IS ~クロノス~   作:チャイナドレス先輩

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~(前回の)アニメの次回予告風~
暁人「頭がぁああ―!!」
一夏「お前、プロローグと全くキャラ違うじゃん」
暁人「あぁん!?ちげーし!!俺はクール系のキャラだし~これからだし~。あそこで転んだのには重要な伏線があるんじゃい!」
一夏「もうこの時点でクール名乗れないぞ。この小説のキャラ崩壊って、オリキャラの方だったのか……」

次回、第2話 幼馴染


~前回のあらすじ~
俺の名前は、織斑一夏。
女性にしか動かせないISを何故か動かせしまい、
女子生徒しかいないIS学園に強制入学させられた。
しかし、男子生徒は俺一人だけではなく、もう一人いたことを知った。
もう一人の男子の名前は黒野暁人―初登場で、机に頭をぶつけて、のたうち回った。
俺のこれからの学園生活は一体どうなるんだろうか……


小ネタ
Q:何でこの作者、前回の次回予告と前回のあらすじを一緒のところに書いているんだ?
A:この話を書いている時に、ISの11巻と12巻を購入するほどの考えなしだから。


2話:幼馴染

2022年4月4日(月)

IS学園

1年1組の教室

 

 

「あー……」

 

俺は天井を見ながら魂の抜けたような声を出す。参った。これはマズイ。ダメだ。ダメなやつだ―と、俺は1時限目終わりの授業終わりの多少疲れが残る頭で思う。1時限目のIS基礎理論が終わって今は授業と授業の合間の休み時間、俺は先ほどのSHR(ショートホームルーム)の時の様に天井を見る―教室の外の廊下にいる、他クラスの女子たちの声を聞きながら。

 

「男子だ、本当に男子がいる」

「さっき先生が言っていた『2人目』も本当にいるよ」

「あなた、話しかけてみなさいよ」

「えー、でも恥ずかしいよ」

「私、話してみようかな?」

「ちょっと、抜け駆けするつもりなの?」

 

 

初めて男子生徒を見るような声も聞こえたので、そちらの方をチラリと見た。胸元のリボンの色が1年生の青色ではなく黄色―2年生だ。廊下に1年生だけではなく、2年生や3年生(ちなみにリボンは赤色)の女子生徒が何人かいるのも見えた。IS学園の入学式は、1年生だけが参加して、それ以外の学年は普通に授業だった。上級生たちにとって、この入学初日の最初の休み時間が男子生徒を初めて見る機会なのだろう。その女子たちはクラスの教室に入ってこないでこちらを見ているだけであった。クラスの外にいる女子たちは俺たちに話かけるのかを相談したり、他の女子から邪魔されたりして、俺は見世物の状態になっている。―正直、動物園のパンダになったような気分だ。

 

「…………」

 

そんなパンダな俺が今考えていることがある。女子たちの見世物になって辛いとか―授業についていけるのか不安であるとか―

 

 

 

 

そんなことはどうでもいい。

今の俺の最大の目標は、このIS学園で女子の友達を作ることである。

 

 

ナンパ野郎みたいな考えみたいだが、はっきり言ってほぼ女子しかいないIS学園での学園生活は、色々辛いことが予想される。そんな色々辛い学園生活を緩和するのに、女子とも友達を作っておくのが建設的だ。……まあ、入学する前は男子は自分1人だけだと思っていたので積極的に周りの女子と関わろうとは思っていたのだが、なんともう1人男子―黒野暁人がいたのである。……入学初日に頭を打ちつけて、のたうち回るなど少々不安が残る奴ではあるが、男子が自分1人だけという状況ではなくなったので精神的な辛さは大分緩和されるだろう。そんな訳で、俺は入学当初と比べて積極的に女子の友達を作ろうとは考えていないのだが、1人も女子の友達を作らないというのも問題だろう。……なんで俺がそんなことを考えているかって?それは―チラリと俺の席の左後方の一番後ろの席を見る。

 

 

 

 

 

「くろろん……あたま、大丈夫?なでなでしてあげる~」

「ふぇ~ん、痛かったよ~」

 

黒野は自分の席で制服の袖をだぼだぼに改造したおっとりとした女子に頭を撫でられていて、そして、その微笑ましい光景を見て黒野の席の周りにいた数名の女子たちは表情に笑みを浮かべていた。―そう、黒野はすでに仲の良い女子の友達を作っているのである。

 

(何で黒野の周りにはあんなに女子がいるんだッ!?インパクトか?インパクトの違いか!?SHR中に、のたうち回る奴のインパクトに勝てる訳ないだろうッ!?―というか、話してからほんの数分で女子からあだ名で呼ばれて、かつ頭を撫でられるとか、どれだけコミュニケーション能力が高ければできるんだよそれ!?)

 

完全に学園生活のスタートで、黒野と大きく差が出来てしまった。……これは俺のスタートが遅れているのか?と思うところがないといえば嘘になるが、とにかく差が出来ているのは事実。

 

(―くッ、ここは今からでも何かインパクトのあることをッ!)

 

そうだ、以前から考案しているギャグがある。それを見せる時ッ―黒野、お前以上のインパクトを出してやるッ!!

 

「……ちょっといいか?」

「しかし、なんて言ってギャグを見せる感じにすれば……って、え?」

 

ギャグを披露する流れを考えていたら、突然、話しかけられた。てっきり、自分に話をかけてくる生徒は初日にはいないだろうと思っていたのだが。俺はそんなことを思いながら、話しかけてきた人物を視界に収める。

 

「……箒?」

「………話がしたい」

 

話しかけてきたのは、小さい頃に分かれた幼馴染の箒だった―のだが、箒は緊張した表情で俺を見ていた。俺はその表情の理由を察して、提案をする。

 

「――おう、分かった。廊下でいいか?」

「………」

 

コクリと頷いたので、俺たちは教室から廊下に出て、()()()()()()()()()()()()()()()()()。……離れたのだが、男子の俺と、他の女子たちからは抜け駆けしたように見える箒の話を聞こうとして案の定、近くで聞き耳を立てている女子生徒が何名かいる―()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。重要なことは小さな声で話せばいい。

 

「このぐらい離れればいいか」

「あ、ああ……まずは、その、なんだ―」

 

先ほどは、教室の真ん中から窓際まで距離が離れていた状態で箒を見たが、今度は成長した姿を間近でみることになった。当然ながら身長は俺が覚えている頃よりも伸びていて、今は平均的な女子の身長と同じぐらいだと思う。箒は、周りの女子たちと同じく白いIS学園の制服を改造なしで着用しているが、剣道をやっている影響からか、歩いている姿は他の女子たちと比べて挙動がビシッとしていた―のだが、いざ話すとなった時には、先ほどまで感じていたイメージはなかった。伝えたいことはあるのだが、考えがまとまっていなく、何を話せばいいのか……そんなような状態であろうと思った。

 

(それほど、困惑しているんだろうな)

 

俺は、そんな何を話したらいいのか分からなくなって困っている幼馴染をまずはリラックスさせるために話しかける。

 

「久しぶりだな、箒。6年ぶりか?」

「……ああ、そうだな、一夏。―そうか、もうそんなに経つのか。正直に言うと、もう二度と会えなだろうと、私は……」

 

そう、俺たちは6年ぶりの再会になる。俺と箒は小学校1年の時に千冬姉の付き合いで剣道場に通う様になってから知り合った。箒とは小学校4年生まで一緒のクラスだったのだが、小学校5年生の時に、箒は家庭の事情―というよりは、政府側の事情により転居となった。なんで政府が箒に対して干渉するのかというと、ISを開発したのは箒の姉である(たばね)さん―篠ノ之束が関係してくる。ISは今や、スポーツや競技として利用がされているが、ISが発表された10年前の時点で兵器転用が懸念されており―というよりも、ISを世界に知らしめることになった『白騎士事件』というものが武力によるものだったのだが―そのIS開発者と、その家族を保護するという名目で、箒たちの家族は転居を強要され、今まで各地を転々としていた。ちなみに、ISを開発した張本人は逃亡中で国際指名手配をされている。

 

(ISが原因で別れ、もう会えないだろうと思っていた幼馴染と、まさか俺がISを動かしてしまい、それで再開できるとは……)

 

俺は、頭の片隅でそんなことを考えながら、久しぶりに再会できた幼馴染と話を続ける。

 

「そういえば、去年の剣道の全国大会の優勝おめでとう。ちらっとだけど、テレビで見たぜ」

「―ッ、あの時の試合、見たのか……?」

「ん?いや、試合は見ていないぞ。優勝者の映像が数秒だけ流れてな?」

「そ、そうか。それは―」

「……どうしたんだ、箒?」

「い、いや、気にするな。ありがとう」

 

箒の様子に疑問を覚えた俺は口を開こうとしたが、ふと、思い出したかのように箒を俺に聞いてきたので、それ以上の追及はできなかった。

 

「……そういえば、一夏は全国大会の会場にはいなかったな。なんだ、県大会も突破できなかったのか?」

「あっ……いや、その、ちょっと―」

「……一夏、念のため確認するが今でも剣道はやっているんだよな?」

「……中学は3年間、帰宅部でした」

「な、何ッ!?中学の3年間も!?」

「あ、ああ、そうだけど」

「怠け者が!!―私が、昔のように鍛え直してやる!!」

「はぁ!?それって、また箒が俺を道場まで引きずっていくのかよ!?」

「ああ、そうだ。覚悟しておけよ」

「で、できれば、お、お手柔らかにお願いします……」

「「………」」

「―ッフ」

「―ハハ」

「「あはははは!!」」

 

久しぶりに会った幼馴染()とのやり取りが何故か可笑しく感じたので、つい笑ってしまったが、それは箒も一緒だったようで二人して笑った。

 

「まったく、一夏、お前が理由もなく剣道を止める訳がない。その理由までは聞くまい」

「お、おう……」

(―い、言えない)

 

……中学校の時に帰宅部だったのは、バイトをするためだった。今まで育ててくれた千冬姉にできるだけ負担を掛けたくなくて、俺はバイトをしていた。千冬姉には、自分のバイト代を生活費に充ててくれと以前言ったことがあるが―

 

『フッ、彼女のプレゼント代にでも使え』

 

鼻で笑われて、そう言われた。今にして思えば、IS学園での教員って、どれぐらいの給料を貰っているのかは分からないが、世間一般の同年代に比べては遥かに多いのだろう。いや、そもそも、この考えができるのもIS学園で働いていると知ったのは今日だからこそであるが……今までは約1年くらい何の仕事をしているのかは、分からなかったのだが、()()()のことは例外として、千冬姉が優勝を勝ち取ったモンドグロッソ出場にはIS日本代表でなくてはいけなかったので、その時の給料などをも想像はできないが相当貰っていたと思うので、本当にお金の心配はしなくてよかったのかもしれないが、個人的に実の姉からお小遣いを貰うことすら遠慮したかったのだが……ならばと思い、中学でのバイト代は高校での学費などに充てようと考えていた―が、しかし、俺がISを動かして、現在IS学園に強制入学させられて、貯めたバイト代を使う充てが無くなったのだ。……あれ?おかしいな?お金はあって困るものではないのに、通帳の残高の多さの分だけの虚しさというか悲しさというか……。そんなことを考えていると、箒はポツリと唐突に話し出す。

 

「本当は……そんなことは、もうどうでも良いんだけどな」

「……え?」

「また、こうして一夏と話せるようになっただけで、私は……」

 

そんなことを言いながら泣きそうな表情で、しかしそれでも儚い笑みを浮かべる箒。そんな表情に、俺はドキッとした。――正直、見惚れた。

 

(あれ?俺の幼馴染ってこんなに可愛いかったのか!?)

 

俺は心臓のドキドキを誤魔化すように話題を変える。

 

「―そ、それでだな、箒?はは、話というのは一体ぃい?」

「……ああ、黒野のことだ。あいつは私や―『あの人』に似すぎている」

 

箒は周りに聞こえないような小さな声で俺に言ってきた。箒が俺に話しかけてきた理由で予想していた通りの内容だった。そう、黒野暁人はあまりにも箒や―箒の実の姉である束さんに似ているのだ。あまり周りや本人に聞かせたくない話題だったので、教室からできるだけ離れての話としたのだ。まあ、他人の空似と言ってしまえば、それまでなんだが……って、あれ?『あの人』?箒と束さんって仲が悪かったっけ?

 

「……そ、そのことは次の休み時間にでも直接本人と話せば良いんじゃないかな?」

「それも、そうだったな……すまない、あまりにも気が動転していたようだ」

「あの顔は、束さんを知っていれば誰でも驚くって」

 

俺は箒が束さんのことを『あの人』呼ばわりしたことに関して驚いた。俺は動揺を隠しつつ、その話題は避けて無難なことを言えたと思う。……正直、現状似ているってだけで何の情報もないんだから、驚かなくても、こんな感じのことしか言えなかったとは思う。

 

「それに、俺は顔に関係なく、話しに行くつもりだったぞ。せっかく同じ境遇の男子なんだし」

「フッ、それもそうだな。その時は私も同行させてくれ」

「分かった。……そろそろ教室に戻ろう」

「ああ」

 

周りを見てみると、他のクラスから来ていた生徒たちはいなくなってことに気付いた。そろそろ休み時間も終わる頃なのだろうと思い教室に戻ることを箒に提案する。―久しぶりに話してみて色々驚いたりすることがあったが、長い間会えなかった幼馴染と話せてよかったと俺は思う。

 

「「?」」

 

俺は箒と一緒に教室に戻る。今は休み時間の終わる頃……そう、廊下には生徒はいないのだが、黒野の席の周りにはまだ人が集まっていた。何をしているのかと、俺と箒は黒野の席をよく見てみると―

 

「イエローの7を出して―フッ、ウノですわ!」

「ドローの~4を~出すね~」

「すまないな、オルコットさん―ドロー4」

「……8枚引きますわ」

 

黒野は先ほどの袖がだぼだぼの女子や金髪白人の女子とウノをしていた。

 

((お前ら入学式の初日に何でウノやってるんだ!?))

 

 

 

~一夏たちが教室を出た後~

 

「ちょっと、よろしくて?」

「「ん~?」」

「まぁ!なんですの、そのお返事」

「いや~まだ頭のダメージが抜けていないんですよ、オルコットさん」

「よしよ~し」

「……それは、何といったらよいのか―って、あら?わたくしのことをご存じでありますの?」

「―まあ、多少は?」

「フッ。で、あるならば、もっとお教えしましょう。光栄に思いなさい。そう、わたくし、セシリア・オルコットはイギリスの代表候補性にして、入試主席の―」

「それよりもほら、ウノしようぜ」

「―えッ!?ウノッ!?」

「ルールは記号カードの重複OKの―」

「くろろん、見るからにお嬢様~って感じだから~、まずはウノを知っているのかを確認しなきゃ~」

「それもそうだったね、ほーちゃん。それで、オルコットさんはウノを―」

(((いつの間にあだ名で呼び合う仲になったんだろう?)))

「ああ、いえ、ウノ程度は知って―そうではなく!普通に考えまして、入学した初日にウノで遊ぶのですか!?」

「まあまあ、セッシー、落ち着いてよ~」

「セッシー!?初対面なのにいきなりあだ名なのですか貴女は!?」

「ほら、ほーちゃん。やっぱり、せしりんの方が良かったんだよ」

「う~ん……そっか~」

「呼び方の問題ではなく!馴れ馴れしいということを―」

「「まあまあまあまあ」」

「本当にあなた方は今日初めてお会いになられたのですかッ!?息が合いすぎではありませんこと!?」

「「いや~、それほどでも~」」

「―ぁああ、もう!とにかく、わたくしはウノで遊ぼませんわ!!」

「あれ~、セッシー、逃げるの~?」

「に、逃げるわけではッ!」

「え~、じゃあぁ~、一緒にウノやろうよ~」

「うぅ……私はこんなことをしに来たのではありませんのに。―黒野暁人ッ!!」

「ほえ?」

「先ほどのあなたの宣誓―素晴らしいの一言ですわ。あなたのISに掛ける情熱が伝わってきました」

「その後に~机に頭を打ちつけて床でおかしなダンスをしていたけどねぇ~」

「ほーちゃん!?」

「しかし、先ほど織斑先生が仰った様に、ISを触れて間もない素人以下のあなたが掲げるには少し大きすぎる目標ではありませんこと?」

「確かに~ちょっと大口を叩き過ぎかな~って」

「………」

(((うっわ、黒野くん。すっごい傷ついたって顔してる)))

「それに、わたくしは貴方の勘違いを訂正させるために参りましたわ」

「「?」」

「世界最強の称号を手にするのはわたくし、セシリア・ウォルコットでしてよ。黒野暁人、貴方ではありません……」

「「お~」」

「「「ゴクリ」」」

(イギリスの代表候補生が、ISを触れて間もない黒野くんを宣戦布告しに来たってこと!?)

(……色々あったけど、あの宣誓にはISに関わるものとして感じないものがないはずがない)

(本当に色々あったけど、それにきっと触発されて……)

「そう、わたくしは、ISでも、ウノでもあなたに負けませんわ!」

「望むところだ、オルコットさん!カードを配るぜ!」

「やった~早速やろ~」

(((いや、ウノ(それ)もいれるんかい!?)))

 




小ネタ
一夏:ウノをやってる(戦慄)
箒:一夏とまた会えて嬉しい(純粋)
セシリア:ウノで遊びませんわ!(実は遊びたかった)
本音:くろろん……頭、大丈夫?(悪気なし)
暁人:ほーちゃん♪(???)

~次回予告~
箒「……お前のどこがクールなんだ?」
暁人「これから!これからだから!」
箒「いや、お前、プロローグの『………』のセリフだって、実は―」
暁人「おう、ネタバレやめーや」

次回、第3話 代表候補生
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