機動戦士ガンダムSEEDクロニクル   作:ガトー

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前回のあらすじ.....。
アラスカ基地を防衛していたマリュー達は、必死に防衛戦を繰り広げていたが、メインゲートは突破されジョシュアは攻撃されてしまう。マリア達はムウから、サイクロプスが発動されることを聞くと自分達は何のために戦っているのか、わからなくなっていた。
そして、空からフリーダムに搭乗したキラも参戦し退路を作るために奮闘していき、ジョシュアから撤退していった。
それからプラントに残されたシルヴァは、ラクスから受容した新たな力「マルドゥーク」の最終調整を行い、地球へ向けて準備を進めていた。
陣営は代わり、パナマ基地を攻略しようとしたザフト軍を迎え撃つべく、特殊部隊の「タクスフォース・デルタ」と「ホワイトファング隊」が出撃した。
それではお楽しみくださいませ


第三十五話 パナマ基地防衛戦

-シルヴァside-

俺とライデン達はキラを見送った後、すぐにラクスが住んでいるプラントから撤収し身を隠すことにした。

それもその筈、プラントで極秘開発されていたモビルスーツ「フリーダム」を奪取したのだからな。あれには核を無効化する、「ニュートロン・ジャマーキャンセラー」を搭載されているのだから、それが連合軍に渡ってしまえば奴等は大喜びで核を撃ってしまう。

だけど、ラクスがそれをキラに新たなる剣として渡したのだから、連合に渡ることはないとそう願っている。

 

俺の体はリハビリを続けたお陰で鈍ることはなく、義手も時折自分でメンテナンスを行い、自然に動くように調整が終わってる。そんで今はモビルスーツのコクピットでOSを書き換えている最中だ。

 

「まだこんな所にいたのか、シルヴァ?」

 

「あぁ。少しでも早く動かせれるようにな。ラクスから貰った機体だし、それに俺はぬくぬくと過ごすよりかは、皆のところに帰りたいからな。」

 

「そうか。俺の方は終わらせてあるから、後はお前のタイミングにあわせるよ。」

 

「了解だぜ」

 

コクピットから覗き込んだライデンはそう言い残すと、部下?いや彼女であるニコルの傍にいき、手作りのサンドイッチを食べに行った。

正直なところ、ブリッツのパイロットがあんなにもかわいいパイロットだとは思わなかったし、もしブリッツを撃破していたとなると、胸くそ悪くて眠れもしない。

そう思いながら作業を進ませ、新型モビルスーツのOSを最終調整を終わらせて、コクピットから出てワイヤーを使って足元に着地し、俺自身が乗るモビルスーツを見上げた。

 

そのモビルスーツは「ガンダムマルドゥーク」っていう名前で、ラクスが言うには『ザフトの守護神』として名前がつけられたそうだ。

そもそもこの時代のザフト製ガンダムは知っている限りだと、「ドレッドノート・フリーダム・ジャスティス・リジェネレイト・テスタメント・プロヴィデンス」しか記憶にない。

 

だが俺の目の前にいるコイツは、転生する前の現世で「プロヴィデンス」をモチーフにしたオリジナルモビルスーツだった。

勿論ドラグーンなんてものは付いてないし、初期型の四本のビームサーベルを搭載した方をモチーフにしつつ、背中に独立機動ユニットとして「エア」が背中にくっついている。

これが曲者で、そのユニットにも核が搭載されており武装としてはフリーダムにも搭載されている、「M100 バラエーナプラズマ収束ビーム砲」を六連も装備している頭が可笑しいとしか言いようがない曲者だった。

 

当然機体にも重量がかかるので、ユニットと機体各所にも追加ブースターを施して、遠距離・中距離・近距離をこなせるようになっている。パーツには「フリーダム」と「ジャスティス」と互換性があるため設備面でも問題はない。

そんな三兄弟の特徴を積み込んだマルドゥークを見上げながら、感心に浸っていた。

 

「これがザフトの守護神ってか。これが敵になってしまえば破壊神にもなりえるわけだな。」

 

「終わったかシルヴァ?」

 

「おう、勿論だぜ。そっちのモビルスーツは?」

 

「当然だ。『モードレッド』はすぐにでも動かせれるぞ」

 

「流石だぜ、ライデン。」

 

俺は心の奥底から感心しながら、小さい頃からの友と拳をぶつけて笑いあった。

ライデンが受領した新しいモビルスーツ「モードレッド」は、後に量産される『ゲイツ』を模したモビルスーツだ。だがゲイツとは大きく異なる部分があり、背中のブースターは「モビルシグー」の物を改造した物で、出力は四倍にも羽上がっている。

シールドは、本来ならばビームサーベルが二基搭載されているがそれを廃止し、フリーダム・ジャスティスが使用するシールドに変更し、シールド裏から「ビームアックス」が出てくる仕様になった。

 

ビームライフルはかのモビルスーツ、「ドレッドノート」が使用している同系統の武器を使っており、腰に装備されている「EEQ7R エクステンショナル・アレスター」は、ライデンの要望により外されその代わりに「強化型ビームサーベル」を両サイドアーマーに取り付けた。

 

そして、モードレッドにも「ニュートロン・ジャマーキャンセラー」がフリーダム達と同等に搭載されており、さながら「ドレッドノート」に近い存在にもなっている。

だがメインカメラはゲイツとドレッドノートを組み合わせた「モノアイガンダム」のような様になった。

すべての調整が終えた俺達は一旦休憩に入り、ラクスとニコルが作ってくれた色鮮やかなサンドイッチを食べ始めた。

 

「ん?こっちはハムで、片方はサラダか。こいつはうまいな!」

 

「確かにな。タマゴサンドも美味しいし、今まで食べたサンドイッチよりうまいよ」

 

「そうなんですか!?よかった.....」

 

「ニコルさんといっしょに丹慶込めて作りしましたの。いっぱい食べてくださいね」

 

「もちろんだ!」

 

「シルヴァ、ゆっくり食べろよ」

 

俺は何の恥じらいもなく、子供のように返事を返しサンドイッチを食べまくった。その様子を見たライデンがため息を漏らしつつもその様子を見て微笑んでいた。

そうした平和の時間は短く、その日の夜にライデンが俺のところにやって来ては深刻な顔をしていた。そこで気になった俺はすぐに問うことにした。

 

「寝る前にどうしたんだよ、ライデン?何かあったのか?」

 

「オペレーション・スピットブレイクが発動されたが、全て失敗に終わったと情報が入った。」

 

「は.....?ま、まてよ.....」

 

「地球軍はザフトの戦力を削るためにアラスカ基地を放棄し、サイクロプスを起動させた。おそらく敵味方にも被害が出ているだろう」

 

「ア、アークエンジェルは!?マ、マリアは!キラは!」

 

「落ち着いてくれシルヴァ!まだそこの情報はないんだ。キラ君の事もまだわからない。」

 

「く.....。俺達も地球に戻らねぇと」

 

「ああ。だがお前は駄目だ。マルドゥークの最終チェックもおわっていないし、それにラクスの側にまだいてやってくれ。俺とニコルが代わりに地球にいく。いいな?」

 

「わ、分かった.....。俺もそのうち地球に行くからな!」

 

「分かったよ、シルヴァ。」

 

そうして、俺とライデンは厚く握手を交わしてそれぞれの寝室で眠ることにした。

次の日、軍服に着替えたライデンとニコルが俺の部屋に入ってきて、開いた口が塞がらなかった。

 

「シルヴァ、しばしの別れになるが先に待ってるぞ」

 

「おう。気を付けてな!俺も後から行くからさ」

 

「あ、シルヴァさん!マリアさんにあったら生きていること話しておきましょうか?」

 

「いや、知らせないでほしい。俺が自らマリアに会って彼女を抱き締めたいからな。気遣いには感謝するよニコルさん。」

 

「い、いえとんでもないです!それなら尚更伝えずに普通に対応しますね。シルヴァさん、それまではお大事にしてくださいね」

 

「ありがとう。また元気でな二人とも」

 

「ああ。それじゃあ行くぞニコル」

 

「はい!」

 

俺はライデンとニコルを見届けて、ザフトの軍服「赤服」に着替えてマルドゥークの元へと足を運び、最終チェックとOS調整をすることにした。

 

(待っててくれマリア、皆。必ず帰るからな!)

 

 

-シルヴァside.....end-

 

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-アークエンジェルside-

一方マリュー達は、連合軍を離反した為帰る場所はなく自分達はこれからどうしようか考えているその時、ムウが「オーブ」へ行くことを提案すると、マリューは迷うことなく向かうことを決意し飛び立つ。

それから格納庫へとフリーダムが運ばれると、ドッグ内にマリアがフリーダムを見つめており、キラは彼女を見かけて声をかけた。

 

「マリアさん、お久しぶりです」

 

「キラ君、本当に生きててよかったわ。」

 

「はい。あの、手に持っているのは?」

 

「シルヴァから貰ったネックレスよ。あの人が死ぬ前にひび割れてしまったの。危ないから外してるの」

 

「そう.....なんですね。守れなくてすみません」

 

「どうして謝る必要があるの?。シルヴァも貴方を守るために戦ったのだから。もしここにいたら、キラ君の事を叱ってるわ」

 

「ごもっともです。今アークエンジェルはオーブに向かっています。」

 

「それがいいと思うわ。敵を味方をも巻き込んだ作戦で生き残って戻れるとは思えないもの。私はアークエンジェルを守るために戦うは。それに.....」

 

「それに?なんですかマリアさん?」

 

「また今度話すわねキラ君。今はお互い休みましょう」

 

「はい、分かりました」

 

マリアは腹部に視線を下ろしてそう言うと、キラは不思議がったが答えを得られず、頭を撫でられてマリアは自室に戻っていった。

だが部屋にたどり着いた彼女は体調をくずし、ミリアリア達が度々様子を見て介抱していた。流石にマリューもマリアの事を気にかけ部屋に入り話を聞いていた。

 

「マリアさん大丈夫?ここ最近体調がよろしくないみたいだけど」

 

「すみませんマリューさん心配かけてしまって。多分戦闘によるストレスが原因なのかもしれません。薬も飲んでるので大丈夫です」

 

「そう、ならいいのだけれど。オーブにつくまでしばらくの辛抱だから」

 

「はい、わかりました。」

 

「そういえばマリアさん。今回の件だけれどどう思う?」

 

「私にはよく分かりませんが、プラントと連合もお互いに味方を騙して多くの被害を出したのですから。何のために戦っているのかよくわかりません。私達は本当の『敵』を倒さなくちゃいけないのかもしれませんから」

 

「そうよね。また詳しい話はオーブで話しましょう。」

 

「あの、捕虜のパイロットは?」

 

「彼ならまだ釈放はしてませんが、面会は出来ますよ。私が許可しますので顔を出してみてください。」

 

「ありがとうございます、艦長」

 

マリューはマリアの容態が少しでも良くなっていることに安堵し、しばらく話を進めてこれからオーブに行く際、自分達が何のために戦っていくのかを模索しながら意見を交わした。

それからマリューはマリアの部屋から退出し、艦橋に戻っていくとマリアは身だしなみを整えて、捕虜となっているディアッカの元へと向かっていった。

 

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-連合軍side-

そして物語は変わり、地球連合軍月面基地「プトレマイオス」にてタクスフォース・デルタの部隊は、とある「物」を受領し隊長であるアーカード『大尉』は、バイアラン・セラフのパイロットであるエイヴァと共に、パナマ基地の遥か上空に展開しているザフト軍に接近しつつあった。

 

「隊長さん。そろそろ皆も来るの?」

 

「さぁな。この『カラドリウス』についてくる機動力がタナトスになるんだろうけどな。さぁて、そろそろ奴さんが見えてきたぜ!」

 

「敵はローラシア級の戦艦が五隻。ザフトも必死なんですねパナマを落とすことに。」

 

「まぁ、俺達連合軍を宇宙に上がらせない為にマスドライバーを狙ってのことだろうな。可哀想だが、そんなことやらせてなるものかよ」

 

「接近まで残り一分です。」

 

「よぉし、フルバーストでいくぜぇ!!!!」

 

「了解!」

 

アーカードはカラドリウスの後方に搭載されている「マイクロミサイルランチャー×6」を全ハッチを展開し、雨のような弾幕をローラシア級一隻に向けて発砲し、側面に搭載された「高エネルギー加速砲ゴットフリート×2」も照準をあわせて、ローラシア級をいとも簡単に貫き、ミサイルの雨が降り注いで一瞬のうちに爆散していった。

モビルスーツ部隊を展開していたのにも関わらず、突如と攻撃を受けたザフト軍は恐怖に陥った。

それからアーカードの駆るカラドリウスにむけて全砲火を浴びせるが、巨体ながらも高機動力を生かしたカラドリウスには弾一つもかすりはしなかった。

 

「どういうことだあれは!連合軍のMAだと言うのか!?」

 

「対空警戒何をしていた!すぐに弾幕をはって迎撃しろ!」

 

「くそ、こんなときに!」

 

「各機、散解して迎撃にあたれ!」

 

「了解!!!」

 

「ん?た、隊長!新たな反応が.....」

 

残ったローラシア級四隻はすぐに対空砲火を開始し、カラドリウスを近づけさせないようにした。

そして、偵察型のジンもスナイパーライフルを構えて発砲しジンハイマニューバとシグー、D型装備のジンとバルススビーム砲を装備したジンたちも新兵器「グングニール」を搭載したローラシア級を落とさないべく奮闘を開始しようとしたとき、一機のジンの胴体が突如と貫かれ機能を停止した。

その周りにいたモビルスーツ達は一瞬だけ動きを止め、その方向を見ると、貫かれた人の腹部から異様に長い『腕』が現れ、ミラージュコロイドを解除したバイアラン・セラフが姿を現した。

 

「案外脆いものね。こっちは初陣だから退屈させないでよね」

 

「な、なんだあのモビルスーツは!?」

 

「ば、化物だ!」

 

「落ち着け!つまるところ敵は二機だ。戦力を分散して奴らを落とすぞ!我々の船には絶対に近づけさせるな!」

 

「「「「「「了解!」」」」」」

 

「ターゲット確認、排除開始.....!」

 

エイヴァはモニターにて迫り来るモビルスーツ部隊を確認すると、貫いたジンから腕を引き抜き、背中にある二基の大型ロケットブースターをフル稼働させモビルスーツ部隊に突撃を開始した。

ジンハイマニューバとシグーはアサルトライフルを発砲するが、セラフにはダメージを与えておらず、空を駆け抜けるように回避する様をみてパイロット達は驚愕していた。

 

そして、セラフの両腕下部から銃身が出現し、高エネルギービームライフルが連射され、各パイロットは回避行動をとったその瞬間、セラフはライフルモードを解除しサーベルモードへと変更して、急接近してきたジンハイマニューバとシグーの二機を瞬く間に両断していった。

 

「まずは隊長各のモビルスーツを撃破っと。」

 

「うわぁ!た、隊長!?」

 

「ど、どうする?!」

 

「やるしかないじゃない!」

 

「くそー!あんなのがナチュラルにいるのか!」

 

「アハハハ、全員まとめて相手してあげる!」

 

エイヴァは興奮し、レバーを握り直して自身に迫り来るモビルスーツ隊を迎え撃つために、セラフの背部に搭載されたロケットブースターをフル稼働させて突撃していった。

 

一方のアーカードは、MAのカラドリウスを乗りこなしてローラシア級の砲撃を躱していき、そこから分離をして「ブラックハスター」となり、「試作大型ビームソード」を左サイドアーマーから取り出して、ローラシア級の艦橋をいとも簡単に切り裂いていった。

 

「そろそろ終わりってところか?後は地球にいるアイツらに任せるか。」

 

「隊長さん、敵が撤退信号出して逃げていきますけど?」

 

「放っておけよ。俺たちゃ逃げてく奴らの背中を打つ道理はねぇさ。それより地上のパナマが気にかかる。タナトスと合流したら、とっとと降りるぞ」

 

「りょーかい!」

 

黒鳥『ブラックハスター』と深紅の熾天使『バイアラン・セラフ』に恐怖したザフト宇宙軍はすぐさま撤退信号弾を放ち、モビルスーツはすぐさまセラフとの戦闘を中止し、残されたローラシア級に合流して撤退していった。

そして、彼らタクスフォース・デルタの母艦「タナトス」が合流すると、ブラックハスターとバイアラン・セラフは着艦しMAのカラドリウスはパーツを分解、収容されると直ちに大気圏突入の準備に取り掛かり、彼らはパナマを目指して降りていった。

 

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一方のパナマ基地では、アラスカ基地で生き残ったザフト攻撃軍はパナマのマスドライバーを破壊すべく持てる戦力を展開し、陸海空から攻撃を開始した。

 

だが地球軍はただでやられるわけにはいかず、タクスフォース・デルタから分裂した独立部隊「ホワイトファング」と、アーカードの部下である「アルトリア・ヒギンズ少尉」が迎撃に向かい、そしてナイトメアのパイロットである「アーサー・グレイ大尉」とあの三人も彼らと共に行動開始した。

 

空ではグゥルに登場したジンとシグー及びディンが展開され、攻撃を開始し圧倒的な弾幕を展開し大打撃を与えていく。

だがそんな彼らの前に立ちはだかるは「ガンダムコルニクス」と「ナイトメア」の二機が連携を取り反撃に出た。

 

「思い知らせてやる。空の支配者はこのコルニクスだってことをな!」

 

「援護する、レイヴン。私に構わず好きにやってくれ」

 

「了解ですアーサー大尉!いくぜぇ!!!」

 

「フッ。元気なところはアイツに似ているな」

 

レイヴンはアーサー大尉の言葉に感謝し、さらに前線に出てディンとシグーを、右手に装備したハンマー「ミョルニル」を攻防うまく使いこなし撃墜していく。

そして地上では拠点攻撃用のミサイルを装備したジンの部隊が展開されるが、ホワイトファング隊の隊長にして『白い閃光(ホワイトグリント)』の異名を持つ「アイザック・ヒューストン大尉」が自身のモビルスーツ「ガンダムクリーク」と共にバスターダガーを五機引き連れて対応をしていた。

 

「各機、あのミサイルを落とせ!地上は我々で食い止めるぞ」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

「大尉、私も援護しますからここは任せてください!」

 

「わかった。各機はアルトリア少尉の指示に従え。ここは任せる」

 

「勿論です!御武運を」

 

バスターダガー隊の後ろからアルトリアが駆る「アーチャー」がエールストライカーを装備して現れて、クリークの横に立つとアイザックの援護を開始した。

アイザックはアルトリアに託し、X状のストライカーパック「ソーカルストライカー」のブースターを変形させ空に飛び立ち、ジンのアサルトライフルを次々に躱していき、両手に装備したRFW-99 ビームサブマシンガン「ザスタバ・スティグマト」をジン達に向けて発砲していく。

 

「ち、地球軍の新型かぁ!?」

 

「お、おとせ.....」

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!!」

 

「こんなの聞いてな.....!」

 

ビームサブマシンガンによって次々に撃破される前、ジンのパイロット達の断末魔がクリークのコクピットに木霊するが、アイザックは表情を変えることなく、レバーを握り直し次のターゲットへ照準を合わす。

だが、コクピットに突如とロックオンのアラートが鳴り響き、モニターを確認するとこちらに鬼気迫る勢いでイザークの駆るデュエルアサルトシュラウドがビームライフルを発砲してきた。

 

「くそ、なんなんだお前は!これ以上友軍をやらそるわけにはいかん!」

 

「奴が噂の奪われた一機か。相手にとって不足はない、落とさせてもらう。」

 

「おのれぇ!」

 

「感情を丸出しで勝てると思うなよ」

 

アイザックはコクピット内でデュエルを視認すると同時に、ペダルを踏みブースターを最大稼働させて、ビームサブマシンガンを発砲しつつクリークの腹部に搭載されている「スキュラ」も発砲した。

イザークは純白のモビルスーツがこちらに向かってきている事を確認し、ビームライフルを発砲するがクリークは空中で、バレルロールをしながら回避しビームサブマシンガンを撃ってきたので、グゥルに乗りながらだがなんとか回避し、二人は距離を取りつつ戦闘を開始した。

 

そして最後のメンバーの一人である「ガンダムラモーヌ」のパイロットである『マギ』は、得意の水中戦で港に迫り来るグゥンとゾノ、そしてジン・ワスプの小隊と死闘を繰り広げていた。

だがたった一人で挑むマギではなく、ザフトに大きく水中戦で遅れをとった連合軍念願の水中型モビルスーツ「フォビドゥンブルー」を三機引き連れて応戦をしていた。

 

「水中戦の借りを返してやるぜ!」

 

「パナマは私たちが守ってみせる!」

 

「これ以上やらせるもんかぁ!」

 

「三人とも、バッテリー残量には注意して。切れた瞬間すぐに圧縮されるから。そんなつまらない死に方だけはやめてね?」

 

「もちろんです、マギ中尉!」

 

「中尉は海面に顔を出しているボズコロフ級を!」

 

「ありがとう。任せるわね」

 

マギは新人パイロットの三人を信頼し、水中から飛び出すとボズコロフ級が四隻、海面から顔を出しておりミサイルと対空砲を回避しつつ、一隻にとりつきビームサイズのを槍状に変形させ突き刺した。

 

「このパナマの海に沈めてあげるわ!」

 

「か、艦長!敵モビルスーツにとりつかれましたぁ!」

 

「な、なんだと!?」

 

「連合軍の新手の部隊です!」

 

「す、すぐに味方に情報を.....!」

 

マギは細かく切り刻みながらフロントスカートに装備した、実体鎌「エキドナ」とビームサイズ「テュポーン」の柄同士を連結させて、武器を回転させるように船を切り裂いていった。

 

残りの三隻も近づけまいと、対空砲とミサイルを発砲するが水中からフォビドゥンブルー三体の連携攻撃により、二隻は轟沈し残る一隻をマギはフレスベルクを発砲してボズコロフ級は、パナマの海の藻屑とかしていった。

 

陸海空に展開された連合軍の独立部隊「ホワイトファング隊」と、宇宙でローラシア艦隊と衝突した「タクスフォース・デルタ」の活躍により、パナマ基地の被害は最小限にとどまった。

次々に味方部隊がやられてく情報を聞いたクルーゼは、怒りを露にし全軍に撤退命令を出し、パナマ基地攻略戦は連合軍の勝利に収まった。

 

ガンダムクリークと死闘を繰り広げていたイザークは撤退命令を聞くと、最初は信じれなかったが友軍が次々に撤退する様を目撃し、恥じることなく自分も撤退していった。

アイザックは撤退していくザフト軍を見届けると、追撃に出ようとしたモビルスーツ部隊の前に立ちはだかり、追撃をやめさせた。

 

「な、何故です隊長!?」

 

「我々に追撃命令が出てるんですよ?」

 

「やめておけ。俺達ホワイトファング隊は背を見せた敵を撃つことはしない。それにこれ以上やったところで意味があるのか?」

 

「それはそうですが.....」

 

「今は生き残ったことを喜ぼう。いいな?」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

「アイザック大尉、お疲れさまでした。」

 

「アルトリアか。いや、君もよく活躍してくれた。君に任せたお陰で、バスターダガー隊は誰一人欠けることもなく生還できた。」

 

「いえ恐縮です!アーカード隊長によい土産話ができます。」

 

「そうだな。アイツがパナマにそろそろくるだろうからな」

 

アイザックはコクピットから降りて、自分のそばに駆け寄ってきたアルトリアを褒め、頭を撫でて無事を祝っていた。

隊長と艦長以外に褒められたことがないアルトリアにとってはじめての経験であり、不思議と緊張をしてしまっていた。

そしてその夜、パナマ基地は防衛戦に成功したことにより生き残った兵士たちは祝宴を開いていた。

 

ホワイトファング隊とタクスフォース・デルタの彼らが集まっていなければパナマ基地は最悪落ちていたかもそれない。

それでも生き残った兵士たちは互いに励まし激励を交わしていった。

それからパナマ基地にタクスフォース・デルタの旗艦「タナトス」が着艦し、レナト艦長と隊長のアーカード大尉は司令部に出頭し、他のメンバーは祝宴に参加していった。

 

「な・ん・で!俺と先輩が出頭しなきゃいけないんだよ!?」

 

「仕方がないよ。僕達は宇宙でザフト共も戦ったんだからね。そのときの状況も説明してほしいだろうし。それにその功績によっては、君も昇給すると思うよ?」

 

「昇給の話だったらいいけどよぉ。今じゃなくてもいいでしょうがよ。」

 

「まぁまぁ。ホワイトファング隊の隊長とアーサー大尉も出頭しているから、いいんじゃないか?」

 

「アーサーとアイザックか。アイツらに地上を任せたんだから、大丈夫だと思いたいがな」

 

「そうだね。そろそろつくから、身だしなみは整えてくれアーカード。」

 

「りょーかい」

 

出頭命令に嫌気がさしていたアーカードは、心の奥底から腸が煮えくり返っていたが、先輩のレナトに説得され感情を抑え、軍服を正しく着用して司令部に入室した。

そこには先ほど名前が出ていた「アイザック・ヒューストン大尉」と「アーサー・グレイ少佐」が待っており、彼らの目の前にいるのはパナマ基地の最高司令官が椅子に座って待機していた。

 

「タクスフォース・デルタ隊長のアーカード・ワイズマン大尉です」

 

「同じくタクスフォース・デルタ及び、旗艦タナトスの艦長レナト・コスタ大佐です。以下二名出頭しました。」

 

「おおお!よく来たな二人とも。タクスフォース・デルタとホワイトファング隊の隊長が揃ったことに喜びを隠せないよ。無論、アズラエル理事の懐刀であるアーサー大尉にも喜びと感謝を」

 

「恐縮です」

 

「さて本題に入るとしよう。今回の作戦の成果を連合軍上層部は大変喜んでいる。そこでタクスフォース・デルタには新たな新造艦を授与する。それから使用していた『タナトス』はホワイトファング隊に移ってもらう」

 

「な、なんだって!?」

 

「タナトスをですか!」

 

司令官の突然の発言により、アーカードとレナトは思わず声を荒げてしまった。だがもう一人、アイザックもいきなり自分達の隊に戦艦が受容される話をされ、冷静に保ってはいたが内心では大層驚いた。

 

そんな三人を気にせず、アーサーは司令官の話を聞くために続けてほしいと提案し、司令官はアーサーの流石の対応に感心しながら話を続けた。

 

「突然の話で申し訳ないが、上層部からの命令である。よってタナトスには新たな艦長が就任されることになる。アイザック隊長は仲良くしてやってくれ。」

 

「はっ!了解しました」

 

「タクスフォース・デルタのメンバーには、新造艦が受容されるがその前に荷物やデータを全てまとめておいてくれ。無論そちらのモビルスーツも全て移動だ。」

 

「了解しました。」

 

「うむ。最後にだがアイザック隊長・アーカード隊長は今回の戦績を称えて『少佐』に昇格だ。これからも君たちの活躍を期待している。それでは休んでくれ」

 

「失礼します」

 

「失礼しました~」

 

司令室から退出した四人は一緒に歩み始めた。レナトの左隣には昇給したことに喜びを隠せれていないアーカードがガッツポーズを決めており、アイザックはアーサーに祝福されていた。

アイザック・アーカード・アーサーは同年代であり、三人とも異例の「少佐」に格上げさているのである。

しかし、その背後には彼らの戦績を認めコーディネーターとナチュラルの混合部隊を高く評価した『ムルタ・アズラエル』が、直々に昇給させるようにしたとか.....。

 

「ヒャッホッー!少佐になっちまうなんてなぁ、しかも二人同時にだぜ!?」

 

「異例中の異例だからな。流石に驚いた。」

 

「よかったじゃないかアイザック。これでホワイトファング隊も船を持つこともできたし」

 

「まぁそれはそうだがな。」

 

「二人ともおめでとう。アーサー少佐もアズラエル理事から高く評価されてしまいますね。」

 

「帰ったら何を言われるのやらですがね、レナト大佐」

 

「いいじゃねぇか今はよ!とりあえず今日は昇格祝いで飲もうぜ!」

 

「いいだろう。だがお前の奢りでな?」

 

「いいね。僕も久しぶりに飲もうかな」

 

「げぇ!?そこは皆で出せよなぁ!!!」

 

アーカードは昇給祝いで飲もうと提案したが、三人とも奢って貰うつもりだったのでアーカードは驚きのあまり開いた口が塞がらなかった。

その様子を見た三人は笑いを堪えながらも冗談と説明し、仲良く四人で昇給祝いと、パナマ基地の防衛成功を祝い杯を交わした。

 

 

 

それから数日後、ホワイトファング隊にタナトスが受領が開始され新たな人員と艦長・副艦長も合流した。

メンバーのレイヴンとマギは、新しく入った人員達とたちまち打ち解けその日のうちに友人達ができ、タナトスの食堂では祝いの席が設けられていた。

一方タナトス艦橋では艦長と副艦長、隊長であるアイザックが互いに挨拶を交わしていた。

 

「新しく赴任しました、アンジェラ・ヒースロー少佐です」

 

「同じく副艦長のドラコ・ジーク中尉です」

 

「初めましてホワイトファング隊、隊長のアイザック・ヒューストン少佐です。」

 

「うわぁ、本物のアイザック少佐ですか!噂は聞いてましたが実物は大人しい方なんですな!」

 

「ん?それはどういう.....」

 

「ドラコ?失礼ですよ。すみませんアイザック隊長。彼は貴方に会えることがとても嬉しく、感情が高ぶっているんです。」

 

「な、なるほど。それほど有名になってるものなんですね」

 

「そうなんです。かの特殊部隊タクスフォース・デルタから独立したホワイトファング隊。その戦績を軍も認めていますし、そこに配属されれば誰しも喜んで一緒に戦うとそんな話も聞いてます。」

 

「しかし、我々もまだ足を引っ張ることもあるかもしれませんがこの艦はお任せください、アイザック隊長!」

 

「こちらこそ、よろしくお願いいたしますドラコ副艦長」

 

新しく赴任された二人はアイザックと握手を交わし、タナトスの設備の説明を聞きながら艦内を見回った。

一方タクスフォース・デルタには新造艦がとうとう配備され、メンバー全員は興奮を押さえきれなかった。無論、レナトとアーカードもその姿を見て互いに、嬉しさのあまり力強くハグをしてしまい、後からむせ返っていた。

そして、メンバー全員と新たな人員とモビルスーツも加わりタクスフォース・デルタとホワイトファングは、新たな戦場へと向かう。

 

「アンジェラ艦長、そちらの準備はよろしいですか?」

 

「勿論です、レナト艦長。」

 

「よし、これより本艦はパナマ基地から出港する。機関最大、『アヴァロン』発進!」

 

「我らも旗艦アヴァロンに続く、タナトス発進!」

 

パナマ基地から出港した二隻、青いボディーに一部に金色と白色が施された新たな戦艦「アヴァロン」。

そして、純白にカラーリングを変更した「タナトス」は最大戦速でパナマ基地を出港していった。そんな彼らが向かうところは.....

 

 

平和の国と称される『オーブ』である。




いかがでしょうか?
大分お久しぶりです!( *・ω・)ノ
仕事で色々と忙しく、プライベートでも小説をどのように進めていこうか考えているうちに遅くなりました。
さあ、このパナマ基地防衛戦ですがゲームと原作を合わせつつもIF展開として書きました!
新しく出た「マルドゥーク」と新兵器も搭乗していますが、オーブ編を完了してから解説も書いていきたいと思います!
まだまだ誤字脱字も、あるとはおもいますが暖かい目でお守りください!
それではまたチャオ!
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