機動戦士ガンダムSEEDクロニクル   作:ガトー

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前回のあらすじ.....
月面のプトレマイオス基地にてタタクスフォース・デルタによる新型三機と、ランサーの強化形態「ブラックハスター」の模擬戦が行われ彼らの戦闘を見た連合軍上層部は、高く評価し彼らを地球まで送るために護衛艦をつけて、出港を見届けた。
一方、地球では数々の戦闘により疲弊していてシルヴァを気にかけたマリューさんが、レジスタンスのメンバーと共に街へ行かせることを提案した。

それではお楽しみ下さいませ。


第十九話 宿敵との会合

-連合軍side-

タクスフォース・デルタの俺たちはとうとうプトレマイオス基地にから出港をすることになり、各自の荷物の点検と新しく手に入れた「クリーク・コルニクス・ラモール」の部品と、俺の専用機であるランサーの強化形態「ブラックハスター」のパーツの搬入作業を急いでいた。

 

俺はプトレマイオス基地の食堂で飯を食っていると目の前にアイザックが缶コーヒーを空けて椅子に座り始めると、奴から話題をふられた。

 

「アーカード。お前の同期であるアーサーはどうしたんだ?」

 

「あん?アイツは今頃アークエンジェル内で、親友のコーディネーターと再会を果たして、一緒に行動をしてるってよ。ふざけやがって、俺に色々と押し付けてきたからな.....。この借りはいつか払わせてやる」

 

「フッ、お前らしいな。そういやレイブンとマギでチーム名を考えたんだが」

 

「なんだよ、その名前はよ」

 

「ホワイトファングだ。三人で決めた。」

 

アイザックから聞かされたチーム名に俺は正直開いた口が塞がらなかった。確かに三人の機体の火力は馬鹿にならないのは戦った俺が知ってる。

まぁ三人で話し合ったのなら俺は否定する必要はないしなと、水を飲んでから返答をした。

 

「いいんじゃね?お前らは一撃必殺のチームだしな」

 

「そうか、ありがとう」

 

「ホワイトファングかいい名前だな。」

 

「二人にも他にはないかと聞いたがそれがいいと言われたさ。」

 

「そかそか。てことはタクスフォース・デルタにもう一つのチームが存在するとか、敵さんには残酷かもな」

 

「何を今さら。戦闘狂のお前が言う台詞か?」

 

「それはちげぇねぇな」

 

そうやって俺は飯を完食し、アイザックも缶コーヒーを飲み干すと一緒に食堂から退出して、タクスフォース・デルタの旗艦「タナトス」へと向かっていった。

 

その道中、なんでか女性兵士にやたらと絡まれたがアイザックが止めに入って、急いでその場を後にしてたどり着くと、ハルバートン提督.....じゃねぇや少将と俺らの艦長「レナト先輩」がなにやら話をして握手を交わしていた。

俺とアイザックはハルバートン少将と先輩に敬礼をすると、少将は微笑みながら敬礼してこっちに近づいてきた。

 

「君があのタクスフォース・デルタの隊長であるアーカード・ワイズマン少尉だね?」

 

「はっ。ハルバートン少将、覚えていてくださって返すことばもありません。」

 

「ハッハッハッ!噂で聞いた人物とは大違いだ。あの時我々第8艦隊を救出に来てくれて本当に助かった。恩に着るよ」

 

「いえ。我々はすべきことをしたまでですよ。」

 

「確かにそうだな。この恩はいつか必ず返すとも。それと頼みがある。」

 

「頼みですか???」

 

(最近なんだか頼みごとが多すぎやしねぇか???。俺は何でも屋じゃねぇぞ、このヤろう!!!)

 

と思ったが口に出さず、ハルバートン少将の頼みを聞くことにした。

 

「もしも。アークエンジェルのマリュー・ラミアスに会ったら、『私は生きている』と伝えてほしい。」

 

「なるほど。わかりました、少将。会えるかどうかは保証は出来かねませんが、必ずや伝えます。」

 

「ありがとう、アーカード君。君は義理堅い男でよかったよ。」

 

「ありがとうございます。では我々はこれで」

 

「うむ、そろそろ時間か。暫しの別れだが、また戦場で会おう!」

 

「はっ!」

 

俺は少将にそう言われると、少し照れ臭くなったがアイザックと共に敬礼して、レナト先輩と共にタナトスに乗り込んだ。

それから一時間後、すべての搭乗員とアズラエル理事に三馬鹿が揃うとタナトスはプトレマイオス基地から出港し、護衛艦の「第8艦隊」を連れて地球に向かった。

 

「待ってろよ、アーサー。それとシルヴァ、お前の面も拝んでやる」

 

俺は自室で士官学校時代に撮った、「四人」が写っている写真を見ながらそう呟いた。

 

-連合軍side.....end-

 

 

 

 

-アークエンジェルside-

「おい、シルヴァとキラ。この荷物もて!」

 

「ねぇカガリちゃん、ケバブって何?。」

 

「え、ケバブ知らないのマリアさん!?」

 

「なんだか本来の目的忘れそうな気がします」

 

「そうだな、キラ.....」

 

(な、何で俺が街の中でキラと一緒に荷物待ちをしているんだ.よ。しかも原作では『二人』なのに、『四人』になってるなんて。一体何がどうなってるんだ!?)

 

俺が何で三人と行動をしているのかは少しだけ遡るとしよう。

それはアーサーの一言によって起きたことだ。

 

-回想-

「シルヴァ。お前は休め、ラミアス艦長に町の偵察に行くように提案してくる。」

 

「おいおい、俺はまだ元気だ!」

 

「何を言ってるんだ。コクピットから降りたお前を見たとき様子が変だったぞ?。とりあえず話を付けてくる。」

 

「な、おい!アーサー!?」

 

そう言われた俺はアーサーの肩を掴もうとしたが、体全体の力が入らず倒れてしまった。倒れた俺を見たアーサーはすぐに担いで、医務室へと連れていってくれた。

ドクターは相変わらず丁寧に対応し、薬も処方してくれた。ベッドで休んでいると、アーサーと入れ替わるようにマリアが入ってきた。

 

「シルヴァ、大丈夫.....?」

 

「あぁマリア大丈夫さ。ずっと戦っていたからさ」

 

「そうよね。貴方はずっと戦ってばかりだったから」

 

「そういえば、キラ君が貴方の事を気にかけてたわよ。初めて怒った姿をみて、コクピットから降りた後私の所に相談しに来たわ」

 

「キラが?そうか.....。後で会いに行くか。」

 

「彼ならきっとモビルスーツ格納庫にいるから。休んだら会いにやってね」

 

「そうするよマリア。ありがとう」

 

(たしかに俺はあの戦闘後、身体の節々が痛くなってふらついてたりしたしな。それと、カガリに怒ったときもあれは感情が爆発してしまった訳だから、キラもびっくりしてたろうからな)

 

そうやってゆっくりしていると、マリューさんがやって来てマリアの横に立ち、次の任務を伝えられた。

 

「シルヴァ君。アーサー大尉から聞いたけど、補給を含めて町に行ってもらいたいの、いいかしら?」

 

「え!?俺がですか.....。ちなみに誰とです?」

 

「シルヴァ君とマリアさん。あとキラ君とあのカガリちゃんよ」

 

「ま、まじですか.....」

 

「マリアさん、シルヴァ君の面倒をお願いね。町に行ったら少しでも羽を伸ばしてもいいけど、任務は忘れないようにね?」

 

「ありがとうございます、ラミアス艦長。シルヴァは私が見ますね。」

 

それからマリアと共に私服に着替え、モビルスーツ格納庫にあつまると同じように私服に着替えたナタルさんとキラ、それからレジスタンスの「サイーブ」と「カガリ」・「キサカ」が待っていた。

それぞれバギーに乗り込むと、見送りに来たアーサーが来て俺は振り返り握手をしながら言葉を交わした。

 

「アーサー。俺達がいない間アークエンジェルを頼むぜ!」

 

「任せておけシルヴァ何があっても守るさ。気を付けてな」

 

「ああ、行ってくる!」

お互いに拳をくっつけて俺はバギーに乗り込んで町に向かった。

 

-回想end-

 

 

 

というわけで途中、ナタルさんはサイーブとキサカと共に弾薬確保へと向かって、俺達四人は頼まれた「買い物」をしていたところだ。

カガリはフレイの頼まれた化粧水やらに文句をいいながら、買い物が順調に進んでいった。マリアはプラント生まれのため、地球での買い物は初めてで、カガリに何でも質問して目を輝かせていた。

その様子を見たカガリはマリアの事を気に入ったらしく、質問されてらすぐに答えて色々と教えていた。

俺とキラは荷物持ちをしながらその様子をみてなごんでいた。

 

「なぁキラ。ありゃまるで姉妹のようだな?」

 

「そうですね。凄く馴染んでますし」

 

「そこの二人、誰が姉妹だ!」

 

「あらカガリちゃん。私はそれでもいいけどね」

 

「ちょ、マリアさん!?」

 

マリアは嬉しく思ったのか、カガリを抱き締めた。抱き締められたカガリは顔を赤くしたが抵抗はなく俺とキラは不覚にも笑ってしまった。

それから昼時になり俺たちは買い物をひとまず終わらせて、マリアが気になっていたケバブを食べに行くことにした。

丁度テーブルが一つ空いていたので、四人はそこに座りカガリが代わりに注文し、来るまで雑談を交わした。

 

「ここは平和ですねシルヴァさん。」

 

「ああ。でも道中見たと思うが道路にある砲撃の跡をみても、ここも巻き壊れたのだと俺は思ってる。」

 

「それに見たでしょう?あの『砂漠の虎』の旗艦レセップスが滞在していたし。」

 

「フン!あのバルドフェルドならここにもいそうだけどな。今度こそ仕留めるさ」

 

「こら、カガリ。あまりこういう場では言うものじゃない。」

 

「な、そ、それはごめん。」

 

「なんだか今日のカガリ素直だね。何かあったの?」

 

「う、うるさいな!おまえには関係ないだろ!」

 

「ええ.....。聞いただけなんだけど.....」

 

「お腹空いてるから、ピリピリしてるのかしら?ほらもう来たわよ」

 

「ちょ、ちょっと!マリアさんってば!」

 

キラの質問に対して少し食いぎみになったカガリは、テーブルに体を乗り上げてキラにきつくあたった。キラは少し苦笑いしつつ、俺が頭を撫でて慰めてマリアはカガリを見事に落ち着かせた。

それから丁度ケバブが四人分運ばれてきて、それぞれ目の前に置かれるとテーブルにあった「チリソース」を手にしたカガリがおすすめしてきた。

 

「ほら、ケバブにはチリソースが合うんだよ。」

 

「そうなのね。なら私はチリソースで、キラ君とシルヴァはどうする?」

 

「僕はチリソースで」

 

「なら俺は.....」

 

「あいやちょっとまったぁ!ヨーグルトソースにしたまえ。そこの青年!」

 

「へ?」

 

俺は声をかけられて後ろを振り向くと、そこにはサングラスをかけた明るい衣装を着た男がやってきて、その右手にはヨーグルトソースを持っていた。

 

「ケバブにはヨーグルトソースをかけるのが常識だろ?」

 

「え、そうなのか?カガリ」

 

「はぁ?」

 

「ヨーグルトソースを使わないなんて、この料理に対する冒涜だよ」

 

「いきなり何なんだお前は。私の食べ方にとやかく言われる筋合いはない!」

 

「あー!何てことを.....」

 

「う・ま・いーーー!!!」

 

「あらあら、張り合っちゃって」

 

カガリは妙に張り合い、突然現れた男はチリソースをかけて食べたカガリにショックを受けた。反応をみたマリアとキラは「何で張り合っているのだろうかと」不思議に思い始めた。

すると、カガリが前のめりにきてソースを差し出してきた。

 

「ほら、シルヴァ。ケバブにはチリソースが当たり前なんだ。」

 

「待ちたまえ、彼まで邪道に落とす気か!」

 

「おーい二人とも.....」

 

「おい、何をするんだ引っ込んでろ!」

 

「君こそ何を!」

 

「「この!!」」

 

「あ.....」

 

二人が張り合ったせいで、俺のケバブのうえにはチリソースとヨーグルトソースが混ざってしまった。やはりと予想はしてたが、流石に勿体ないのでそのまま食べることにした。

 

「うん。ミックスもなかなかうまいな。」

 

「そうなのシルヴァ?後で一口ちょうだい」

 

「ああ、いいよ。キラも出来立てのうちに食べた方がいい。」

 

「そうですね。僕はなら僕はヨーグルトソースで...」

 

「あー!お前そっちを選んだのか、ならもう今から敵だな」

 

「えええ.....何でさ」

 

「アハハハ!そこの少年は味が分かるのかね、気に入った!」

 

男はそう言うとキラの背中を笑いながら軽く叩いて、近くの椅子を持ってきて座り始めた。しかしそんな彼をよく思ってないカガリが痺れを切らしていた。

 

「君たち、こんなに買い物してパーティーでもやるのかい?」

 

「まぁそんなところですよ。」

 

「まったく、なんなんだお前は!さっきからずかずかと入り込んで!」

 

カガリが声を荒げたその時だった。目の前の住居の屋根からロケットランチャーが射出されたのだ。

 

「伏せろ!」

 

「冗談だろ!」

 

男の声により、俺とキラはとっさにカガリとマリアを庇い机の後ろに隠れた。するとマシンガンを乱射しながらこちらに来るテロリストが迫っていた。

 

「大丈夫かね?」

 

「ええ、なんとか。」

 

「コーディネーターは空に帰れ!」

 

「青き清浄なる世界の為に!」

 

「ブルーコスモスか!」

 

「キラ、カガリを守れ!。マリア、銃を!」

 

「わかったわ、シルヴァ!」

 

なんと攻撃を仕掛けてきたのは、ブルーコスモスのテロリスト達だった。俺は腰にアーサーから預かったリボルバーを手にし、マリアもご信用に着けていた銃をテロリストに発砲した。

次々に倒れるテロリスト達。これで終わった思ったその時、建物の背後から現れた最後の一人が、明るい服を着た男を狙っていた。

 

「ちっ!取り逃がしたか!」

 

「シルヴァさん、伏せて!」

 

「おう!」

 

キラの声により、態勢を低くするとそのテロリストの手に銃が当たりすかさず、キラは走って顎に蹴りを食らわして、地面に倒した。

蹴りを食らったテロリストは「うぅ.....」と声を出していたが、キラの傍にいた金髪の男がその頭に向かって銃を発砲しテロリストは死んだ。。

 

「隊長、ご無事で。」

 

「僕は大丈夫さ。そこの三人に助けられたよ。特に白髪の青年は動きがよかったよ。」

 

「そうですか、よかったです。そこの少年も感謝する」

 

俺たちは隊長と声をかけられた男を見ると、サングラスと帽子を外した「アンドリュー・バルドフェルド」がそこにいた。

だが、それよりも俺がもう一つ気になっているのは「金髪」の男がいることだった。そこであえて聞くことにした。

 

「変装しているつもりか、ライデン?」

 

「フッ。、さすがだな親友。変装したつもりだったんだがな。」

 

「え、ライデンって.....」

 

「馬鹿、キラ!ライデンと言えばザフトのエースパイロットだよ!」

 

「なんでこんな所に.....!?」

 

「金髪の男」もといジョニー・ライデンはそう言うと、サングラスを外して俺と目を合わせた。俺は少し同様したが、キラとカガリは驚きを隠せていなかった。勿論マリアはそっと俺の後ろに隠れた。

 

「久しぶりでもないな。お前とは宇宙(そら)での戦い以来だな、シルヴァ。」

 

「ああ、そうだな。」

 

「なんだ君達知り合いだったのかね。これはなんとも奇妙な縁だね。」

 

「もう、事が済んだのでここで帰ります。」

 

「まぁ待ちたまえシルヴァ君。君の後ろにいる二人のプリンセスが汚れたまま帰すのは心苦しい。君達は私の命の恩人でもあるからね。屋敷に招待しよう。ライデン、彼らを連れて来てくれ」

 

「了解です。」

 

「その前にいいか、ライデン」

 

「ん?」

 

俺は言う通りにする前にライデンに向けてリボルバーを構えた。その様子を見た他の兵士が銃を構えたが、バルドフェルドが落ち着いた様子で止めに入った。

ライデンは銃を突きつけられていながら笑っていた。

 

「そんな殺意のない銃を向けられてどう反応すればいい?」

 

「フッ、バレたか。敵軍の屋敷に入るのに武器を持ったままでは失礼だろうと思ってな。」

 

「お前らしいな。わかった、そのリボルバーとマリアが持っている銃を預からせてもらう。帰る時には必ず返すことを約束しよう。」

 

「了解した。マリア、彼に銃を」

 

「ええ、わかったわ。こうやって顔を会わせるのは久しぶりですね副隊長」

 

「久しぶりだなマリア。色々と話したいがまずは着いてきてくれ。」

 

俺とマリアはご信用の銃を預けると、キラとカガリを連れてその後を着いていくことにした。それから数分後屋敷に到着すると、玄関の前に一人の女性が現れてマリアとカガリを見るなり、すぐに近づいてきた。

 

「アンディ、この子達は?」

 

「彼らは命の恩人さ。そこのプリンセスはその際に汚れてしまってね。僕は先に部屋で待ってる。アイシャ後は任せてもいいかな?」

 

「勿論よアンディ。さ、二人はお風呂で綺麗にしましょうか。」

 

「え、あ、ちょっと待てよ!」

 

「シルヴァ、行ってくるわね」

 

「ああ。カガリを頼む」

 

「任せてちょうだい」

 

マリアはカガリを落ち着かせて、アイシャと呼ばれた女性の後を追った。残された俺とキラはバルドフェルドの自室にたどり着いた。部屋に入る前にライデンから警告を言い渡された。

 

「シルヴァ、お前とそこの少年がどれだけ強かろうとここから脱出はやめた方がいい。いいな?」

 

「当たり前だ。だがあらかじめ警告を感謝するよライデン。」

 

「そうか、それならよかったよ。そこの少年の名前は?」

 

「僕はキラ。キラ・ヤマトです。」

 

「なるほど。君がキラ・ヤマト君だね。アスランからよく聞かされたよ。」

 

「え.....!?アスランが僕のことを」

 

「ああ。詳しくはバルドフェルド隊長と話してからね。」

 

「は、はい」

 

ライデンはそういうと扉を三回ノックして開けると、椅子に腰かけていたバルドフェルドが待ち構えていた。俺とキラは緊張しつつ入るとライデンは扉を閉めて、胸ポケットからタバコを取り出し、玄関の方へと向かっていった。

 

「やっと来たかね二人とも待っていたよ。さぁそこのソファに座りたまえ。」

 

「失礼します。」

 

「二人はコーヒーは飲めるかい?」

 

「ええ、俺とキラは飲めます。」

 

「そりゃあよかった。コーヒーには自信があってね」

 

俺たちはソファにかけようとしたが、なにやら『化石』のような原盤を見つけて立ち止まってしまった。(あれはたしか原作にも出ていた.....。クジラだったか.....?)

キラは立ち止まった俺を横目にそれをみると気になって近づくと、バルドフェルドがコーヒーを片手に2つ持ってきて傍に立った。

 

「エビデンス01。二人は実物を見たことはあるかね?」

 

「いや.....僕はまったく。」

 

「俺も見たことありませんよ。」

 

「なんでこれを『クジラ』に見えるのかねぇ?。クジラに見えるかい?」

 

「いや、そういわれても.....」

 

「俺はクジラに見えますけど。バルドフェルドさんは?」

 

「僕かい?どうみても羽に見えるけど。二人はクジラに羽が生えてると思う?」

 

「俺はそう思いません。少なくともヒレかと」

 

「まぁでも外宇宙からきた地球外生命の存在証拠ですから。」

 

「僕が言いたいのはなんでこれがクジラに見えるかって事さ」

 

少なからず、転生前の記憶を持っている俺からしたらクジラにしか見えてこない。よく水族館でみた骨の標本を見ていたから分かることだが。あえて俺はそこまでいわずコーヒーを一口飲んだ。

 

(甘い.....)

 

そう感想を思い浮かべると、隣にいたキラがバルドフェルドに対して質問をした。

 

「じゃあなんだったらいいんですか?」

 

「うーんなんだったらって、言われたら困るが。それよりもどうかね。このコーヒーは」

 

「え.....?」

 

「とても美味しいです。コーヒーなのに甘い感じがしますが。結構高そうなコーヒーを使ってます?」

 

「お、シルヴァくんは分かるかね!キラ君にはまだ大人の味は分からなかったかな?」

 

「そう茶化さないでください。」

 

「ちなみにこれはジャコウネコの『フン』から取り出した豆を焙煎して作ったのさ」

 

「え.....!?」

 

「キラ。コーヒーには色々と種類があるのさ」

 

「な、なるほど」

 

コーヒーの原材料を聞いた瞬間、キラは目を大きくして驚いて開いた口が塞がらなかった。その様子を見たバルドフェルドは笑い始めた。俺はフォローしたが遅かったことに少しだけ後悔した。

 

一方、シャワーを浴びていたマリアとカガリは用意されたシャンプーやボディーソープを使って、念入りに洗っていた。

カガリは隣に立っているマリアの胸元を見て、自分のと比べてしまい悲しくなっていた。

 

「あ、あの、マリアさん?何を食べたらそうなるんですか?」

 

「え?何をって言われても。ただ好きなものや果物とか色々とたべからかしら」

 

「う、羨ましい.....」

 

「大丈夫よカガリちゃんも育ち盛りだから。気を落とさないで?」

 

「そ、そうかなぁって。それよりあの二人大丈夫かな?」

 

「大丈夫よ。キラ君にシルヴァがいるし」

 

「そっか。アイツ兄貴みたいだしな。本当に兄弟じゃないのか?」

 

「いないわよシルヴァには。家族も兄弟も.....ね」

 

「え.....」

 

「カガリちゃん。今はこの話はやめましょう?とりあえずこの状況をどう切り抜けるか考えないとね。」

 

「そ、そうだよな!わかった!」

 

マリアから驚愕の発言を聞いたカガリは自身の無神経さに、心底嫌になってしまったのであった。

 

 

 

コーヒーを飲み終えたシルヴァとキラはソファに座り、その前にはバルドフェルドも座って三人で会話をしていた。

 

「全く、厄介な物を見つけてしまったからこんなことになってしまったのかねぇ」

 

「どういう意味ですか?」

 

「『人はまだもっと先まで行ける』。それがこの戦争の根っこさ」

 

「確か人類初のコーディネーター『ジョージ・グレン』が残した言葉ですね。」

 

「そうとも、よく知ってるじゃないかシルヴァ君。一体何者なんだい君は」

 

「俺は.....。ただのコーディネーターです。それ以上でもそれ以下でもない。」

 

「ほう。なるほどね」

少し空気が重くなった途端、ドアからノックがなり始めた。

俺とキラは顔を上げると、バルドフェルドは何かを楽しみにしている子供のように感じられた。

 

「アンディ」

 

「おやおや?」

 

「ん?」

 

「何でしょう、シルヴァさん」

 

「ほら早く早く。マリアちゃんも」

 

「あ、はい!」

 

「うわ、押すなよ!」

 

俺とキラはソファから立ち上がり入ってきた二人をみると、言葉を失ってしまった。

そこに立っていたのは先程まで男らしい格好をしたカガリが、「淡緑」のドレスを身に纏い髪も綺麗にセットされていた。一方のマリアはと言うと、オレンジの髪は三つ編みのようにセットされ、ドレスは「純白」の物で、一見ウェディングドレスのように思えた。

 

「え、カガリって女の子だったの」

 

「てんめぇ!」

 

「あ、い、いやだったんだよねって言おうとしただけなんだ!」

 

「同じだろうが!」

 

「へ、変じゃないかしらシルヴァ。シルヴァ.....?どうしたの」

 

「..........」

 

「だめだ。彼ら君の容姿をみて言葉を失ってしまったようだね」

 

「マリアとても綺麗だよ。まるでウェディングドレスを纏っているように」

 

「え!?そ、そうかしら。でもありがとうシルヴァ。嬉しい褒め言葉よ」

 

「アハハハハ!シルヴァ君それじゃあまるでプロポーズじゃないか!」

 

「ええ、そうよ!でもお二人はとてもお似合いよ。私が保証するわ。」

 

「シルヴァさん。マリアさんと結婚を.....?」

 

「え、な、こんなときに何を考えてんだよ!この馬鹿!」

 

「今のは不可抗力だろう!?」

 

そんな彼らのやり取りをみたバルドフェルドとアイシャは、吹っ切れてしまったのか大きな声をあげて盛大に笑い始めた。シルヴァとマリアは顔を赤くしたが、キラとカガリも同様だった。

 

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そんな中、アークエンジェルにキサカから四人が戻ってきていないと報告を受けた彼らに不穏な空気が流れた。だが一人だけは違った。

 

「シルヴァ達がまだ戻っていない?」

 

「そうなんです大尉。艦長達もなにやら慌ただしい様子で」

 

「大丈夫だ。シルヴァはそんなやわな男じゃあない。彼らを信じて帰りを待つとしよう。」

 

「はい!」

 

「それより、アレスター二等兵。君は志願したのはいいが、コマンドグラスパーのパイロットになったと聞いたが」

 

「私も部屋に隠れて逃げてばかりはいけないと思って志願したんです。」

 

「そうだったのか。だから私の元でシュミレーションを用いて教わろうとしたんだな。」

 

「はい、そうです!」

 

そうアーサーだけは冷静に対応しており、フレイのシュミレーションの教育をしている最中だった。だがこれは彼に好都合で「フィアース」と「ルアル」の戦闘データを収集することが出来るからである。

フレイの教育が終わり、アーサーはマードック軍曹の許可を得てフィアースに乗り込み、AIの「インテグラ」をコクピットに接続し解析を始めた。

 

「まだ戻っていないのなら、それまでの戦闘データを収集しないとな。アイツが言っていた事が本当ならこの機体は.....」

 

『貴方に.....この機体.....は相応しくないわ。』

 

「な、なんだ今のは!」

 

『ア.....サー.....』 

 

「その声はまさか.....!?ぐ、ウブ!(すぐに出なければ!)」

 

それはは突如と「コクピット内」に響いた。アーサーは答えるとその声はどこか悲しげな声で反応し、名前を呼ばれたとき一気に体に悪寒が走り、頭痛が現れ吐き気の症状が現れた。

アーサーは急いでフィアースのコクピットから脱出し、インテグラを脇に抱えて自室にもどり、トイレで嘔吐した。

 

「「アーサー大丈夫ですか!。血圧上昇、心拍数が基準値より乱れています。すぐに深呼吸を」」

 

「はぁ.....はぁ.....はぁ.....。」

 

「「大丈夫ですか?何か聞こえたのですか」」

 

「い、いや。只の幻聴だ。そう只の.....」

 

「「今はゆっくり休んでください。アーサー。」」

 

「そうさせてもらう.....」

 

アーサーはインテグラにそう指示されるとベッドに横たわり深呼吸をして気分をまぎらわせた。だが先程聞こえた声は自身のトラウマになってしまった幼馴染みの声にそっくりだった。

 

「まさか、本当にフィアが.....」

 

そう一言言葉を吐くと、アーサーの両頬に生暖かい小粒の涙が流れた始めていった.....。

 

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「しっかし。君はよく似合ってるねぇ。実にそっちも板についてるというか。」

 

「勝手にいってろ。」

 

「喋らなきゃ完璧なんだがね。マリアちゃんはパーフェクトだね」

 

「恐縮です、バルドフェルドさん。」

 

「いやいやとんでない。」

 

「お前こそ本当に砂漠の虎か?なんで人にこんなことをする。毎度のお遊びか?人にドレス着せたり、住民は逃がして待ちを焼いたりとか」

 

カガリは自身の目の前の男が本当に「砂漠の虎」アンドリュー・バルドフェルドなのか疑っていた。それは無理もないと俺は静かに頷きバルドフェルドをみると、雰囲気が変わったことをすぐに察知した。

 

「良い目だね。真っ直ぐで実に良い目だ。」

 

「ふざけるな!」

 

「よせ、カガリ!立場を弁えろ」

 

「君も死んだ方がましな人間かね」

 

「キラ君と、シルヴァ君にマリアちゃんはどう思うかね」

 

「え?」

 

「どう言うことですか。」

 

「どうやったらこの戦争は終わると思う?。モビルスーツのパイロットとしては」

 

「な、どうしてそれを!」

 

「落ち着け、三人とも。」

 

(やはりこうなるとは思ってはいたが、流石に砂漠の虎の雰囲気がかわるとこうも心臓が握られている感覚になるとは。)

俺はすぐに三人を落ち着かせて、冷静に対応することにした。これはかつて傭兵である師匠に教わったやり方を思いだし、対応する。

 

「あまり真っ直ぐすぎるのもよくないぞ?戦争には時間も得点もルールもない。ならばどうやって勝ち負けを決める?どこで終わりにすればいい?」

 

「それは.....。」

 

「敵である者を全て滅ぼしてかね?あえて君に聞こうシルヴァ君。」

 

「俺は.....」

 

考えた事がなかった。俺は結局転生者であるから原作のアニメでしか見たことがない。それに深く考えることなど無かった。だが今はこうしてこの世界に転生し、キラたちと行動をしている。すぐに答えることなんて出来はしない。

そんな中、無意識に体が臨戦態勢に入るとバルドフェルドから警告が入った。

 

「やめたまえ。いくら君がバーサーカーでもここから無事に脱出できはしないよ。忘れてはいないか?ライデンもいるんだ」

 

「バーサーカー.....?シルヴァさんが」

 

「.........(しまった、体が無意識に臨戦態勢をとったか!)」

 

「ここにいるのはみんな君らと同じコーディネーターだからね」

 

「え!?」

 

「すまないカガリ。俺とマリアとキラはコーディネーターなんだ。隠して悪かった。」

 

「嘘だろ。お前らコーディネーターだったのか」

 

カガリは驚愕の事実を知ると、全身に鳥肌がたち驚きを隠せていなかったが、マリアからそばを離れず、シルヴァとキラの後に身を寄せた。流石に早く言うべきだったと俺はそう思った。

 

「君の戦闘は二回みた。」

 

「砂漠の接地圧、熱対流のパラメーター。君は同胞の中でもかなり特別優秀な存在らしいな。」

 

「フィアースのパイロットがナチュラルと言われても信じるほど、私は信じないさ。」

 

「それに君とマリア、キラ君は同じコーディネーターでありながら同胞と戦う道を選んだかは知らないが。君はモビルスーツのパイロットである以上、私と敵同士だな」

 

「.....。そうなりますねバルドフェルドさん。俺は戦士ですから貴方との戦闘は避けられないでしょう。」

 

「フッ。やっぱりどちらか滅びるまでかねぇ」

 

「そんなことは.....。分かりませんが、俺としてはこんな下らない戦争を早く終わらせたい。だから向かってくるのなら俺は銃を取りますよ」

 

「ほう、なるほどね。いかにも戦士らしい答えだ。まぁ今日は君達は命の恩人であるからね。」

 

バルドフェルドは俺の咄嗟に思い付いた答えを聞くと、「ニヤッ」と表情をかえて銃を引き出しに片付けて、インターホンを鳴らした。

するとドアが開けられるとそこにはライデンが出迎えにきた。

 

「帰りたまえ。話せて楽しかったよ、良かったかどうかはやからないがね。」

 

「いえ、こちらも少なからずバルドフェルドという男を知ることができて良かったです。ありがとうございました。」

 

「おや?礼を言われるとはね。不思議なものだね。」

 

俺はマリアを抱きよせて、キラとカガリを先にドアの方に向かわせて次にマリアと共に部屋を出ようとしたとき。再び声をかけられた。

 

「また戦場でなシルヴァ君」

 

「はい。バルドフェルドさん。それと」

 

「まだなにかあるのかね?」

 

「コーヒー。とても美味しかったです。」

 

「それは良かったよ。またな」

 

俺はバルドフェルドさんに一礼して部屋をあとした。玄関までライデンに送られると、そこにはキサカが待機していた。

キラとカガリは先に車に乗り込んでおり、最後に俺とマリアだけになるとライデンに声をかけられた。

 

「シルヴァ、アーサー大尉に伝えてくれ」

 

「何をだ?」

 

「『次は決着をつけよう』とそれだけ伝えてくれ」

 

「わかった。」

 

「あと銃も返しておく。約束だからな」

 

「ああ。」

 

「それともうひとつ。」

 

「ん?」

 

「マリアなドレスまるでウェディングドレスのようだな。彼女は優秀な兵士でもあり、女性としてのスキルは申し分ない。幸せにしてやってくれ」

 

「ライデン.....。ブラックジョークのつもりか?」

 

「フッ、そんなつもりではなかったが。まぁとにかく無事にアークエンジェルの元へ行くといい。」

 

「あの副隊長!」

 

「どうした?」

 

マリアはライデンの元へと駆け寄ると一礼をして一言伝えた。それはライデンにとって良いのかどうかは分からないが、それでも彼にとって良かったのかもしれない。

 

「また生きて副隊長にあえて嬉しいです。ですが今はアークエンジェルのパイロットとして貴方に挑みます。」

 

「そうか。ならばこちらは手加減はしない。全力で来るがいいさ。」

 

「はい!それとニコル達に『私は生きている』と伝えてほしいです」

 

「わかった。だが君はザフトではMIAとされているが、彼らにはそう伝えておく。約束しよう。」

 

マリアはライデンに一礼をして車に乗り込み、俺も握手を交わしてその場を後にした。

アークエンジェルに帰ったあと、マリューさん御一行が滅茶苦茶心配した顔で出迎えにきたが、マリアのドレスを見るや「誰かと結婚するの?」・「相手は誰!?」と聞かれる始末だった。

 

だがそんな穏やかな時間はすぐに消え去ることになる。数日後にはあのバルドフェルドさんと戦うことになるのたがら.....。




いかがでしょうか?ガトーです!( *・ω・)ノ
今回、大分オリジナル展開も含めて長くなりもうした。許してorz。
はてさて、かなりバルドフェルドVSシルヴァの雰囲気が出ていますが、他にもライデンがいることでかなり戦闘力の差が出ているのかもしれません。おまけにコマンドグラスパーにフレイが乗り込みますのでどうなることやら( ;´・ω・`)
とうとうアーサー君は禁断の領域に踏みいってしまいましたね。トラウマが甦ってあれだけダメージを負ったので、戦闘に集中てきるのか心配ですな(・・;)
さてさて、長くなりましたが次回もまた仕事の都合で遅くなりますが更新していきますので、暖かい目でお守りください!
いつも閲覧・しおり・お気に入りありがとうございます!
よろしければ評価もしてくださると、創作意欲もでてきますので頑張っていきます!
それではまたチャオ!
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