IS ~クロノス~   作:チャイナドレス先輩

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流石ISの二次創作だなぁ……
まさか投稿した当日に読んで頂けると
思っていなかったなぁ……

最初の方の話の流れとかは、
基本的に原作沿いだから、
1〜2週間に1話投稿できれば良いかな

※2022/11/29
改行や誤字を修正


第一章:異端(イレギュラー)
1話:自己紹介


2022年4月4日(月)

IS学園

1年1組の教室

 

「全員揃ってますねー。それじゃあSHR(ショートホームルーム)はじめますよー」

 

黒板の前でにっこりと女性副担任である山田真耶(やまだまや)先生は微笑みながらクラスのみんなに聞こえるように言った。

 

山田先生は、緑の髪に緑の目でやや童顔。身長がやや低めで、黄色いワンピースのような服を着ているが、サイズが合っていないのかだぼっとしている。かけている黒縁眼鏡のサイズもやや大きめのなのか、若干ずれている。

 

(第一印象が背伸びをして大人の服を着ている子供のイメージ……いや、年上の人や教員にそんなイメージを持つことは失礼か。オブラートに包んで……学生である俺たちにとって、とても親しみやすい印象かな?)

 

「それでは皆さん、一年間よろしくお願いしますね」

「「「……」」」

 

そんな親しみやすい山田先生はみんなに挨拶をしたが、教室の中は変な緊張間に包まれており、誰からも返事が反応がない。

 

「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします。えっと、出席番号順で…」

 

ちょっと涙目になりながら、山田先生はSHRを続ける。本来、先生の挨拶に反応して返事をするべきだったのだが―

 

(これは……想像以上にきつい……)

 

俺の名前は織斑一夏(おりむらいちか)

ある事情を除いて、何の変哲もない高校一年の男子だ。髪の色は藍色が混じった黒い髪に、眼の色は茶色。中学生の頃の話になるが、周りと比べて少し身長が高かった。何でか分からないが、昔から周りの女子によく声を掛けられる。

 

その何の変哲もない男子高校生は入学式も終わり、この初めてSHRで、学園生活の危機に直面している。それは―

 

(自己紹介って、一体何を話せばいいんだ……?)

 

 

 

自己紹介!それは文字通り、己を紹介すること。

本来、自分のことを知らない人に、簡単に自身のことを知ってもらう行為であるので、新生活のスタートを切るのにとても重要である。

高校生の自己紹介なら、自分の名前と趣味や中学校の時に、どの部に所属していたのかなどを話す。

そうすれば、初対面の人に趣味が同じだから話しかけてみようかな?とか、仮に趣味が違っても、さっき〇〇が趣味って言っていたけど~などと会話の糸口になったりもするのである!

 

 

 

しかし、この男、織斑一夏は……端的に言うと、とても緊張していた。緊張で頭の中は真っ白、喉が渇いて何度も唾を飲んでいる。なぜ緊張しているのかというと、この教室―いや、この本来女子しか入れないIS学園で、織斑一夏しか男子生徒がいないからだ。

 

(まさか、本来入学を希望していた藍越学園とIS学園の試験会場を間違えて、『IS』を動かしてしまい、IS学園に入学させられるとは……)

 

『IS』。

正式名称『インフィニット・ストラトス』。

宇宙空間での活動を想定して作られたマルチフォームスーツ。

本来は宇宙用の機械だが、現在ではこのISを飛行パワードスーツとして活用して、世界的にスポーツ化が進められている。

 

しかし、ISを動かすのに致命的な欠陥がある。

 

それは女性にしか使えないことだが、俺はISをなぜか動かせてしまいIS学園に強制入学をさせられた。そんな本来女性しか動かせないISを学ぶための学園には女子しかいない。……もう一度言おう。女子しかいない。

 

俺は救いを求めるようにチラリと窓際の方の席に目を向ける。

そこに小さい頃に分かれた幼馴染の箒―篠ノ之箒(しのののほうき)がいる。

 

箒は長い黒髪をポニーテールにしていて、紫目の強い意志を感じる瞳が凛とした雰囲気を出している。小さい頃から剣道を嗜んでいて、去年の中学生の全国大会で優勝するほどの腕前。

 

そんな久しぶりに合った幼馴染は、プイっと窓の外に顔をそらした。

 

(は、薄情な……いや、俺はもしかして嫌われているのか?いやいやいや、そんなことは昔はあんなに仲が良かったのでそれは無いはず)

 

あんなに仲が良かった幼馴染は、偶然顔を逸らしただけのはず。そう、たまたま運が悪かっただけ。……そういえば、ISに触ってから碌な目に合っていないような気がする。頭に鳥のフンが落ちてきたり、参考書を古い電話帳と勘違いして捨ててしまったり、黒い服を着た強面の外国人が片言の日本語で話しかけてきたり、自宅に研究者と思われる人が解剖させてくれとか言いよって来たり、訳の分からない文章が記載された手紙が郵便受けの中にあったりして、引っ越す羽目になったり、この前、唐揚げの味付けやら揚げ加減やらで失敗してしまったり、洗濯物を干していたら急に雨が降ってきて、洗濯物が台無しになったり、悪友どもから、会えるのが最後になるかもとか何とか言って、俺に古いエロ本を押し付けてきたり、そしてそのエロ本を引っ越し中に姉に見られたり―

(………アレ?)

 

最近のことを思い返してみて、俺は頭を抱える。

 

(思い返してみると、本当に最近碌な目にあっていないじゃないかッ!?)

 

窓際の方から、『あいつ何やってんだ?』とかいう視線を向けられているっぽいが、そんなこと気にならないレベルで重大なことに気付いてしまったッ。

 

(クソ!どれもこれも俺がISに触ってしまったからこんな目にあっているんだ!!どうして俺はあの時試験会場を間違えたのか、なんでISに触れてしまったんだ!?)

 

などとIS動かしてから何度目か分からない、自らの行いを後悔していると―

 

「―くん、織斑一夏くん!」

「は、はい!?」

 

現実逃避をしている内に、自分が呼ばれていたことに気付いて、思わず大きな声で返事をしてしまった。

 

(くっ、しまった今はクラスのみんなで自己紹介をしているのに、俺は何をやっているんだ)

 

「あっ、あの、お、大声だしちゃってごめんなさい。お、怒ってる?怒っているかな?ゴメンね、ゴメンね!でもね、あのね、自己紹介、『あ』から始まって今『お』の織斑くんなんだよね。だからね、ご、ごめんね?自己紹介してくれるかな?だ、ダメかな?」

 

話を聞いていなかった俺が悪いのに、山田先生はペコペコと頭を下げている。

 

(俺が悪いのに、年上の人に何度も頭を下げられるって、恥ずかしくて居たたまれない……)

 

「いや、あの、ちょっと考え事をしていて……自己紹介しますから先生落ち着いてください」

「ほ、本当?本当ですか?本当ですね?や、約束ですよ。絶対ですよ!」

 

がばっと顔を上げ、俺の手を取って熱心に詰め寄る山田先生。山田先生は、安心したように笑う。

 

(やっぱり、年上の女性に見えない……)

 

挙動やその笑った表情から、ついそんなことを考えてしまったが、自分が今まで感じていた緊張感が少し和らいだ気がした。

 

「あ、でも入学初日から集中できていないのがダメなんですからね!」

「あ……はい、すみませんでした」

 

山田先生は教師らしいことをしたぞ、と少々喜だ様子で俺に注意をしてきた。

 

「はい!次から気を付けてください!それでは、織斑くん!自己紹介をどうぞ!」

 

席を立って、後ろを振り向く。俺のクラスでの席が、真ん中の列の一番前なので、こうするのが自己紹介などをする時にはいいのだけど……

 

(うっ……なんで一番注目される席になったんだ……)

 

改めてクラスの注目を集めていることを直接クラスのみんなの顔を見ることで現状を再認識して、さらに緊張が高まる。

 

「えー……織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

俺はそんな緊張に打ち勝ち、なんとか自分の名前を言えた。自分の挨拶の後に、頭を下げ―そして上げると―

 

 

 

沢山の『もっと色々喋って欲しい』という期待に満ちた視線が俺に刺さっていることに気付いた。

 

 

 

――しまったッ!ここで俺は趣味やらなにやら話さないと、高校生活のスタートが絶望的なものになる!!しかし、先ほどの緊張感にプラスして、高校生活が懸かった自己紹介……そう、みんなが俺に対して何を話しかけていいのか分からずに、そのまま時間が過ぎていき、みんなが作るグループの輪から取り残され、高校生活のスタートに致命的なブレーキがかかるッ!そのことに気付いたことで、先ほどの緊張感がより強まるように感じた。

 

(なんてこった――自己紹介って、こんなに人生を左右するような重要なものだったのか!?)

 

否、落ち着け男、一夏。日本男児たるもの、この程度の逆境乗り越えなくてどうするんだ!?

 

(やれるはずだっ!やってやる!!)

 

「スー、フゥ」

「「「………」」」

 

俺はいったん深呼吸をする。俺が何かを伝えようとしていることを察したのか、みんな俺の一挙手一投足に集中して俺の言葉に耳を傾けようとしている……その期待に応えなくては、男が廃るというものだ!

 

(……よし!)

 

俺は―

 

 

 

 

 

 

 

 

「以上です!」

 

何にも思いつかなかったので、そのまま切り上げた。

 

 

 

 

 

「えぇ……?」

 

後ろにいる山田先生から相当困惑している声が聞こえ、ガタッと何人かの女子がずずっこけるのが見えた。ごめんなさい!俺にはやっぱり、無理でした!緊張で本当に何を言えばいいのか分からなくなって……

 

「お前は……」

「……え?」

 

自分の後ろから聞きなれた声が聞こえた。聞きなれた声に驚いて、振り向こうとして……

 

「まともに自己紹介もできないのかッ!?」

 

パアンッ!

 

「いっ!?」

 

―って!?振り向く前に、頭を割れたと思うような、とんでもない力で叩かれた!!思わず俺は床に(うずくま)る。

 

「ぉぉぉ……」

 

あまりの痛さに今、俺は呻くことしかできない。

 

(この威力……こんな攻撃を生身でしてくる人は俺は1人しか知らない……)

 

「あ、織斑先生。もう戻られたのですか?」

「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」

「い、いえっ。副担任ですから、これくらいはしないと……」

 

先ほど俺の頭を殴っていった人物は、山田先生に声をかけながら教壇の近くに移動した。痛む頭を抑えながら、俺は教壇を見る。聞き覚えがあるはずの声の主は、千冬(ねえ)――俺の実の姉である織斑千冬(おりむらちふゆ)だった。

 

千冬姉は、黒くて長い髪と茶目のツリ目。すらりとした長身とよく鍛えられていることがわかるが決してガチガチの筋肉ではなく、女性らしいボディを黒のスーツとタイトスカートで身を包んでいる。

 

……というよりもあれ?常識人と思っていた山田先生が暴力を振るわれた生徒がいるのにスルーするだと?あと、千冬姉が俺が聞いたことがない優しい声で話しているぞ?これは夢か?いや、頭が割れそうなくらいに痛かったから、これは現実なんだな……

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を1年で使い物になるま操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことをよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来る様になるまで指導してやる。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな?」

 

な……なんという、暴力発言なんだ……これはまごうことなき俺の実姉の織斑千冬だ。だがしかし、教室には混乱のざわめきではなく、黄色い声援が響いた。

 

「キャーー!!千冬様、本物の千冬様よ!」

「ずっとファンでした!」

「私、お姉さまに憧れてこの学園に来たんです!北九州から!」

「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しいです!」

「私、お姉さまのためなら死ねます!」

 

そんな風に騒ぐ女子たちを、千冬姉はうっとうしそうな顔で見る。

 

「……今年も、よくこれだけの馬鹿者が集まるものだ。関心させられる。それとも何か?私のクラスにだけ馬鹿者を集中させているのか?」

 

うっわ……千冬姉のこれは本当に鬱陶(うっとう)しがって言ってるよ。

 

「きゃあああっ!お姉様!もっと(しか)って!罵って!」

「でも時には優しくして!」

「そしてつけあがらないように(しつけ)て」

 

何で我が姉のあんな発言で元気になるんですかねぇ……そうか……さっき千冬姉が言っていたように馬鹿なんだなこの子達……

 

「で?挨拶も満足にできんのか、お前は?」

 

我が姉ながら実の弟に辛辣過ぎる!!

 

「いや、あの、千冬姉――」

 

パアンッ!また千冬姉に叩かれた。さっきよりは痛くないけど叩かれて痛い……

 

「織斑先生と呼べ」

「……はい、織斑先生」

 

このやり取りで、クラスのみんながヒソヒソと話を始める。

 

「え……?織斑君って、あの千冬様の弟……?」

「それじゃあ、世界で唯一男でISが使えるっていうのも、それが関係して……」

「ああっ、いいなぁっ。代わってほしいなぁっ」

 

……やっぱり、うちのクラスの子はどこかおかしいところがあるなぁ。

 

「………」

「……?」

 

ふと、窓際から低温の視線を感じたので、そちらを見てみる。……箒は俺のことを冷たい目で見ていることに気付いてしまった。

 

(何か怒らせることでもしたか?それともやっぱり、仲が良かったと思っていたのは俺の勘違いだったのか?)

 

「まぁいい。時間も押している。最後にみんなに紹介をしたい生徒がいる。……まさかあんなタイミングで見つかるとはな」

 

千冬姉は困った様な表情で言ったのが、妙な引っかかりを覚えた。

 

「え?千冬姉、それってどういう――」

 

バアンッ!

ガタァン!!

 

「織斑先生だ。いいからさっさと座れ。いつまで立っているつもりだ?」

「……はい、織斑先生。もう座らせられました」

 

頭を殴られた衝撃で俺は強制的に着席させられた。千冬姉……俺、この学園でやっていけるか分かりません。主にあなたの愛(拳)の所為で……。

 

「よし。黒野、入れ」

「はい」

 

男の声が聞こえてきて、自分を含めたみんなが驚きながら、教室の出入り口の扉を見る。

 

黒野暁人(くろのあきと)、入ります」

「「「!?」」」

 

扉の向こうから男子の声が聞こえ、扉が開き男子が教室に入って、俺は声を聞いた以上に驚いた。

 

紫がかった黒い髪。紫が混じった黒い瞳。表情や(たたず)まいから凛とした印象を与える。その男子はクラス全体を見た後に教壇に移動する。俺以外の男子がIS学園にいることに俺やみんなは驚いたが、それ以上にその男子の容姿に驚いている。

 

「……え?」

「ちょっと、あの子に似てない?」

 

ヒソヒソとクラスのみんなは入ってきた男子と窓際にいる女子生徒を見比べている。そういう俺も入ってきた男子と幼馴染の箒を見比べる。箒も驚いた表情のまま、その男子に目が釘付けになる。

 

そう、その男子と箒の顔や雰囲気が似ているのだ。双子と言われたら信じる位に――

 

「黒野、自己紹介をしろ」

「はい、織斑先生」

 

男子はクラス全体を再度見渡す。

 

「「「………」」」

 

俺たちは先ほどの驚きから抜け出せないまま、その男子の言葉を待つ。

 

「………にぱー☆」

「「「!?」」」

 

突然そんなこと言ってキリっとしていた表情がふにゃりと崩れたように笑う。そんな表情もできるのかと、そんなことを言うキャラなのかと、クラスのみんなは再度驚いたようだが、俺はクラスのみんなと驚いた理由は違う。

 

(笑った顔が束さんとそっくり!?)

 

笑顔を崩さないまま、彼は―黒野は自己紹介を始めた。

 

「私の名前は黒野暁人です。いわゆる、『2人目』って奴です。趣味はこれといってありませんが、何か面白い漫画や小説、音楽などがあれば是非、教えてください」

 

本当に楽しそうに、心から楽しんでいると思われる笑顔でさらに続ける。

 

「そして、好きなものは大団円……ハッピーエンドが好きです」

 

好きなもので大団円?こういった場合、好きな言葉とかのはず――などと思ったが、自己紹介がまともにできなかった俺が言えることじゃなかった。

 

「皆様、どうぞよろしくお願いします」

 

頭を下げて、そして上げる。みんなそんな彼の姿をみて、歓迎の拍手をしようと手と手を合わせようとしたが――

 

「最後に――」

 

そんな彼の一言でみんな手を止めた。まだ何か言うことがあるのかとそう思っていると、彼は人差し指を立てた手を掲げて――

 

「俺は最強を目指します。誰にも負けるつもりはありません」

 

そいつは先ほどまでの笑顔の消して、一番最初に見せた凛とした表情で、そう言い切った。

 

「「「………」」」

 

クラスのみんなは、そう言い切った男を見た後に、千冬姉を――初代世界最強(ブリュンヒルデ)見る。ISの世界大会である第一回モンドグロッソ総合優勝&格闘部門優勝者の2冠を達成し、公式戦無敗の文字通りの世界最強の千冬姉を。つまり、黒野は――

 

「……フン。文字通り、ISを触れたばかりの若造がよく言えるな」

 

千冬姉は楽しそうに、黒野に話しかける。

 

「目標は大きくですよ――それに出来ないことは言わない主義なので」

 

黒野は挑発的に千冬姉を見ながら言う。俺と同じく、ISに触れたばかりのはずなのに――なんでだ?こいつなら世界最強になれそうだと……いや、世界最強になるだろうという思わされる。

 

「はっはっはっ。生意気だが……その心意気は気にいった」

 

千冬姉は、狼の様に獰猛に笑う。こんな千冬姉を見るのは初めてだ……これは、千冬姉のIS操縦者としての――世界最強(ブリュンヒルデ)としての顔なのか!?

 

「しかし、世界最強(わたし)に挑戦する前にまずは授業を受けなくてはな?」

「はい、織斑先生!」

 

……そうか、俺はこの学園で1人の男子だと思っていたが、もう1人男子がいたんだ。こんな凄いことを言える奴が一緒のクラスメイトになれたことを嬉しく思う。しかし、それ以上に、こんな凄いことを言える奴とクラスメイトになれることに幸運に思う。ああ、そうだ、俺も千冬姉のような、黒野を超えるようなIS操縦者になろう。俺たちはこの学園――いや、世界で2人だけの男性操縦者。俺たち2人は、絶対に競い合う、絶対にライバルになる。決めたぞ。俺はお前に負けないIS操縦者になる。

 

「よし、いい返事だ!黒野、お前の席は決まっていない。一番後ろのどれかに座れ」

「はい!」

 

そう返事をして移動しようとした黒野は――

 

ズルッン――

 

「――あ」

「――え?」

 

教壇から降りるだけのはずが、黒野はなぜか足を滑らせて――

 

ゴン!!

 

俺の机の角に頭を勢いよくぶつけた。

 

「――ぁぁあ゛あ゛あ゛!?()()()()()!?」

 

黒野は()()()()()()()などと、よく分からないことを叫びながら、床をのたうち回っている。

 

「「「………」」」

「えぇ……?」

 

俺たちは開いた口が塞がらなかった。山田先生も本日2度目の困惑の声を上げている。今、1年1組にいる黒野以外のみんなの気持ちはきっと1つのことを思っただろう。

 

 

あれだけの大口叩いておいて、数秒もしない内に何やってんだコイツ。

 

 

俺は未だに痛みに悶絶している黒野から目を離して、天井を見ながら、チャイムの音を聞いた。

 

(さっきコイツに感じたことは全部、夢か幻だったかもしれないなぁ……)

 

どうしよう……

IS学園での生活の先行きが不安でしかないや……

 




小ネタ
一夏:何の変哲もない(原作的に大嘘)
山田先生:天然(常識人の皮を被ったナニカ)
千冬:お前そんなキャラだったのか!?(世界最強も驚いていた)
箒:姉さんに似ている!?(出番これだけ)
暁人:最強を目指しますキリ(オチ担当)
セシリア:出番なし
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