地球連合軍の知将「デュエイン・ハルバートン」率いる第8艦隊に合流したアークエンジェル。
トールたちは除隊申請の紙を受け取っており、残って戦うか迷っていた。シルヴァは自分なりの決意を見いだしてマリアと共に残ることを決意する。そしてキラも迷いつつも、シルヴァに悟られ自分なりの答えを探していた。
だが、そんな彼らを放っておくほどクルーゼ隊は優しくはない。
今ここに死闘が繰り広げられるのである....
それではお楽しみくださいませ。
とうとうクルーゼ隊の本隊と第8艦隊の戦いの火蓋が落とされることになった。
だが、アークエンジェルには動きが見られていなかった。モビルスーツ格納庫ではフィアースとルアル、メビウスゼロも待機していた。しかし、我慢しているせいなのかムウさんが痺れを切らしてマリューさんに通信をした。
「なんで俺たちはこのまま待機なんだよ!このままじゃ第8艦隊も落とされちまうぞ!」
「フラガ少佐、今は出撃命令は出せません。そのまま待機してください!」
「おい待ってくれ!くそ、切れちまった....」
「何か嫌な予感がするんだがな、フラガ少佐」
「何いってんだよ、シルヴァ。このままだと全滅するっつの!」
「落ち着いてください、フラガ少佐。八つ当たりしても何も起きませんよ?」
「あ、まぁ、そうだよな。マリア少尉」
「それにメネラオスには、アークエンジェルから移動した避難民の人たちがいる。なんとか、巻き込ませたくないが....」
「だよな、シルヴァ。しばらく頭冷やすとするか」
ムウは頭をかきつつも、コクピットで頭を冷やしていた。三人はハルバートン閣下の命により昇格していった。マリアに関してはモビルスーツパイロットであるため、特例で連合軍の軍人として位をさずかった。
一方アークエンジェルを守るように陣形を保っているメネラオスだが、四機のガンダム「デュエル・バスター・ブリッツ・イージス」が次々に、ネルソン級とドレイク級を撃ち落としていく。
それでも連合軍はメビウスを出撃させるがジンに勝てるはずなく撃墜され、連合軍の士気が低下していく中、『それ』は突如と現れた。
それに気づいたのは味方ではなく、ザフト軍のエースパイロットジョニー・ライデンである。
「なんだこの気配は。まさか新手か!」
「クルーゼ、何やら嫌な予感がする。気を付けろ!」
「なんだと?どういうことだライデン」
サブフライトシステムの「フライングアーマー」に乗りながら、ジンハイマニューバで通信をしたライデンだが、次の瞬間、極太の黄色の閃光が戦場を駆け抜け、ジンを二機貫通して撃破していった。それは突如とメネラオスの前に現れたモビルスーツ。それは八番目のモビルスーツ『ナイトメア』であった。
メネラオスのブリッジで指示を出しているハルバートンは、席から立ち上がりそのモビルスーツを凝視していた。
それから、ナイトメアからメネラオスに通信が入る。
「こちらは、大西洋連邦所属アーサー・グレイ大尉であります。これより、第8艦隊の援護に入ります。」
「な、なんだと!君はまさか!いや、しかしありがたい。援護に感謝する!我々はアークエンジェルをアラスカに届けなければならない、それまでナスカ級とローラシア級を落としてくれても構わん!」
「了解です。撤退させるようにはしますが、やれるだけことはやってみます。」
アーサーはコクピットで頷くと、背部と腰部のロケットブースターを展開させて前線に向かっていった。ハルバートンは残存艦隊含むアークエンジェルに援軍が来たことを通信で知らせた。その報告により士気が戻りつつもあった。
それからアーサーは右肩に装備してある「ハイパー・メガ・ランチャー」を折り畳み、左肘からビームサーベルを取り出して加速しながらジンを一機真っ二つにして撃破する。次の目標をヴェサリウスに向けるがその前にアスランが駆るイージスがビームサーベルを展開し、こちらに接近する。
「ええい、邪魔だ!」
「アークエンジェルとメネラオスを落とさせるわけにはいかないんでな!」
「ニコルとアスラン共にソイツを落とせ!」
「分かりました!」
「チッ、さすがにガンダム二機はきついな。そろそろ『奴ら』も来ると思うが!」
イージスとつばぜり合いをするも、その後ろからライデンから命令を受けたニコルがアーサーに向かいブースターをふかせていた。アーサーはイージスのビームサーベルを弾き返すと蹴り飛ばして距離をとり、後ろを振り向いてブリッツに向けてハイパー・メガ・ランチャーを放つ。
ニコルはすぐに回避するが、ロケットブースターで一気に近づいてきたアーサーがすぐに左肩のシールドに搭載されている「ヒートロッド」でブリッツに当てる。
「きゃあああああああ!」
「ニコルーーーー!」
「フン、この程度か。他愛ないと言いたいが油断ならんな」
『アーサー、こちらに急接近するモビルスーツあり』
「やらせるものか!そこのモビルスーツ!」
「あれは真紅の稲妻か!ここで会えるなんてな、光栄だ!」
アーサーはそう言うと、ジンハイマニューバに乗ったライデンがアサルトライフル二丁を構えて向かってきていた。その気迫に軽く驚きつつもシールドでガードする。だがライデン渾身のマークII蹴りでシールドを弾かれ吹き飛ばされるが、すぐに体制を立て直しビームサーベルを引き抜いてジンハイマニューバに振るう。ライデン右手にあるアサルトライフルを投げ捨て、左サイドアーマーに装着してある試作型の「レーザー対艦刀」を引き抜いて応戦する。
「やるな、真紅の稲妻!」
「貴様こそな、ナチュラルのくせにな!」
「ああ、そいつはどうもってな!」
二人は互いにそう言いながら二度、三度鍔迫り合いを繰り返す。それからジンハイマニューバの元へ、リモートコントロールによって戻ってきたフライングアーマーにライデンは乗り、そこに搭載されてあるビーム砲台の2基を起動させてアーサーに発砲しながら、前線にいるイザークとディアッカの元へと向かっていった。
アーサーはすぐさまビームを回避するが、ブリッツとイージスの追撃に合いうまくヴェサリウスに踏み出せていなかった。
コクピットで苦虫を噛み潰したような顔になるが、AIの「インテグラ」に話しかけある決断をする。
「インテグラ、システムを起動させてくれ」
『了解。システム回路接続、システムオールグリーン、パイロットの生命活動異常無し。アーサー行きますよ』
「ああ、インテグラ。『バーサーカーシステム起動』」
ナイトメアは赤いツインアイを光らせ、マスクを開閉させて赤い排気ダクトを光り輝かせる。そして、機体の各部から「青い炎」をちらつかせアスランとニコルを驚愕させる。その様子をみたニコルはすぐにあることを思い出した。それは足付きにいる白騎士と同等の変身だということに。そして、すぐさまアスランに通信を行う。
「アスラン、あのモビルスーツは足付きにいる白騎士と同じシステムを積んでいる可能性があります!気をつけていきますよ!」
「ニコル!?了解した、こちらも時間がないからな。俺が接近する!」
「さぁて、うまく切り抜けられるかどうか。それに「反応」しているだろうしな、行くぞ!」
アーサーは、右のサイドアーマーに装着してあるビームソードを手に取りアスランとニコルに向かっていく。
ここに、ナイトメアは「獣」になりながらザフトと奮戦していくことになる。
一方の第8艦隊は、アークエンジェルが降下するためにメネラオスにオープン回線を開いて「大気圏突入」を申し立てた。ホフマンは敵前逃亡だと叫んでいたが、ハルバートンはそんなマリューにたいして、すぐに了承した。そしてアークエンジェルは降下準備にはいると、それに気づいたクルーゼはすぐさま、その近くにいるライデンに通信を行った。
「ハルバートンめ、第8艦隊を盾にしてでも足付きをアラスカに下ろすつもりか!」
「ライデン聞こえるか!足付きは降下準備に入った、すぐに落とせ」
「なんだと!?時間がないというのに。ええい、わかった。こちらでなんとか対処する!」
「頼むぞ、ライデン」
「イザーク、ディアッカ!これ以上雑魚に構う必要はない!後はジン小隊に任せればいい!」
「「了解、副隊長!」」
ライデンはイザークとディアッカに命令すると、すぐにアークエンジェルに向かうがその前にはハルバートンの旗艦メネラオスとネルソン級、ドレイク級が立ちはだかり弾幕が飛び交うが、それらを掻い潜り船を落としていく。
その時、アークエンジェルからモビルスーツが「四機」のモビルスーツが出撃していった。そこには除隊に迷いをたちきりアークエンジェルを守るために決意したキラが残っていた。
「ストライク!このアサルトシュラウドが引導を渡してやる!」
「デュエル!?装備が!」
「ディアッカ、おまえはあのモビルアーマーをやれ!俺は残りの二機を相手する!」
「副隊長、無理しないでくださいよ!援護はしますから!」
「さぁて、シルヴァとマリアの二人か....やるしかないな。骨が折れる....」
ストライクはデュエルと接近して銭闘を開始し、ムウさんが乗っているメビウスゼロはバスターと交戦。フィアースはXの形を模したストライカー「フリューゲルストライカー」を搭載し、ルアルはウイングユニットを装備してライデンと衝突する。
「よう、また会ったなシルヴァ!今度は逃がさないぜ」
「まったくお前はしつこい男だぜライデン!」
「副隊長!?でもやらせてもらいます!」
「良い機体だな、マリア!それでいい、遠慮なく来い!」
シルヴァは右手に「シェキナー改」を構え、マリアは翼から折り畳まれた「サテライトライフル」を連結させてライデンに向けて発砲する。
だがライデンはとっさにフライングアーマーから離脱しリモートコントロールに切り替えて、二機の攻撃を回避してフライングアーマーに装備してあった予備のアサルトライフルと、デュエルアサルトシュラウドに装備してあるレールガン「シヴァ」を片手に持ちフルバーストさせる。
シルヴァはマリアの前に立ちはだかり、PSマントで防ぐ。だがマリアの後ろにはフライングアーマーがビーム砲を構えて発砲したが、マリアは咄嗟の判断でビームサーベルで全て防ぐ。
ライデンはマリアの成長に感心しつつ、フライングアーマーに乗り機動力を生かして攻撃を仕掛ける。その後ろからローラシア級ガモフがヴェサリウスより前に出ており、まるで特攻のようにメネラオスに近づきつつあった。
「バカな、ゼルマン艦長!引け、このままでは重力に引かれて燃えるぞ!」
「副隊長、元々我々はアークエンジェルを落とす命を受けています!このまま引き下がるわけには!」
「ライデン、もう時間がないイザークとディアッカを引き連れて撤退しろ!」
「待ってくれ、クルーゼ。イザークはストライクと交戦している状態だ!ディアッカなら、大丈夫だ!俺のフライングアーマーなら万が一大気圏突入はできる!」
「分かった、ニコルとアスランは謎のモビルスーツと交戦しているが、必ず回収する。」
「ああ、頼むクルーゼ」
ライデンはすぐにクルーゼから通信を切ると、フライングアーマーのブースターを最大稼働させてイザークの元へと向かっていく。マリアとムウさんは活動限界が来ると、アークエンジェルの方へと向かっていった。だが、シルヴァはフィアースのブースターを展開させてキラの元へとかけよっていった。
メネラオスは迫り来るザフト軍のローラシア級ガモフに恐怖しつつ高度を保っていた。そして避難民のシャトルを出したその時、神の気まぐれなのか。右方向から高熱源体がガモフを貫いていった。
そしてガモフは瞬時に爆発に巻き込まれぬよう回避行動をとり、高熱源体の現れた方向を見るとそこには大西洋連邦所属特殊部隊「タクスフォース・デルタ」の旗艦である、アガメムノン級特殊戦艦「タナトス」が変形をして、ローエングリンを放っていた。そして、艦長がメネラオスに向けてオープン回線を開く。
「こちら大西洋連邦所属特殊部隊タクスフォース・デルタです。ハルバートン閣下、遅れて申し訳ありません。これより貴艦は閣下の援護に入ります。」
「な、なぜ今ごろなのだ!だ、だが感謝する!こちらとて戦力はもうないのだ!」
「分かりました、こちらもモビルスーツを出します。」
タナトスの艦長はハルバートン閣下からそう言われると、すぐにモビルスーツ格納庫に通信を入れる。そして一人の男がコクピットから受け答えしていた。
「隊長、流石に遅れましたよ....。第8艦隊はボロボロですし、アーサー大尉は奪われたG兵器二機と戦ってますよ。噂のアークエンジェルは大気圏突入してますし」
「ああ!?アークエンジェルは大気圏突入してんのかよ!畜生、タイミング逃した!分かった俺を出してくれ!他のメンバーはそのまま待機!」
「「「「「「ええええええええええええ!?」」」」」」
「了解!」
「システムオールグリーン、『ランサー』発進どうぞ!」
「了解だ、すぐに戻るけどな!ランサー、アーカード・ワイズマンでるぜ!」
エールストライカーを搭載したランサーは、ツインアイを光らせリニアカタパルトから発進していった。イージスとブリッツを交戦していたアーサーは二機の攻撃を切り抜け、アーカードに近づく。そして通信を行った。
「随分と遅い登場だな、アーカード」
「うるせぇ!こちとら色々あったんだよ!」
「まぁいいさ、俺はフィアースが出たからそこに向かう。ジンは残り三機だ。あらかた片付いてる。」
「俺は後処理ってか!?まぁいい、ここはおまえの顔を立ててやるよ!さっさと行ってこい!」
アーサーはアーカードに託すとロケットブースターを展開させてフィアースの元へと駆け寄る。パイロットが誰か知らないまま....
そして、アーカードはブースターを展開させてビームサーベルを連結させる。そして自分に向かってきたジンの攻撃を避けて、腕を切りコクピットへ突き刺した。
だが、最大の目標はあくまで「ザフト軍の撤退」であること。それを頭に叩き込んでいるため、ローラシア級のツィーグラーの砲台を腰に懸架してあるビームライフルを取り出し攻撃する。そして守ろうとしたジンをビームサーベルで切り刻むと、エンジン部分を狙撃し航行不能にさせた。
その様子をみたジンのパイロットが悪態をつく。それを聞いたアーカードはそれに噛みつくように反応した。
「くそ、ナチュラルのくせに!俺たちの方が上なんだぞ」
「舐めんじゃねぇ!俺の方が上なんだよ!」
悪態をついたジンに向けてブースターを吹かすと、ジンのバルスス改・バズーカ砲をよけてビームライフルを発砲する。二機目を撃破するとビームサーベルを二刀流に切り替えて、三機目を切り刻んでいった。
これでジンが全滅したとクルーゼがその報告を受けると、思い切り拳を握り歯噛みしていた。
(抜かった。まさか「エンデュミオンの影」と連合の増援が来るとはな!最悪な展開だな)
また場所を切り替えて、大気圏方面ではストライクの代わりにフィアースがデュエルに応戦していた。だが、もう大気圏突入に差し掛かっているためお互いの機体の表面温度は上昇していく。ライデンはというと、流石にジンハイマニューバでは戦闘が続かないためフライングアーマーで大気圏突入しており、イザークに近づきつつあった。
「ええい、よくも邪魔を白騎士ぃぃぃぃぃ!」
「もうやめろ!このまま燃え尽きてしまうぞ!」
「シルヴァさん、もう限界です!戻ってきてください!」
「イザークもう戻れ!そのままだと持たない!」
「副隊長!せめてこいつだけでも!」
イザークはビームライフルをシルヴァに構えてビームサーベルで弾き返していく。だが、そんな二人の間に一機の「シャトル」が割り込んでいった。
そこにはキラが折り紙をくれた少女が乗っていた。それはシルヴァも話を聞いており、そのシャトルが割り込んでくるとは思わなかった。イザークはビームライフルを構えていたが、突然のシャトルに驚き照準を外した。
「くそ、よくも邪魔を....」
「もうやめろ、そのシャトルには!」
「よせ、イザーク!そのシャトルは民間シャトルだぞ!」
「逃げ出した腰抜け兵がぁぁぁぁぁぁぁ!」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
イザークはシャトルに向けてビームライフルを構え発砲しようとしたシルヴァはシャトルの前に立ちはだかったその時、メネラオスの方から黄色い閃光が走り、デュエルの右腕をビームライフルごと溶かしていった。それを放ったパイロットはすぐにロケットブースターを展開させてフィアースの元へと急接近していった。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
「イザーク!」
「そんな、シルヴァさん!」
大きく体勢を崩したデュエルに対し、ライデンはすぐに機体を近づかせ回収すると地球に降りていった。一方のシルヴァは重力に引かれながら意識が遠退いていった。アークエンジェルは必死に叫ぶが応答がなく絶望的だった。
そんなフィアースに近づく機影が一つ。それはアーサーが駆るナイトメアが、フィアースの手を取り左腕のシールドでコクピットを守りながら、アークエンジェルに近づいていった。
それからナイトメアはアークエンジェルに到達すると船体に取りつき、大気圏突入を成功し生き長らえた。
(すまない、アズラエル理事。しばらくの間アークエンジェルと行動する)
そして、この行動により二人の男は運命の再会をすることになったのであった....
いかがでしょうか。オリキャラ総出演の回となりました。オリジナルの展開を組み合わせつつ書くことができました。
急いでかいたので、色々大変でしたが誤字脱字もあると思うのでご指摘されるとありがたいです!
次回のガンダムSEEDクロニクルは....
低軌道戦にてクルーゼ隊とアークエンジェル含む第8艦隊は死闘を繰り広げていった。ザフトのモビルスーツに連合軍は戦艦で対応するも、全滅寸前の所で「ナイトメア」と「タクスフォース・デルタ」が増援として到着するも、かなり状況が悪かった。
そして、デュエルを回収したライデンとフィアースの手を取りアークエンジェルに到達したアーサー。
アーサーとシルヴァの再会は何を意味するのか、それは誰にもわからないままである....
次回 「運命の再会」