アークエンジェル艦隊VSドミニオン艦隊の両者は持てるモビルスーツを全て投入し、戦場は瞬く間に混沌と化していった。
そんな彼女達とは裏腹に、コロニー・メンデルの裏側から第三勢力のクルーゼ率いるザフト軍も到着し、状況を把握するべくクルーゼとイザークの二名は、それぞれのモビルスーツに乗りだしメンデルへと向かった。
ドミニオンからミサイルを多数向けられたキラは、SEED覚醒し後ろに交代しながら、ロックオンをしバラエーナとレールガンで迎撃していく。
「そらぁ、滅殺!」
「ッ!?」
「ボディーが残ってればいいんだろ!」
一瞬動きを止めたキラにめがけて、ミョルニルを振りかざすとそのままフリーダムに直撃し、体制を崩すとオルガもスキュラとシュラークを発砲し追撃を開始する。
だが、シルヴァから送られた独立起動ユニット「エア」が現れ、キラはすぐにエアを視認するとフリーダムをエアの上に乗せると、機動力を生かし砲撃を回避しつつエアの六連バラエーナとフリーダムのバラエーナを合わせて砲撃をした。
一方シルヴァはエアを切り離したので回避が安易には出来なくなったものの、接近戦をアーサーに持ちかけ両者もぶつかるが、シルヴァはすぐに離脱しルプスビームライフルで牽制をする。
「ええい!すぐにキラの元に行かねば」
「そうはさせるか!シルヴァ」
「お前はしつこくなったなアーサー、いい加減にしろ!」
「な、なに!?」
「マルドゥーク、お前の力見せてみろ!」
-SEED覚醒-
シルヴァはコクピットの中でそう叫ぶと、マルドゥークは共鳴するように各ダクトが黄金に輝き、ゴーグルが格納され赤いツインアイと口元も開閉され黄金のダクトも露になり、肩部・脚部の追加スラスターが切り離されると共に、アーサーとストライクダガー隊は光に包まれた。
「な、なんだ!?」
「た、隊長!目標が確認できません!」
「せ、閃光が.....」
「み、みえ.....な.....」
(あれはベルセルクシステム!?。何故あんなものが搭載してる!?)
アーサーは見慣れた光景に言葉を詰めると、シルヴァは動きを止めたストライクダガーの一機に瞬時に近づき、左腕は複合防盾ユニットではなくパイルバンカーアームによって、機体は一気にコクピットを貫かれてしまう。
それからもう一機にも近づくと、両サイドアーマーに搭載されたドラッヘビームサーベルを両手に取り、バラバラに切り裂いていった。
「う、うわぁ!」
「くっ、ヤツから離れろ!俺が相手をする!」
「た、助けて下さい隊.....」
「ッ!?うおおおおおお!!!」
「..........」
アーサーもすぐに行動を移すが、部下のストライクダガー小隊の六機はなす術もなく撃破されてしまった。
部下を失った悲しみと、目の前にいる親友との戦いに葛藤しているアーサーは怒りを露にしてマルドゥークに接近し、両腕の武装ユニットからビームサーベルを展開して振り下ろすが、シルヴァは軽くなったマルドゥークで楽々回避し、ドラッヘビームサーベルを連結させて、迫り来るその凶刃を一刀両断する。
「くそ!ここまでしても届かないか!」
「終わりだアーサー」
「まだだ、まだ終わっていない!」
アーサーはまだ諦めておらず、機体をバク転させるようにするとテールスタビライザーから、ビームサーベルが展開しシルヴァも咄嗟に反応したものの、ギリギリ交わしたがコクピットの装甲が切られ、パイロットのシルヴァが露になった。
シルヴァは冷静にしつつ、目の前にいるティアマトを睨み、アーサーは同じようにシルヴァをカメラ越しに見つめていた。
そんな二人をよそに、アスランに苦戦を強いられ怒りを露にしたシャニが現れ、フレスベルグをランダムに発砲しまくっていた。
シルヴァとアーサーはお互いに距離を取り、そのまま拮抗状態に陥ったが、シルヴァはすぐにキラの元へと向かいアーサーもその後を追う。
「お前!お前!お前!」
「滅茶苦茶だなおい」
「シャニ落ち着け!」
「キラ、アスラン。蹴散らすぞ」
「「了解!」」
とうとうキラとアスランに合流したシルヴァは独立起動ユニット「エア」とマルドゥークを再度合体させ、六連のバラエーナをシャニ達に発砲すると彼らの前にアーサーがギリギリの所で、アルミューレ-・リュミエールを展開し防ぎきる。
「くっ!」
「おいアーサー、大丈夫か!」
「兄さん!?」
「よくもアーサーを傷つけたな!」
「やめろシャニ!ここは一旦撤退するぞ!」
「でも.....!」
「言うことを聞け!それに機体のパワーとお前たちの限界も近い。また苦しみながら戻りたいか!」
「う.....。わかったよ.....」
「撤退信号を出す、ここは引くぞ」
アーサーはいかにも暴走しそうになったシャニをなんとか抑え、バックパックのミサイルハッチから信号弾をあげると、三馬鹿を連れてドミニオンへ撤退していった。
ドミニオンのナタルは信号弾が上がることを確認すると、こちらもタナトス・アヴァロンに向けて同じように信号弾を上げた。
「アーサー君が撤退?そんなまさか.....」
「懸命な判断かと思います。フリーダムを鹵獲できなかったのは悔やまれますが、あのモビルスーツが介入しなければ」
「仕方ありませんね。すぐに補給を受けさせて、あの三人の様子を見てきます」
「了解しましたアズラエル理事」
戦場は変わり、タナトス・アヴァロンのメンバーはオーブのイズモ級クサナギとライデン達と戦闘を繰り広げており、両者は激しくぶつかり合っていた。
アレスが駆るアルバフレームとジョシュアが駆るソードダガーは、なんども衝突を繰り広げておりアルバフレームの左腕は切断され、ソードダガーは機転を効かせてキックをお見舞いする。
シュベルトゲペールを格納し両サイドアーマーに搭載されているビームサーベルを二本引き抜き、止めを誘うとしたがマリアの駆るフィアースリペアが介入し、ツヴァイ・ヘンダーで受けとめ吹き飛ばす。
「くそ!止められたか」
「アレスさん。ここは私に任せてクサナギに撤退を!」
「すまないマリアさん。恩に着る」
「こいつが噂のフィアースかよ。武者震いが止まらないぜ.....」
一方、タクスフォース・デルタの隊長アーカード・ワイズマンとホワイト・ファングの隊長アイザック・ヒューストンは、お互いに連携を取ってフィアが駆るガンダムルアルに猛攻を繰り広げていた。
「どうしたフィア!てめぇの実力はそんなもんじゃねぇだろ!」
「くっ!反撃しようにももう一機の弾幕が厚すぎる」
「アーカード、ここで沈めるぞ」
「俺が決めるぜ、オーバードライブ!」
「そんなあのシステムを使いこなしてるの.....!?」
アーカードはストライクジェフティに搭載された「オーバードライブ」を起動すると、全身が金色に輝き高機動でルアルの攻撃を回避し、サテライトライフル二丁を両断していく。
アイザックは二丁のガトリングの雨を降らせると同時に、スキュラを発砲しフィアは回避に専念するが、左足をスキュラで焼かれガトリングの弾をもろに受けてしまう。
「きゃあ!」
「こいつでしまいだ!」
「ッ!?」
「待てアーカード!」
「なんだ、アイザッ.....ガァ!?」
アーカードはビームサーベルでフィアのコクピットを狙った瞬間、突如と姿を眩ましていたブリッツがジェフティの背後に現れ、その背中にある巨大な二枚の刃が首を挟むと、機体に強制放電されてしまいジェフティはなす術なく動かなくなった。
「く、そ、が.....」
「フィアさん大丈夫ですか!」
「あ、ありがとうニコルさん」
「っ!アーカード!」
「動かないで下さい!大人しく引いてくれるならこのまま引き渡します。」
「ええい、まさかあのブリッツがいるとは」
「どうか」
「おのれ.....」
人質となったアーカードを見つめるアイザックは、レバーを握りしめブリッツを睨み行動に写そうとしたその時、アヴァロン・タナトスから撤退信号があげられ、アイザックはさらに顔を険しくした。
するとベルリオーズの駆るイージスアスルが近づき、ベルリオーズは通信を行う。
「隊長ここは撤退しましょう。」
「だがアーカードだけこのまま見過ごすわけには!」
「いや彼女たちなら、そんな手荒な真似はしないでしょう。そうだろブリッツ?」
「約束します」
「い.....け!アイザック.....」
「くっ、アーカード!やむをえん。ここは撤退するがアーカードはそちらに預けておく!」
「分かりました」
アーカードはアイザックに撤退をするように諭させ、一言いったあと気絶しニコルによってアークエンジェルに運ばれていき、エイヴァと死闘を繰り広げていたライデン達も合流し、両陣営は体制を立て直すことにした。
だがその裏で、ストライクとバスターはコロニー内部へと足を運び警戒しながら進むと、新たな敵影を確認する。
そこにはザフト軍の次期主力モビルスーツ「ゲイツ」と「デュエルアサルトシュラウド」が迫っていた。
ムウとクルーゼはお互いに存在を確認すると、すぐに行動に移った。
「来るぞ!」
「来るぞ」
「は!?」
「何!?」
両名はモニターでそれぞれの機体を確認すると、ムウはアグニで新型のゲイツに発砲していくが、クルーゼはいとも簡単に回避し、ビームライフル二丁をストライクに照準を合わせて迎撃する。
イザークはモニターにバスターが写っていることに、腹が立ちビームライフルを発砲するが、バスターが自分に射ち返してこない事に違和感を覚えていた。
「バスター!?おのれ、よくも戦友の機体で!」
「デュエルかよ!くそ、相手しずらいぜ」
「貴様、なぜ射ち返してこない!」
「イザーク、俺だ!ディアッカ・エルスマンだ!」
「なっ.....、ディアッカ!?本当に貴様なのか」
「ああ、そうさ。」
「それが何故、ストライクと共にいる?どういうことだ!生きていてくれたのは嬉しい.....。だが事と次第によっては貴様も許さんぞ!」
「イザーク.....。俺はあの時マリアさんに助けられたんだよ。だからこうして生きてるし、恩を返すために一緒にいる」
「何だと.....」
イザークはバスターのパイロットから声を聞くと、動きを止めてディアッカも冷や汗をかきながら、止まったことに安堵の息を漏らすが、驚きを隠せないイザークは困惑するしかなかく、疑問をぶつけディアッカは渋々答えることしかなかった。
ムウとディアッカの通信が取れないことを察知したマリュー達は、状況をなんとかするべくシルヴァとキラをコロニー内部へと潜入するように指示を出す。
アスランとライデンも行こうとしたが、一度に主力モビルスーツがいなくなるのは不味いとシルヴァが止めた。
「俺とキラが行きます。皆は今のうちに補給と整備をしてくれ」
「でもシルヴァ、マルドゥークのコクピットは丸出しよ。フィアースリペアを使って。」
「いいのか、マリア」
「大丈夫よ。それに今調子が悪くて.....」
「無理しないでくれ必ず戻る。フィア、マリアを頼む」
「オーケー、任せて!」
「シルヴァ、俺とアスランも行くが?」
「いやライデン達はそのまま待機してくれ。外にはあの地球軍の艦隊が待っているに違いない。」
「了解だ、任せろ」
「よし、行くぞキラ」
「はい!」
シルヴァはマルドゥークから降り、再びフィアースに乗り込んでキラと共にコロニー内部へと潜入していく。
マリアは顔色が悪く、フィアは医療室に運んでドクターと共に診療と治療を行い始めた。
コロニー内部の障壁が開くと、キラとシルヴァは通信をオープン回線を開き進んでいく。
ふとシルヴァの頭部に頭痛が走り、一瞬よろめいたがすぐに立て直す。
「クッ!?」
「シルヴァさん、大丈夫ですか!」
「あ、ああ。大丈夫だ問題ない」
シルヴァは違和感を感じながらも進んでいくと、動きを止めているデュエルとバスターを見つけ、シルヴァが確認に向かいキラを先に向かわせると、イザークはフリーダムとフィアースが来ておることに驚いた。
「な、フィアースとフリーダム!?」
「ディアッカ!」
「シルヴァさん?」
「おのれ.....ライデン副隊長の仇!」
「よせイザーク!シルヴァさんこいつは俺に任せて、オッサンを助けてやってくれ」
「いいのか?」
「はい!」
「分かった。だが俺とライデン、キラとアスランみたいなことになるなよ。」
「!!。アスラン、ライデンだと.....」
「銃を置いて話をしようイザーク。」
「ディアッカ.....」
シルヴァはそう言い残し、ディアッカとイザークは話をするべく地上に足をつけることにした。
一方のクルーゼとムウは近接特化のゲイツに対し、砲撃専用のランチャーストライカーでは、分が悪かった。
「貴様に討たれるならそれもまたとも思ったが、ここで!」
「くっ!」
「だがどうやらその器ではないようだ。所詮子は親には勝てぬと言うことかな」
「何!?」
クルーゼは不穏な言葉を口に出し、ムウは気になりつつもランチャーストライカーを外し、アーマーシュナイダーを装備して近づこうとしたが、ゲイツの両サイドアーマーに装備された「エクステーション・アレスター」により、右腕と左腹部をやられてしまい、コロニーの地面に不時着していった
「やはり運命は私の味方だ.....な、何!?」
クルーゼは突然の気配に感じビームライフルの照準を合わせるが、瞬時に破壊されてしまう。その方向からはフリーダムとフィアースの二機が迫っていた。
「ムウさん!」
「フリーダム、フィアースだと!?」
「キラ、ストライクがやられている。あのモビルスーツを叩く!」
「はい!」
シルヴァとキラはコンビネーションアタックを実行し、キラはビームライフルでゲイツの頭部を破壊し、シルヴァはビームサーベルを引き抜いてその両足を切り落とし、そのままゲイツも地面に不時着していった。
「チィ!」
(パイロットが降りた?。まさかあの始まりの場所に向かっているのか.....)
シルヴァはフィアースのコクピットモニターから、ゲイツのパイロットが脱出しとある建物に向かっているのを確認し、嫌な予感をしつつも、ボロボロのストライクの隣にキラと共に着陸した。
それと同時に左腹部の傷を押さえながら、ムウはピストルを右手に持ちクルーゼと相対する。
「今日こそつけるかね決着を!」
「くっ、あの野郎.....何を!」
「ならば来たまえ!引導を渡してやるよ、この私がな!」
「くそ!」
「シルヴァさん、僕たちも.....」
「ああ、ムウさんも無茶しすぎだ、後を追うぞ!」
「はい!」
シルヴァとキラはストライクの左右にそれぞれモビルスーツを鎮座させて、コクピットからワイヤーを使って降りていきムウの後を追っていった。
これから起こることを二人は知るよしもない.....
一方、ディアッカとイザークは地上に降りモビルスーツからお互いに話を始めていた。
だが、イザークは近づいてくるディアッカに向けてピストルを構え、ディアッカはその足を止めた。
「ッ!イザーク.....」
「敵のそんな言葉を信じるほど、それほど甘くはない!」
「俺はお前の敵か、イザーク?」
「敵となったのは貴様の方だろ、ディアッカ!」
「俺はお前の敵になった覚えはねぇよ」
「ふざけるな!貴様は裏切り者だ!」
「プラントを裏切ったつもりもない!」
「何だと!?」
「けど、ただナチュラルを。黙って軍の命令に従ってただナチュラル全滅させるだけに戦うつもりもないってだけだ!」
「ディアッカ、貴様!」
「それになライデン隊長も、ナチュラルを滅ぼすことが正しいとも思っちゃいない!」
「な、何.....」
ディアッカはイザークに銃を突き付けられても、自分の思っていることを言葉にし伝えると、イザークはその気迫に押されたのか、トリガーにかけた指が震えていた。
そしてよりによって尊敬もしていたライデン隊長も、ナチュラルを滅ぼそうと考えていないことにも驚きつつあった。
そして、シルヴァとキラの二人はムウが向かっていった建物にたどり着き、お互いをカバーするように進んでいくと、シルヴァはキラのピストルに目を向け声をかけた。
「キラ、相手を射つ覚悟があるのならセーフティを外しておくといい」
「あ、はい!」
キラは慌ててセーフティを外した瞬間、銃声が鳴り響き二人はその音を辿るように小走りしていく。
ムウは体を隠しながら、クルーゼの放つ凶弾を回避しつつ進んでいると、彼が再び口を開き出し話し始めた。
「ここがなんだか知っているかねムウ?」
「知るかこのやろう!」
「罪だな、君が知らないのは」
(くっ、まずいな。出血が酷くなってきた.....。奴とケリをつけねえと.....)
「ムウさん、無事か!」
「ムウさん!」
「キラ、シルヴァ!?」
(キラ、キラ・ヤマトだと?生きていたのか!。そしてシルヴァ・ファウスト、貴様も来ているとはな。面白い.....)
「なんでお前ら来たんだ!?」
「外で待つことなんて出来ませんよ」
「それに何かあったらマリューさんにどう説明すればいいんですか?」
「生意気だな二人とも!」
キラとシルヴァはムウと合流し、二人はムウを庇うようにして守りに入った。
そしてクルーゼは思わぬゲスト二人に驚きつつも、不敵な笑みを浮かべていた。
-アークエンジェルside-
コロニーメンデルの港口では、アークエンジェル・クサナギ・エターナルが補給を受けており、アークエンジェルはフィアの指導の元、早急に修理を開始して準備を整えつつあった。
クサナギからはM1アストレイと、アルバ・シルバーフレームが偵察に出ており、アサギ機がクサナギの元へ駆けつけ報告を始めた。
「ナスカ級が三隻。反対側の港口、デブリの影にいます!」
「何!?」
「チッ!ナスカ級三隻とはこれまた豪勢な」
「ドミニオンとタナトス、新型の連合艦に動きはあるか?」
「今のところありません!」
「フラガ達が何か情報を持ち帰ってくれればいいが。くそ、誰の隊だ!」
「.....クルーゼ隊です」
「???」
「ムウには分かるの。彼には分かるのよ、何故だか自分でもわからないけどラウ・ル・クルーゼの存在が」
-アークエンジェルside.....end-
場所は変わり、不敵な笑みを浮かべているクルーゼがシルヴァとキラに向けて声をかける。
「君達まで来てくれるのは嬉しい限りだ、キラ君にシルヴァ君」
「何だと?」
「そうか。フリーダムのパイロットはキラ君か!そして我々の怨敵フィアースのパイロットはシルヴァ君ときたか。全く度しがたいな!」
「何をふざけたことを」
「さぁ遠慮せず来たまえ!始まりの場所へ!」
「キラ君、シルヴァ君もここが生まれ故郷だ。」
「え!?」
「引っ掛かるんじゃないキラ。無視すればいい」
三人は駆け足で建物を突き進んでいく。
キラはふとシルヴァの顔を見ると、彼は怒りに満ちた形相をしており、一瞬恐怖を覚えるほどだった。
それからある扉に三人はたどり着き、自動的に開かれ三人は入っていくと幾つもの水槽のようなものが見え、一同は驚きつつゆっくりと足を運んでいく。
だがシルヴァだけは、険しい表情のままムウとキラに声をかけていく。
「二人ともあまり見ないほうがいい。この場所はあまり長居したくはない行こう」
「え、あ、はい!」
「どうしたんだシルヴァ?」
「思い出したんだ、この忌々しい場所を」
「思い出したってお前、ここの出身なのか!?」
「.....」
シルヴァはムウの質問に答えることなく、ピストルを構えながら二人を先導するように進むと、クルーゼの凶弾が飛び交いムウはキラを庇い、シルヴァは放たれた場所へ打ち返していく。
そしてまた悪魔のような囁きが響く。
「懐かしいかねシルヴァ君。思い出してきてるようで何よりだ」
「こんな所は二度と来たいとは思わなかったがな!」
「フフフ、キラ君も懐かしいかね。君達はここを知っているはずだ。」
「貴様!」
「待てシルヴァ!」
「ムウさん、いきましょう!」
「ああ!シルヴァのあの様子はおかしい!」
(僕もここを知っている.....?でも僕よりシルヴァのあの様子も何か知っている?)
キラはそう思いつつも、ムウと共にクルーゼの後を追ったシルヴァを追いかけていく。
シルヴァは.....いやシルヴァと同化した転生した青年はシルヴァの記憶を受け継げ、今自分がいるこの場所を思い出し、クルーゼを追った。
-ドミニオン艦隊side-
一時撤退をしたドミニオン艦隊は、それぞれタナトスから補給物資を受け取り体勢を立て直しているが、三馬鹿が薬を飲んでいるもののすぐには出撃できない状態だった。
ドミニオンの艦長であるナタルはアズラエル理事に交渉を試みた。
「アズラエル理事、ここは様子を見て撤退した方が良いと思います。」
「確かにナタルさんの言うことも一理ありますね。」
「でしたら」
「でもここで彼女達を逃せば我々がここまで来た意味がありません。それならEWACダガーを出すなり、ホワイトファング隊とタクスフォース・デルタのメンバーから一人ずつ偵察させた方が良いと思いますよ?」
「それはそうですが」
『バジルール少佐、こちらは問題ない。コロニーメンデルの反対側にナスカ級三隻が動き出すのなら、我々が対応する。』
「レナト大佐.....。わかりました、このまま本艦はアークエンジェルが動くまで待機する!」
「流石ですねレナト大佐も」
ドミニオンに通信を行ったレナトらEWACダガーとデュエルダガーの二機を出撃させて、偵察に向かわせそれぞれすぐに出撃できるように待機を始めた。
-ドミニオン艦隊.....end-
シルヴァはピストルのマガジンを交換し、クルーゼの凶弾を回避しつつある広場にたどり着くと、すぐに移動し広場である場所に出てソファに身を隠していく。
するとムウとキラも合流し、ムウが先に顔を出してクルーゼに打ち返すが、クルーゼが放った凶弾が右肩に当たりムウはピストルを手放してしまう。
「ムウさん!」
「キラ、ムウさんにすぐに止血をしてくれ、これを使え!」
「はい!」
「殺しはしないさ、安心したまえシルヴァ君。折角ここまでおいで願ったんだ」
「そう簡単に信じるものか、クルーゼ!」
「ほう?私の名前を知っているのかね?それは光栄だな」
「我が友ライデンから聞いたことがあるんでな。このような形で対面するとはな」
「フッ、何を今さら。私達は既に戦場で鉢合わせてるとも」
「全てを知ってもらうかキラ君、シルヴァ君」
「え!?」
シルヴァはソファから現れピストルをクルーゼに構える。
するとクルーゼは二枚の写真をシルヴァに向けて投げ出すと、そこには茶髪の女性が『双子』であろう子供を見て微笑んでいる写真と、その茶髪の女性に抱っこされカメラに目線を送っている『白髪』の子供が写っていた。
すると、本も投げ捨てられ散らばるとある写真も飛び出てくると、ムウが咄嗟に反応を示した。
「親父!?」
「え!?」
「キラ君、君も知りたいだろう。人の飽くなき欲望の果てに。進歩の名の元に狂気の夢を追った愚か達の話を」
「君とシルヴァ君もまたその息子なのだからな」
「な、何を言ってるんですか!」
「クルーゼ、貴方は何を!」
「シルヴァ君、君も分かっているだろ?」
シルヴァはクルーゼに飲み込まれないように、なんとか精神を保っているが冷や汗をかいていた。
今から彼が話すことはキラも、自分自身もこれ以上精神的に持つかどうかわからないからである。
キラはクルーゼにピストルを向けるが、「カタカタ」と震わせていた。
「だろうな。知っていればそんな風に育つ筈もない。」
「何の影も持たないそんな普通の子供に。アスランから名を聞いたときは思いもしなかったよ。君が彼だとは!」
「やめろ、クルーゼ!それ以上は何も言うな!」
「何故だ?君もそうだろうシルヴァ君。二人は同じなのだからな」
「僕とシルヴァさんが.....?」
「てっきり死んだものかと思っていたよ。あの双子を、特に君はね!そしてその前に生まれたシルヴァ君もね」
「その産みの親であるヒビキ博士と共に、当時のブルーコスモスの最大の標的だったのだから」
「何を!何を言ってるんですか!」
「キラ、これ以上は聞くな!」
「だが君達二人は成長し、同時に戦火に身を投じてなお存在し続けている。なぜかな?」
「それでは私のような者でもつい信じたくなってしまうじゃないか、彼らの狂気の夢をね!」
「な、何を!?」
シルヴァはクルーゼの発言に気になり、彼の顔を見つめていると大量の汗が出ており、なにか様子がおかしいとすぐに感じた。
そしてキラの方へ振り替えると、キラも体が震えており不安が手に取るように感じた。
「狂気の夢.....か。確かに分からなくもないさクルーゼさん」
「ぼ、僕が何だって言うんだ!貴方は何を言ってるんだ!」
「やめろキラ!その震えた手で打てるのか?」
「シ、シルヴァさん.....」
「フハハハ!素晴らしい兄弟愛だなシルヴァ君!」
「キラ君、君とシルヴァ君は人類の夢、最高のコーディネーター」
「ッ!?」
「.....」
「君達二人はそんな願いの元にヒビキ博士に開発された人工子宮。それによって産み出された唯一無二の成功体。彼の息子、数多の兄弟の犠牲の果てにね」
「そ、そんな.....」
「キラ!」
「うわぁ!」
一瞬戸惑ったキラをシルヴァがすぐに庇うと、クルーゼは再び憎しみの凶弾を彼らに放った。
だがキラが戸惑うのも無理もない。自分がかつてここで生まれそのために犠牲となった兄弟達の屍の上に立っていることを。
だがシルヴァは戸惑うことなく、再びピストルを手に持ちクルーゼの前に体を出すが、彼は戸惑うことなく話を続ける。
「僕は僕の秘密を今明かそう。僕は人の自然そのままにナチュラルに生まれた者ではない.....。」
「受精卵の段階で人工的に遺伝子を操作さらて生まれた者、人類最初のコーディネーター『ジョージ・グレン』。奴がもたらした混乱と闇はどこまで広ろげたと思う?あれから人は一体何を始めたと思う?」
「高い金を出して買った夢だ。誰だって叶えたい、誰だって壊したくはないだろう?」
「知りたがり欲しめ、やがてそれが何のためだったかも忘れ、命を大事だといいながら弄び殺しあう!」
「いい加減にしろクルーゼ!」
「ほざくな!この野郎!」
「何を知ったとて変わらない!何を手にしたとて変わらない!」
「最高だな?人は!」
「そして妬み憎み殺し合うのさ!ならば存分に殺し合うがいい!それが望みなら!」
「何を!」
「貴方に一体何の権利があると言うんだ!」
「私にはあるのだよ!この宇宙でただ一人全ての人類を裁く権利がな!」
「たった一人で、全ての人類を裁くだと!?妄想もそこまでにしろ!貴方だけで世直しなぞ出来るものか!」
クルーゼは半狂乱になりつつ、このコロニーメンデルの闇を三人に全て明かし、この世界を裁くことを宣言するがシルヴァはそんな狂気を許せるはずがなく、彼に向けてピストルを放ちその弾は彼の右頬をすり抜け、シルヴァは歯噛みするもその照準はクルーゼを捉えたままだった。
そしてクルーゼは最後に三人が驚愕することを口にだした。
「覚えてないかなムウ?私と君は遠い過去まだ戦場で出会う前一度だけ会ったことがある!」
「何だと!?」
「クックック。私は己の死すら買えると思った愚か者、貴様の父『アル・ダ・フラガ』の出来損ないのクローンなのだからな!」
「なっ!?」
ムウはクルーゼが自分の父であるアル・ダ・フラガのクローンであることを聞かされ驚愕した。
そしてだからこそ、この世界を憎み全ての人類を裁くことを宣言したのだと。だがシルヴァだけは戸惑うことなくクルーゼに立ち向かった。
「貴方も時代の犠牲者なんだな。」
「そうだともシルヴァ君!だから私は憎みこの世界を壊す!」
「いいや、そんなことはさせはしない!」
「何故だねシルヴァ君!君こそ、数多の兄弟の犠牲の上に立っているうえに、その弟であるキラ君と生きているじゃあないか!だがなぜ君は平気でいられる!?何故止める!?」
「俺はスーパーコーディネーターとして、価値を見いだせず見捨てられたからな。だが俺はここで起きたことを、そして死んでいった兄弟・姉妹を忘れはしない!」
「な、何!」
「俺は父であるヒビキを恨み、世界を憎んだ。だがそれでも俺は生きていく!それがこの世界に生まれた者の責務だ!」
「何故そこまで希望を持てる!何故なんだ!?」
「俺はまだ人類に絶望もしちゃいない!コーディネーター・ナチュラル関係なく手を取り合って生きていける!今は難しくても、近い未来そんなことは無くなる!」
「言葉だけで何ができる!」
「そして俺の姉弟達が今を必死に生きてる世界を壊させてたまるものか!今を生きる彼らの邪魔をするのなら、俺がお前達を討つ!」
シルヴァはこの世界に生まれた者ではないが、今を生きる彼らを死なせるわけにはいかない決意を固め、妻であるマリアとこれから生まれる子供達を守るために、世界中が敵になるのなら迎え撃つことをクルーゼに今の答えを伝えた。
クルーゼはシルヴァの今までの答えを聞くと、言葉を詰まらせ笑みを浮かべた。シルヴァはそれを見逃さず、それは自分も同じようにやれたらよかったのではないかとそうシルヴァは感じ取った。
そして再びクルーゼは口を開く。
「ツ!?フハハハ!そうか、それは素晴らしいな!だが間も無く最後の扉が開く、私が開く!そしてこの世界は終わる!この果てしなき欲望の世界は!」
「そこで足掻く思い上がった愚か者達の望みのままにな!」
「シルヴァさん!」
「そんなことさせるもんか!」
「キラ!」
「ムウさん、タイミングを!」
「任せろ!」
「く!がぁ!」
キラは覚悟を決めて物陰から体をだし、鉄の破片を拾い上げクルーゼに投げつける。
シルヴァとムウはタイミングを合わせて発砲し、クルーゼの凶弾はシルヴァの左腕を捉えていたが、義手のため弾き返しムウが発砲した弾は彼の右腕を掠め、キラが投げつけた破片が仮面を吹き飛ばした。
クルーゼの素顔を見た三人は言葉を詰まらせてしまった。
そこにいたのはムウと顔が同じクルーゼだが、彼の方が一回り年とっており、クルーゼは自分の素顔を三人を睨み付けていた。
「フッ!貴様らだけで何ができる!もう誰にも止められやしないさ、この宇宙を覆う憎しみの渦はな!」
「ま、待て!」
「駄目だムウさん!ここは俺達も退こう、傷口がこれ以上開いたら死ぬぞ!」
「あ、ああ。」
「キラ、俺がムウさんを運ぶからお前もここを出るぞ!」
「は、はい!」
クルーゼは最後に捨て台詞を吐いてどこかへと姿をくらました。ムウはそんな彼を追おうとしたが傷口がこれ以上開くと、失血死してしまう恐れがあるため、シルヴァはムウを止めて彼に肩を貸して、キラが先導し出口まで向かっていった。
そんな三人を裏腹に、コロニー外ではライデン達とドミニオン艦隊が再びぶつかろうとしていた.....
明けましておめでとうございます( ノ;_ _)ノ
ガトーです!
いかがでしょうか?なかなか長くかけれたと思います!
さてさて、シルヴァとキラ・カガリは兄弟と確定しましたね。転生した青年とシルヴァ自身は「一人」として、今を生きる彼らを守るために、怨敵であるクルーゼに想いをぶつけましたね。
さぁこれからどういう展開になるのか、お楽しみください!
ほんとは年末でSEED本編を完済させたかったですが、都合で出来ず無念( ;´・ω・`)
マイペースとはなりますが、暖かい目で見守って下さると嬉しいです!
これからもよろしくお願いいたします!
それではまた!チャ━(★´∀`)ノ━ォ!!!
SEEDDESTINYでも、前作キャラを活躍させるか
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避けた方がいい
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キラみたいに隠居して、途中から参戦
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途中から復隊させる
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その前にSEED完結させる