私の名前はマドカ。
つまり、私はテロリストの一員である。
そんなテロリストにも休みはあり、私は日々の疲れを癒すために日本にあるゲームセンターに来ていた。
こんな娯楽施設には一度も入ったことは無かったのだが、以前からこういった場所に興味があったので休日の今日来てみた。
まずゲームセンターに入ってはじめに目に留まったクレーンゲームの景品である狼のぬいぐるみが気になって、何度何度も挑戦をしている。
しかし、如何せん初めての挑戦になるので上手く取れない。ISを使うことも視野に入れた頃に、私はある人物と接触し――私は自分の本当の願いを自覚した。
――うん?WCB?プロローグで見せた高出力ビームソードを出してどうした?ビームにレールガンの様な暴徒鎮圧用も何も無いだろうし、あとそれ零落白夜でも無効化しきれないくらいの頭のおかしい出力だろう?流石に冗談でも人に向けるものでは……って、あぶなッ!!コイツ、マジで生身の人間にビームソードで斬りかかってきやがったッ!?
~前回の(本当の)あらずじ~
わたくしの名前はセシリア・オルコット。
イギリスの代表候補生にして、第3世代ISのテストパイロットを務めるエリート、なのですが……
クラス代表を決める1年1組のISバトルで暁人さんと対戦を行っていますが、わたくしの攻撃がことごとく対処され、奇抜な動きに惑わされ、まるで手も足も出ない状態。
IS学園に入学して1週間程度の訓練で身に付くとは思えない操縦技術に戦術。
そして、余りにも不気味な無表情……わたくしは初めて遭遇した理解の出来ない存在に恐怖しましたわ……
暁人さん……貴方はいったい何者ですの?
しかし、負ける訳にはいきませんの!
~~以下、本編~~
2022年4月11日(月)
IS学園
第3アリーナ・ステージ
「暁人さん……貴方はいったい何者ですの?」
わたくしは喉を震わせて消えそうな声でそう呟いた。わたくしの目の前には第2世代ISの打鉄を纏った暁人さんがいて、ISバトルが始まった時から変わらない不気味な無表情でわたくしのことを見ていた。ジーと、わたくしの手先から足先までの全てを見逃さないように見ている。そう、その様子はまるで――
(……わたくしのことを観察しているかのようですわ)
実験動物を見るかのような視線を仮にも対戦中の相手に行う行為ではない。その点もまた不気味に感じていたところに――
「そう言う、お前こそ何者なんだ。セリシア・オルコット」
「?」
今まで、
「3年前に両親が列車事故で亡くなったらしいな?」
「――ッ!?」
わたくしは暁人さんが話した内容が理解できなく、一瞬思考が止まった。な、なぜそのことを知っているのですか!?
「――なっ、何でそのことを!?」
「何でって、そりゃ調べたんだよ。セシリア・オルコット……あの事件で一つ疑問があるんだよ」
「な、なんのことですの?」
両親の鉄道事故の話を持ち出して来たこともあって、わたくしは自然と身構えてしまう。
「ほぼ別居状態だった両親がどうしてその日は同じ列車に乗り合わせていたんだろうなぁ?」
そんなことまで調べたのかや、それを聞いてどうするのかなどという考えが浮かんだが、それ以上に――なんとも形容しがたい感情に心が支配されつつあることを自覚できた。
「被害の規模から警察は事故として処理をしたらしいが……実際はどうだっただろうなぁ?」
暁人さんは歪んだ笑みを浮かべながらそう言ってきた。
「――ッ!」
わたくしは激情のままに暁人さんに突撃してショートブレードを振るう。余りにも単純な攻撃だったので、暁人さんにはそれを当然のごとくブレードで防がれてしまい、鍔迫り合いの状態となりる。
「貴方はッ!!人の触れられたくな過去をッ!!」
「……フン」
「――カハァ!?」
暁人さんを睨みながら叫ぶが、暁人さんは先ほど浮かべていた歪んだ笑みを消して鍔迫り合いをしていたブレードに込める力を抜く。わたくしはその動作に反応できず前のめりになったようなバランスを崩した体勢になる。そんな隙だらけの体勢を暁人さんは見逃さずに、彼は容赦なくわたくしのお腹を思いっきり蹴る。蹴られたわたくしはその衝撃で距離を離された。
「ハァ、ハァ……スゥ、ハァー」
暁人さんの蹴りはわたくしの鳩尾あたりに当たり、ISの絶対防御を少し抜けた衝撃で少々呼吸を乱しましたが、すぐに呼吸を整える。……両親の事故の話をされて冷静さを欠いて突撃をしたが、腹立たしいことではあるが今の蹴りで多少落ち着きを取り戻した。
「……わたくしの両親の事故の話をして動揺をしたところ攻撃?紳士として……いいえ、IS操縦者としてはいかがでしょうか?」
暁人さんを先ほどと変わらずに睨みながらわたくしは静かに怒りを露わにしながら言う。
「随分と小狡い手で最強を目指すのですわね?」
わたくしは心底、軽蔑したような言葉で暁人さんを煽る。そう、
「違う違う……別にそういった目的で言っている訳じゃない」
彼はいつの間にかアサルトライフルの
「お前が腑抜けているから、気合を入れてやろうとしているんだ」
「………」
この人はいったい何を言っているのだろうか?何のためにそんなことをするのかと疑問に思っていると暁人さんは続けて言った。
「両親の遺産を守るため勉強し、貴族として活躍し、ISの操縦者として修練をし代表候補生へ。そして試作武器の適性から第3世代機のテストパイロットになる……並の努力ではここまで出来ない。ああ、そのことは認めよう。そして、それらを守り続けると言う重圧もまた並では無いだろう」
「………」
本当に、この人はいったい何をしたいのだ?わたくしの両親の事故の話をしてわたくしの冷静さを欠くようなことをしたのかと思ったら、今度はわたくしの努力を認めるようなことを言っている。
(まさか、本当にわたくしが腑抜けているから気合を入れるつもりなのでしょうか?)
暁人さんの真意について考え込んでいるが、彼はわたくしの様子を見つつそのまま話を続けた。
「イギリスから日本という慣れない環境、親しい人も周りにいない……かつ、お前は他の『みんな』と違って明確に守るべきものへの重圧がある」
わたくしは暁人さんの話を静かに聞き入ってしまった。確かにわたしくしは他の一般生徒や代表候補生と違い、ISの操縦者になること以上の理由があり、代表候補生という立場を利用して自分の家を守っている。
「俺たちと遊んだり、織斑先生に褒められて、そして周りから目標にされて嬉しくて、緊張が解れたろ?」
「それは……」
否定できない――否、それは事実だ。両親が亡くなってから友達と遊んで自然と笑うなんてことが出来ていなかったのだろう。認めましょう……わたくしには彼の言う通りに他の人たちとは異なり特別な重圧があった。そして、暁人さんや本音さんたちと遊ぶことで数年ぶりに年相応に遊び笑ったのだ。
「オルコット家の現当主で、イギリスの代表候補生……国の代表者と言っても過言ではないが――」
「お前はまだ
「――ッ」
……両親が亡くなってから、今までそんなことを言われたことは無かったので、本当に驚いてしまった。わたくしのことを支えてくれている幼馴染で専任メイドのチェルシーがいるが、
「そんなただの少女に周りからの期待や当主としての責任感などの重圧に耐えきれる訳がない」
何で出会って1週間も経っていない相手に、そんなわたくしを思いやった事を言うのだろう。そんなことを言われたのなら、喜んで良いのか、先ほどの件を怒れば良いのかが分からなくなる。
「わ、わたくしを、あ、あなたの物差しで考えないで下さい……」
正直に言うと、そのように言ってくれて嬉しい気持ちがある。わたくしのことをただの女の子として見てくれて感謝の気持ちを伝えたい。しかし、わたくしはイギリスを代表する名門貴族の末裔なんだ。両親はもういない。頼れる大人たちもいない。いたのは両親が遺した遺産を狙う金の亡者ども。
そうだ、
「……まったく、何でこの世界は女の子に責任を押し付けようとするんだ」
「えっ?」
わたくしが思考の海に潜っていたら、暁人さんが小声で何かを言ったような気がしたが――
「なんでもない、忘れろ」
「は、はぁ」
そう言われると、何も聞けなくなってしまう。わたくしのことを考えてくれていて、本当に暁人さんが何をしたいのかが分からなくなってしまう。
「俺が何を言いたいというとな……お前にとっては、ISなんておまけなんだ。使えるから使ってるだけだ」
「――なっ!?」
今まで、わたくしの努力をしてきた所を認めているようなことを言っておいて、一番努力したといっても過言ではないISの訓練を『ついで』なんて言われて、なんて言い返したらよいのか思いつかなかった。何かを言おうとして口を開くが、言葉が出てこなかった。
(こ、これはまさしく、開いた口がふさがらないといった状態ですの?)
わたくしが何も言えないままでいると暁人さんが再度言ってくる。
「セシリア・オルコット、本当のお前は何者なんだ?」
「本当のわたくし……ですか……?」
そんなものは決まっている。
「わ、わたくしはセシリア・オルコット。両親が遺した物を守り、祖国に恥じない貴族となる者ですわ」
そう、答えたが暁人さんは首を振る。……わたくしの答えに何か不満があったのでしょうか?
「セシリア・オルコット……お前は考え過ぎなんだよ」
「か、考え過ぎですって?」
「ああ、頑張り過ぎといってもいいか?」
そう、暁人さんは言うと、何かを考えるように左手の人差し指をこめかみにトントンと当てる。
「自分の家を守るだとか、祖国の為だとか……そんな周りの事を考えずにだな、まずは自分がどうなりたいのかを考えてみろよ」
「どうなりたいか、ですの?」
「そうだ、お前のその努力は環境が起因しているものばかりだ……別に環境に起因とした目標を否定している訳ではないが、お前はそれが大きすぎるんだよ」
確かに、言われてみればわたくしの努力する理由は環境が大きい所ですが、その上でわたくし自身が心から思って決めた目標ではあるのですけど……
「周りの理由で頑張る前に、まずは自分自身に『成れよ』」
「自分自身に……わたくし自身に『成る』?」
「まずそこから始まらないと、まずは何者にもなれないし何も成せないんだよ」
……何者にもなれないし、何も成せない――それは、わたくしが目標とする『祖国に恥じない貴族』にもなれなく、『両親が遺した物を守りたい』という思いも成せないということですか?
「……調べたところ、お前は父親に対して思う所があったようだな?」
「……そんなことまで調べてきたのですか?」
ここまで調べられると、怒りや嫌悪感ではなく逆に呆れの感情が出てくる。
「いいから、思っていることを言ってみろよ」
そう言われてわたくしは生前の父のことを思い返してみる。わたくしが父に対して思っていた事……
「父は軍人であったと聞いています」
ポツリポツリと亡くなった父の話をし始める。
「父は階級の高い軍人でしたが、もともとは一般の家庭だったと聞いてます。名家に婿入りした父は、母に引け目を感じていたのでしょうか?母の顔色をうかがっているように見えましたわ」
そう、ISが発表されてから父の態度は益々弱い者になった。そんな父の様子を見ていた母はそれを鬱陶しそうに、不機嫌に見ていたことを覚えている。
「わたくしとしては、何で結婚をしたのかが不思議でしたわ」
父のことを鬱陶しそうに見ているのなら、何で結婚をしたんだろうと小さい頃から思っていた。
「わたくしはそんな父のことを……情けない人だと思っていました」
だからわたくしは『将来は情けない男と結婚しない』と思っていた。
「情けない父でしたけど……そんな父のことは嫌っておりましたけど……」
情けない父と思っていた事は事実ですが――
「だけど、死んでほしいわけではありませんでした……」
なぜ実の両親のことを死んでほしいと思うことが出来るのか?
「情けなく見えても、わたくしのお父様でした……」
小さい頃はわたくしのことを優しく抱きしめたり、頭を撫でてくれた!バイオリンの演奏で賞を取った時は褒めてくれた!そんなお父様死んでしまえなんて思う訳がない!!
「何でっ、どうしてお父様とお母様はわたくしを残してっ!!」
こうして他人に両親が亡くなったことに対する気持ちをぶつけたのは初めてだ。
「本当はもっと……そう、もっとずっと一緒にいたかった!!」
両親のことを想っていると、自然と目元が熱くなるのが分かる。泣きだしてしまいそうなくらいに目元に涙が溜まっているだろう。
「………」
暁人さんは、そんなわたくしのことをじっと見ていた。出会って1週間しか経っていない友人に対して、重い話をしている自覚はある。だけど、暁人さんは静かにわたくしの話を聞いてくれている。……初めにこの話を切り出したのは彼なのだから、このまま思いのままぶつけてしまえという気持ちはあるので、そこまで気にはしていないですが……
「父親に対して失望していたのか?」
「っ……ええ、そうですわね」
わたくしの話を今まで黙って聞いた暁人さんは神妙な顔で話し始める。
「俺は孤児だし、物心ついた頃から俺に両親なんていないからか、分からない部分があるが……」
「……あの、いきなり重い話をカミングアウトしないで貰えませんか?」
「それはすまなかった」
そういえばオルコットにはまだ話してなかったな、などと言いつつ彼は続ける。……まあ、重い話を先にしたのはわたくしですので、ここはお相子と言ったところでしょうか?そんなことを考えているわたくしのことを見ながら暁人さんは話を続ける。
「失望していたということは、まずその父親を尊敬だとかのプラスの感情で見ていなければそんな風にはならないはずだよな?」
暁人さんは確認をするかのようにわたくしにそう言ってくる。
「当時のお前の目には情けなく映ったのだろうが、それは今よりも子供だっただからじゃないのか?多分、今のお前が父親を見たら違って見えたんじゃないのか?」
「……?」
暁人さんはいったい何を言いたいのだろうか?
「ま、まあ、それは――どうでしょうか?」
「だって――」
「
「なッ!?」
言われて内容が衝撃的過ぎて、わたくしは驚くことしかできなかった。お、お父様がわざと情けない演技をしていたですって!?
「い、いったい何のためにそんなことをっ!?」
わたくしの疑問を聞いた暁人さんは先ほどと同じように左手の人差し指で頭をコツコツと叩いて何かを考えるようにしながら答える。
「理由、理由かぁ……例えば、そうだな、『ある目的の為に両親がわざと不仲を演出していた』としたら?」
「あ、貴方はいったい何を知っているというのですの!?」
そう聞くと彼は揶揄う様な様子で答える。
「さあな?」
「ッーー!!」
肝心な時にはっきり答えない様子に腹が立ちますがっ!!今はそんなことよりもっ!!
「それは、わたくしに――自分の子供に嫌われながら行う事だったのですかっ!?不仲を演出するなんてっ」
「そんなレベルの事をやらなくていけなかった……それをやるほどの事をしたから――」
(周りから不仲に見えるように演出する必要があるほどの『何か』を行ったから両親は消されたっ!?)
わたくしは両親の死に対する新事実に驚いているのか、それとも怒りが湧いているのか自分でも分からない感情で身体を震わせていた。ISを装着していなければ自分の手から血が出るような力で手を握りしめていただろう。
(もし、あの列車事故が作為的なものであったのであれば、
そう、思い至ったら心の奥底から黒い感情が出てくるのを感じる。フツフツと今まで感じたことがない怒りの様なものが――
「まぁ、俺の言っていることは何の証拠もなく、当時の情報からの推測だ。陰謀論と何ら変わりがないが――」
「――ハッ!?」
暁人さんが話し始めたことで、わたくしの意識が内側から外側に向いた。……正直、あのまま考えていたらよくない方向に進んでしまっただろうと感じながら彼の話を聞く。
「セシリアの反応を見て核心に変わったよ。当時のお前から見ても、そういう風に見えていたという事は相当徹底していたと考える他ないだろうな」
両親が徹底して情報操作や印象操作を行っていた可能性が高いく『何か』を行おうとした、あるいは『何か』を行ったことは頭では理解できた。黒い感情が晴れて今のわたくしにあるのは――
「それじゃあ……わたくしは、父に――お父様に対して今までなんてことを……」
そう、お父様に対する後悔や悔悟の念だ。今まで自分がお父様に対して行ってきた内容を思い返す。お父様は家の為にそんな苦難の道を……いえ、もしかしたらわたくしの為であったのかもしれない。そんなことばかり考えていると、自分の思考や感情でいっぱいとなりボロボロと涙が零れてきた。
涙の中で見えたのは家族との思い出。わたくしがいて、お母様がいて、そしてお父様がいた。確か列車事故が起こる1年前だっただろうか?12歳の頃に行ったクリスマスコンサートでわたくしが入賞したことを両親に報告した時の記憶だ。クリスマスコンサートから帰って来たわたくしはエントランスで偶々一緒にいた両親にそのまま報告をしたのだ。その時は両親が一緒にいる様子を珍しく思っていたことを覚えている。報告をして真っ先にお父様に褒められたのだが、思春期になっていたわたくしはいつも以上にお父様にそっけない態度で接してしまった。そんな態度を取られたお父様は悲しそうにしていた。そして、わたくしたちの様子を見ていたお母様が困ったような笑顔を見せていた。当時は何でお母様が嫌っているはずのお父様に向けてそんな表情を……と思ったのが記憶に残っている。
(ああ、わたくしは本当に……なんて愚かだったのだろう……)
どれぐらいの時間が経ったのだろうか……5分だったのか、1時間だったのか。とにかくしばらくの間、わたくしが泣いていたのは事実で、暁人さんはわたくしがある程度落ち着いてから声を掛けてきた。
「改めて聞くぞ、セシリア……お前は何者だ?」
初めに聞いてきた内容と同じ質問だった。同じ内容で同じ相手に聞いている。しかし、同じ内容だが、この短い間でわたくしの答えは変わった。
わたくしの今の答えをはっきりと伝える。
「今はただの、世間知らずの小娘だったセシリアですわ」
両親のことも何も理解できていなかった愚かな娘……それが今のわたくし。そんなわたくしに出来ることは――
「貴方の助言通りに、とりあえずわたくし自身に『成る』ことを目標にしていきますわ」
何をするにしても、わたくし自身がしっかりしないといけないという事は事実。まずは自分探しから始めましょうか?
「………」
ますは、そうですね……1つやりたいことが決まったので早速実行をしましょうか。そのためには――
「一つ、訂正を」
「なんだ?」
わたくしは暁人さんに話しかけた。わたくしが決めた目標を聞いてもらうために。
「確かに、今までわたくしにとってIS操縦者は『ついで』でしたわ」
そう、IS操縦者になったのはわたくしの家を守るためでした。これは主目的なのですから、『ついで』と言われても仕方がありません。しかし――
「腑抜けなどという、酷いことを言われた貴方を倒すために、『ついで』でなんてやってられなくなりましたわ」
涙を拭い、暁人さんを睨みつけるようにして自分の目標を伝える。
「わたくしは、
そう、わたくしは暁人さんに宣言する。事実上の宣戦布告を行った相手である暁人さんの表情は変わらなかった。
「
暁人さんは挑発をするかのような口調で聞いてくるが、不思議とどこか嬉しそうな雰囲気だ。
「ええ、貴方は素晴らしいIS操縦者であることは事実。しかし、わたくしも出来ないことは言わない主義でしてよ」
「はぁ。よく一週間前の俺の言葉を覚えているな?」
「……ええ、わたくしの記憶能力を見くびらないで下さい」
(いえ、あんな自己紹介を行った貴方のことを忘れれる人なんていないと思いますけど?)
今のいい感じの雰囲気が崩れるので、余計なことは言わないようにして、今度はわたくしから彼に聞く。
「それで、わたくしの質問についてお答え頂きますか?」
わたくしは初めに感じた不気味さを拭い去れた。彼は未だに、全てを理解をすることが出来ない存在であることは事実ですが――
(まだ出会って1週間ですものね。これから理解していけばいいことです)
そんなことを思いつつ、彼に再度同じ質問をする。
「暁人さん、貴方はいったい何者ですの?」
そう聞いた暁人さんは、少し困ったかの様子を出した後に、悲しそうに答えた。
「俺は『何度も、何度も繰り返している
自分の右手を見ながら、そう呟くように答えた暁人さんの雰囲気に気圧されたが、わたくしはおどけるようにして話す。
「……『何度も繰り返している』という意味は分かりませんが、最後の天才は自画自賛ですの?」
「それ以外、俺に対する説明のつけようが無いからな」
本当におかしな殿方だと思うと自然とわたくしは笑ってしまった。
「それでは、その自信をへし折れるように努力させていただきますわ」
「ハッ、やれるもんならやってみろ」
暁人さんは右手のブレードの反りに当たる部分を肩に乗せて、左手でクイックイッと挑発しながら言ってきた。
「さあ、第2ラウンドだ」
「ええ、決着をつけましょう」
ショートブレードを左手に持ち直し、そして、先ほど投げ捨てつつ
「いくぞ、『
「いきましょう、『ブルー・ティアーズ』」
わたくしはレーザーライフルを胸に抱えて、暁人さんに向けて突撃した。
~次回予告~
WCB「天丼やめろ」
マドカ「天丼は基本だっていうから、つい」
WCB「奥の手や奥の奥の手も使ったガチ模擬戦してやろうか?」
マドカ「調子に乗ってスンマセンでした」
WCB「それに今回の後書きの担当はオータムだったはずだろう?」
マドカ「こんなサイコ野郎と2人でコントなんてしてられないとか言って私に押し付けた」
WCB「何をやっているんだあいつは……連れてくるか」
マドカ「ああ、オータムとスコールは慰安旅行と称したハネムーンに行ってるから近くにいないよ」
WCB「はあ!?何それ知らないんだけど!?それじゃ次回の後書き担当のスコールは!?」
マドカ「だから次回の前書きも後書きも私が担当だ」
次回、第10話:クラス代表決定戦③