アークエンジェルでは水不足のため、色々と使用制限が課せられていた。それを解消させるためにデブリベルトへと向かうと、そこでみたのは崩壊したユニウスセブンだった。
キラ達はその惨状を目撃し、搬入作業することに躊躇してしまうが、そこの出身であるマリアに説得される。
そして、キラは救命ボッドを保護してアークエンジェルにてあけると、プラントの最高議長の娘「ラクス・クライン」が出てきたのであった。
一方のザフトでは、ラクス・クラインが行方不明となったことが騒動になっていた。それはライデンにも情報が入った。
それではお楽しみくださいませ。
-アークエンジェルside-
『ハロハロ、ハロラクスー』
「ありがとう、ご苦労様です。」
救命ボッドから出てきたのは、プラントの最高議長「シーゲル・クライン」の娘である「ラクス・クライン」が綺麗な服で飛び出してきた。アークエンジェルクルーとキラ達は唖然としていた。ただシルヴァはそこまで驚いておらず、マリアは口を押さえて驚愕していた。
「あら、あらあら」
「あ、大丈夫!」
慣れていない彼女を、キラは手を取り体を安定させる。そして両者が目を合わせるとラクスは「ニコッ」と笑みを浮かべ、キラは頬を赤らめていた。
「ありがとうございます」
「あ、い、いえ」
「ラクス様!」
『てやんでぇ!てやんでぇ!』
「この声はマリアお姉さま?」
マリアは声の主の方へ視線を送ると、マリアがオレンジの髪を靡かせて、ラクスの元へかけよった。キラは二人が近づくと一歩下がり、マリアはラクスの前に立った。
そして二人は軽くハグをした。その様子を見たシルヴァは口をあんぐりしていた。無論マリューさんたちも何がなんだか理解が出来なかった。
「お久しぶりです、ラクス様。」
「まぁマリアお姉さま。こうして会えることに感謝しますわ」
「私もです」
「あら、マリアお姉さま。どうして連合の軍服を?」
「ええ、実は色々と事情がありまして....」
「もしやここは連合の船なのですか?」
『ほらなー!』
「ど、どう言うこと?」
マリューさんは二人の関係性を不思議に思って、アークエンジェルのある一室にて、シルヴァとマリアも立ち会いで話を聞くことにした。残りのクルー達は搬入作業を再開させていった。だがしかし、彼女達の話を盗み聞こうとしているクルーもいたが、ナタルに注意され搬入作業に戻った。キラもそこにいてラクスは彼に手をふった。
「ラクス様、どうしてユニウスセブンへ?」
「私は追悼慰霊代表としてあそこにいたのです。」
「つまり、ラクスさんはそこの現地調査にいたところ、トラブルがあって救命ポッドにいたと」
「そうです、シャトルで来ていたのですが連合の船の方々が、私たちの内容が気に食わなかったそうで。それで揉み合いをしているうちに、救命ボッドに乗せられたんです」
「なんてことを」
「その後の船の状況はわかりますか、ラクス様」
「いいえ、分かりませんわ....」
「そうですか....」
「まいったな、こりゃ。シーゲル・クラインの娘を放っておくわけいかないよな」
「当たり前ですよ、ムウさん。マリューさん、ラクスさんの事はとりあえずこのアークエンジェルで保護することにして、マリアを側に置くのはどうでしょう?」
シルヴァの意外な提案にマリューさんは驚いた。このアークエンジェルには多くの民間人もいるなか、新たに保護することを提案したのだ。その意見にはマリアは深く頷いていた。
「それはそうね。えっとラクスさん、我々はあなたを保護しますが不便な事を承知の上で、この部屋にいてください」
「マリアさん、彼女の面倒をお願いしますね」
「分かりました、ラミアス艦長。」
「ありがとうございます。マリアお姉さまとそこの貴方も一緒にどうですか?」
「え?俺ですか」
ラクスの意見に、不覚にもシルヴァは呆気に取られてしまった。まさかラクスが自分を指名してくるとは思いもしなかったからである。ただ後から条件として、クルーを後一名護衛として部屋まで到着するまでつけることにした。
「はい。少しでも殿方ともお話したいですし」
「は、はぁ」
「搬入作業は俺が指示出しとくからよ、シルヴァも一緒にいってやれよ、な?」
「ムウさん。分かりました、マリューさん後の事はお願いいたします」
「ええ、任せてちょうだい。」
マリューさんとムウさんはシルヴァの意見を聞き入れ、ナタルを引き連れて搬入作業に戻っていった。三人が退室したあと、部屋に残ったのはマリアとシルヴァ、ラクスのみになった。そこでラクスが持っていたロボット「ハロ」がシルヴァに飛び付いていった。すかさず、キャッチしてラクスに返した。
「えっとラクスさん?このロボットは」
「この子はハロって言いますの。可愛いでしょう?」
「ええ、とても」
『こんにちわ!』
「私も久しぶりに見ましたよハロなんて。」
「そうなんですのね、所で貴方のお名前を伺ってもよろしいですか?」
「ん、俺ですか?いや、私はシルヴァ。シルヴァ・ファウストです。貴女と同じコーディネーターです。」
「まぁ、素敵なお名前ですね。シルヴァ様とお呼びしますね。」
「少し照れくさいですね、ラクス様と呼べばよろしいでしょうか」
「大丈夫ですよ、ラクスとお呼びしてもかまいません」
「気になったのですがマリアお姉さまの首元にある首飾りは、誰かに貰ったのですか?」
ラクスの意外な質問に、マリアとシルヴァは驚いてしまった。マリアは顔を赤らめて、首元にあるシルヴァから貰ったネックレスを握りしめていた。シルヴァはマリアの様子を見ると、確信したのか顔を隠すように手で覆った。その様子を見た二人をラクスは「ニコッ」と笑みを浮かべて、止めを刺すようにきいた。
「お二人はお付き合いしておられるんですね」
「「い、いやまだです!」」
「え、マリア....??、」
「ラクス様、お戯れが過ぎます!喉乾いてるでしょうし、飲み物持ってきますね!」
「あ、マリアお姉さま」
マリアは気恥ずかしくなって、部屋から退室していった。部屋に残されたラクスと、シルヴァは笑っていた。それから何故マリアがザフトではなく連合の軍服を着ているのか。ヘリオポリスで初めて会ったとき、生きるか死ぬかの選択を選ばせて生き長らえたこと。そして、アークエンジェルについたとき、捕虜になることで下手したら殺害されるのではないか、それを回避するために彼女を守ったことを全てラクスに伝えた。
その理由をラクスに教えると、彼女は深くその意見を尊重した。むしろ、マリアが生きていることに感謝をしていた。いくら戦争でも、失っていく命が増えていくことにラクスは悲しんでいた。そのために平和の歌を歌い続けていると、シルヴァはその話を聞いて頷いていた。
そうしていると、シルヴァは搬入作業が終わっている頃合いだとおもい部屋から退室しようとしていた。
「ありがとうございます、シルヴァ様。貴方の事を少しずつですが知ることができて良かったですわ」
「いいえ、こちらこそラクスさんの事も知ることが出来たので良かったです。俺はこれからやることがあるので行きますね。マリアもそろそろ来る頃でしょうし」
「そうですわね、お話に付き合ってくださってありがとうございました」
「では、ラクスさん失礼します」
「あの、シルヴァ様」
「どうしました?」
部屋から退室しようとしたシルヴァをラクスが立ち上がり呼び止めた。シルヴァは不思議に思い振り返ると、あることを言われた。それは思いもよらない事だった。
「マリアお姉さまは、シルヴァ様のこと好いておられますよ。どうかお姉さまをお願いいたします」
「ら、ラクスさん。まだそんな関係じゃありませんが、でも俺は彼女を守ると誓ったので。また時間が空いてるとき、ゆっくり話をしますよ」
「そうなんですのね。まるで絵本に出てくる『騎士』みたいですわ」
「そうかもしれません、なんてね。ではまたラクスさん」
「ええ、シルヴァ様。また来てくれますか?」
「勿論ですとも」
そうしてシルヴァはラクスの部屋から、退室してモビルスーツ格納庫へと向かった。搬入作業は終了しており、氷を溶かしている最中だった。シルヴァはキラたちに、差し入れで少量ではあるが水を支給して、自分も作業に入った。
ラクスがいる部屋では、食堂からマリアが戻ってきており女子トークと再会できたことを話し合っていた。そしてその流れでシルヴァの話になると、ラクスは興味津々でマリアの話を聞いたのであった。むしろ、子供の頃から会っている姉さんの反応が、見たことないくらい赤面しているので、話は弾んでいた。
-アークエンジェルside....end-
-ザフトside-
その頃クルーゼ隊所属のローラシア扱ガモフは、足付きの足跡を引き継ぎその後を追っていた。何時間もかけて追うものの手掛かりは以前捕まえていなかった。本隊のクルーゼはアスランと共にヴェサリウスでプラント評議会に呼ばれたままであった。
クルーゼ隊の副隊長であるジョニー・ライデンは、自室にてPCを開いてプラントのニュースを、コーヒーを飲みながら見ていると気になる記事があった。それこそ「ラクス・クラインの安否」である。
「やはり、ラクスはユニウスセブンへと向かっていったのか。恐らく、シルヴァがいる足付きに保護されてるかもしれないな。」
ライデンは確信していた。転生者である彼は原作を知っているからこそ言える台詞である。それに今ごろ、本国でクルーゼ隊に捜索任務が出ている頃だろうと、そう思いながら机にあったコーヒーを飲み干した。気分転換にタバコを吸いにいこうとすると、ニコルたちと鉢合わせた。
「あ、副隊長!見ましたか、ニュースを」
「ああ、見たよ。シーゲル・クラインのご息女であるラクス・クラインの安否が分からないってことだろ?」
「そうなんですよ、ライデンさん。結構大騒ぎになってますし」
「なにせ、ラクス様は我がプラントのアイドルだもんな~」
「それはそうだな、ディアッカ。それに本国にいるクルーゼはすぐに戻るだろうしな」
「それって副隊長の「勘」ですか?」
「まぁ、そんなものだな。ポケットにある小型端末にアイツからすぐに連絡が入るだろうさ」
そうやって、ニコル達と話しているとライデンの端末に「ラクス・クライン捜索」というメールが、クルーゼから送られていた。それを確認すると再びポケットにしまい、タバコを吸いこうとしたがニコルに止められてしまった。
「あ、副隊長。また吸おうとしましたね?肺が悪くなりますよ?」
「いや、久しぶりに吸おうとしただけだが」
「ダメです、早死にしちゃいますよ」
「あらら、まーた副隊長ニコルに止められてら」
「フン、まるで嫁みたいな叱り方だな」
「なっ!?イザーク何を変なこと言うんですか!」
「こらこら、あまりニコルを弄るんじゃない」
イザークに冗談を言われたニコルは、顔を赤くし両手で隠していた。その様子を見たライデンとイザーク、ディアッカは笑っていた。その直後、ライデンの本音が漏れてしまった。
「可愛いな、ニコル。君の照れてるところ好きだよ」
「ふえ、ライデンさん!?」
「ほう、珍しく躊躇しているなニコル」
「おっと副隊長?ニコルをナンパですかい?」
「馬鹿言うんじゃない、ディアッカ。さて気分転換にシュミレーションしに行くが、三人も来るか?」
「「「はい!」」」
「元気いい返事だな、三人とも。よし俺が一人ずつ相手をしてやる。いいな」
三人はそう言われると、ガッツポーズをした。ライデンはその様子を見て、ニコッと笑った。だがしかし、彼らは地獄を味わうことをまだ知らない。
シュミレーションでライデンに経験の差で、ボコボコにされてしまった。特にイザークは格闘戦でフルボッコにされ、何回も再戦するも返り討ちにあった。
だが、ライデンはそこまで鬼指揮官ではない。三人の良いところ、悪いところをアドバイスしていった。三人の顔は凛々しい顔でアドバイスを受け止め、各自シュミレーションを行っていった。
ライデンはアドバイスを伝え終わり、自室に戻って再びPCを開くと一通のメールが届いた。それは自分が提案した「S.F.S」が完成したとの報告であった。それのメールを受け取ったライデンは笑みを浮かべる。
「これで少しはマシに戦えるな。アイツらをヤらせないためにも、俺が頑張らないとな」
ライデンはそう言いながら自室のベッドに横たわって、仮眠を取ることにしたのであった。
-ザフトside....end-
-アークエンジェルside-
キラとシルヴァは作業を終えて二人で廊下を歩いていた。キラはラクスの話を少し聞いてあることを思い出した。それは自分が撃った偵察型のジンである。
(まさか、あのジンは救出に来ていたジンなんじゃ....)
キラはスイッチを押した右手を握りしめた。知らなかったから敵を撃った。しかし、ラクスの話を聞いてしまった時自分がしたことは正しかったのか、それさえ迷ってしまった。隣にいたシルヴァはキラの右肩を軽く叩くと、キラは少しくらい顔をして彼を見上げた。
「キラ、あまり自分を責めるなよ?」
「はい、シルヴァさん....」
「とりあえず、あの子の所に行くが着いてくるか?」
「いや、僕は」
「お前は彼女からしたら、救命ポッドを拾ってくれた命の恩人なんだ。少しは話さないとな、無理強いはしないが顔を出してやりなよ」
「そう、ですね。分かりました」
「おう」
「嫌よ!」
「ちょっとフレイ!」
キラにそうやって話していたら、食堂で何やら揉め事が起きていた。声からしてまたフレイに違いない。恐らくザフトのコーディネーターであるラクスに、食事を運ぶことを嫌がってるのだろう。そう思い、キラと共に食堂につくとその予感は的中しており、その場にいたカズイにあえて聞くことにした。
「どうしたんだ、カズイ?」
「ああ、シルヴァさん。フレイがあの子の食事を持ってってと言ったら、嫌と言って揉めてるんです」
「そう言うことだったのか」
「私は嫌よ!コーディネーターの所にいくなんて」
「ちょっとフレイ!」
「シルヴァさんとキラは別よ?分かってはいるのだけれど。マリアさんも元々ザフトのコーディネーターなんだし、頭もいいし運動神経もあるからどうするのよ」
「えっと、その、でも少なくともマリアさんとあの子はそんなことはしないと思う....」
「そんなの見た目で分からないじゃない、すごく強かったらどうするのよ」
「ふむ、少なくともマリアは強くはなかったが」
「まぁ、誰がお強いんですの?」
「ッ!?」
その声の主にキラたちが振り向くと、ラクスが一人立っていた。シルヴァは「あちゃあ」と頭をかいて、この状況をどうやって切り抜けるか頭をフル回転させていたのであった。
一方、アークエンジェルのブリッジにマリアが向かっていった。
その前にラクスが水をのみたいと言われたので、場所を教えてブリッジに入ると、マリューさんが頭を抱えていた。
「あら、ムウさん。」
「よっ、マリアちゃん。しかし補給の問題が終わったら今度はザフトのお姫様かぁ。悩みの種がつきませんな、艦長殿!」
「ええ、このまま月本部に連れていくしかないと思うのだけど」
「まさか、連合の月本部にですか?」
「そうだぜ、クラインの娘だから色々と利用価値があるだろうさ」
「でも、いくら民間人でもそんなことは」
「そうおっしゃるなら、シルヴァやヤマト達はまだ子供で民間人ですよ?」
「バジルール少尉それは....」
CICから出てきたナタルがそういうと、一瞬空気がピりついた。その場についたマリアも、ナタルさんの方へ目線を向ける。だが言いたいことは理解できていた。元々自分はザフトの敵兵であり、シルヴァ達は民間人であることも。
「キラ少年やシルヴァを、やむを得なく戦争に参加させておいて、あの少女だけは巻き込みたくないということですか?」
「ッ....」
「すでに彼女はクラインの娘ですよ。その時点でただの民間人ではありません」
「ナタルさんの言いたいことは分かるわ」
「マリアさん....」
「ちょっと食堂に戻りますね、今ごろお腹を空かせているでしょうし」
「あー、マリアちゃんお世話係みたいになってるもんな。行ってきなよ」
「はい、失礼します」
マリアはそう言うとブリッジから退室していった。マリアは歯噛みした。この船にはナチュラルが沢山いる。例え打ち解けてもまだその壁は解消されないのは理解していた。マリア自身、ナチュラルを決して否定しているつもりはなかった。色々と思いながら、ラクスが向かった食堂へと、その足を歩めた。
それから、食堂ではラクスが登場してきたことにより、キラ達は同様をしていた。
「まぁ、驚かせてすみません。私喉が乾いてしまって、それに笑わないでくださいね?だいぶお腹が空いているので。ここは食堂ですか?何かいただけると嬉しいのですけど」
「ちょっ、ちょっと待って!」
「え、鍵とかしてないわけ?」
「ちょっと何でザフトの子が勝手に出歩いてるのよ!」
「勝手にではありませんわ、マリアお姉さまにここまで案内されてここに来ましたの」
「そうだったのですか、ラクスさん。今ちょうど運ぶところでしたよ。」
「ありがとうございます、シルヴァ様」
ラクスはシルヴァに一礼をすると、フレイに視線を向けて話を始めた。シルヴァはラクスの後ろに立ち、見守る立ち位置にいた。
「それに私は『ザフト』ではありませんわ。ザフトは軍の名称で、ゾディアック・アライアンス・オーブ・フリーダム....」
「何だって一緒よ!コーディネーターなんだから」
「同じではありませんわ、確かにコーディネーターではありますが軍の者ではありません。でしたら貴女も軍の方ではないでしょう?なら、私と貴女は同じですわ。」
「ご挨拶が遅れました、私は....」
「ちょっとやめてよ!なんで私があんたと握手しないといけないのよ、コーディネーターの癖に馴れ馴れしくしないで!」
「あ....」
「よせ、フレイ」
フレイの発言により、食堂に冷たい空気が走った。シルヴァは止めようとしたが遅かった。それを聞いたキラはショックを受けてしまった。それはそのはず、自分が気になっている女の子があんなことを言うとは思いもしないからである。
ラクスも少なからず傷ついたかもしれない、そう思ったシルヴァはご飯が乗ったトレーをキラに渡して、ラクスを連れて部屋に戻るように伝えた。
「俺はモビルスーツ格納庫に向かうよ。何かあったら呼びに来てくれ」
「あ、シルヴァさん!」
シルヴァはそう言いながら食堂を後にした。その道中、マリアと鉢会わせてしまった。マリアはシルヴァの顔が少し暗い顔をしていることに気づいて、聞くことにした。
「シルヴァ、どうしたの?暗い顔をして」
「ん?ああ、大丈夫さ。」
「ねぇ、これから何処か行く?」
「いや、気分転換にシュミレーションと格納庫にいこっかなって」
「なら、部屋に行って休まない?ずっと動いてばかりだから」
「それもそうだな、マリア。そうするよ」
シルヴァはマリアにそう言われ、マリアと共に自室で休むことにした。部屋についたとき、マリアの柔らかい唇がシルヴァの唇と重なった。数秒だけではあったがマリアは「ニコッ」と笑って、部屋を出ていった。シルヴァはマリアに先手を取られたのか、
呆然としており、ベッドに座って悶々としていた。
(もう、当たって砕けろだ。マリアに告白するか....)
そう思いながら、仮眠を取った。
キラはラクスのいる部屋につくとトレーを机に置く。すると、ラクスは少し退屈そうな顔をした。
「またここにいないといけないのですのね」
「そうですよ、ここは連合の船ですから。コーディネーターの事をあまり好きじゃない人も多いですし」
「それは残念ですわ。でも貴方は優しいんですのね、あのシルヴァ様とマリアお姉さまのように。ありがとう」
「いえ。ぼ、僕はコーディネーターですから....」
「そうですか。でも貴方が優しいのは貴方だからでしょう?」
「お名前を聞いてもよろしいですか?」
「ぼ、僕はキラ。キラ・ヤマトです」
「そう、ありがとうキラ様」
キラは顔を赤らめてラクスの事を見つめた。彼女の魅力に少なからず惹かれのかもしれない。そう思いつつ部屋から出ると、サイとマリアがいた。
「あ、キラ。ミリィから聞いたよ、フレイには後で言っておくからさ。」
「うん....」
「何かあったの、サイ君?」
「まぁ、フレイがまたトラブル起こしてしまって」
「はぁ、またあの子ね....」
マリアは呆れていると、ラクスの部屋から歌声が聞こえてきた。その声はとても優しく、心がリラックスするような感じがキラとサイは感じた。するとサイが無意識なのか、一言いい放った。
「あの子の歌声か」
「そうでしょう、彼女の歌声は素晴らしいわ」
「それも遺伝子を弄ったから、あのように歌えるのかもな。」
「ちょっとサイ?それはよくないわ」
「あ、マリアさん。すみません....」
「まったくもう」
「はは、キラ行こうぜ。俺たちも飯食わないとな」
「うん....」
「ちょっとキラ君いいかしら?」
「ま、マリアさん!?」
マリアはキラを呼び止めると、彼の耳元に一言聞こえないように話した。だがキラはマリアの胸元に視線が行き、顔を赤らめながら聞いた
「あまり気にしなくていいからね。サイも皆や悪気があって言ってるわけじゃなさそうだから」
「はい、マリアさん。あまり気にしないようにします」
「良い子ね、キラ」
「く、くすぐったいですよ。マリアさん」
「さぁ、ご飯食べにいってらっしゃい。私はラクス様と話すわ」
「はい、また後で」
「ええ、また後でね」
キラはマリアに頭を撫でられくすぐられると、笑顔になった。そしてお互い別れた。
それからというもの、アークエンジェルのブリッジではハルバートン准将率いる第8艦隊の先遣隊「モントゴメリ」より、信号を受信し、やっと味方と合流できることに歓喜の声をあげていた。その船には、フレイ・アルスターの父もその船に乗っていた。サイはその報告をフレイに言うと彼女も喜んでいた。
だが、アークエンジェルクルーはまだ知らない。その先遣隊に迫り来るザフトの黒い影が迫っていることに。果たして無事に合流できるのか、自室にいる仮眠終わりのシルヴァはそう思いながら、暗い海を見ていた。
-アークエンジェルside....end-
とある宙域にて、男はモビルスーツに乗っていた。その期待は黒に近い紫色の塗装に変更されてあり、目付きがとても鋭く何処か禍々しさがあふれでていた。するとコクピットにあるAIが彼の感情を読み取り語りかけた。
『悲しいのですか、アーサー』
「いや、そうじゃないさ。ただ何か虚しいだけさ」
『そうですか、そろそろ時間になりますよ』
「そうだな、インテグラ。」
「ナイトメア、システムオールグリーン発進どうぞ!」
「アーサー・グレイ、ナイトメア出るぞ!」
ナイトメアの赤いツインアイが発光しアガメムノン級メネラオスから出撃していった。ナイトメアは背部にある2基のロケットブースターと背部のリアスカートもブースターを展開して、一気に加速していった。
「くっ!殺人的な加速だが、問題ない!」
アーサーは専用の強化パイロットスーツに身を包んでいるものの、歯噛みしたが笑った。そして「死神」は暗黒の海へと消えていった。
いかがでしょうか。今回も非戦闘回です。そろそろフィアースが暴れてくるかもしれません。
マリアとラクスは幼少期、親の計らいでよく会っており、戦争が始まる前に一回会ってます。関係性としてはラクスからすると姉のような存在であります。
さて、フィアースのソードストライカーの解説します。
ストライカーパックの名前は「ウォーリアストライカー」
バックパックの見た目は、ソードストライカーに酷似しているが「シュベルトゲペール」ではなく、専用の対艦刀「バルムンク」を装備しており、フィアースと同じ全長のビーム対艦刀が展開する。スラスターはストライクの倍以上あり、高機動かつ瞬時に目標を殲滅することを目標にしている。
機体色は通常の「白と青」から「白・赤・オレンジ」のカラーリングに変更されており、敵の注意を引き付けてモビルスーツを一気に殲滅できる。
今回はここまでです。また更新速度をあげていきますのでお楽しみに!それではチャオ!