今回は……私、更識簪が……あらすじの担当になりました……
話すのはあんまり得意じゃないから……手短に済ませる……
互角の戦いを繰り広げていた……一夏と鈴音……
お互いに決死の一撃を加える寸前に……アリーナに衝撃が走る……
みんなが混乱をしている中……
IS ~クロノス~ 18話クラス対抗戦リーグマッチ④
一夏と鈴音……そして、暁人が敵に立ち向かう……
2022年5月16日(月)
IS学園
第2アリーナ・ステージ
突如アリーナ全体を強い衝撃が襲ったと同時にステージ中央で煙が上がっている。
「な、なんだ?何が起きて……」
俺は鈴との試合中に起きた出来事に驚き動きを止めて周りの様子を確認する。そして、観客席の方でも同様に煙が上がっている事に気付いた。
(なんで観客席の方にも煙が?)
「……マッズイ!」
「えっ?は?鈴!?」
そう疑問に思っていたところに鈴が動き出し、ステージ中央に向かってチャージした衝撃砲を放つ。鈴の攻撃で煙が晴れ、侵入者の者の姿が露わになる。
そいつは深い灰色をした異形のISだった。腕部が異様に長く、つま先よりも下に伸びている。また首と思われる部分が見当たらず、肩と頭が一体化している様な見た目をしている。そして、何より特筆するべきは肌やISスーツと思われる部分が一切露出していない
ISは基本的に部分的にしか装甲を形成しない。なぜなら、シールドエネルギーで防御を行っているので、物理的な装甲はあまり必要ないのだ。また、物理的な装甲を無くすことで機体を軽量化し速度や機動性を上げているのだとか。
しかし、ISには物理的な防御やシールドが軽視されているという訳ではなく、暁人の専用機やIS学園の訓練機に使われている
「
「ま、待て、鈴!!」
俺が侵入者のISの姿を確認をし驚いているところに鈴は、衝撃砲の攻撃が効いているのか判断をする間に相手に突撃しようとしているのが見えた。鈴の行動に気付いた俺は慌てて止める。
まだ目的も武装もよく分からない相手。そして少なくともISのシールドと同じもので作られたアリーナの遮断シールドを貫通できる兵装を持った相手だ。こういった場合は、様子を見るのが――
「どきなさい、一夏!!早く、倒さないと……」
「鈴、落ち着け!一体どうした!?」
「悠長にしてられないのよ!さっさとコイツ倒して暁人に加勢しないと、アイツ死ぬわよ!?」
「はぁ!?」
俺は鈴の言葉に耳を疑った。鈴の言うことが信じられなかった。
(暁人が死ぬって、どういう――)
俺はやっと気づいた。観客席の方にも俺達の目の前にいるISと同型の敵がいて――そして、暁人が戦っている事に。
(この襲撃は男性操縦者を狙ったものか!?いや、それでも、暁人が死ぬなんてことはあり得ないだろ!?)
暁人の実力はクラス代表を決める戦いや日ごろの訓練で理解をしている。間違いなく俺やセシリア、そして鈴よりは強い。俺達の中で一番強い暁人が死ぬなんて考えられなかった。
「よく考えなさいよ!!コイツは
「ッ!?わかった、すぐに倒すぞ!?」
俺は鈴の言葉を聞いて意識を切り替える。様子見ではなく、なるべく早く侵入してきたISを倒すために。
『織斑くん!凰さん!黒野くん!今すぐアリーナから脱出を――』
「敵はアリーナの遮断シールドをぶち抜く攻撃を持っている相手なのよ?」
「今、近くにいる俺達で足止めしないと被害が――いや、早く倒さないと暁人が危ない……」
「「だから!!」」
俺達はそう叫び、一瞬でも早く敵ISを倒すために突撃する。しかし敵ISは出鼻を挫くように俺達に向かって相手は腕を向けて――ビームを放ってきた。
「チッ」
鈴は舌打ちをしながら回避をし、俺も危なげなく回避をし白式が簡易解析した情報を確認する。
「エネルギー兵器……しかも、レーザーじゃなくてビームか」
確か暁人の話だと、レーザー兵器や荷電粒子砲の試作ならまだしも現在どこの国でも人型ロボットアニメに出てくるようなビーム兵器の実現は出来ていないという話だったはずだ。まあ、俺はそんな話をされても荷電粒子砲とそのアニメのビームとの違いについていまいち理解ができていないのだが……
「敵のビームはセシリアのレーザーライフルよりも高出力であることだけは分かった」
「この出力なら、絶対防御を貫通してダメージは通るわね……」
それでも、アリーナの遮断シールドを攻撃した時よりも出力が弱いのだから恐ろしい話だ。もし、またあの出力でビームが撃たれて当たったらISの絶対防御があろうと、骨も残らずに死ぬだろう。
その危険性は、このアリーナにいる俺達全員に言えることだけど、暁人が現在戦っている場所は広いステージではなく、IS同士での戦闘を想定されていない観客席で動きが通常の試合よりもずっと制限されている状態での戦いになる。
そして、まだ観客席には逃げられない他の生徒達がいるので、その生徒達を巻き込まないように暁人は戦う必要がある。打鉄のアサルトライフルの火力ではステージと観客席の間にある遮断シールドを破壊できない。
白式の
だから俺も鈴も、もしあの出力で攻撃をされた時の事を考えて他の生徒がいない空中へと回避先を制限され思う様に動けていない。全ての状況が俺達……特に暁人に圧倒的に不利となっている。俺たちは時間をかければかける程、観客席で孤軍奮闘する暁人や逃げられない他の生徒達に危険が及ぶ可能性が――
『一夏と2人は、目の前の相手のことだけに集中しろ。俺のことは気にするな』
そう思っているところに、暁人から通信が入った。
「暁人、大丈夫なのか!?」
『ああ、今の区画にいる他の生徒たちをなんとか巻き込まないで戦えてるよ』
「一夏は今、アンタの事を聞いてるのよ!?」
『ああ、それも大丈夫だ。どういう訳か、俺の相手は初めにアリーナ侵入時に使ったビーム砲は使わないようだ』
「なんでだ?」
『多分、何かしらの使えない条件でもあるんだろう。消費するエネルギーの問題ではなさそうだが、こっちとしてはありがたいな』
「何よ、結構余裕そうじゃない?心配して損しちゃった……本当に大丈夫なのよね?」
『こいつに通じる武装がないからか?安心しろ、お前たちに知らせていない切り札もある』
暁人の落ち着いた様子の声に俺は安心する。チラっと暁人の様子を見てみると、左手にいつものアサルトライフル『焔備』ではない銃を持ち右手の近接ブレード『葵』のみで敵ISと戦っている。
(あの左手の銃が暁人の切り札か?)
「どうやら、あっちはなんとかなるようね、安心したわ」
「ああ、そうだな……それにしても鈴?俺との試合の時と比べて動きが鈍いけど、どこか悪いのか?」
「……実は一夏との試合を水を刺されたり、暁人が意外と余裕そうだから気が抜けて……いったんリセットされたような状況になったの」
「リセットって……そんな、ゲームじゃあるまいし……」
「分かってるってば……そういう、アンタこそさっきよりも動きが悪いわね」
「ああ、実は俺も急な出来事の連続で集中力が完全に途絶えているからな……」
「なによ、アンタも同じじゃない」
「だから、さっきまでのような動きは期待しないでもらえると助かる」
「「………」」
あれ?これは暁人より、俺たちの方がピンチなのでは?
そのことに気づいた鈴と目が合う。
「「……アッハッハッ」」
お互いに笑うしかないと思い笑っていると、敵ISがビームで攻撃してきた。
「「……あっ」」
2人して慌ててビームを何とか回避する。
あ、危なかった……暁人の心配をする前に、俺達も十分死ぬ可能性があることを今更ながら考える。
『あなた方は、死にたいのですか!?』
『ふたりとも、真面目にやって下さい!』
『教育間違えたかなぁ……間違えたんだろうなぁ……』
「うっさいわね、暁人!!なんか文句ある!?」
『一応、君たちのコーチしてたからね……責任感が芽生えるだろバカ鈴音』
「何ですって、バカ暁人!?」
『いいから、集中して戦えバカ共!!』
セシリアから痛烈なツッコミをもらい、山田先生からは注意を受け、そして暁人からは呆れた声が漏れ、鈴は元気に吠え、最後に千冬姉から雷が落ちた。
「………」
そして、何故か攻撃をしてこない敵IS。
観察するように俺達を見ている敵IS。
はっきり言って、戦いの空気じゃない。
しかし、命の危機は健在。
……どーすんだこれ?
IS学園
第2アリーナ・通路
私はいつもと雰囲気の異なるアリーナの通路を走る。通常の白くて明るい照明ではなく、白い照明が消えた暗い空間を非常用の赤い照明が照らしている。
正体不明ISが2機乱入してきて、一夏や
このままでは、みんな死んでしまう……!!
一夏も……兄さんも……!!
専用機もない今の私に出来る事なんてたかが知れているだろう。だけど、それでも……大切な人の為にできる事ならなんだってやってやる。
「はぁ、はぁ!!」
そう思いながら走るも現実は甘くない。私の前に脱出できない生徒達と同じように鋼鉄の扉が行く手を阻む。
「……くっそ!」
私は己の無力さを呪いながら扉を思いっきり叩く。しかし、人の手で鉄でできた扉をどうにかすることはできず、私は拳を痛めるだけだった。
(やっぱり私には……なにもすることが出来ないのか!!)
無力な自分が嫌だ。ただ眺める事しかできないなんて……私にも力が……専用機が――
ズズズッと、目の前の扉から音が響いた。自分の無力さに打ちひしがれているところに、突然目の前の扉が開き始めた。このアリーナすべての遮断シールドを降ろしているのは敵ISのはず。
いったい、何の意図が?
「………」
数秒ほど考えたが、考えても仕方がないと判断をし私は再び走り始める。
私はただ大切な人たちの事を想いながら通路を突き進む。
IS学園
第2アリーナ・ステージ
(くっそ、また避けられた!!)
一夏は何度目かわからない空振りに内心で舌打ちをしながら追撃を入れようとするが、圧倒的なスラスター出力に物を言わせた相手は難なく零落白夜の射程距離から離れていった。
「本当に人が入って動かしてんのかよ!?」
「ええ、まったくその通りね……ん?」
一夏の何気ない一言で鈴音は思うところがあるのか、戦闘中にふと止まってしまう。
通常、命に関わる戦闘中に動きを止めることは愚行に当たるが、鈴音の僅かながの『直感』は問題ないと判断していた。
「そういえばアイツ、わたしたちが会話している時ってあんまり攻撃してこないわね……」
「……まるで俺たちの会話に興味があるみたいなんだよな」
言われてみればと思い、今までの敵ISの動きを思い返す。
(そういえば、人間の思考や意識で動かしているとは思えない機械的な動きは……本当に人が入っていない?)
ISは人が乗らないと絶対に動かない。だから、無人機なんて存在はあり得ない。しかし――
「ISで無人機はあり得ない――なんて事はあり得ないわね」
(だって、本来女にしか使えないISに男が使えるというあり得ない事が起きたばかりで、かつ初心者のはずなのにかなり動けるというこれまたあり得ない事が起きている……)
鈴音は隣にいる一夏と、観客席で奮闘してる暁人のことを思い浮かべた。
(今年1番のイレギュラーはこいつらなのよね……なんか想像の中の暁人はキメ顔をしてきてムカついたので心の中で殴っておいた)
想像の中でで暁人の事をボコっていると、ふと思いついたことがあるので一夏にあることを確認するために語りかけた。
「一夏……」
「なんだよ?」
「仮に無人機だとしたらどうするの?」
「……零落白夜の全力攻撃ができる」
「……わたしは制限を解除した『竜砲』を叩き込める」
「「………」」
お互いにチラリと視線を合わせてお互いの意思を確認する。
「「やってやる/やってやるわ」」
下がり切っていたテンションが上がっていくのを感じる。
グツグツと高まっていく。
一夏も集中力が高くなっていくのを感じる。
これから、全力の攻撃を加えるためあたしたちは――
「一夏ァッ!!」
アリーナのスピーカーから大声が響いた。
声の発信源を確認したところ、アリーナの中継室に1人の女子が――箒がいた。
「男なら……男ならっ!そのくらいの敵に勝てなくてどうする!!」
キーンとハウリングが尾を引く声の主は箒のものだった。
なぜあんな場所にいるのか?
なぜ今そんな言葉を叫んだのか?
一瞬の間に様々な疑問が頭の中をよぎりつつ、あの敵ISは腕を箒に向けたのが見えた。
あの敵ISはわたしたちではなく、箒にを狙いを定めたのだ。
「一夏ぁ!!」
「ああ!!」
((一か八か、最大出力攻撃を叩きこむ!!))
今すぐにでもこいつを倒さないといけないと考えた次の瞬間――
『二人とも、大丈夫だ』
突然、暁人からの通信が入ったと思ったら、敵ISの右腕が千切れ飛んだ。
IS学園
第2アリーナ・観客席
私は……いや、私たちは信じられない光景を見ていた。
私たちは絶体絶命の状況だった。
黒野くんが私と本音を突き飛ばしてから始まった怒涛の展開に頭も身体も状況の理解が追い付いていない。
突然、身に起きた死の恐怖。
ISの知識がある故に、敵ISのビーム攻撃が当たれば死体すら残らないということに理解ができてしまう。
しかし、そんな中で――
「おい、どうした?襲って来ておいて、無様晒してんじゃねーよ?」
そんな中で、黒野くんの異様な『強さ』が浮き彫りになっていた。
ビーム砲を撃たせまいと黒野くんはずっと相手に張り付いた状態で戦っていた。通常のIS戦闘のような剣で斬り合う近接での間合いの取り方ではなく、柔道や合気道のように相手と密着をするような間合いを黒野くんは維持していた。
「肩部ビーム砲より、この距離や角度だと殴った方がいいよな?――だから、殴って来る」
相手が殴って来れば、それを腕を取って背負い投げをしたり、距離を取ろうとすれば転ばせたりブレードで斬りかかりながら戦いの流れというものをコントロールして、ずっと戦いの
「くろろん……」
落ち着いて、淡々と……まるで機械のように決まった動きで戦う黒野くん……いや、機械の様な動きを見せているのは――
(……そう……まるで敵ISは……決められたことしかできない……ロボットのような動き?)
そうだ。
機械の様な動きなのは敵ISの方だ。
黒野くんはそれを分かっているから、相手の攻撃を待ってから動くことが出来ているんだ。
「弱くなったな……」
黒野くんが何か小さく呟いたような気がした。
しかし、戦いの中での本当に小さな声だったので、私は黒野くんの発した言葉を聞き取る事ができなかった。
「いや、流石にこんなに戦えば慣れるか……『そろそろ』だな」
黒野くんは、そう呟いた。
今度ははっきりと聞き取れる事ができた。
「試作レールガン『雷鳴』エネルギー充填率238%、最終セーフティー音声認証にて解除――」
敵ISは黒野くんの様子を伺うかのように、その場に止まっている。
そして、黒野くんはこの戦いの時からずっと左手に持っていた銃を敵ISに向ける。
『二人とも、大丈夫だ』
「ロックオン解除、フルマニュアル制御へ移行……お前『は』避けろよ?」
黒野くんはそう言うと、レールガンの引き金を引いた。
そして、私たちの視界は白く塗りつぶされた。
~スコール達のアジトでの一幕~
※7話:暗躍のすぐあと
「それじゃ、そういうことで、ヨロシク。さらば!」
(登場した時と同様に消えるようにどこかにいったな)
「スコール、いいのか?」
「ええ、まだよく分からない事も多きけど、とりあえず協力をした方が良いわ」
「まあな……おい、エム。さっき起こった事の詳細を教えろ」
「……ああ、分かった。あいつはおそらく時間を――」
「……あのー、すみません」
「まだ、帰ってなかったの?」
「ええ、その……あのー……そのー」
「「「?」」」
「この時間帯だと帰るに帰れないので、夜明けまでここにいさせて下さい!お願いします!」
(綺麗な本気の土下座ね……いったんこの子はこの歳て何回土下座をしたのかしら?)
「ふーん、そこまでお願いをされたら断るのは悪い気がするな」
「へへ、姉御、肩でも揉みましょうか?」
「おまえ、すごい下っ端ムーブ似合うな」
「うるせ、まだまだ寒い時期に野宿するかしないかの瀬戸際なんだ。結構何度もやってやるぞ」
「よし、舎弟。今から絶対服従だ。いいな?」
「へ、へへー!」
「いい返事だ。それじゃ、近くのコンビニで焼きそばパン買って来い。ついでにジャ〇プもな」
「協力者パシるとか正気か?私は今月号のりぼ〇とプッチ〇プリンな」
「そうねぇ、味は何でもいいからハーゲ〇ダッツ人数分お願いね」
「君たち、意外とノリ良かったのね?」
~次回予告~
箒「現実でソウルライクゲームの様なパリィとか、行動潰しなどするのは止めたらどうだ?」
暁人「あれ?箒ちゃんゲームとかするんだ。すっごく意外」
箒「スマホのゲームなどもやらないが、一夏と姉さん……あと弾が来た時にちょっとな」
暁人「ああ、あの面子なら一人プレイ用のゲームを回して遊びそうだもんあ」
箒「他には桃○99年耐久やボンバー○ンをしたことも……」
暁人「なんで友情が壊れるゲームを率先してプレイしてるんだ?」
箒「姉さんの趣味だ」
暁人「ああ、そうね……納得」