機動戦士ガンダムSEEDクロニクル   作:ガトー

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前回のあらすじ....
低軌道戦にてクルーゼ隊と第8艦隊と共にアークエンジェルは死闘を繰り広げた。そんな中、アズラエル理事の私兵「アーサー・グレイ大尉」と地球連合軍特殊部隊「タクスフォース・デルタ」の介入により、なんとか全滅を免れたものの犠牲を多く払った。

そして、大気圏突入したアークエンジェルにアーサーはフィアースを保護してその艦に接触を試みる。
ザフトの方でも、イザークを確保したライデンはフライングアーマーに必死にしがみつき、ジンハイマニューバは損傷を受けながらも大気圏突入に成功した。

それではお楽しみにくださいませ。


第十三話 運命の再会

-アークエンジェルside-

フィアースと謎の友軍機を回収したものの、アラスカへのルートから大きく外れアフリカの北部に着陸した。だが、彼らが降り立った場所はザフトの勢力圏であった。そして、モビルスーツ格納庫にそのモビルスーツとフィアースを収容すると、クルー全員が気になり集まっていると、謎のモビルスーツからコクピットが空きそのパイロットがワイヤーを使って降りていく。

 

フィアースはキラがコクピット開閉させて、シルヴァをマリアと共に支えながら誰が呼んだのか医療班の担架が待機していた。それから担架にシルヴァを置くと、ヘルメットをつけたパイロットはシルヴァの元へと寄っていくと、シルヴァの手を握った。

 

「よく生きていたな、シルヴァ。早く良くなってくれよ、色々と話したいことがあるからな」

 

「では彼を頼むぞ」

 

「あ、は!」

 

医療班はすぐに敬礼してシルヴァを医務室へと運んでいった。そして、彼はヘルメットを脱ぐとアークエンジェル一同は息を飲んだ。

そこに立っていたのは、シルヴァと顔がそっくりのパイロットがそこにたっていた。だが唯一の違いは右目を眼帯で覆っており、髪色と漆黒で片目はエメラルド色、髪型はオールバックにまとめていた。そして、ムウさんがすかさず彼の元に近づき質問をしていった。

 

「えっとシルヴァの....弟さんかい?」

 

「違いますよ、ムウ・ラ・フラガ少佐」

 

「あらま、こりゃ失敬した....。んで改めて聞くがお名前は?」

 

「大丈夫ですよ、よく言われたので。では改めて自己紹介を」

 

「私は大西洋連邦所属、アーサー・グレイ大尉です。突然の着艦許可に感謝します。ラミアス艦長」

 

「い、いえ。こちらもシルヴァ中尉を保護してくださりありがとうございます。アーサー大尉」

 

「アーサー大尉といえば、まさか....」

 

「ナタル中尉、詳しくは場所を変えて話しましょう。ここでは目立ってしまうので」

 

「そうですわね、場所を移しましょうか。アーサー大尉」

 

アーサーはマリューさんに連れられて行く事になった。残りのメンバーはアーサーの乗っていた機体を見下ろしていた。「ナイトメア」はアーサーの許可なく整備はしないという約束で整備班はそわそわしていた。ストライクとルアル、フィアースよりも全長が高く目付きは鋭い悪役面のガンダムなのに、整備出来ないことにそわそわしていた。

キラ達はナイトメアから降りたモビルスーツパイロットの見た目がシルヴァと同じであることに驚きを隠せていなかった。それについて食堂で話し合っていた。

 

「シルヴァさんって兄弟いたのかな....?」

 

「いや、兄弟はいないとは言っていたけど、どうなんだろ....」

 

「私は彼から聞いた話だけど、小さい頃よく言われていたと聞いたことあるわ。よく似ていると言われたと」

 

「そうなんですね、あの人もコーディネーターなのかなぁ....?」

 

「私はコーディネーターではない、ナチュラルだよ」

 

「うわぁ!」

 

「アハハハハ!驚かして申し訳ない。」

 

「え、えっとアーサー大尉?」

 

アーサーはマリューさんたちと話を終わり食堂を探していたところ、自分の話をしていたキラ達が気になり、キラの後ろからこっそり現れて彼らを驚かしていた。アーサー自身も心の中では自分も驚いたが、それを隠して笑っていた。

アーサーはコップを片手に水を飲むと彼らの間に入り込んだ。そして自分も会話にはいる。だが、その会話の中で自分の過去をどう上手く回避していくか考えていた。

 

「え、えっとアーサー大尉。どうしてここに?」

 

「ラミアス艦長と話が終わってね。それで喉が乾いて食堂を探していたら私の話をしていたから気になったものでね。」

 

「な、なるほど。あ、シルヴァさんとはどういう関係なんですか?」

 

「アイツとは....そうだな。十五の時に知り合ってね。色々とあったが親友になったんだ。それからヘリオポリスにアイツは行ってしまったが、連絡は取り合ってたよ。」

 

「凄く仲がいいんですね、シルヴァとは。なんだか羨ましいです」

 

「そうかい?君はシルヴァの彼女かな?」

 

「え!?ま、は、はい....そうです」

 

「適当に聞いたつもりが当たってしまうとは。アイツ、結構鈍感だから手を焼くとは思う。戦争中だが頑張ってくれ、応援するよ」

 

「あ、ありがとうございます....」

 

「マリアさん、すごい真っ赤っかですよ」

 

「や、やめて!見ないで!」

 

「それじゃ、邪魔したね。私はシルヴァの様子を見に行くとするよ。」

 

アーサーは軽くキラ達に礼をすると食堂を後にしていった。自分の言葉で動揺したオレンジ色の髪をした美女。彼女を一目みたときある人物と重なった。それはアカデミー時代に四人で過ごしていた頃、紅一点だった「彼女」を思い出した。それは出来れば思い出したくはなかった人物。

 

(あの連合兵、『フィア』に似ていたな。)

 

そう思いながら医務室へとたどり着き扉を開くと、熱が冷めて目が覚めたシルヴァがベットから上半身を起こしていた。そして医務室に入ってきた兵士を見上げていた。これがアーサーとシルヴァ、思わぬ形で再会をしたのである。そして、シルヴァがその兵士に向かって声をかける。

 

「誰なんだ、そこにいるのは....」

 

「私は大西洋連邦所属アーサー。アーサー・グレイ大尉だ。久しぶりだな、シルヴァ・ファウスト中尉」

 

「アーサー....?アーサーだって!」

 

「そうだ、シルヴァ。地球のアカデミー以来だな」

 

「お前、久しぶりだな!アーサー!」

 

「俺もだよ、シルヴァ」

 

シルヴァは再会に喜んで立ち上がろうとしたが、アーサーに止められシルヴァはベットに座り、アーサーは床に座ってお互いに拳を軽くぶつけて手を握った。二人は笑みを浮かべて再会を喜んでいった。そして、アーサーが順番に話題を振る。

 

「良くなったところで悪いが、アークエンジェルは俺達二人を回収する為にコースを外れてここアフリカに着陸した。」

 

「そうなのか、俺達のために....。そう言えばメネラオスから降りたシャトルは!?どうなったんだ!」

 

「落ち着け、シルヴァ。かのシャトルは無事に大気圏突入を成功して、今頃オーブに着いてるだろうさ。」

 

「そっか、よかった」

 

シルヴァはその報告を聞くと涙を流し安堵の声をあげていた。アーサーは親友がここまで変わっていることに内心驚いていた。かつてのシルヴァはこんなに情に弱いシルヴァには思えなかった。まるで「別人」のようにも感じた。それはこのアークエンジェルの影響なのか、それとも....。

そうやって考えていると、シルヴァは涙を拭き逆にアーサーに質問をした。

 

「でも、どうしてアーサーがここにいるのか不思議なんだ」

 

「それは俺もモビルスーツに乗って、第8艦隊の援護にやって来たのさ。だから、シャトルを撃破しようとしたガンダムのビームライフルを破壊して、吹き飛ばされたお前を回収して今に至るわけさ。」

 

「なるほど、そう言うことだったのか。ってちょっと待った!」

 

「なんだよ、シルヴァ」

 

「おまえ....アズラエル理事がいるのにここにいていいのか?」

 

「あ........。まぁ、アーカードの奴が何とかしてくれるだろ」

 

「アーカードもあそこにいたのかよ。やれやれ、ブルーコスモスの盟主は今頃ぶちギレてるだろうな....」

 

「多分、相当キレてるかも....」

 

「てか、聞いてくれよ!アカデミー以来俺はあの人の元にいるが、毎日が生きた心地がしないぞ!」

 

「え?そうだったのかよ。さっきまでの軍人の雰囲気はどこにいったんだ?」

 

「いいから聞いてくれよシルヴァ!お前にしか話せないよ!」

 

「フハハハハハ!!!!分かった分かった、聞くよお前の話を」

 

シルヴァはスイッチが切れてしまったアーサーを目の辺りにすると、大爆笑して親友の話を聞くことにした。

アズラエル理事のご褒美の件や、新しく部下になった三人のうちの女の子達がめちゃくちゃ自分にアタックしてくること。多くのモビルスーツの試験に立ち会ってデータ収集で疲れていること。

いつの間にか戦場では「死神」と呼ばれるようになったこと。全てをシルヴァに話すと彼はどこかスッキリしており、顔はとても清々しくなっていた。アーサーは受け答えもこなしリアクションも取りつつ、会話が盛り上がっていった。

 

そんな二人の会話が聞こえていたのか、医務室の前にはキラ達が気になって医務室の前に立ち往生して会話を盗み聞きしようとしたが、マリアに止められ二人の会話がどんな内容なのか気になっていた。

そして痺れを切らしたのか、トールが入ろうとしたとき医務室からシルヴァとアーサーが立ち塞がっていた。そんな二人に驚いたのか尻餅をついてしまった。アーサーはきょとんとしたがシルヴァは笑いながらアーサーの後ろからシルヴァが歩きだし、トールの手を取って立たせる。

 

「お、なんだトール?俺達の会話を盗み聞きしようってかぁ?」

 

「い、いやいや!そんなつもりはないですよ!凄く元気な声が聞こえたので、元気になったのかと。」

 

「おう、この通り元気さ!な、アーサー!」

 

「ああ、親友の俺が保証しよう。」

 

「そんじゃな、トール。俺はこいつとモビルスーツ格納庫へと行くからさ」

 

「あ、はい。お気をつけて?」

 

「おうそんじゃあな。」

 

「では、またな。トール二等兵」

 

「は、はい!アーサー大尉も!」

 

二人は同じタイミングで右腕を上げて挨拶するとキラ達を後にしてモビルスーツ格納庫へと向かっていった。キラ達は呆然としていると、マリアが口を開いた。

 

「あの二人、雰囲気は違うけどそっくりね」

 

「確かに、でも二人はコーディネーターとナチュラルなのに親友みたいに仲良いですし」

 

「アーサー大尉は明るくシルヴァさんと喋っていたから、もしかしたら優しいのかな?」

 

「どうだろね、まぁシルヴァさんも元気になったことだし。俺達も持ち場に戻るか!」

 

「そうだね、そうしようか。ラミアス艦長に一応報告しにいこっか」

 

「マリアさんは?」

 

「私はモビルスーツの整備に行くわ。何か嫌な予感がするの」

 

「そんなこと言ってー。本当は自分が聞きたいんじゃ....」

 

「トーール君?喧嘩売ってるのかしら?」

 

「いえ、売ってません!」

 

「よろしい」

 

マリアにしばかれる未来を見たトールはすぐに謝り、キラ達と共にアークエンジェルのブリッジにいるマリューさんに報告に向かっていき、マリアは駆け足でシルヴァの後ろを追いモビルスーツ格納庫へとたどり着くと、「フィアース」と「ナイトメア」の前に二人が立っており、二人は真剣な顔で何やら話していた。。マリアは二人に気づかれぬよう隠れて話を聞くことにした。

 

「それでお前の本当の目的はなんだ?アーサー」

 

「まぁ、そうだろうな。俺の目的は個人的な意思だ。「フィアース」と「ルアル」に接触してそのパイロットを調べるためさ」

 

「なるほどな....。それで俺を助けたのか?」

 

「それもあるが親友を死なせたくなかったさ。そしてお前があのフィアースのパイロットなんてな」

 

「ああ、ヘリオポリスで偶然見つけて俺の専用機みたいになった。そしてルアルもヘリオポリスで見つけて、ザフトの捕虜だったマリアが乗るようになったんだ。」

 

「あのオレンジ色の髪をした連合兵が元ザフト兵なのか!?よくそんな許可がおりたものだな。まぁ例外中の例外だな」

 

「ああ、でも彼女がいなければクルーゼ隊の動きや「真紅の稲妻」の存在も気づけなかったさ。」

 

「なるほどな。俺もアラスカまで行くがそこも聞かれることになるだろう。俺が何とかしよう。」

 

「助かる、アーサー」

 

マリアは二人の会話が聞こえると、アーサー大尉が何故アークエンジェルに接触したのか理解がついていた。そして、自分がルアルのパイロットだと言われると驚いていた。だがその驚きはコーディネーターが操縦しているからではなく、女の子がG兵器に乗っていることに驚いている反応だった。そして気を取り直して話を聞こうとすると、驚愕の事を耳にした。

 

「シルヴァ。フィアースに乗ってから何か「声」が聞こえたり、たまに「()()()()()()()()()()()」ということはないか?」

 

「え、あ、ああ。たまにあるんだ。それで気絶何てしたらフィアースが暴走するんだ。」

 

「やはりか....。」

 

「なんでだよ、アーサー。やはり何かあるのか?フィアースに」

 

「いや、気になっただけさ。他には?」

 

「他にはよく吐血や流血するし、首には()()()()()があるんだよ。」

 

「何?そこまでいってるのか!ちゃんと治療は受けてるんだろうな!」

 

「う、受けてるさ。マリアに心配かけてしまうし」

 

「お前らは付き合ってるんだったな。」

 

「まぁな。どんなときでも彼女を守るって誓ったんだ」

 

「そうかい....」

 

アーサーはその返答を聞くと、両の拳に力が入る。だが瞬時に力を抜きシルヴァの肩を叩いてため息を吐いた。シルヴァはさっきの自分の言葉を思い出して照れ臭くなっていた。それは盗み聞きしているマリアも同じであった。そしてシルヴァとアーサーはそこで会話を終わらせると、シルヴァは自室へと戻っていきアーサーは整備班に「ナイトメア」の整備をお願いしていた。

それからアーサーはラミアス艦長の計らいにより、自室が与えられたので、軍服を軽く脱いでベッドに横たわる前にコクピットから取り出した()()()()()()()()....。「インテグラ」を取り出して机に置くと彼女はアーサーの今の感情に反応した。

 

『怒っているのですか?アーサー』

 

「いいや、そんなことはないさ。でも「フィア」のことを打ち明けようか悩んでいた。」

 

『そうなのですね、私には分かりませんが。タイミングが来たら仰ってみるのはどうでしょう?』

 

「おそらく、アイツも俺と同じようになるか分からないが。相当悲しむだろうな」

 

『そうでしょうね。もう休んだらどうです?ずっと起きてますので』

 

「ありがとう、インテグラ。そうするよ。」

 

『アズラエル様への連絡はどうします?』

 

「理事には明日報告するよ、今は色々と疲れてしまったよ。」

 

『おやすみなさい、アーサー。よき夢を』

 

「ああ、インテグラもおやすみ。」

 

アーサーはインテグラの電源を消してベッドに再び横たわるとどこから持ってきたのか一枚の写真を取り出していた。そこに写っていたのは「フィア」が満面の笑みでこちらに振り向いていた写真だった。

 

「フィア。アイツは色々と変わっていた。まだ君の事は明かせない。話したらアイツと衝突は避けられないかもしれないからな」

 

そうやって一言いいながら仮眠をとることにしたのであった。だが、夜の砂漠から次の魔の一手が近づいていることにアークエンジェルは気づいていなかった。




いかがでしょうか。
シルヴァはコーディネーターでありながらも、驚異的スピードで回復するチート行動が出てます。しかし、アークエンジェルに四機のガンダム、しかもフィアース計画の三機が集まったので今後はどうなるかお楽しみにしてください!

ナイトメアの解説ですが、モチーフとしては機体本体はストライクに似ていますが、サイコガンダムマークIIの体型を混ぜ合わせた物で、体長は22mあるストライク達より大型機体です。サイドアーマーとリアアーマー、フロントスカートはストライクと異なりバックパックはトールギスをモチーフにしています。武相も同じくです。トールギス3のメガ・ランチャーとシールド(ヒートロッド)、エピオンのビームソードを右のサイドアーマーに懸架してあります。

さて、後書きもながくなりましたが、これからもゆっくりと書いていきますので、評価と感想お待ちしております!

それではチャオ!

※題名の訂正と。次回予告は色々と悩んだ末、予め発表はせず自分なりにやっていこうと思いますので、応援よろしくお願いいたします!
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