機動戦士ガンダムSEEDクロニクル   作:ガトー

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前回のあらすじ.....。
平和の国「オーブ」にて、ラミアス一行は補給と整備を受けて休息を得ていると、エリカから修復された「ストライク」と「フィアース」を受領し、新たにムウとマリアがそれぞれのパイロットに志願した。
それから生体ユニットになっていたフィアも、彼らと交流を交わして打ち解けていき、かつて恋心を抱いていたシルヴァがマリアと子供が出来ていることを知り祝福した。
それからプラントではシルヴァが完全復活し、新たな剣「マルドゥーク」に登場し地球を目指して飛び立っていった。
そして地球連合軍はオーブのマスドライバーとモルゲンレーテを手にするべく、連合艦隊を派遣していった。

それではお楽しみ下さいませ!


第三十七話 オーブ解放作戦始動!

大西洋連邦はザフト軍と決戦を迎えるべく、数々の中立国に対して理不尽な要求を提案し、地球の一国家として参入するのかそれともプラント側について我らと一線交えるのかを、時間を与えず決断を急がせていた。

そして、オーブに目を付けてマスドライバーとモルゲンレーテの力を手にするべく、ブルーコスモスの盟主であるムルタ・アズラエルが自ら交渉に足を運んでいた。

 

タクスフォース・デルタの新たな旗艦「アヴァロン」にて艦長のレナト・コスタの隣の席に、アズラエルが座しておりオーブがどのような対応をするのか気になっていた。

 

「しかしアズラエル理事。本当にオーブが要求を飲まなかった場合戦闘を開始するのですか?」

 

「まぁそうですね。あのアスハ代表が頑固者であるなら、戦闘は回避は出来ないでしょうけどね。私だって、こうやって自ら交渉に来ているんですから、選択を誤らないでほしいとは思いますけど。」

 

「なるほど。理事としては戦闘はなるべく避けたい.....とお思いなんですね?」

 

「当然でしょう?私は軍人じゃないですから。でもこうやって前線に出ているのは可笑しいかもしれませんけど。」

 

(つくづく思っているが、これがほんとうにブルーコスモスの盟主なのか?。噂とはかなりイメージが違うが、これもあのアーサー少佐が頑張ってくれたおかげでこうなっているのか)

 

レナトは心の中で、今のアズラエル理事が大分柔らかくなっている事を実感し、彼女の懐刀であるアーサー少佐を深く称賛した。

連合艦隊はアヴァロンを旗艦とし、その隣にホワイトファング隊の戦艦「タナトス」が隣に並び、オーブに近づきつつあった。

 

そしてオーブではブルーコスモスの盟主アズラエルから、送られた提案書をアスハ代表らが手に取り内容を読み上げていた。

 

「最後通達だと?」

 

「現在の世界状況を鑑みず、地球の一国家として責務を放棄し頑なに自国の安寧のみを追求し、あまつさえ再三の協力要請にも拒否の姿勢を崩さぬオーブ首長国に対し、地球連合軍はその構成国の代表として以下の要求を通告する。」

 

「1.オーブ首長国現政権の即事解体。2.国軍の武装解除ならびに解体。48時間以内に実行されない場合、地球連合軍はオーブ首長国をザフト支援国家と見なし武力を持って対峙するものとする。」

 

「どういう茶番だそれは!パナマ防衛成功したのに関わらず、中立国であるオーブに対し理不尽な要求を通告するとは!」

 

「すでに太平洋を連合艦隊が南下中です。」

 

「ほしいのはマスドライバーとモルゲンレーテですな」

 

「しかし、いかにこれが筋の通らぬ物と声高に叫んでも、もはや大西洋連邦に逆らえる国もない!」

 

「ユーラシアはすでに疲弊し、赤道連合・スカンジナビア王国など最後まで中立を貫いてきた国々もすでに連合じゃ」

 

「我らも選ばねばならぬ時.....と言うことですかな。」

 

「事態を察したザフトも、カーペンタリアから会談の申し込みもきているが」

 

「どうあっても世界を二分したいか大西洋連邦は!敵か味方かと。そしてオーブをその理念と法を捨て、命じられるままに与えられた敵と戦う国となるのか!」

 

「連合と組めばプラントは敵。プラントと組めば連合は敵。たとえ連合に下り今日の争いを避けられたとしても、明日はパナマのように、オーブが焼かれるのだぞ!」

 

アスハ前代表の言いたいことはよく分かる。

オーブはこれまで中立を掲げた国家であり、その理念である「他国を侵略せず,他国の侵略を許さず,他国の争いに介入しない」。

その理念をいかに大西洋連邦であろうと断じて誰よりも許せないのである。

 

「ともあれ国民に避難命令を」

 

「ホムラ代表.....」

 

「子供らが時代に殺されるのような事だけは避けたいものじゃな」

 

オーブ行政府は直ちにオーブ全域に放送をつなげ、大西洋連邦と戦闘になるため避難命令を、すべての放送を通して国民にしらせていった。

またモルゲンレーテで補給と作業を進めていたマリュー達は、一度クルー全員を集めてこれから起こることについて話を開始した。

 

「現在このオーブへ向け地球連合軍艦隊が進行中です」

 

「地球軍にくみし、共にプラントを打つ道をとらぬというのならばザフト支援国家と見なす。それが理由です。」

 

「な、なんだその理由は.....」

 

「それでオーブを攻めようと言うの.....」

 

「オーブ政府はあくまで中立の立場を貫くとし、現在も外交努力を継続中ですが、残念ながら現状の地球軍の対応をみる限りにおいて、戦闘を回避の可能性は非常に低いと言わざるをえません。」

 

「オーブは全国民に対し、都市部及び軍艦施設周辺からの退去を命じ、不足の事態に備えて防衛体勢に入るとのことです。」

 

「我々もまた道を選らばなけらばなりません。現在アークエンジェルは脱走艦であり、我々自身の立場も定かでない状況ではあります」

 

「オーブのこの事態に対し我々はどうするべきなのか。命ずる者もなく、またわたしも貴女方に対しその権限を持ち合わせておりません。」

 

「回避不能となれば明後日マルキューマルマル、戦闘が開始されます。オーブを守るべくこれと戦うべきなのか。そうではないのか?」

 

「我々は皆自身で判断せねばなりません。よってこれを機に艦を離れる者は、今より速やかに退艦しオーブ政府の指示にしたがって避難してください。」

 

「私のような頼りない艦長にここまでついてきてくれて、ありがとう.....」

 

マリューは全てを言い終えてクルー全員に対し深く頭を下げた。

突然の報告に戸惑うクルー全員と、マリア達はこれからオーブに起こる戦闘に自分達が介入してもよいのか。

はたまた元連合軍としての自分達が、同じ連合軍と戦闘を繰り広げることに頭を悩ませていた。

だがそんな彼らの中には、今は連合軍とは関係ないのでオーブを守るために奮起するクルー達の姿もあり、団結の雰囲気もあった。

 

当然キラ達も故郷のオーブを守るべく、自分達の役割をみつけてアークエンジェルに残ることにした。

マリアは新たな命と、平和の国であるオーブを気に入っており、ましてやシルヴァの故郷が焼かれる様を見たくはないため、自分もアークエンジェルに残り、地球連合軍と戦うことを決意した。

 

クルー達の中から約11名が退艦し、そこにはカズイの姿も見えた。彼は別れ際にサイ達と少しでも長く話をして、モルゲンレーテから離れていった。

キラ達は各自のモビルスーツの最終チェックを行い、戦いにそなえていた。

マリアもフィアから譲り受けた「フィアースリペア」のコクピットに座していると、当の本人であるフィアが顔を覗かせていた。

 

「どう?フィアースの方は」

 

「大丈夫ですよ。全て私好みのOS調整もしましたし、後は実践でどうなるのか心配ではありますけど。」

 

「なるほどね。あ、フィアースに搭載されている『ベルセルクシステム』なんだけど、私がもっと良い改良をしたから」

 

「どんなのですか?」

 

「今まではパイロットと同調して、反射速度を限界に引き出していたけれど、それだとパイロット自身が持たない。だからフィアースにもシステムAIを搭載しているの。それだとシステムの負荷はパイロットではなく、そのAIが負担してくれるから大丈夫」

 

「そうなんですね。今まではシルヴァもボロボロだったのもそるだったんですね」

 

「そう。だからシルヴァには悪いことしちゃったなって思ってる。でも今度はマリアさんが乗るから、そんな危険な目にあわせたくないもの」

 

「ありがとうございますフィアさん。あの所でルアルは?」

 

「あの子なら私が乗るわ。元々あのモビルスーツは私専用に開発していたから。マリアさんの戦闘データも組み込んであるから、多少は問題ないけどね」

 

「えええ!!??」

 

マリアはフィアの突然の発言に開いた口が塞がらなかった。フィアースのシステムについてはさほど驚きはしなかったが、ルアルのパイロットが元々フィアが乗ることをしり、今度はその彼女自身が乗ることに驚いていた。

そんなマリアの反応にフィアは笑みを浮かべて話を続けた。

 

「驚いた?でも私もオーブを守るために戦うからルアルに乗るの。」

 

「でもなんでそこまで」

 

「オーブには色んな人がいる。私はここで世話になった恩を返したいしね。だからこのオーブに牙を向く者には容赦しないわ。」

 

「そうなんですね。それならもフィアさん、一緒に戦いましょう!」

 

「もちろん!任せてね!」

 

マリアとフィアはお互いの気持ちを理解し、握手を交わしていった。

それからマリアは男性用の私服を抱えて、ディアッカの独房へと足を運んでいき、彼の独房を釈放した。

それから二人は歩きながら釈放の理由を始めた。

 

「いきなり釈放ってどうしたんですか、マリアさん。」

 

「オーブに地球軍が攻めて戦場になるのよ。だから艦長が貴方を釈放するって判断をしたのよ。」

 

「はぁ!?なんで地球軍なんかと」

 

「さっきから言ってるでしょ?オーブが地球軍の味方をしないから戦場になるの。だからアークエンジェルも守るために戦うから

、貴方をいつまでも独房に置いとくわけにはいかないのよ。」

 

「な、なんですそれ。ナチュラルってやっぱバカァ?」

 

「あらナチュラルでも良い人はいるから、皆がバカとは限らないわよ。とりあえず降りたら後はなんとかなさい。」

 

「そんなこと言われましても.....。あ、バスターは!?」

 

「あの機体は元々地球軍の物だから、今はモルゲンレーテにて整備されているわ。」

 

「げぇ.....そんなぁ.....」

 

「ディアッカ。私は貴方と同じコーディネーターだけど、この艦とオーブを守るために戦うわ。」

 

「な、なんでそこまでするんですか!」

 

マリアはそう言われると、目線を下の方に向けてお腹をさすりながらディアッカに目線を戻した。

ディアッカは何かを察したのか、そこまで言及せずに驚いた表情だけを見せていた。

 

「私が好きになった人の故郷なの。だから約束を果たすために私は銃を取りオーブを守るわ。これが理由といったら納得してくれる?ディアッカ」

 

「マリアさん.....俺は.....」

 

しばしの間沈黙が流れたが、二人はそのままアークエンジェルの外へと足を運び、マリアはディアッカを見送っていった。

 

 

そして、オーブに滞在していたジョニー・ライデンとその隣にいるニコル・アマルフィはそれぞれのモビルスーツの前にたっていた。

ニコルの前にいるモビルスーツ「ブリッツ」は、シルヴァ達との戦闘後にアレス達が駆けつけて回収し、フィアの指導の元に修復された。

右腕は新造し複合兵装の「トリケロス」も取り付けられたが、新たに肩部・脚部・サイドアーマー・リアアーマーにクナイ型の「アーマーシュナイダー」が12本つけられ、左腕の「グレイプニール」も復元されている。

 

それから彼らの後ろではアレスとレイの専用機である「アストレイアルバフレーム」・「アストレイシルバーフレーム」も鎮座しており、機体にあわせた装備を拵えていた。

 

「結局地球軍との戦闘は避けられないのかアレス。」

 

「無理だろうな。頑固者のアスハの事だから、あのブルーコスモスの盟主とは合わんよ。」

 

「ならこのオーブを私たちが守らないと」

 

「ニコルさんの言う通り。我らもオーブを守りたいのは同じ思いだ。」

 

「なら俺達も行こう。アークエンジェルのメンバーもそろそろ準備も整う頃だし。」

 

「そのようだな。では我らはオノゴロにて彼らを迎え撃つ。ライデンとニコルさんは前線に行ってくれ。」

 

「任せてくれ」

 

「わかりました!」

 

「うむ。では武運を祈っている」

 

ライデンとニコルは各々、アレスとレイと握手を交わしてモビルスーツのコクピットに待機していった。

残った二人も各々モビルスーツに搭乗し、レイはモルゲンレーテの外に飛び出し姿をくらましていった。

 

陣営は変わり、オーブ領海に近づきつつある地球連合艦隊にて。

タクスフォース・デルタの新造艦「アヴァロン」のモビルスーツ格納庫では、パイロット達が各々メンテナンスと調整を行いすぐに出撃できるようにしていた。

だがただ一人、隊長であるアーカードは自室に籠っており心配した副隊長のアルトリアが様子を伺うために、アーカードの自室へと向かっていった。

 

「あの隊長、大丈夫ですか?先程から部屋に籠っていますし」

 

「まぁなんとかな。なんでオーブを攻めることになるんだか気に食わなくてな。」

 

「それは.....命令だからでは?」

 

「命令.....か。そんなの糞食らえと言いてぇ所だが、それは俺やお前らも同じ気持ちだろうよ。けど俺の親友が生きていたらこんなことを言うだろうな」

 

「なんて言うんですか?」

 

「『気持ちは分かるが、割りきらなければ死ぬぞ』ってな。でもソイツはザフトに撃たれて死んじまった。」

 

「そんな.....。」

 

「はぁ.....。心配かけちまって悪いなアルトリア。俺もモビルスーツ格納庫へ行くぞ」

 

「え、あ、はい!もうよろしいのですか?」

 

「まぁな。迷っていちゃおっちぬだけだからな。メンバーの奴らにも覚悟を決めろと伝えとけ。」

 

「了解しました!」

 

(シルヴァ.....。お前がいりゃあ俺達を止めてるだろうな。故郷のオーブを焼くことになるが、悪く思うなよ)

 

アーカードは今回のオーブ解放作戦に複雑に迷っていた。それはいかに軍の命令であれ、中立国を攻めることになんのメリットがあるのか。マスドライバーに関してはパナマ基地に残っているのにか変わらず、また戦火を広げようとする連合軍に対し珍しく疑念を抱いていた。

 

「か、艦長。本当にオーブを攻めるんでしょうか我々は.....」

 

「もう決まったことよドラコ。私達も腹をくくらないとね」

 

「そ、それはそうですが」

 

「貴方だけじゃないわよ。アイザック隊長も珍しく頭をかかえているのだから」

 

ホワイト・ファング隊の総指揮をとるアンジェラ達も同じ思いであった。

だがそれは彼だけではない。オーブをできる限りに血の海にさせたくないブルーコスモスの盟主である、アズラエルもパートナーであるアーサーの説得が胸に刺さっているからである。

 

それぞれの陣営の中で交差する思い。だが時は既に遅くオーブ解放作戦は間も無く開始される.....。

 

「要求は不当な物であり従うことは出来ない。オーブ連合首長国は今後も中立を貫く意思は変わりはない.....ですか」

 

「流石アスハ前代表ですね。期待を裏切らない頭の頑固さには少々呆れますがね」

 

「どうしますかアズラエル理事」

 

「まぁ要求を飲み込んでくれたらくれたで、オーブを傷つける事は避けれるのですが、仕方ありませんね。ぜひとも最後まで貫き通してほしいですねオーブには」

 

「アーサー君、モビルスーツの準備をしてください。彼らを引き連れてお願いしますね?」

 

『了解した。合図と同時に突撃する』

 

「だそうですレナト艦長。後はお願いしますね。」

 

「了解であります。」

 

アズラエルは通信機からパートナーのアーサーに指示を出し、「三馬鹿」の三人もすぐにコクピットに登場させて合図を待たせた。

そしてアヴァロンの艦長であるレナトは通信機を取りだし、地球連合艦隊に通信を開いた。

 

「こちらは旗艦アヴァロンの艦長、レナト大佐である。これより全艦隊の武装解除、オーブ解放作戦を実行する!」

 

その合図と共に連合艦隊のイージス艦から数多の巡航ミサイルが発射され、オーブへと雨のように降り注いでいった。

オーブ軍司令部ではカガリが早急に指示を出し、国土防衛戦を開始した。

 

「オーブ全軍迎撃開始!」

 

オーブ領海に展開しているイージス艦隊も降り注ぐ巡航ミサイルを迎撃に当たり、少しでも本土にダメージを減らすべく奮闘を開始した。

本土ではM1アストレイが次々と戦場に姿を現し、個々に協力しながら戦闘を開始すると、アークエンジェルのメンバーも発進準備に取りかかる。

 

「オーブ軍戦闘を開始しました!」

 

「アークエンジェル発進します!」

 

それからモルゲンレーテからライデン達の姿が現れ、彼らもオーブ軍と協力するために前線に出撃していった。

 

「ジョニー・ライデン、モードレッド出るぞ!」

 

「ブリッツ、ニコル・アマルフィ行きます!」

 

「アルバフレーム、アレス・イェーガー行くぞ!」

 

「ルアル、フィア・ローズマリー行くわよ!」

 

四機のガンダムはそれぞれブースターを最大稼働させて前線におもむき、ルアルは対空にて迎撃を開始し、残りの三機もオーブ軍と合流し援護に当たっていった。

そのオーブ軍の中にも「アストレイ三人娘」も、お互いをカバーしつつ戦闘を繰り広げ、マリュー達もオーブ艦隊に合流して戦闘を開始した。

しかし、ミサイルばかりを発射する連合軍ではない。彼らも量産型のモビルスーツ「ストライクダガー」を本土へ向けて出撃させていくと、タクスフォース・デルタとホワイト・ファング隊のメンバーも同時に出撃していった。

 

「ランサー、アーカードワイズマン出るぜぇ!」

 

「バイアラン・セラフ、エイヴァ・ファウストいくよ!」

 

「アーチャー、アルトリア・ヒギンズ行きます!」

 

「クリーク、アイザック・ヒューストン出撃する」

 

「コルニクス、レイヴン行ってくるぜ!」

 

「ラモーヌ、マギ出るわよ」

 

赤いランス「ロンギヌス」を片手に出撃したランサーと、深紅の熾天使とクリークの三体はブースターを最大稼働させ、敵の弾幕を潜り抜けるように突撃していった。

残された三人は連携を取り、目の前のイージス艦隊に攻撃を開始し、ホワイト・ファング隊の旗艦である「タナトス」も戦闘モードに形態を変えて、アークエンジェルをとらえる。

 

「艦長!前方に連合艦タナトスがこちらを捉えました!」

 

「何故あの船がこの戦場に!?とにかくこちらも迎撃するわよ!」

 

「アークエンジェル!?なぜ彼らがオーブに!」

 

「今はそんなこと言ってる暇はないわよドラコ!ゴットフリート、アークエンジェルに照準合わせて.....」

 

『撃てーーー!』

 

『撃てーーー!』

 

マリューとアンジェラは同じタイミングで、ゴットフリートを発砲するが両者とも紙一重で回避していった。

 

「今の射撃、彼処の艦長は只者ではないみたいね。」

 

「モビルスーツ部隊を発進させて!」

 

マリューはすぐさま両方のリニアカタパルトを開き、フリーダム・パーフェクトストライク・フィアースリペア・コマンドグラスパーを出撃させる。

 

「キラ・ヤマト、フリーダム行きます!」

 

「ムウ・ラ・フラガ、ストライク出るぞ!」

 

「マリア・ピースクラフト、フィアース出ます!」

 

「トール・ケーニヒ、コマンドグラスパー行きます!」

 

キラとムウはオーブ本土へ向けて進行を変え、マリアとトールは目の前のタナトスからアークエンジェルを守るべく奮闘を開始する。

アークエンジェルからモビルスーツが出たことを確認したフィアは自身もアークエンジェルと同じ前線に赴いていった。

本土ではオーブ軍のモビルスーツとランサーとクリークが激闘を繰り広げており、両パイロットのアーカードとアイザックは、そんな彼らの攻撃を回避しつつ戦闘を広げていた。

 

「オラオラァ!こんなものかよオーブ軍はよぉ!」

 

「チッ、こうもモビルスーツ部隊が展開されているとはな」

 

「関係ねぇさ、そいつらもやるだけだ!」

 

「隊長、援護するよ」

 

「エイヴァか!」

 

ランサーとクリークの後ろから現れたセラフは、背中の大型ロケットブースターをを小まめに吹かしながら、M1アストレイの攻撃をものともせず、両腕からビームサーベルを展開し切り刻んでいく。

それに負けじとアーカードも、ロンギヌスを展開させ大型のビームジャベリンにし迫り来るアストレイを串刺しにしていく。

アイザックは上空に飛び立ち、クリークのバックパックからミサイルランチャーを多方面に展開していたその時だった。

 

「ん?あの方角にいる奴は.....」

 

(当てる.....)

 

ふと戦場を見回した瞬間、機体に大きな衝撃が走りクリークは制御不能に陥り、ランサーの傍へと落下していった。

アイザックは突然の出来事に対応できず、地面に激突した衝撃にダメージを受けてしまった。

 

「ぐぁぁぁぁぁ!」

 

「な、おいアイザック!くそ、他の所に別動隊がいやがるのか!エイヴァ、気を付けろよ!」

 

「よくも仲間を!あたしが狙撃した奴を殺す!」

 

「おいまて、無闇に行くな!」

 

アーカードは親友のアイザックの前に立ち、タクスフォース・デルタの別動隊「ロングダガー・ヴェステート」、「デュエルダガー・クライト」の彼らも合流し、ホワイト・ファング隊のコルニクスがクリークを回収し、ラモーヌも現れ守れ前線を維持していった。

アイザックがやられたことに怒りを露にしたエイヴァは、すぐさま狙撃ポイントを想定し、ロケットブースターを展開し飛び立つと、アーカードも同じタイミングで、エールストライカーのブースターを吹かせた。

だがアーカードの前に突如と緑の閃光が走り、発砲した方向に目を送ると、アレスの駆る「アルバフレーム」が71式ビームライフルを構えていた。

 

「あそこには近寄らせん!」

 

「へっ、やってみやがれ!」

 

「当然だ!」

 

アレスはビームライフルをバックパックに懸架し、レッドフレームからデータを流用したフライトユニットで飛び立ち、フィアと共に作り上げた日本刀「ムラマサ」を鞘から引き抜き、アーカードもロンギヌスで迎え撃ち、両者とも鍔迫り合いの状態になった。

 

「あんたなら楽しめそうだなぁ!」

 

「戦闘狂めが。貴様らのようなやからにオーブはやらせんよ!」

 

その男同士の戦いを他所に、激昂したエイヴァもたどり着く直前に後方からロックオンされたことを確認すると同時に、発砲されたビームライフルを交わして、狙ってきたモビルスーツをモニターで確認すると、そこには自分と同じような「深紅」の塗装が施されたモビルスーツがたたずんでいた。

 

「何?こいつもガンダムなの?」

 

「ん?おいおい、俺と同じカラーリングが連合軍にいるなんて。これは喧嘩を売られてるのかな、俺は」

 

「はっ!あたしを相手にしたこと後悔させてあげる!」

 

「フッ。口だけにならないでくれよ、お嬢さん?」

 

「な、なにがお嬢さんだお前!」

 

後方より現れたライデンに挑発されたエイヴァは感情が押さえられなくなり、挑発に乗って攻撃を開始したが、ライデンの操作テクニックとモードレッドの機動性に翻弄され、弾の一発もあてられなかった。

そしてライデンらモードレッドのバックパックに搭載されたフレキシブルブースターを展開し、自分達の戦場を山中から沖合いにむけて移動していた。

 

(ここで戦闘を繰り広げてしまえば、逃げ遅れた住民やあの家族が被害を被ることになる。)

 

特定の人物の安否を気にしながら、バイアラン・セラフを誘き寄せ時折反撃を開始しながら戦場を変えていった。

そして上空では、オーブにモビルスーツの展開をするべく大型輸送船を確認したフィアはすぐさま飛び立ち、翼から折りたたまれたサテライトライフルを、ロングレンジライフルに変形させ対空砲を交わしながら、機体を回転させてローリングバスターを行い、輸送船を次々に撃破していき、少しでも戦力を減らすようにしていた。

 

だがフィアは、体に何か嫌な気配を感じるとその方向へと機体をむけてモニター越しに確認した。

 

「このざわめくような気配.....。まさか貴方なの?アーサー.....」

 

「もし彼が戦場に出てくるのなら私が相手をしないと!」

 

そう発言したフィアは、ルアルの翼を羽ばたかせて、アークエンジェルの方向へと距離を積めていった。

そして、フィアが言っていたことはすぐに的中することになる。

アヴァロンにて、薬を投薬した三人はそれぞれのモビルスーツに搭乗していると、ムルタ・アズラエルから通信が入る。

 

「あー君達?」

 

「あぁ?」

 

「ん?」

 

「はいはい?」

 

「マスドライバーとモルゲンレーテの工場は壊してはいけませんわかっていますね?」

 

「他はいくらやってもいいんでしょ?」

 

「ですね♪」

 

「うるせぇよ、お前ら」

 

「分かっているなら結構です。アーサー君、彼らをお願いしますね」

 

「了解だ。三人ともいいな?」

 

「了解ー」

 

「うん」

 

「はいはーい!」

 

(薬を飲んで戦闘モードになってはいるが、まだこの調子ならいけるな。)

 

アーサーはアズラエルから指示をもらい、三人と共にカタパルトへ運ばれる。

彼が乗る機体「ティアマト」はアーカードのブラックハスターの強化パーツを元の持ち主である、ナイトメアに再調整し人形から異形な鳥のような姿へと変貌していった。

全長も20メートルに対し、追加装備込みで23メートル級に変化していきトップクラスのモビルスーツとなった。

 

そしてリニアカタパルトへ運ばれたティアマトはオーブを睨み付けるように赤いツインアイを光らせていく。

 

『システムオールグリーン。バーサーカーシステム問題ありません。パイロットとのシンクロ率100パーセント。行けますよアーサー』

 

「分かったインテグラ。アーサー・グレイ、ティアマト出る!」

 

リニアカタパルトから発進されたティアマトは、不気味な羽音を鳴らしながら三馬鹿を引き連れ、共にその悪の刃をオーブへと向けていった。

そんな彼らが近づいてることを知らないマリュー達は、次々と迫り来る連合軍のモビルスーツおよび、戦闘機にイージス艦の対応に追われていた。

 

マリアは黒いマントをなびかせながら、シェキナーを発砲しイージス艦と戦闘機を打ち倒していく。トールもそのサポートに回りつつ、アークエンジェルの前方に展開しているタナトスへと攻撃していく。

そして、キラもフリーダムの武装をフル稼働させて「ハイマットフルバースト」を展開させて、ストライカーダガー部隊の手足や、頭部に損傷を与えて戦場をその青き翼を羽ばたかせながら駆け回っていた。

 

「なかなかどうしてアークエンジェルを落とせないものね。」

 

「か、艦長!後方より高速で接近する友軍の姿あり!こ、このコードは『ティアマト』、アーサー少佐です!」

 

「とうとう姿を出したわね。これより本艦は友軍艦隊に合流する!いいわね」

 

「はっ!」

 

アンジェラはアヴァロンから出撃したティアマトの信号を確認するやいなや、すぐさまアークエンジェルに背をむけて戦線を離脱していった。この異例の行動を目の辺りにしたマリューは驚きを隠せなかった。

 

「タナトス、戦線を離脱していきます」

 

「何故今なの?撤退信号はあちらは出ていないはず.....」

 

「か、艦長!タナトスの後方より高速で接近する機影確認!お、音速を超えてこちらに近づいてきます!」

 

「なんですって!?」

 

オペレータのミリアリアが声高に叫ぶと、アークエンジェルの前方に青紫のティアマトが超高速で接近しているのを確認するが、他にもその後ろからついてきた「二機」のモビルスーツの姿もあった。

それはレイダーとカラミティであり、マリューはすかさず攻撃を開始しするが、交わされてしまう。

 

「あれやるよ?白いの」

 

「ん?おう」

 

「敵のモビルスーツ、いやモビルアーマー接近!」

 

「行くぞ。オルガ、クロト」

 

「おらぁ行くぜ!」

 

「アハハハハ!必殺!」

 

「回避!」

 

アーサーとオルガの放った攻撃を、マリューはノイマンの操舵スキルにより回避するが、味方のオーブ艦隊に直撃し大爆発を起こしてしまう。

 

「チッ!」

 

「ドンマイ、オルガ!次は当てなよ?」

 

「分かってるよ!」

 

「俺はフィアースを撃つ。お前達はアークエンジェルを落とせ、頼んだぞ」

 

「任せて!」

 

「ああ!」

 

アーサーは、ティアマトを強襲モードを解除しこちらに気づいたフィアースをモニターで確認し、レバーを握り直して両腕の武装ユニットからビームサーベルを発生し、フィアースに突撃していく。

マリアはこちらに迫り来る異形のモビルアーマーに、驚愕しつつもシールド及び大型ビームソードになる「ツヴィヘンダー」を変形させて、両者はぶつかり合う。

 

「ぐ、うう!このモビルアーマーは連合の新型なの!?」

 

「よくもフィアースまで持ち込んだな。その機体は親友の物だ!落とさせてもらうぞ!」

 

「ッ!?親友ですって、貴方まさかアーサー大尉なの!」

 

「何.....?マリアさんだと。生きていたのか.....」

 

「アーサー大尉!何故です、何故貴方と戦わなくちゃいけないんですか!」

 

「理由は不要だ。悪いが、それ以上その機体で惑わすのなら容赦はしない!」

 

「ふざけないで!」

 

アーサーは、死んだはずの親友の機体に今度はその彼女であるマリアが搭乗し、また戦場に出ていることに腹が立っていた。

心を圧し殺してまで、オーブ解放作戦に乗り出した矢先にフィアースが写りこみ、もしかしたら生きているのではないのかと思っていた。

だがもはやその思いは不要になり、アーサーはティアマトの全身からミサイルを展開すると、マリアはすぐさまシェキナーで迎撃を開始するが全てを撃ち落とすことはできず、頼みの綱である「PSマント」で受けきり、ボロボロになったマントとシェキナーを切り離した。

 

「うまく切り抜けたか。アイツと同じ戦法だな。だがそれだけでは戦えまい。」

 

「いいえ、まだよ!ここで諦めたりするものですか!」

 

「そうか、なら一思いに楽にしてやる!」

 

「そこのモビルスーツ!フィアースをやらせてなるものか!」

 

「何!?」

 

アーサーは諦めの姿勢がないマリアに対し、一気に決着をつけるべく距離を積めてビームサーベルを振りかざそうとしたとき、二人の間をビームサーベルが遮り、二人はその方向を見るとルアルに搭乗したフィアの姿がそこにあった。

 

「フィアさん!?どうしてここに」

 

「ちょっと嫌な予感がしてね。女の感ってやつよ」

 

「フィア.....?フィア.....だと」

 

「アーサー。アーサー・グレイよね?久しぶり、元気だった?」

 

「そんな君なはずがない!君はだってフィアースの生体ユニットに.....」

 

「だけど今こうして貴方とはなしてる。だから銃をおろしてほしい。アーサー」

 

「君が生きていてくれたのは本当にうれしい.....。だがこれ以上『僕』を惑わすな!インテグラ、バーサーカーシステムを起動させろ」

 

『承認を確認。バーサーカーシステム発動、敵の殲滅を最優先にします。』

 

「まってアーサー!あたしは!」

 

「フィアさん、これ以上は不味いわ!」

 

「戦うしかないのね。マリアさん、このモビルスーツを押さえる!」

 

バーサーカーシステムを起動させたティアマトは各部のエアインテークが「黄金」に輝き、口元は「真紅」の排気ダクトがあらわになりより一層異形のモビルスーツと化した。

マリアとフィアは協力し目の前にいる悪魔を止めるべく、ビームサーベルとビームソードを展開し迎え撃つことにした。

 

それからレイダーとカラミティはそれぞれ分離し、地上にカラミティが降り立ち砲撃を開始し、レイダーはアークエンジェルに向けて接近していった。

その新型を確認したムウとその近くにてエイヴァと戦闘を繰り広げていたライデンがすぐに気づいた。

 

「ッ!?地球軍の新型か!」

 

「あの支援型の近くには港があるはず.....。まさか!」

 

「余所見している場合か、そこの赤いの!」

 

「ちぃ、貴様だって赤だろうに!お前に構っている暇なはい!」

 

ライデンはエイヴァの攻撃を交わしつつ、カラミティの方角へと向かっていった。

そしてカラミティを地上におろしたクロトは高速で接近しながら、対空砲を交わしモビルアーマーから人形へと変形させてアークエンジェルに牙を向いた。

 

「撃滅!」

 

「させるもんか!」

 

「うわぁぁぁぁ!」

 

アークエンジェルの艦橋に機関砲を向けようとしたが、とっさに現れたフリーダムのキックを食らい、海に落下していった。だがそのタイミングが重なるように、水しぶきが上がったところからシャニが駆るフォビドゥンが現れ、レールガンを発砲しながら牽制し、高速強襲モードから変形しオーブのイージス艦を実態鎌「ニーズヘッグ」で一刀両断していった。

 

「お前ぇ、抹殺!」

 

「くっ!」

 

フリーダムに不意打ちを食らったクロトは怒りを露にしながらも、粉砕球「ミョルニル」をフリーダムに向けて振りかざしていくが、キラはすぐに気付き回避を行った。

一方のオルガはM1アストレイが近づくのを確認すると、カラミティに搭載されている「シュラーク」とプラズマボッド砲で撃破し、コクピットの中で笑っていた。

 

「ククク、ハハハハ!こんなものなのかよぉ!」

 

「こんのぉ!」

 

「へぇ、なんか強そうな奴きたじゃねぇか」

 

ムウが駆るパーフェクトストライクが対艦刀「シュベルトゲペール」を構えながら突撃してくるのを確認すると、すぐにシュラークを発砲するが交わされてしまう。

そしてシュベルトゲペールが振りかざされるものの、対ビームコーティングされたシールドで受け止め、押し返し腹部に搭載されたスキュラを発砲するが、ムウは間一髪の所を回避した。

 

それからその付近にいたライデンはエイヴァの攻撃を交わし、反撃に出ていると、自分の足元に逃げ遅れた民間人の家族がいた。

 

「やはりここに来ていたのか!彼らをなんとしても避難させなくては!」

 

「いい加減落ちろ!」

 

「ええい!これ以上はやらせんよ!」

 

 

-SEED覚醒-

 

ライデンはシールド裏に装備されたビームアックスを展開し、バイアラン・セラフの右腕を切り飛ばし、そこからビームアックスの基部を切り離しながら、ビームナギナタに変形させてコクピットを狙わず、セラフの両足と左腕をバラバラに切り刻んでいった。

 

「キャアァァァァァァ!」

 

「悪く思わないでくれよ」

 

ライデンはすぐに地上に足をつけ、逃げ遅れた民間人の家族を保護することにした

。最初はザフトのパイロットスーツを着ていたので「何でザフトが!」と疑われてしまったが、今はそんな余裕がないので、彼らはすぐにモードレッドのマニピュレーターに捕まり、近くにいるオーブの避難船へむけて駆けつけると、片ひざをつき、マニピュレーターに捕まった家族はすぐに降りて、オーブ軍人の指示に従っていった。

だがその家族から「黒髪」の少年と妹らしき二人がモードレッドの足元に近づいてるのを確認したライデンはコクピットからワイヤーを使って降りていき、少年と顔を合わせた。

 

「あ、あの!助けてくださりありがとうございました!」

 

「このご恩は一生忘れません!」

 

「良いってことさ。とにかく君達はすぐに避難を!」

 

「あ、その前に名前だけでも!」

 

「お兄ちゃん早く!」

 

兄である少年は名前を聞こうとしたとき、ライデンはポケットから「銀色のドッグタグ」を彼に渡して、自身の名前をつたえた。

 

「ライデン.....。ジョニー・ライデンが俺の名前だ。君は?」

 

「僕はシン。シン・アスカです!」

 

「シン君。君がもしプラントに行く事になれば、このドッグタグを見せれば俺の関係者が君達をサポートしてくれるはずだ。」

 

「は、はい!」

 

「では気を付けてな、またいずれどこかで会おう!」

 

シン・アスカ.....。ライデンが助けた少年は後にSEEDDestinyの主人公となる人物だが、家族が全員生き延びているためここに改編が起きてしまったのは、ライデンは知るよしもない。

 

本土の前線ではニコルがブリッツの機動性を活かしつつ、ストライクダガー部隊をアストレイ三人娘と共に連携を取り、次々に撃破していく。

ニコルは場所を変えるべく移動をする瞬間、マギの駆る「ガンダムラモーヌ」が海から現れ、ニコルはすぐに距離をとった。

 

「地球軍の新型!?」

 

「あらブリッツが何でここに!まぁいいわ、なんであれやらせてもらうわよ」

 

「ニコルさん、援護します!」

 

「ありがとうアサギさん!こっちは私に任せて、皆は他のところに向かってください!」

 

「わ、分かりました!でも無理はしないでくださいね!」

 

「ありがとう!」

 

ニコルはアサギ達に指示を出し、目の前にいるラモーヌとにらみ合いになる。おそらく敵のモビルスーツもブリッツと同じように、フェイズシフト装甲のためアーマーシュナイダーと、ランサーダートは効かないことを考慮し、トリケロスのビームサーベルを展開していく。

マギも初めて見るブリッツの機体に多少驚いたものの、ビームサイズ「エキドナ」を両手に取り距離を積めていった。

 

「さぁブリッツの性能見せてもらおうじゃないの」

 

「やらせるわけにはいきません!」

 

場所は変わり、後方支援を行っていたレイはコクピットの中で一人静かに、次の獲物に狙いを定めていた。

最初はあの白いモビルスーツを戦闘不能に陥らせたことに成功を覚え、弾をリロードしながらストライクダガーを打ち倒し、次はアレスと戦っているランサーに目を付けていた。

 

「アレスに悪いが狙い撃たせてもらう。」

 

『ロックオン!ロックオン!キケン!キケン!』

 

「なんだ、ハロ?いきなり.....」

 

狙撃用のサポートユニットとしてフィアがハロを開発し、シルバーフレームに「グリーン」と「オレンジ」のハロが警告を知らせていた。

レイはライフルを構え直そうとしたそのとき、突如と狙撃ライフルがビームライフルにより破壊されてしまった。

 

(くっ!まさかこの俺が不覚を取るとは。アレスに笑われてしまうな)

 

レイはすぐにシルバーフレームを立ち上がらせ、狙撃用サイトで自身を狙った者の姿を確認すると、大型の弓をこちらに向けた「アーチャー」がそこにいた。

すかさず、バックパックのブースターを最大稼働させて前線に向かっていった。

 

「隊長!敵狙撃兵の武器を無力化に成功しました!」

 

「よぉしよくやったな!アルトリア、ここはお前に任せる。俺はレイヴンと共にアーサーの援護に向かう!」

 

「お任せください!」

 

「くっ、レイが不覚をとったか。地球軍も存外やるじゃないか」

 

アーカードはアルバフレームから距離を取り、再び戦場に舞い戻ったコルニクスと合流しすぐさま、ルアルとフィアースの相手をしているアーサーの援護に向かっていき、副隊長であるアルトリアは複合兵装「フェイルノート」をバックパックに懸架し、サイドアーマーに装備されたビームサーベルを引き抜き、アレスと交戦を開始した。

 

そしてルアルとフィアースの相手をしていたアーサーは、精神的に疲弊しており、顔を疲れが現れていた。

だが、ルアルとフィアースが迫ってきたときその二機の後方から、コルニクスとランサーが現れ選手交代するような形で援軍が駆けつけた。

 

「大丈夫ですか少佐!」

 

「ここは俺らに任せて、お前はシャニ達とあの白い奴を落としてこい!」

 

「レイヴン、アーカード。分かった、ここは任せる」

 

「ランサー!?邪魔をしないで!」

 

「あん?どこかで聞いたことあるような.....」

 

「ちょ!アーカード隊長、ボサッとしてないでいくっすよ!」

 

「うるせぇ!んなこと分かってら!たく、よくもフィアースを持ち込みやがって!レイヴン、お前はフィアースをやれ。俺はあの天使をやる!」

 

「了解っす!」

 

アーカードはレイヴンにフィアースを任せて、自分はルアルにロンギヌスを振りかざしたが、回避されて柄をまるごと切り落とされてしまい、サイドアーマーに元より装備されたビームサーベルを連結させて「ツインランサー」となるが、ルアルの左手にはツインサテライトライフルが装備されており手数が圧倒的にふりであった。

そしてアーカードは一か八か、パイロットの名前を聞くことにした。

 

「てめぇなにもんだ!さっきから聞いたことある声をしやがって!」

 

「その荒々しい口調はまさか、アーカードなの?相変わらずね。さっきも自己紹介したけど、フィア、フィア・ローズマリーだよ。」

 

「んな!?し、死んだはずじゃないのか!」

 

「一度は死んでたよ、でも今こうしてアーカードの前にいるんだから」

 

「ちくしょう!感動の再会がこれかよ!」

 

「お願い、アーサーを止めたいの。だから邪魔をしないで!」

 

「いいぜと言いたいところだが、悪いがそんなことはさせねぇ!」

 

アーカードはまた複雑な想いがよぎり、反応が鈍ったがなんとかルアルの反応速度に追い付き、両者とも一歩も引かない状況に持ち込んだ。

一方のマリアは、コルニクスの機動性に翻弄されるも左腕の「アンカーアーム」を駆使して翼に食い付き、キックをお見舞いするなどヒットアンドウェイを繰り返していた。

そしてアークエンジェルの援護に回っていたトールは、必死に敵を近づけまいとしていたとき、海岸にてモルゲンレーテに回収されたはずのバスターが現れ、アークエンジェルに迫り来る巡航ミサイルを打ち落としていった。

 

「さっさとそこから離れろ、アークエンジェル!」

 

「あ、あいつ何で?」

 

「そこの戦闘機、援護してやるから流れ弾に気を付けてくれよな」

 

「な、なにいってんだよ!そうなる前に回避してやるさ!」

 

「へっ、グゥレイトな奴だな!」

 

バスターとコマンドグラスパーの援護により、アークエンジェルはできる限り被害を押さえつつ、前線から後退していった。

 

そして、アーカードの援護により切り抜けたアーサーは三馬鹿のメンバーと共にキラ・ヤマトの駆るフリーダムを撃破するために、4体1に追い込んだ。

 

「三人とも、このモビルスーツを撃破するぞ」

 

「やっときたよ。任せて!」

 

「援護はするが、こっちも忙しいからな!」

 

「フンっ」

 

「もう一機!?モビルアーマーなのか!」

 

「落ちろ、白い奴!」

 

キラに迫り来るモビルアーマー「ティアマト」と地球連合軍の新型機「レイダー・フォビドゥン・カラミティ」の猛攻が始まった。

フォビドゥンとカラミティによる砲撃をキラは、ハイマットモードに切り替え回避するものの、死角の外からレイダーのミョルニルに激突しよろめいてしまう。

必死に姿勢を立て直しビームライフルを発砲するが、連携がすさまじくレイダーの前にとっさにフォビドゥンがカバーに入り、ビームを屈折させていく。

 

「ビームが曲がる!?」

 

「ありがとうシャニ!」

 

「別にいいよ。さっさと終わらせるよ」

 

「くそ、僕は、僕はまだ死ねない!」

 

「止めだ!キラ・ヤマト!」

 

「っ!?アーサー大尉!?」

 

レイダーのミョルニルをシールドで受け止めるものの、すぐに後ろからカラミティのシュラークが迫ってきており、機体を回転させて回避する。

だがその一瞬を見逃さなかったシャニは、ニーズヘッグを振りかざしてフリーダムを怯ませることに成功すると、最後は両腕の武装ユニットからビームサーベルを展開したティアマトが、フリーダムに向けて機体を貫こうとした。

 

その時、二人の間を割るように「六本」もの極太のビームの柱がフリーダムとティアマトを間を割って入った。

そしてその隙に「赤い」モビルスーツも乱入し、フリーダムの前に立ち塞がると、ティアマトに向けて銃口をかざした。

 

「な、なんだこのモビルスーツは!」

 

「新しい敵?」

 

「ちょ、お兄さん。空を見て!」

 

「何だ?」

 

アーサーはフリーダムの前に立ち塞がったモビルスーツにも驚きを隠せなかったが、クロトが声高に空を指差していたため、クロトとシャニ、アーサーとキラは「それ」を目撃した。

オーブのオノゴロ島上空に現れたそれは、「白」・「黒」・「金」の三色が施されたモビルスーツで、白き翼に六つもの黒い砲塔を展開していた。

そして、ゴーグルの奥に潜むツインアイが発光し赤いモビルスーツと共にフリーダムの前に守るように立ち塞がり、同じようにビームライフルを構えた。

 

「随分と待たせてしまったなキラ。よく頑張った」

 

「え、あ、シ、シルヴァさん?」

 

「ああ、そうだ。もう俺が来たからには大丈夫だ。連合の新型モビルアーマーの相手はするから、残りの二機はそこの赤いモビルスーツのパイロットと連携してくれ」

 

「は、はい!」

 

「シ、シルヴァ.....?生きていたのか.....」

 

フリーダムの前に立ちふさがった「ジャスティス」と「マルドゥーク」。

そしたマルドゥークのパイロットから聞いたことがある名前が聞こえたアーサーは、戸惑いを隠せず手が震えてしまった。

 

オーブに降り立った白狼が、今再び愛するものを守るためにその牙を向く。




いかがでしょうか?
今回はかなりのキャラクターとモビルスーツが入り乱れ、大混戦となりましたね( ; ゚Д゚)
結構長く書くことができたので、ぜひゆっくり目を通してください!
感想もぜひお待ちしておりますし、いいね、しおりもふえてきてびっくりしてます。
さぁさぁ、次回もどのような展開になるのかお楽しみにしてくださいませ!それではまたチャオ!
あ、ちなみにあらたなモビルスーツもオーブ編が終わったら解説もしますのでそこも悪しからず(・・;)
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