式で一学期も終わると言うのに、今だ劣等感からクラスメイトとも距離を置いているのだ。哀れなボッチよと侮られるのも仕方がない)」
「……皆さん大変です。ないとのどんよりが凛花に感染りました」
「そして今度は凛花か!? 女心って何なんだよちくしょおおおお!!」
「フッ……我が親友は罪な男だ」
嗚呼女心と夏の空。
爽やかな昼下がりの空気を破壊する三馬鹿+αのせいでカオスとなった屋上に、女心の分からぬ童貞の悲鳴が轟いたのだった。
「……で、分かってんなら教えてくれるんだろうな?」
しばらく経ってなんとか立ち直った騎士は、どうやら女心というやつ分かっているらしい悪友に問いかけた。いかにも渋々というその顔は、できれば頼りたくないけど頼らざるおえないという内心がだだ洩れである。だが、今も部屋に引きこもっているだろうジャンヌのため、藁にもすがる思いで問いかけた彼に、礼二が出した答えは――
「 自 分 で 考 え ろ ☆」
全てをバッサリ斬り捨てる最っ高のスマイルでした。
「ああそうだよテメエに期待した俺が馬鹿だったさ!」
「まあまあ落ち着け親友よ。俺が教えれば確かに彼女達が怒っていた理由は分かるだろう。だがナイト、これはお前自身で気付かなくてはならない問題だ」
「なんでだよ?」
「女心だからな」
「……そうか女心か」
今や世界最大の謎に思えてきたそれが理由ならば分からないのも無理は無い。
悩み過ぎてもはや諦めの境地に至っている騎士であった。
そして彼は悩みすぎて疲れたのか、天を仰ぎ何度目かの溜息を吐く。
「……しっかし、ほんと俺は不甲斐ねえな。空回りばっかだよ」
「そう落ち込むな。女のために空回りするのはラブコメ主人公の宿命だ。当たって砕けるのは大いに結構。そうやって誰かのために全力でぶつかるお前の姿が俺は好きだぞ」
「なんだよ気色悪い……」
「褒めてるんだ照れろ。……それにだナイト。まだ落ち込むのは早すぎるぞ」
「あ?」
怪訝気に眉を寄せる騎士に、礼二は愉快な悪だくみを思いついた子供の様な笑みを浮かべ言った。
「女を元気づけたい。ならむしろこれからが本番だろう?」
それは悩んでいる騎士を激励するというよりは、むしろこれからどう楽しもうかとワクワクしている声で。
「明日で学校が終われば、来るのは夏祭りに海水浴といった青春イベント目白押しの夏休みだ。――女と一緒に楽しむにはうってつけのな」
「…………」
「今のお前は悩みすぎだ。答えの出ない悩みなんぞ棄てて勢いのままに突っ走れ。全力で遊んで楽しませて笑顔を取り戻してこい。部屋に籠っているのなら手を掴んで引きずり出せ。――どんな御伽話でも、引きこもっているお姫様を連れ出すのは
そう語りニヤリと笑う礼二。
騎士はしばし押し黙っていたが、やがて「ぷっ」と小さく噴き出した。
「……なーに言ってんだよキザったらしく」
呆れたように微笑むその顔は、だが不思議と晴れやかで。
騎士は頭をかきつつ呟く。
「だけど……まあそのとおりだな。俺はこうしてウジウジしてるよりは突っ走る方が性に合ってるよ」
「そしてそんなお前の奮闘ぶりを眺めて楽しむのが俺の生きがいだ」
「おい」
「そう睨むな。なにもただで楽しもうと言うのではない。俺達も全力でサポートしてやる」
「……うんマジ頼りになるよホントホント」
何時の間にやら礼二の隣にきていた安美も力強く……かどうかは微妙な仕草でブラブラと頷いた。壊れた首振り人形のようでちょっと不気味。
「……戦艦大和に乗った気持ちで安心して任せんしゃい」
「お前の気持ちは伝わるがその船沈んだよな」
「細かい事は気にするな!安心しろ金と権力さえあればどんな無茶振りでもなんとかなる!」
「いやなにする気だよ!?」
「とりあえずプールと遊園地どっちから先に貸しきるべきか……」
「……うちの系列の施設なら顔パスで行けるよ」
なにやら悪い顔で「ふふふ」「けけけ」と話し合う二人、実は正真正銘のガチセレブである。そんなふたりが手助けしてくれるというのは有難いのだが、何故だろう嫌な予感しかしない。
「ふっふっふ。今から夏休みが楽しみだ!」
「……弾ける青春吹き飛ぶ理性。夏が男を牡にする」
「まったくお前らは……」
例によって悪ノリモードに入った悪友二人に溜息をつきつつ、騎士もまた
「こりゃあ、とんでもねえ夏休みになりそうだな」
これから来るだろう大騒ぎの夏に思いをはせて苦笑するのだった。
「ま、俺は俺のできる事を全力でやるだけだ……」
とりあえずさしあたっては
「今日の夕飯はもやし料理にすっか」
かつて見たジャンヌの笑顔を思い浮かべながら、騎士は今晩のメニューを考えるのだった。
ちなみに
「(ふふふ。所詮私などコミュ障のボッチ……。もうじき夏休みだと言うのに、私の夏はボッチのまま終わるのだろうな……ふ、ふふふ)」
「……あー凛花。さっきから膝を抱えてブツブツ言ってるとこ悪いんだが、お前にも手伝ってもらうぞ。……俺だけじゃ悪友共の暴走を抑えられる自身は無いからな。まだどこで遊ぶか決めてないが付き合ってくれよ」
「――ッ。友よおおおおおおおお!!」
「いや何で号泣しながら抱きついてくんの!?」
なんだかんだで凛花さんは夏休みボッチから抜け出す事が出来ました。
というわけでなんとかかんとか最新話。
書いてみたけど話がなかなか思うように進まなくて大変ですよまったく。
あさて次回はラブコメならばけして避ける事は出来ない夏休みイベントです。はたして騎士は引きこもりのジャンヌを部屋から出せるのか。そして夏休みは基本家から出ずにひたすらダラける派のインドア作者は上手く描写できるのか。
不安だらけの次話をゆるりとお待ちください。