極悪少女は縛れない   作:どるふべるぐ

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ついに始まる学園ラブコメパート。
果たして主人公はテンプレイベントの嵐に耐えられるのか!

結果は見てのお楽しみ。


シーン7『そうだ。学校に行こう!』

 猫が笑う。

 

「知りたくはないかい?」

 

 ニヤニヤニヤリと大きな口を吊り上げて。ギラリギラリとギザギザの歯を剥き出して。

 

「マリアネットとは何か?ユーは何に巻き込まれたのか?この狂った人形劇のあらすじを」

 

 イブを惑わす蛇のように。ファウストを誘うメフィストのように。

 

「ユーは、知りたくは、ないかい?」

 

 笑う。

 

「……教えてくれるってのか?お前が?」

 

 油断なく猫――マリアネット第3番『チェシャロック』を睨みながら問う騎士に、虚空にその身を軽やかに浮かべる猫人形は、表情の変わらぬヌイグルミの笑顔で頷いた。

 

「ああ。問われるならば答えるし、聞かれたのなら教えよう。本来はヒントならともかく、答えを教えるのは主義に反するんだがね。それが新たな知識を得るためとならば是非もニャい……」

 

 そして、その歪んだ笑みを騎士の顔にズイッと近づけ、総てを見通さんとするガラスの瞳で。彼の黒き瞳を覗き込む。。

 

「――問えよ。さらば答えよう」

 

 笑って誘うチャシャロックの言葉に、騎士はしばし沈黙する。そしてまもなく、そのガラスの瞳を真っ向から睨みつけ、叩きつけるように言った。

 

「結・構・だ。ちゃっちゃと帰れ」

 

 切り捨てるようなその答えに、猫はその瞳を僅かに細めた――気がした。

 

「……理由を聞いても?」

 

 探るようなその問いに、騎士は答える。

 

「大した理由じゃねえよ。いきなり不気味なヌイグルミが『いいこと教えるよ☆』と言ってきて、仮に教えてもらったとしてもだ、それが真実かなんて分からねえだろ。自分である程度真偽を確かめられない情報なんてのは、知っても惑わされるだけだ」

「キミが匿うアレに聞いて、裏を取ればいいとは思わないかい?」

「アレの言うことを素直に信じろとか、お前はアホか?」

「ニャふふふ。それはそうだね失礼したよ」

 

 苦笑して肩をすくめるチェシャロックに、騎士は更に言った。

 

「それにもう一つ……」

「ふむ?」

 

 今度は、こちらがガラスの瞳を覗き込み、そこに映る一切の感情を見逃さぬとばかりに睨みつけ、獣の静かな呻り声を思わせる、低くもドスのきいた声で、言った。

 

「それ、知ったらただじゃ済まないだろ?」

「…………」

 

 猫の笑い声が、消えた。

 

「知識ってのは怖いよな。それを知ってるってだけで、厄介事に巻き込まれる理由になる。お前が俺を何に巻き込みたいのかは分からんが、知らなくてもいい事を知ったおかげで、これ以上ヤバイ事に関わるのは御免なんだよ」

 

 真っ向から挑むようなその答えに、猫は張り付けた笑みを凍らせ、沈黙する。

 そして。

 

「――ニャ」

 

 それは突然に、まさに弾けるように

 

「ニャッははははははははははは!」

 

 爆笑した。

 

「いやはや素晴らしいパーフェクトだ!これ以上ない完璧な拒絶(かいとう)だよ!」

 

 中空で布地の体をよじらせ、黄色い腹を抱えて笑い転げる。

 

「知識の価値を理解しつつも、その危険性を心得ている!ああなるほど、ニャかニャかどうして無知ではあるが馬鹿ではない。そう言われれば、知識の探求者としてはこれ以上何も言えないじゃないか!」

 

 まったく愉快で堪らないというように声を上げ、ひとしきり笑った後、その剝き出しの笑顔を、騎士の顔にずいっと近づけた。

 

「いいねえユー気に入ったよ。なら今回は、その見事な拒絶に敬意を表して、残念ながら諦めるとしよう」

 

 底の見えないガラスの瞳を楽しげに光らせ、言葉ほど残念では無さそうに言うと同時に、その姿がじょじょに、水面に映った虚像のように揺らめきだす。

 

「では名残惜しいが、今日のところはこれで失礼するよ」

「おうおう帰れちゃっちゃと帰れ。でもって二度と現れんな」

「ニャっふっふ。つれないニャあ……」

 

 シッシと手を振る騎士に、肩をすくめて苦笑し、別れの言葉を贈る。

 

「ではまた会おう騎士クン……おそらくは近いうちに。ああその時は、ミーのことは『シャロ』と呼んでくれ。親愛の証だ」

 

 そして最後に、再び景色がデジタル画面のようにザザッと揺れた後、彼女はその姿を消していた。

 

「シーユーアゲイン。ユーがもし知識を望むのなら、何時でも呼んでくれ。ミーはどこにでも現れるよ」

 

 耳にいつまでも残るような、あの笑い声を残して。

 

「……はぁ」

 

 チェシャロックの姿が完全に消えたのを確認し、騎士は疲れたような溜息をついた。

 

「まあ~た面倒そうなのに絡まれちまったなぁ俺……」

 

 うんざりとぼやいて、歩き出す。そして古びているが中々の広さのエントランスに着くと、そこで自縛霊のごとく佇む、膝まで届く黒髪が不気味な制服姿の少女――万馬殿安美(ばんまでんやすみ)に合流した。

 

「悪いな安美。ちょっと遅れた」

「……別にいいよ。でもどうしたの。もしかして迷ってた?」

 

 僅かに首をかしげて問う安美に、騎士は「あ~……」と呟き、ポリポリと頬を掻きつつ答えた。

 

「ちょっとタチの悪い猫に絡まれててな……」

「……ふぅん。野良ネコでも迷い込んだのかな?」

「まあそんなとこだ。……じゃあ、そろそろ行こうぜ」

 

 促して、玄関先に停めてある自転車に向かう。

 このアパート『万馬殿』に入居する際、条件付きで幾らか家賃をサービスさせてもうこととなったのだが、その条件の一つが、安美の登校時のエスコートだった。

 騎士が自転車にまたがり、安美はその後ろにちょこんと腰かける。ちなみにこの自転車はアパートの備え付けであり、安美は太っ腹にもそれを騎士にあげるというので、彼は有難く頂戴した。

 

「んじゃ、行くぜ安美。なにか忘れ物とかは無いか?」

「……大丈夫だよ。でも問題が一つ」

「なんだ?」

 

 おぶさりお化けのように、背中から腰に手を回す安美に聞くと、安美はスマートフォンを取り出して、その時間表示を見せた。

 

「……割とヤヴァいかも」

「ッあああああああああの猫野郎!」

 

 話長えんだよッ!

 

 絶叫し、騎士は全力で自転車のペダルを踏み込んだ。

 どこかで、見えざる猫の爆笑が聞こえた気がしたが、多分気のせいだと思うことにする。

 

 ◇◇◇

 

 Q、このシチュエーションは何でしょう?

 

「……ちょっ…だめ……ないと…はやい、よ」

「まだまだこんなもんじゃねえぜ。もっと速くしてやるよ!」

「……や、だぁ…ぁっ…ゆらさ、ないで……」

「だったらしっかり抱きついとけ、悪いが俺はもう止まれねえんだ!」

「……ガクガク…って…腰に、ひびくぅ…っ…」

「うおおおおおおおいッくぜえ!」

「……う、にゃあああああああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 A、キャキャウフフな自転車登校イベントです。

 

 ◇◇◇

 

 蹴破るように扉を開け、教室に飛び込むと、絶叫が二人を出迎えた。

 いわゆる青春リア充イベントとはとても思えなかったチャリンコ爆走劇の末に、二人は何とか遅刻せずに教室に着くことができたのだ……が。

 

「キャアアアアアアアア!?」

「で、出たああああああああ!?」

 

 絶叫が木霊し悲鳴が駆け抜ける。たちまち教室は逃げ惑う生徒達が織り成す、阿鼻叫喚の地獄絵図となった。

 

「いやなんだよそのリアクションは!?」

 

 愕然とツッこむ騎士だが、傍から見れば当然のリアクションである。

 なにせ、普段からただでさえ目つきの悪い瞳を血走らせ、肩を上下させながら興奮した獣のごとく荒い息を吐くキレやすい10代と、その背に背後霊のごとく背負われた、普段から血色の悪い肌を更に青白くさせ、怨霊のごとく長い髪を乱れさせ白目をむいてビクンビクンと痙攣する不思議系電波少女。こんなのがいきなり現れたらそれはもうビビるしかない。

 

「やめて殺さないでえええええ!」

 

 泣きわめく女子!

 

「なんまんだぶなんまんだぶ!」

 

 除霊を試みる男子!

 

「アイエエエエエエエエエエ!」

 

 そして失禁!

 

「ふはははははは!退屈な朝の一時をこうまで楽しくブチ壊すとは流石だ親友!」

 

 最後に腹を抱える馬鹿一名。

 言わずと知れた金髪碧眼のハーフイケメンこと飛鳥礼二は、爆笑しつつ親友に挨拶した。

 

「おはようだナイト。安美のアパートに入居したと聞いたが、なるほど中々楽しい登校イベントをエンジョイしてきた様だな」

「……ハァ…ッ…ハァ……う、うるせえよ悪友。こちとら全力でここまで飛ばしてきたんだ。んなモン楽しむ余裕なんざ無かったわ…ッ…」

 

 なにせ時間短縮のために道路を外れて、ろくに舗装されていない山道を爆走したのだ。デコボコ道でガクガク揺れるわ急斜面で止まれないわ安美が気分を悪くして成仏寸前だわで散々だった。ヒロインと二人で登校する萌えるリア充イベント?なにそれ都市伝説?

 

「いやいやそんな面白イベント、並みのリア充ではできんな。やはりお前は俺の見込んだベスト主人公キャラだ」

「傍から見れば楽しめるんだろうな畜生!」

 

 再びものすごくいい笑顔で笑う馬鹿。

 ちなみに礼二は退屈な日常にうんざりしているが、望むのは主人公キャラのドタバタを傍から眺める親友ポジションである。長年自分の親友にたる人物を探していたという礼二が、騎士を初めて目にした時の第一声が「見つけたぞ俺の主人公!」だった。以来騎士はこの馬鹿イケメンに付きまとわれているのだったドンマイ。ちなみに、何故自分が主人公をやらないのかと聞くと「俺が本気を出すとトラブルなど楽しむ間もなく解決してしまうだろ?」とあっさりのたまう学力試験体力測定全国一位の馬鹿チート。死ねばいいのに。

 

「……騎士」

 

 おぶさりお化けめいた安美をひきはがし、崩れるように席に着いた騎士に、澄んだ、だがどこか躊躇いがちな声がかけられる。

 見ると、左隣の席に座る、後ろで一纏めに流した青みがかった艶やかな黒髪の美しい少女――雨宮凛花(あまみやりんか)が、その澄んだ碧眼をどこか不安げに揺らしていた。

 

「ああ凛花か。おはよう。悪いな、朝から隣でドタバタしちまって……」

「いや、いいんだ。……それより、昨日は休んでいたが大丈夫か?何か事故にあったと聞いたが……」

「ああ……」

 

 それでこの表情か。

 騎士は心配してくれるその気持ちを嬉しく思い、そんな彼女を安心させるべく苦笑交じりに話した。

 

「いや全くまいったぜ。ボロホームに雷が直撃して、ガスと灯油に引火して大爆発だもんな」

「なっ!?いやそれは笑いごとではないだろう!大丈夫か?怪我は無いか?」

 

 目を丸くして、あせあせと騎士の体を見る凛花に、騎士は大丈夫だと笑って

 

「俺はたまたま外に出ていたから何ともなかったよ。それに代わりに住む場所も見つかったから、今はもう大丈夫だ」

「そうか……」

 

 その言葉に安心して、ほっと息をつく凛花。

 そんな姿がなんだか可愛らしくて、騎士はついからかいたくなる。

 

「なんだ、心配してくれんのか?」

「っあ、当たり前だ!……だって……その…」

 

 澄んだ声を徐々に小さくして、凛花は頬を赤らめて俯く。そして小さく紡がれる、たどたどしくも、温かな言葉。

 

「…と…ともだち……だから、な……」

「…………」

「……友達だから、君に何かあれば心配もするし……もし怪我でもされたらと思うと、私の心は痛みを感じる……」

「…………」

 

 小川のせせらぎの様な、柔らかく澄んだ声には、精一杯の友への想いが込められていた。

 

「……もし、鬱陶しく思ったのなら謝ろう。……だが、それでも私は君が――って騎士!?

 」

 

 ふと見た騎士の様子に、凛花は思わず声を上げる。

 

「な、なぜ泣いているんだ!?」

 

 騎士は泣いていた。それも顔を掌で覆い、指の隙間から涙の滝を流す男泣きである。

 

「す、すまん凛花…っ…だがよ……くぅッ……だよな、そうだよな……友達ってこういうもんだよなッ」

 

 人の不幸を、爆笑もイジり倒しもせずに心配してくれる。世の中には、そんな当たり前の事が出来ない自称親友が二人もいるというのに、こいつは……こいつだけは……ッ!

 

「いつのまにか忘れていたぜ…っ…これが、友情ってやつか……ッ!」

「き、騎士?大丈夫か?やはりどこか頭でも打ったのか?」

 

 やや引きつつも心配してくれるその優しさに、再びの涙を流してから、騎士はようやく涙をぬぐった。

 

「……いや大丈夫だ。ただお前の優しさに感動しただけだ。心配してくれてありがとうな、凛花」

「礼などいらない。私はただ友達として当たり前の事をしただけだよ……な…ナイ…ト…」

「え?」

 

 思わず聞き返すと、凛花は気恥ずかしげに顔を真っ赤にして

 

「いや、そのっ……あの二人がそう呼んでいるから、私も呼んでみたのだが……イヤ、だったか……?」

「い、いや。いきなりだったから驚いただけだ」

「す、すまないっ。驚かせるつもりはなかったのだが……やっぱり…嫌か?」

 

 凛々しい美貌をあたふたさせて、それから不安げに尋ねる彼女を安心させるように、騎士は微笑んで答えた。

 

「嫌じゃないさ。正直あまり好きなあだ名じゃないが、凛花に呼ばれるのなら悪くない」

「っなら!」

「ああ。好きに呼んでくれよ」

 

 その言葉に、凛花は花咲くような笑顔を浮かべて

 

「ありがとう、ナイト!」

 

 心から嬉しそうに、初めての友達の名を呼んだ。

 

 ◇◇◇

 

 蛇足☆

 

「……なあ凛花、ところで何か、さっきから生温かい視線を感じないか?」

「ああ確かに。それに先程まで恐怖と混乱に満ちていた空気も、なんだか急に生温かくなったような――って何故か皆が生温かい目でこっちを見ているぞ!?」

「うおっ、なんだお前らその目は!?」

「ああいやいやお気になさらず~」

「うんうん私達はほっといてどうぞ続けてくださいな~」

「若いお二人の邪魔なんて野暮なことはしませんさ~」

「でもでもまさかね~」

「二人がもうそんな関係になってたなんて~」

「……これぞまさにリアル美女と野獣」

「誰が野獣だ誰が!?」

「……じゃあ淫獣?」

「野獣でいいさ畜生!」

「……童貞なのに淫獣とはこれいかに?(ぷぷー)」

「うがああああああああああああッ!」

 

 ――かくて、しばしキレた10代と毒舌電波の追いかけっこと、その横で周囲の生温かい視線とコメントに顔を赤くして「うわわわわわ」と俯く凛花という、なんとも珍妙な青春の一ページが繰り広げられたのだった。

 

 ◇◇◇

 

 チク、タク、チク、タク。

 

 退屈な時計が、退屈な時間を規則正しく刻む。

 

 カチ、カチ、カチ。

 

 合わせるように、ブリキの心臓が少ない寿命を律儀に刻む。

 そんな面白みの無いデュエットを聞きながら、騎士のいなくなった部屋で一人過ごす極悪の少女は

 

「……ヒマだわ」

 

 とてつもなく退屈していた。

 

「はぁ…」

 

 華奢な肢体を柔らかなベッドに投げだして、美しく広がる紫がかった銀髪の中、幼げな美貌で物憂げに溜息をつくその姿は、一枚の絵画のように美しい。が、本人にとっては自分がどれほど他者の目を楽しませようが、自分が楽しめなければ意味が無い。つまりはとにかくヒマを潰せる何かが欲しい。が、それが何かが分からない。故に退屈だヒマすぎる。

 

「部屋を漁るのも飽きちゃったし…」

 

 騎士が出て言った後は、退屈しのぎにと、しばらくの住まいとなるこの部屋を探索していた。まずは自分の部屋となる洋室から。置かれた家具や置物類は総てホテル時代からの据え置きらしく、インテリアとしては洒落た内装によく合っていた――二・三点くらい妖気を出している物もあったが何なのだろうか。いやむしろ、この建物自体から所々霊気やら妖気を感じるのだが、一体どんないわくがあるのかちょっと気になる。

 続いては騎士が使うという隣の和室。エロ本の一つでもあるだろうかとワクワクしつつ探してみるも、何故か大量の胡桃が見つかった。ハンマー類は無かったが、どうやって殻を割って食べるのだろうか。というかこの量を食べるのか……。若干引きつつリビングへ。

 こちらは元ホテルというだけあって中々に広い。ホテルが潰れてからほぼ手付かずだったらしく、薄汚れてはいるものの、掃除をすれば瞬く間に往年の輝きを取り戻すだろう。が、めんどくさいのでそこらは騎士に任せることにした。泣いたら嗤ってやろう。その後、ダイニングとキッチンも見終わった事で一通りの探索が終わり、少女はやる事が無くなった。

 

「……ほんと、平和って退屈ね……」

 

 思えば、本格的な平穏というのは、あの始まりの夜以来では初めてだった。

 今までは、執拗にこちらの命を狙う姉妹機や、最高峰の魔導人形であることに目を付けた魔術師達との戦いで、一瞬たりとも油断ができず心休まぬ日々が続いた半面、やることが常にあって退屈せずに済んだ。

 ゆえに、いきなりの平和というものを持て余してしまう。

 ベッドで横になり、魔力の回復と機械部品の修復、及び生体部分の治癒に努めなければならないとは分かっている。分かっているのだが、元来極度の快楽主義者である彼女にしてみれば、日がな一日ベッドでおとなしくヒマな時間を過ごすというのは、どだい無理な相談であり退屈のあまり死ねると思う。

 

「でも、いい退屈しのぎなんて無いし……」

 

 再びの溜息をついて、とりあえず何か無いかとリビングに出る。

 そして、ふと見たソファーの上に、ある物を見つけた。

 

「これって……」

 

 放置されていたそれを手に取り、眺めるその赤瞳が

 

「……ふふっ」

 

 愉しげな光を宿す。

 

「み~つけた♪」

 

 そして、最高の悪戯を思い付いた悪童のように、笑った。

 

 ◇◇◇

 

 昼休み。

 教室で弁当を食べようと、鞄を開けた騎士は絶望した。

 

「弁当が、無い…だと…ッ」

 

 愕然と呟き、呆然と目を見開き、猛然と鞄の中を探るも、そこにあるはずの弁当は影も形も無かった。

 

「そんな……まさか…」

 

 あの時か。

 朝あの変態に絡まれまくった挙句、ダッシュでマイルームから脱出したあの時、とりあえず目についた鞄を取って逃げ出したが、それ以外を確認する余裕なぞある訳無く

 

「忘れたことに気づかず今に至るってか……は…ははは…」

 

 乾いた笑いの後、心を覆う絶望感と腹をさいなむ空腹感のままに机に突っ伏した。

 朝から変態にSAN値を削られ、チャリンコ爆走で体力も削られ、その後の不思議系電波との追いかけっこで体力を使い果たした彼は、今や疲労のあまり一歩も動けなかった。もう購買に行く力すらも無い。

 

「はら……へった……」

 

 力無く呟くもそれ以上は何もできず、空腹のあまり意識が遠のきかけた時、馴染みのある澄んだ声が彼の意識を繋ぎ止めた。

 

「ど、どうしたナイト!?」

 

 隣人の惨状に目を丸くする凛花に、騎士はゾンビめいた口調でなんとか呟く。

 

「りん、か……べん、とう……」

「弁当?……もしかして、弁当を忘れてしまったのか?」

 

 力無くコクリと頷いた。

 

「……なら、私のを食べるか?」

 

 力強くバッと顔を上げた。

 

「い、いいのか!?」

 

 血走った眼で詰め寄る騎士に、若干ビビりつつも凛花は頷く。

 

「もちろんだ。友達が困っているのなら、それを助けるのは当たり前だろう?」

 

 そう微笑んで弁当を取り出す凛花の姿が、この時菩薩様に見えた。

 

「ってなぜ拝むんだ!?」

 

「はっ、いやすまんつい身体が勝手に……」

 

 だって後光とか見えだしたんだもの。

 

「空腹のあまり混乱しているんだな。なら一刻も早く食べてくれ」

 

 互いの机をくっつけて、彼女が差し出してくれた弁当箱を手に取り開けると、そこには極楽浄土が広がっていた。

 

「こ、これはッ!?」

 

 そこには、肉じゃがにおひたし、漬物など定番のおふくろの味が色とりどりに詰め込まれていた。それらは皆ありふれた古くからある家庭料理だが、だからこそ日本人の胃袋をこれでもかと刺激するメニューである。そしてなんと言っても美しく光る白米。今まさに炊いたかのような光沢は、これぞ日本人の主食と言うべき美しさ。つまりは、めっちゃ美味そうだった。

 

「これ、マヂに食べてよいのでございましょうか?」

 

 神々しくすらある弁当に、おもわず言語機能が崩壊する騎士に。

 

「ああ。他ならぬ友のためだからな。遠慮無く食べてくれ」

 

 笑って促す凛花に感謝の涙を一粒流し、箸を取って「いただきます」と口を開け。

 

「――て、これ凛花の箸だよな?口付けちまっていいのか?」

 

 ふと気がついてその手を止めた。

 

「気になるのか?……いや、確かに人の箸に口を付けるというのは抵抗感があるか……」

 

 むしろいいんですかと聞いてみたのだが、どうやら悪い方に受け取ってしまったらしく、凛花は眉根を寄せて黙考した。

 

「……どうやら私の配慮が足りなかったようだな。すまなかった」

「あー、いや凛花。そういう意味で言ったんじゃ……」

「だからこうしようか」

 

 と、凛花は騎士の手から箸をひょいと取り、それで肉じゃがの芋を摘まんで、騎士の口元に差し出してきた。

 

「へ?」

 

 突然の事に目を丸くする騎士に、凛花は少し得意げに微笑んで言った。

 

「これならナイトは箸に口づけること無く、具だけを歯で咥えて食べられるだろう?」

「あ、ああ……」

「だからさあ、『あ~ん』だ」

「『あ~ん』!?」

 

 なにこのいきなりのリア充イベントテロ!?

 俺のキャパ完全に超えてるんですが穢れ無きニコニコの笑顔が眩しくて断れない!

 いや、ここで断ってはこの優しき友の気持ちを踏みにじる事になる。それは男として、否、友として断固断る!

 

「――腹、くくるか……ッ」

「ん?」

「いや何でもない。い、いくぜ凛花ッ」

「あ、ああ(なぜ戦に臨む武士の様な顔をするんだ?)」

「あ、ああ~……」

 

 覚悟を決めて口を開け、いざ『あ~ん』に挑まんとした、その瞬間。

 

『全校生徒及び職員に緊急連絡します!』

 

 突然の放送が、平和な一時の終わりを告げた。

 

「なんだ?」

「……んが?」

 

 困惑する二人をよそに、緊張と戦慄に張り詰めた声が、全校に響き渡る。

 

『たった今、学校に不審者が侵入しました!生徒達は職員の指示に従って避難してください!繰り返します……』

 

 鳴り響く放送が異常事態を告げ、それを聞いた生徒達がざわめき、教室はにわかに騒がしくなる。

 凛花もまたその蒼く澄んだ瞳を強張らせ

 

「すまないナイト!」

 

 鋭く叫び、摘まんだ箸ごと芋を騎士の口に捻じ込んだ。

 

「ふむお!?」

 

 いきなりの凶行に仰天する騎士をよそに、凛花は次々と弁当の中身を摘まみ、猛然とそれを捻じ込んでくる。

 

「ふむっがっぐおっ!?」

 

 たちまち、口の中がパンパンになりリスよろしく頬を膨らませた騎士に、最後に持っていた水筒の口をえいやと捻じ込み、緑茶を流し込んで無理やりに呑みこませた。

 

「カハッ……ケホッ……り、凛花?」

「すまない。だがこうなった以上、急いで食べさせなければ食べる時間も無くなってしまうからな」

「……確かに。いや驚いたけど大分腹も一杯になって楽になったよ。ありがとな」

 

 そう二人が話している間に、教室には今の放送を聞いて次々とクラスメイトが集まってきた。だが、その表情は皆一様に強張り、緊張している。無理もないだろう。平穏が破られ、いきなりの異常事態となったのだから。教室はたちまちざわめきに満ち、落ち着きの無い会話や行動がそこかしこで見られた。

 

「まずいな……」

 

 その様に眉をひそめ、凛花が呟く。

 

「これでは落ち着かせるだけでも時間がかかり、避難が遅れてしまう」

「いや、大丈夫だ。坂本なら何とかするだろ」

「担任の坂本先生か?」

 

 隣家は、のほほん巨乳教師のおっとりスマイルを思い出した。

 

「あの先生にそこまでの迫力や統率力があるとは思えないが……」

「まあ、あの見た目からは想像できんだろうがな……」

 

 小首を傾げる凛花に、騎士が苦笑して

 

「あの人、正真正銘のクズ教師だが、正真正銘のやり手なんだよ」

 

 そう呆れ混じりに言った時、扉が開き、巨胸を揺らして坂本教師が現れた。

 明るい栗色の髪をふわりと揺らし、巨大なお胸様をたっぷんと弾ませ、とろんとした垂れ目が魅力的な美貌でのほほんと微笑むその姿は、とてもじゃないが異常事態に生徒を救いに駆け付けたという風には見えない。

 

「はいはいみんな~。放送は聞いたわね。じぁあちゃっちゃと逃げちゃうから、整列しましょうね~」

 

 まるでこれからピクニックにでも行くかのような、緊張感のかけらも無い声でのほほんと言う。が、当然、慌てふためく生徒達は、そのほとんどが聞いていない。

 

「やはり駄目か……」

 

 凛花は案の定と溜息をついた。

 

「あらあらどうしましょう」

 

 相も変らず纏まらない生徒達に、坂本は色っぽい垂れ目を物憂げに細め、おっとりと息をつき――ニヤリと、哂った。

 

「ねえ伊藤君。そんなに落ち着きを無くしてたら、気になっている吉田さんに呆れられちゃうわよ?」

 

 そう声をかけられた男子生徒伊藤君が、ビクウっと肩を震えさせた。

 

「せ、先生!?い、いきなり何言ってんすか!」

「あらあら照れなくていいのよ~。秘めた片想いなんて先生素敵だと思うわよ」

「い、いや俺は別に吉田のことなんかッ……」

「あらそうなの?ならごめんなさい。先生の勘違いだったみたいね」

 

 テヘ♪と茶目っ気たっぷりに舌を出すセクハラ教師は、聖母のごとき笑顔のままで一人の女生徒に声をかける。

 

「よかったわね吉田さん。どうやら伊藤君はあなたに気は無いみたいよ。これで隠すことなく伊藤君の親友の田中君と堂々と付き合えるわね~」

「ふえ!?先生なんでその事を!?」

「教師が生徒に関心を持つのは当然のことでしょ?」

「っていやこれはいくらなんでも!」

 

 たちまち教室内は別な意味での修羅場となった。

 

「どういうことだよ田中!お前俺を応援してくれるって言ったのに、陰で吉田と付き合ってたのかよ!」

「ま、待て伊藤。これには深い訳が――ッ」

「あらあら言い訳なんて見苦しいわよ田中君。そんなんじゃ本命彼女の佐藤さんが幻滅しちゃうわよ~」

「本命!?本命って何よどういうこと!私は遊びだったの!?」

 

 もはや当人たち以外の全クラスメイトは、呆然とその修羅場を見つめることしか出来なかった。

 三人の怒声と悲鳴と絶叫以外は何も聞こえなくなった教室に、自分の生徒の恋路を笑顔で粉砕した腹黒巨乳教師の声が響く。

 

「じゃあ、皆そろそろ避難しましょうか。――それとも、もっと先生とお話したい?」

 

 全員三秒で整列した。

 

「まあよくできました♪。素直な生徒達をもてて私は嬉しいわよ」

 

 パチパチと拍手して、感激の笑顔を浮かべる坂本。

 

「じゃあさっそく皆、教室から出て先生の指示に従って避難しましょうね。さあ行くわよ~」

 

 と、教室の扉に向かって歩き出したところで、坂本がふと振り返り輝く笑顔でサムズアップした。

 

「ドンマイ伊藤君。いざとなったらセフレの佐藤さんと付き合うのもアリよ(キラーン☆)」

 

「「「「「もうやめたげて!」」」」」」

 

 全員で土下座しました。

 

 ◇◇◇

 

 そんなこんながあったものの、2年B組の全員がようやく廊下に出た時、新たな放送が流れた。ただし今度は、先の放送とは違う、よく通った少女の声で

 

『こちら、神原学園裏報道部です!これより現場からリポートします!』

 

「裏報道部?」

 

 首をかしげる凛花に、騎士は説明する。

 

「本来の報道部とは別の学校非公認の報道部だよ。お堅い本家報道部とは逆に、妖しい噂やらスクープだのを面白おかしく報道するんだが……」

「現場からとは危険じゃないか?」

「スクープのためなら命を懸けるとか言ってたが、マジで危険にさらすとかアホか……」

 

 凛花が眉をひそめ、騎士が溜息をつくのにも構わず、放送は続く。

 

『私は今不審者が通った後と思われる正面玄関付近の廊下を進んでいます。あっ、人が倒れていました!これは、独身29歳アラサー女子予備軍の三輪先生です!不審者にやられたのでしょうか、服は争った後のように乱れています。……外傷は見当たりませんね。どうやら意識を失っているだけのようです』

 

 命に別状はないとの言葉に、凛花がほっと息を吐く。

 そんな彼女の姿に小さく微笑んだ騎士の顔は、次の放送で凍りついた。

 

『……とりあえずもう少し進んでみます。万が一不審者に遭遇した場合は、命を懸けてリポートしますので……もし私の身に何かあった時、どうかこれをお聞きの皆さまは、スクープのために命を散らした一人の報道者がいたことを覚えていて下さ――「まあカッコいい。まさに報道者魂ねぇ!」』

 

 突然に鳴り響くのは、極上の悪意に弾む、心から愉しげな美声。

 

『え!? あ、あなた一体「どうも~。通りすがりの・ふ・し・ん・しゃ・です♪」嘘!?あなたどう見たって中学せ「はいストップよ。それ以上は言わせないし言えなくするわよ」ってちょっ、いきなり抱きつかないでくだ「ちょっと黙っててねぇ。すぐに気持ちよくなるから」や、どこ触って、ひぅ!な、なんか触られてるところがゾクゾクするぅ「あらあらこんなに溜まっちゃってぇ……ふふ、たっぷり吸ってあげる」う、うわわぁ、な、なんか吸い上げられてる感じがするよぉっ「あははっ。さあもっと鳴いて叫んで狂いなさい。あなたのメス豚みたいな声を学校中に聞かせるのよ!」い、いやあああああああああ』

 

 ―――ブツッ―――。

 

 あられも無い嬌声と極悪そのものの高笑いを最後に、放送は切れた。

 そして、それと入れ替わるように。

 

 ――ブチッ―――。

 

 キレやすい10代が、キレた。

 

「よし殺そう☆」

 

 爽やかな笑顔で殺気を爆発させる騎士に、周囲が絶叫した。

 

「う、うわあああああ!御伽がいきなりキレた!?」

「こ、殺される!」

「鎮まれ!鎮まりたまええええええ!」

 

 一瞬でパニックに陥るクラスメイト達。それでも勇敢な何人かが、騎士を取り押さえようと掴みかかる。

 

「なぜそのように荒ぶるのか!」

「離せエエエエ!俺は、どうしても殺らなきゃいけねえ事があるんだよおおおおお!」

 

 怒れる獣と化した彼の咆哮が炸裂する。

 それにあてられ、周囲の半分が気絶し、残る半分が悲鳴を上げた。

 

「怒りで我を忘れているんだわ!」

「……ないとの怒りは大地の怒り」

 

 そして一部が悪ノリした。

 

「どけよお前らあいつ殺せないッ!」

「ならば俺の屍を越えて行け!――ごめんなさい嘘です一度言ってみたかっただけですだから殺さないでええええええ!」

 

 かくて怒りと恐怖の修羅場と化したこの場では、誰もが己の命を守るのに必死で、他の事に気を回す余裕などなかった。

 

 ――故に、一人の生徒の姿が消えたことに、誰も気づかなかったのである。

 

 ◇◇◇

 

「ふうっ……」

 

 哀れな報道部員から魔力を吸い上げ、極悪の少女は満足げに息を吐いた。

 

「ごちそうさま。あなた中々美味しかったわよ」

 

 艶然と微笑み、意識を失い横たわる報道部少女の頬を色っぽく撫でる。

 

「んぁ…っ…」

 

 全身を弛緩させた少女は、上気した頬を撫でられてビクッと震えた。

 その姿にクスリと笑い、紫銀の少女は立ちあがった。

 

「さて、つまみ食いもこれぐらいにして行きましょうか」

 

 そして足取り軽やかに歩きだす。小さな手に一つの弁当箱を携えて。

 幼さの残る美貌に悪戯な笑みを浮かべ、これから会う彼の事を思い浮かべる。

 

「ナイトは一体どんな顔をするかしらねぇ」

 

 驚くだろうか。怒るのだろうか。それとも喜び感謝のキスをくれるのか。いやいやむしろ顔を合わせた途端全力で殺しにかかる気がする。

 ああ。いずれにせよ、どんなリアクションを見せてくれるのか楽しみだ。それはきっと最高に『心』のこもったものだろうから。

 

「ああ本当に楽しみ!」

 

 そして堪らず笑い出す。

 ああまったく可笑しい。人形が胸を弾ませて男に逢いに行くなんて、まるでただの人間の女の子のようじゃないか!

 悪趣味なブラックジョークめいた自分の行動に笑いながら、彼女は踊るような軽やかさで足を踏み出し――。

 

 怒涛のごとき殺気に全身を呑みこまれた。

 

「――――ッッッッッ!!」

 

 それは冷水のごとき冷たさと、激流のごとき激しさ、そして津波のごとき大質量をもって押し寄せた殺意の大海。

 呑みこまれた全身が震え、戦慄が駆け巡る。

 そして驚愕と共に思い出す。

 知っている。この冷たく澄んだ殺気を。時に緩やかに、時に激しく、時に荒れ狂い全てを呑み込むこの闘気を。

 

「――なん、でよッ!?」

 

 何故だ一体あり得ない。何故ここにお前がいるッ。

 驚愕に美貌を歪め愕然と呻く少女に、澄んだ声が答えた。それはどこまでも凍えた、触れる命すら凍らせる氷海のごとき冷たさで。

 

「『運命の糸は緩まず途切れず断ち切れず、どこまでも私を縛り続ける』と、我がマスターは言っていた」

 

 そこで声の主は、清らかな唇に皮肉げな微笑みを浮かべた。

 

「ならばこれは、我々を結ぶ運命の操り糸が引き合わせた物なのか」

 

 あるいはそれは、自嘲の笑みなのかもしれない。

 

「マリアネット・コードが切れたとて、我々は今だに運命という操り糸に縛られるマリオネットだということか……」

 

 彼女の浮かべたそれには、それほどまでの空虚があった。

 

「――だが」

 

 そこで、空虚な無力感さえ漂っていた彼女の声に、力が宿った。

 

「たとえ哀れな道化に過ぎぬとしても、私には守るべき友がいる」

 

 それは決意。それは誓い。

 それは、総てを失った彼女が、ようやく手にした光を、愛する友を命をかけて守らんとする魂の輝き。

 

 青みがかった黒髪の一本一本に至るまで闘気を巡らせ。全身の気脈を解放し、己を一人の少女から殺戮兵器へと変性させる。

 総てを呑み込む大海のごとき蒼の瞳を見開き、眼前の極悪をその迸る殺気にて呑みこみ尽くす。

 そして彼女は、己が真名を名乗り上げた。

 

「ゼペット式魔道人形『姫傀儡(マリアネット)』シリーズ第2番『凛花』――推して参る」

 

【挿絵表示】

 

 




バトルじゃないのにやたらと文字数がたまってビックリ。
それもこれも馬鹿共がハッスルしたせいです。というかこの物語登場人物が馬鹿と天然と変態しかいねえやどうしよう。
とりあえずこれからもキャラの暴走に翻弄されつつ頑張ろう。無理っぽいけど。

では次の投稿までゆるりとお待ちください。

※息抜き用にオリジナルで新連載始めました。ゾンビ好きの方は見ないでくださいね。
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