機動戦士ガンダムSEEDクロニクル   作:ガトー

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前回のあらすじ.....
オーブ軍と地球連合軍は本格的に正面衝突し戦闘を繰り広げている最中、死んだ筈のシルヴァが現れ、マルドゥークに搭乗しティアマトのパイロットであるアーサーと戦闘を繰り広げ、一気に状況は混沌を極めた。その最中、連合軍のパイロットの一人である「レイヴン」が戦死、薬の効果が切れた三馬鹿の三人も撤退し立て直すために連合軍は一時撤退していった。
それからマリュー達は、ウズミ様からオーブのマスドライバー施設「カグヤ」に集結しあることを告げられるのであった。
それではお楽しみくださいませ!


第三十九話 暁の宇宙(そら)へ

連合軍の攻撃が始まる前夜にて.....

シルヴァはライデン達と酒を交わして別れたあと、マルドゥークの元にフィアがいることに気付き声をかけると、彼女はシルヴァの方へ振り向き、逆に近づいてマルドゥークの事を聞き出そうとした。

 

「シルヴァ。あの機体のジェネレーターは最新式よね?あれだけ六連ものビームキャノンと、あの特殊な防御兵装だもしね。」

 

「まぁ、たしかに最新式の物だが.....」

 

「これはザフトのモビルスーツ?。今の連合にこの技術はありえない。それにこの子は『バッテリー』じゃないでしょ?」

 

「ッ!?そうだよ。フィアにも伝えるがあのモビルスーツには『ニュートロンジャマー・キャンセラー』を搭載してるんだ」

 

「まさかモビルスーツに核動力をってこと?」

 

「そうだ。」

 

「ザフトならやりかねないね。でもこれが情報漏えいすれば、連合軍はたちまち核を使うことになる」

 

「だからこそ俺は、この機体を守るために使うんだ」

 

「シルヴァのお陰で理解できた。あとはアーサーの事だけど」

 

「ああ。アズラエル.....いやブルーコスモスの私兵のようになっているな。アイツは葛藤した結果がそれだと言っていたが」

 

「他には何か言ってた?」

 

「あの三人を死なせないためにと言っていたよ。」

 

「三人.....?まさか」

 

フィアはマルドゥークに搭載されているエネルギー源の秘密を知ると、データを取りたいと思ったがシルヴァの思いを尊重しやめることにした。

それから『あの三人』と聞いた瞬間、フィアはしばらく沈黙してからシルヴァに彼らの事を伝えた。

 

「その三人というのは、私がまだ研究所にいたときブーフテッドマン、つまり強化人間の薬を開発しついたときに彼らの面倒を見ていたの。彼らは戦いのなかでしか生きられない。でもアーサーはそんな彼らを『兵器』としてではなく、『人間』として生きてほしいために守っていると思う」

 

「強化人間ならアーサーが死なせない為にと言ってたのは彼らの事だったのか。」

 

「そういうこと。」

 

「だったらアーサーを俺達の味方につけたい。だがあのアズラエルが後ろにいるしな」

 

「無理に彼を味方にする必要はないけど、時間がかかるね」

 

「まぁな。そろそろ夜が明けて攻撃が再開すると思うから俺は準備するよ。」

 

「うん。私もそうする。夜だったらルアルで牽制できるけど....」

 

「いや、ルアルの力は切り札になる。温存はしておいた方がいい。」

 

「シルヴァがそう言うならそうする。さ、行こっか」

 

「ああ」

 

シルヴァとフィアは話し終わると各々のモビルスーツの所に戻った数分後に地球連合軍の攻撃が再開された.....。

 

連合軍の旗艦「アヴァロン」からは「ティアマト・カラミティ・レイダー・フォビドゥン・ブラックハスター」の四機が出撃し、それからホワイトファング隊の旗艦「タナトス」からも、「クリーク・ラモーヌ・アーチャー」の三機も出撃を開始した。

ロングダガークライト・デュエルダガーヴェステートの別動隊もオノゴロ島へと飛び立っていった。

 

一方のシルヴァ達も出撃命令が出ると同時に、マルドゥーク・フリーダム・コマンドグラスパー・ルアル・フィアースリペア・パーフェクトストライクが飛び立っていった。

それからライデンとアスラン達も駆け足でモビルスーツの元へと駆け寄ると、アスランは今一度ライデン達に何のために戦うのか問い出した。

 

「ライデンさん。貴方はこのオーブの戦いで何のために戦うんですか?」

 

「俺はこのオーブに借りがある。それにこの美しい国をこれ以上傷つけるわけにはいかないからな。戦う理由としてはそういうものかな」

 

「それによアスラン。俺とニコルはあのアークエンジェルの皆をここで死なせたくないんだよ。おまえはどうなんだ?」

 

「ディアッカおれは.....。俺は彼らを死なせたくない!」

 

「なら今の私たちと同じですねアスラン。行きましょう!」

 

「珍しく意見が合うじゃんか。なら行こうぜ」

 

「よし、決まったようだな。三人ともいくぞ!」

 

「「「はい!」」」

 

ライデンは三人を引き連れて、各々のモビルスーツに搭乗しアストレイのパイロット「アレス」と「レイ」と共に、再び前線に飛び立っていった。

そこから両軍の激突は激しいものとなっていった。地上では連合のホワイトファング隊が奮闘しており、その隊長であるアイザックは「クリーク」の武装をパージしながら戦い、今は亡きレイブンの愛機「コルニクス」からニョルニルを受け継ぎ、M1アストレイ達を粉砕していく。

 

それからメンバーの一人であるマギの駆る「ラモーヌ」もアイザックと共に戦闘をするが、ニコルの駆る「ブリッツ」とライデンの駆る「モードレッド」が立ちはだかるが怯むことなくブリッツに突撃し、ビームサイズと実体鎌を連結させニコルもブリッツの右腕に装備されてある複合兵装「トリケロス」のビームサーベルで応戦する。

 

「今度は逃がさないわよブリッツ!」

 

「くっ!昨日と迫力が違う!でも諦めたりしません!」

 

「ニコル!?」

 

「貴様の相手は俺がする!」

 

「純白のモビルスーツ!?ええい!」

 

アイザックはモードレッドをコクピットの中で確認すると、ミョルニルを振りかざし、近づけさせないようにしクリークの腹部に搭載された「スキュラ」を発砲し牽制を行っていった。

ライデンは迫り来るミョルニルを回避しつつ、ビームライフルを発砲しスキュラをシールドで受け止め、両者は睨み合う形になっていった。

 

一方のシルヴァ達は、三馬鹿とアーサーが駆る「ティアマト」と戦闘を開始していった。

キラとアスランは三馬鹿と交戦し、シルヴァとアーサーはお互いに動きが分かっているかのようにビームライフルを回避し、ビームサーベルを引き抜いて両者とも激突した。

 

「やるじゃないかアーサー!」

 

「お前こそ!」

 

「これ以上はやらせはせん!」

 

「もはやオーブが落ちるのも時間な問題だ投降しろ!」

 

「だが、最後まで粘らせてもらう。俺は最後まで戦う」

 

「くっ、シルヴァ!」

 

シルヴァはそれでもオーブを守ることを諦めることはせず、アーサーから距離をとりマルドゥークの背部に搭載された六連の「バラエーナ高エネルギービーム砲」を最大チャージさせ、ティアマトに向けて発砲していった。

 

アーサーはAIのインテグラにすぐさま「アルミューレ・リュミエール」を展開させて、全て防ぎきるが衝撃が凄まじく体勢をくずしてしまい、シルヴァが次に放ったビームライフルが向かってきたが、右腕の武装ユニットで受け止めて小爆発を起こした。

 

「あれはアルテミスで見たやつか!」

 

「くっ、流石に火力が高すぎて稼働時間が持たないか.....」

 

「うおおおおお!!ここから接近出来れば!」

 

「何!?」

 

シルヴァは左腕のシールド「複合兵装防盾システム」から、ビームサーベルを起動しティアマトに切りかかった。

アーサーも殺られるわけにはいかないので、すぐに左腕の武装ユニットからビームサーベルを展開するが間に合わず、左腕を一刀両断されてしまう。

 

「くっ!流石だなシルヴァ!」

 

『左腕欠損!戦闘に支障は出ますがまだ継続できますよアーサー』

 

「まだ戦える。終わっちゃいないぞシルヴァ!」

 

「そう来ると思ったぞアーサー!」

 

両者は再び距離を取り、アーサーはティアマトを強襲モードへ変形させて、シルヴァもマルドゥークをハイマットモードに変更し、超高速戦闘を繰り広げていった。

 

一方、アークエンジェル一行はというとホワイトファング隊の旗艦「タナトス」と戦闘を繰り広げており、そこにはブラックハスターを駆るアーカードとフィアースリペアに登場したマリア達が戦っていた。

 

「レイヴンの敵はとらせてもらうぜフィアース!」

 

「このモビルスーツのパイロットから凄い憎悪を感じる.....!」

 

「よりによって戦友のモビルスーツで俺の前に出てきたことを後悔させてやる!」

 

アーカードは「オーバードライブ」を発動させ、各ダクトが黄金に輝き頭部のモノアイが燃えるように光り、フィアースリペアに向かっていきビームサーベルを二刀流に持ち替え、攻撃を回避しながら突撃していった。

マリアも「ベルセルクシステムマークII」を起動させ、ケルベロスバクゥハウンドの頭部が現れ、装甲を黒く変色させながらビームサーベルを右側のバックパックから引き抜き、両者はついに激突していった。

 

「ほう、やるじゃねぇか!それでこそ仇をとりやすいぜ!」

 

「悪いけど私はこんな所で討たれるわけにはいかないわ!」

 

「!?。女だと!?しかもお前はマリアか!」

 

「お久しぶりです、アーカード少尉。」

 

「くそ!なんでお前がそれに乗ってんだ!」

 

「私はシルヴァのこのモビルスーツを託されたから乗っているのよ!」

 

「そうかよ。だが敵なら容赦しねぇ!」

 

二人は何度も激突し、アーカードはビームサーベルを連結させて「ツインビームソード」に変更し、フィアースリペアの右腕を切り裂いていき、体制を崩した瞬間にもう一度振りかざそうとその時だった。

フィアースリペアの左腕が変形し逆にアーカードの懐に入ったマリアは、左腕を差し出すようにブラックハスターに向けた。

 

「な、何だ!?」

 

「肉を切らせて骨を断つ!」

 

「流石に回避は出来ねぇ!」

 

アーカードはそう思った瞬間、突如とコクピットに警告音が鳴り響くと同時に衝撃も襲いかかった。

フィアースリペアの左腕は「パイルバンカーアーム」になっており、鈍色の刺がブラックハスターの右腕とバックパックを貫通させていた。

まさにマリアの捨て身の一撃を喰らったアーカードは、割れたヘルメットを脱ぎ捨て、額から血を流れながらもモニターでフィアースリペアを見ていた。

 

「へっ!やってくれるじゃねぇかよ.....!」

 

「ごめんなさい、アーカードさん」

 

「く、くっそー.....」

 

マリアは左腕を引き抜き、両足からアーマーシュナイダーを展開し華麗な足裁きでブラックハスターを切り刻み、装甲が剥がされたブラックハスター.....いや、ランサーは海に落ちていった。

それを見た副隊長のアルトリアは、アークエンジェルに攻撃を与えつつすぐにランサーが落下していった場所へ駆けつけていった。

 

「そ、そんな!た、隊長ー!」

 

「ブラックハスター大破!アルトリア少尉が回収にいきました!」

 

「何ですって!?流石にエースパイロットの彼らでも落とせないなんて、アークエンジェルのパイロット達も優秀なようね」

 

「か、艦長どうしますか?」

 

「アーカード少佐の回収を急ぐわ!モビルスーツ隊は本艦を援護!旗艦反転、ゴットフリートの照準はアークエンジェルに固定、スレッジハマー装填!撃てー!」

 

タナトスの艦長である、アンジェラ艦長はすぐに指令を出しモビルスーツ隊もタナトスの守りに入り、アークエンジェルに向けてスレッジハマーとゴットフリートを発砲し牽制をかけるが、スレッジハマーはバスターに全て撃ち抜かれ、ノイマンの操舵スキルによってアークエンジェルはゴットフリートを回避していった。

 

そして、キラとアスランの二人は三馬鹿の「オルガ、クロト、シャニ」の連携攻撃に苦戦を強いられていた。

 

「今日こそはやらせてもらうよ!」

 

「フン.....」

 

「クロト、シャニ!援護するから叩き込め!」

 

「了解!」

 

「いいよ」

 

「キラ、行くぞ!」

 

「うん!アスラン!」

 

キラとアスランも二人でなんとか、三人の攻撃を回避しつつアスランはリフターを切り離しながら牽制し、クロトの攻撃を躱していく。

キラはフォビドゥンにビームライフルを発砲しつつ、距離をとるが海面からカラミティの砲撃もあり回避するのに精一杯だった。

しかし、そこはアスランと連携を取りつつビームサーベルを引き抜き、フォビドゥンと接近戦を繰り広げていく。

 

三馬鹿はなかなかしぶとい二機に対して悪態をつきながらも、落とすことに精一杯になっていた。

そんな時、カラミティに搭乗しているオルガはフリーダムを再びとらえようとしたその時コクピットに警告音が鳴り弾いた。

それはエネルギーがもはやないことを示しており、オルガは舌打ちをした。

 

「くそ!このバカモビルスーツもうパワーがやばい!」

 

「補給に戻ろうかオルガ?このまま帰って怒られるの嫌でしょ?」

 

「そりゃそうだが.....って、クロト前だ!」

 

「なっ!?」

 

「うおおおおお!!!」

 

クロトはオルガを心配した瞬間、ジャスティスが海中から現れてビームサーベルを振りかざすと、レイダーのミョルニルは切り裂れてしまい、クロトは唯一の格闘武器を失い変形して距離をとった。

 

「くぅぅぅ!油断した!」

 

「クロト、俺も乗せろ。ここは補給に戻るぞ!」

 

「悔しいけどね!シャニも戻るよ!」

 

「ん?もう終わり?」

 

シャニもコクピットに警告音が鳴り弾き、最後の足掻きでフリーダムに鎌状の武器「ニーズヘッグ」を振りかざすがシールドで受け止められてしまい、ビームサーベルを回避しつつ二人に合流してアヴァロンに戻っていた。

 

するとアヴァロンの艦橋にて、オーブ側から通信文が届き再三の会談要請が送られた。

それを手にしたアズラエルはすぐに内容を確認すると、アヴァロンの艦長である「レナト」に声をかけた。

 

「艦長さん。全軍に一時撤退命令を出してあげてください。私としてもこれ以上オーブを傷物にしたくはありませんからね」

 

(こんな状況でか!?致し方ない、ここは盟主の言う通りにしよう)

 

「分かりました。全軍に通達、一時撤退信号を出せ!」

 

「はっ!」

 

レナトはすぐに撤退信号を出すと、タナトスとホワイトファング隊もすぐに撤退し、シルヴァと激闘を繰り広げたアーサーも信号を受けとるとすぐに撤退していった。

 

「バカなここで撤退だと!?いや、なにかあるな」

 

「アーサー!」

 

「どうやらここまでのようだな。シルヴァ、また会おう」

 

アーサーはティアマトを強襲モードのまま音速のスピードど戻っていくと、シルヴァにもアークエンジェルから合流せよと通信が届き、マスドライバー施設の「カグヤ」に向かっていった。

 

(オーブを離脱か.....。もはや脱出するしかあるまい。)

 

シルヴァは一人静にこの先に起こることを思い出しつつ、カグヤに降り立った。

それからホワイトファング隊のアイザックとマギも撤退しようとしたが、マギはブリッツとの戦闘に機体はボロボロになっており、エネルギーもろくに残っていなかった為、隊長であるアイザックに別れを告げた。

 

「ごめんなさい、アイザック隊長。私はここに残りますので先に撤退を」

 

「待てマギ。お前を残して行けるか!」

 

「早く行ってください、行くわよ、ブリッツ!」

 

「くっ!」

 

マギは壊れたビームサイズ「テュポーン」を捨てて、実体鎌の「エキドナ」に持ち変えて、ニコルの駆るブリッツに突撃していく。

ニコルは最後のナイフ「ビームナイフ」を装備し、マギの駆る「ラモーヌ」が鎌を振りかざした瞬間、スラスターを吹かせて回避しコクピットに向けてナイフを突き刺した。

マギのコクピットは閃光に包まれ、ビームナイフが引き抜かれると彼女は血を吐き出しモニターでブリッツを見つめると、今は亡きレイヴンと共に過ごした日々を思い出していた。

 

「レイヴン.....。今私も行くからね.....」

 

「あっ.....」

 

「マギー!くっ!」

 

「無事かニコル!すぐにカグヤに集結するぞ」

 

「はい、分かりました.....」

 

ニコルはすぐに距離を離れると、走馬灯を見たマギが乗ったラモーヌは光に包まれ爆発していった。

アイザックはマギの死を目の当たりにしながらも、レバーを力強く握りながらタナトスへ戻っていった。

それからライデンの「モードレッド」も駆けつけ、アルバフレームとシルバーフレーム、ルアルとパーフェクトストライクの四機も合流してカグヤに終結していった。

 

ドッグ内に格納されたアークエンジェルの周りには、「ジャスティス・フリーダム・マルドゥーク・ルアル・フィアースリペア・モードレッド・ブリッツ・バスター」がそれぞれ鎮座しており、パイロットの彼らはマリューらと共にウズミの元へと向かった。

 

「オーブを離脱ですか!我々に脱出せよとそう仰るのですかウズミ様!」

 

「貴女方にも、もうお分かりであろう。オーブが失われるのも時間の問題なのだ」

 

「お、お父様何を.....!?」

 

「人々は避難した。支援の手もある。あとの責めは我らが負う」

 

「だがたとえオーブを失っても、失ってはならぬ物があろう。地球軍の裏にはブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエルの姿がある」

 

「そしてプラントも今や、コーディネーターこそが新たな主とするパトリック・ザラの手の内だ。」

 

「このまま進めば世界はやがて認めぬ者同士が際限なく争うばかりの物となろう。そんなもので良いのか、君たちの未来は?」

 

「別の未来を知るものなら、今ここにある小さな火を抱いてそこへ向かえ。またも過酷な道となろうが分かってもらえようか、マリュー・ラミアス?」

 

「小さくとも強い火は消えぬと、私たちは信じております。」

 

「では急ぎ準備を」

 

「ハッ!」

 

ウズミ様の言葉を聞き、全てを理解したマリューさんはムウとノイマンを顔を会わせ敬礼し、急ぎアークエンジェルの方へと向かっていった。

それからウズミ様はカガリの頭を撫でて、キラを見つめてからシルヴァにも視線を向けた。

 

キラとカガリは不思議がっていたが、シルヴァは気にすることなく会釈し、キラ達はアークエンジェルの方へと向かい、カガリはオーブの戦艦「クサナギ」のドックへとむかった。

ブースター取り付け作業に時間がかかっていたが、メカニック兼研究者であるフィアもオーブの技師たちと連携を取り、早急にことが進んだ。

クサナギの方は、次々にM1アストレイが格納されアストレイ三人娘も初めて宇宙に上がるので不安がっていた。それからロンド・ミナ・サハクの部下である「アレス・イェーガー」と「レイ・アームストロング」が搭乗している二機のシルバーフレーム、アルバフレームも格納されると、二人はコクピット越しに通信を繋いで話をした。

 

「よもや宇宙に上がることになるとはな。久しぶりだな」

 

「ああ。またミナ様に会えるのだからな。それにアサギ達を宇宙の戦闘に慣らせる必要があるから好都合だ。」

 

「そうだなレイ。あとは脱出まで大人しく待つとしよう。」

 

「ああ」

 

少しだけ話した二人は、コクピットから降りて漆黒の軍服に着替え、アレスは愛刀の「菊一文字」を右腰に装着、レイも愛銃の「トンプソンコンテンダー」を左越しのホルスターに収納し、二人はクサナギの艦橋にあがりエリカ・シモンズと共に作業を進めた。

 

トール達もアークエンジェルのモビルスーツ格納庫にて、補給を済ませて待機しており、いつ連合軍が自分達のいるカグヤに攻め混むか不安が募っていた。

 

シルヴァはと言うと、アークエンジェルに向かう際にウズミ様に声をかけられ、ほんの少しの時間ではあるが話を聞くことにした。

 

「いきなり呼び止めて申し訳ないシルヴァ君」

 

「どうされましたんですウズミ様?」

 

「あるものを渡したくてな」

 

「これは..........」

 

ウズミ様がシルヴァに渡したのはある「一枚」の写真であった。それは本来ならば娘であるカガリに渡すはずの写真、優しい笑顔をした母親に抱かれた二人の子供の写真で、シルヴァは裏面を裏返すとそこには「キラ」・「カガリ」の名前が記されていた。

 

「これはまさか。二人は双子と.....?」

 

「いかにも、カガリとキラ君は双子だ。」

 

「何故これを私に?」

 

「これから先、数多の困難が待ち受けよう。カガリをどうかこの世界で生きる術を、そして導いてあげてほしい。あやつは未熟で泣き虫だが優しい子だ。これはオーブ首相ではなく、一人の父親として頼みたい」

 

「..........。私には導く力などありません。ですが私は陰ながら力になりたいと思っていますウズミ様。」

 

「そうか、その答えを聞けてよかった。これより我々は少なからず会談を開くと見せかけ、すぐにクサナギも発進させる。その時は頼むぞシルヴァ君」

 

「承知しましたウズミ様」

 

シルヴァは渡された写真をポケットにしまい、敬礼をしてアークエンジェルの方へと向かっていった。

 

(何故俺に例の「写真」を渡してきたんだ.....。これは原作にはないし、なによりカガリを導いてあげてほしい.....か。俺にそんな力があるかは分からないが、やってみるさ)

 

それからシルヴァはキラ達と合流し、マルドゥークの足元にたどり着くとそこにはアスラン・キラ・ディアッカの三人が集まり、話を始めていた。

 

「ザフトの『アスラン・ザラ』か.....。彼女には分かってたんだな」

 

「アスラン?」

 

「どうしたんだいきなり」

 

「国、軍の命令に従って敵をうつ。それでいいんだと思っていた。仕方ないと。それでこんな戦争が一日でも早く終わると。」

 

「俺たちは本当は何とどう戦わなくちゃいけなかったんだ?」

 

「君も一緒に行こう、アスラン君。もちろんディアッカ君もだ」

 

「え?俺も!?」

 

「みんなで探せばいいと思うよ。それもさ」

 

アスランとディアッカはキラとシルヴァを見ながら頷き、各々モビルスーツのコクピットへと搭乗した。

シルヴァは乗る前にアークエンジェルの方へと急いで駆けつけ、マリアを見つけると抱き締めると、周りはいきなりの光景に声をあげた。

 

「え、な、シ、シルヴァ!?ど、どうしたの?」

 

「君の元へ早く戻りたかったのさ。」

 

「嬉しいけど.....。それよりシルヴァはこれからどうするの?」

 

「俺はアークエンジェルの発進の援護をする。マリアとフィアは先に宇宙に上がって待っててほしい。」

 

「分かったわ。けど必ずあとから来てね?」

 

「勿論だ。」

 

「そうやってー、来なかったら許さないからねシルヴァ?」

 

「肝に銘じておくよフィア。」

 

「ライデンもアークエンジェルを頼む。」

 

「任せてくれ、トールもニコルもいるからな。先に待っているぞシルヴァ」

 

「ああ!」

 

シルヴァは親友のライデンと拳を軽くぶつけてから、マリアにもう一度抱き締めてマルドゥークの元へと向かった。

 

一方の連合軍、旗艦のアヴァロンではオーブのマスドライバー「カグヤ」にアークエンジェルや、モビルスーツが集まっている報告を聞いたアズラエル理事はレナトと話を進めた。

 

「何ですって?カグヤに集結している?」

 

「ええ。あちらも背水の陣ですからね。会談を申し立てたのはおそらく時間稼ぎとは考えられますが」

 

「なるほど。確かにレナト艦長の言うことは一理ありますね。それなら会談には応じず、あの三人を出した方が良さそうですね。」

 

「ならば三人をカグヤに向かわせると?」

 

「ええ、そうしましょうか。最後の足掻きといえど我々は見過ごしませんよ」

 

二人はそうやって話し終わると、すぐに「オルガ・クロト・シャニ」に出撃命令を出しリニアカタパルトから三機が再び出撃していった。

 

「なんでまた私たちなのさ!?」

 

「仕方ねぇだろ。アーカードもボロボロだし、アーサーの機体も特別だから時間がかかるんだよ」

 

「アーカードを傷つけた奴ら、絶対に殺るよ.....」

 

「シャニ、クロト。とりあえずカグヤに向かうぞ!俺達が戦ったやつらが出たら落とすぜ!」

 

「任せて!」

 

「うん」

 

それからまもなくして連合が会談には応じないと返答を受けたウズミは、すぐさまカグヤに向かいカグヤと鉢合わせるも、動じずすぐに指示を出し発進させようとしていた。

 

「やつらに時間稼ぎがバレてしまった。ラミアス殿、すぐに発進を!」

 

「分かりました、シルヴァ君!」

 

「了解、発進を援護します。アークエンジェルは先に宇宙へ!クサナギの方はウズミ様?」

 

「こちらもすぐに出す!」

 

「了解しました。ディアッカ、これより先は空中戦になる、きみアークエンジェルへ向かってくれ」

 

「く、了解!」

 

「キラとアスランは俺と一緒に発進の援護を」

 

「はい!」

 

「了解しました!」

 

ディアッカはシルヴァからそうやって指示を受けると、すぐにアークエンジェルの方へと向かいモビルスーツ格納庫へと足を運び、アスランとキラはシルヴァと共にカグヤから飛び立った。

一方、未だにクサナギに搭乗していないカガリは父のウズミに対して共に脱出するよう説得していた。

 

「お父様!」

 

「お前はこんなところで何をぐずぐずしておる。早く行かぬか!」

 

「しかし!」

 

「モビルスーツ接近、距離15じゃ」

 

「我らには我らの役目。お前にはお前の役目があるのだ」

 

「ッ!でも!」

 

「想いを継ぐものなくば、全て終わりぞ!何故それがわからん!」

 

 

ウズミはカガリに対して声を荒げながらも、キサカ達が待っているクサナギへとその手を握りながら向かっていった。

そして、アークエンジェルが飛び立つ寸前にアヴァロンから三馬鹿達が駆けつけ、アークエンジェルを捉えるとシルヴァ達も彼らの前に立ちはだかり応戦を開始した。

 

「行くよ、二人とも!」

 

「来るぞ!キラ、アスラン!」

 

「クサナギ、発進を急いでください!」

 

「ローエングリン、討てぇー!」

 

マリューの指示により、アークエンジェルは二基のローエングリンを発射すると、虹色の光の奔流がアークエンジェルを包み、プラズマブースターが始動し、船体が加速して大気圏突入を目指して飛び立った。

 

オルガ達は攻撃を試みるも、自分達の後方から「マルドゥーク」・「ジャスティス」・「フリーダム」が現れ回避行動をとった。

そしてクサナギでは、カガリをつれたウズミが到着しキサカにカガリを預けていた。カガリは今にも感情が爆発しそうになっており、その両目から涙が溢れかけていた。

 

「ウズミ様!カガリ!」

 

「急げキサカ!この馬鹿娘を頼んだぞ」

 

「.....はっ!」

 

「お父様!」

 

「そんな顔をするな、オーブの獅子の娘が」

 

「でも.....!」

 

「父とは別れるがお前には『兄弟』もおる」

 

「え.....!?」

 

自分に『兄弟』がいることを告げられたカガリは、父からもらった写真を手に取った。

そこに写っているのは優しく微笑んでいる母親と、その腕に抱かれている二人の赤子。そしてカガリはその写真の裏を見るとそこには「kira」・「cagari」と書かれていた。

それを見たカガリは父のウズミを見上げると、彼はさらに「もう一枚」の写真の見せた。

 

カガリはそのもう一枚を恐る恐る手に取ると、そこには先ほど写っていた女性と『銀髪』の子供がカメラに目線を向けていた。そして裏面をひっくり返すとそこには「silva」と書かれていた。

 

「お父様、この銀髪の男の子はまさか!?」

 

「ウム。そなたの知っている人物だ。」

 

「そ、そんな.....」

 

「カガリ。そなたの父で幸せであったよ」

 

「あっ!」

 

「行けキサカ!頼んだぞ!」

 

カガリは写真について聞こうとしたとき、扉に遮れてしまいクサナギのシャッターに閉められキサカと共に泣きながらも、ブリッジに上がっていた。

愛する我が子を見届けたウズミはすぐさまカグヤのメインルームにもどっていった。

 

「ディビジョンCE以外の全要員の退去を確認。オールシステムスロー、クサナギファイナルローンチシークエンススタート。ハウメアの守りがあらんことを.....」

 

アナウンスの声と共にクサナギはレールの火花を散らしながら発進していった。クサナギの発進を確認した三馬鹿はすぐさま目標を切り替えると同時に、シルヴァ達も戦闘を一時中止しクサナギの方へと全速力でブースターを起動させる。

 

「キラ、アスラン。いくぞ!」

 

「はい!」

 

「了解です!」

 

「俺はやつらの攻撃を防ぐから、二人は先に行ってくれ!後からすぐに追い付く!」

 

「わ、わかりました!」

 

「シルヴァさん、無茶だけはしないでください!」

 

「当然だ!」

 

シルヴァはそう言うと、独立起動ユニット「エア」からプラネイトディフェンダーを数基展開しつつ、三馬鹿の攻撃を防ぎながらキラとアスランをクサナギに向かわせた。

 

「くっそー!硬いんだよこいつ!」

 

「逃がすもんか!」

 

「ここで彼らを落とさせるわけにはいかない!この命をもって!」

 

キラとアスランは襲いかかるGに対して、顔を歪めながらもクサナギにたどり着き、なんとかお互い船体にしがみつきシルヴァにも声をかける

 

「シルヴァさん!もうこれ以上は持ちません!」

 

「さぁ早く!」

 

「よし、分かった!すぐに行く!」

 

シルヴァはすぐさまプラネイトディフェンダーを解除し、マルドゥークを「ハイマットモード」に切り替え、ブースターを最大稼働させてキラとアスランに手を差し伸べる。

だが三馬鹿は容赦なく攻撃を続けていく。

 

「落ちろー!」

 

「間に合え、間に合えー!」

 

「シルヴァさん!」

 

「あと一歩です!」

 

「いっけー!!!!!!」

 

シルヴァはレバーを全力で踏み、キラとアスランは互いにマルドゥークの手を取り合うことに成功し、三人はお互いに肩車するように機体を三馬鹿に向けると、「ハイマットフルバースト」を展開していった。

 

「これで終わらせる!」

 

「ま、まずい!?」

 

「嘘でしょ!?あそこから!?」

 

シルヴァ達は息を合わせるようにハイマットフルバーストを展開し、海面に向けて発砲すると三馬鹿の目の前に水しぶきが上がり、彼らは足止めをくらった。

そして無事にレールから外れたクサナギは三機のガンダムを連れて飛び立っていくと、カグヤのメインルームで見届けたウズミを各一族の長を集めた。

 

「種は飛んだ、これで良い。」

 

「オーブも世界もやつらの好きにはさせん!」

 

ウズミはそう言うと、カグヤのメインルームに搭載された自爆スイッチを作動させると、マスドライバーは瞬く間に爆発を引き起こし、モルゲンレーテ工場を爆破させていった。

それを目撃したアヴァロンにいるアズラエルは、席から立ち上がり冷や汗をかいて握りこぶしを握った。

 

(ウズミ!まさかそこまでやるなんて!流石だわ.....)

 

オーブの自爆を目撃したキラとアスラン、そしてシルヴァは言葉をつまらせながら見下ろし、そしてカガリは大粒の涙を流しながら声をあげた。

 

「お父様ーーーーーーー!!!」

 

オーブ解放作戦は、オーブ陣営の自決によりもっとも最悪な結末を迎え戦いは終わった.....。

 




いかがでしょうか?
かなり原作とオリジナル展開を広げたので、楽しめれたら幸いです!まさかのマルドゥーク・フリーダム・ジャスティスの、トリプルアタックで脱出できるなん書いてて本人も驚いております。
それからキラとカガリの写真も登場しましたね!
それと同時にオリキャラ主人公の「存在しない」写真も出てきたことにより、カガリはシルヴァの事を兄と呼ぶのかどうなることか!
さて、オリキャラ二人目の「マギ」が退場したことにより不穏な雰囲気が連合軍に流れておりますが、全滅は避けようと考えております!
そしてとうとうオーブ編が終わりましたので、舞台は宇宙になります!これからさきどんな展開になるのか、原作から離れないように努力しますので、暖かい目で見てくださると嬉しいです。
一旦次の話に入る前にショートストーリーとして、「レイヴン」と「マギ」の二人の話や、新たに出てきたモビルスーツの解説とモチーフにしたガンダムや他作品のロボットを明かしていきたいと思います。
それではまたチャオ(★´∀`)ノ!!!
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