Re:初代アニメ版遊戯王の世界にクリボー好きが転生したら… 作:無銘の紅茶
「スターチップ10個集めました」
「よかろう、ペガサス城への入場を許可する」
太陽が上がり始めて間もない早朝、巨大なペガサス城の前にいる黒服へスターチップを提示して中に入る……何かここまで順調だとある種怖くなってきたな。こう、嵐の前の静けさというか……
「何か裏があると思うか?」
『クリクリ~(´・ω・`)』
まあクリボーも分からないよな……ん? 城へ入り歩いていると、前から誰かが近付いてきたが……黒服からしてスタッフだろうか?
「狐桜様ですね。お部屋をご用意しておりますので、お時間になるまでごゆっくりお休みくださいませ。またペガサス城内であればご自由にして貰って構いません。ただしペガサス様とのデュエルが終わるまではこのペガサス城からは出られません。その他お申し付け事がございましたら、お手数ですが城内の使用人までご連絡下さい。それでは私はこれで失礼します」
「これはご丁寧に……ありがとうございます」
ふむ、嘘はついてないし裏も無さそうだ。これは安心して良いのか……? いやしかし、この城からは出れないのか、だとすると……
『クリクリ~(´つω・`。)』
「ああそうか、夜中起こしちゃったもんな……一眠りするか?」
『クリクリー♪』
今更だけど、精霊って寝る必要あるんだ……なんだったら、飯も食わせているけど栄養とか必要なのか? 気にしてなかった分、ちょっと興味湧いてきた。
「なあクリボー……っと、寝ちまったか……しゃあなし、俺はデッキ弄ってますかね」
そんなこんなで暇潰しを始めて5時間が経過した頃、城内に遊戯達が入ってきた場面を目撃した……あれ? キースは入ってきてたっけ?
『クリッ……!? ……クリィ』
「あー、二度寝しようとしている所悪いが、ちょっとあそこ見てみ? 面白いものが見れるぞ」
『クリ~?』
「ほらあそこ、遊戯と海馬が……ああ、海馬はあの茶髪のやつだよ。デュエルするみたいだからな、よかったら一緒に見ようぜ」
『クリクリ~!』
「行くぞ遊戯! 再び雌雄を決する時だ! デュエルディスクによる、この究極のカードバトルでな!」
「どんなデュエルでも受けてたつ。そして海馬、お前を倒す!」
「「デュエル!」」
「俺のターン! 『闇・道化師のサギー』を守備表示で召喚、カードを1枚伏せターンエンドだ!」
おおー、モンスターが立体化した!科学の力ってスゲー!
『クリ……!』
「オレのターンドロー! ……『岩石の巨兵』を守備表示で召喚し、永続魔法『悪夢の蜃気楼』を発動! カードを4枚伏せターンエンドだ」
「ぬ……ふぅん。良いだろう、俺のターン!」
うわぁ、『悪夢の蜃気楼』だぁ……相手ターン限定で手札を4枚にするパワーカード。破壊されたらデメリット効果を踏み倒せるが……あの伏せカード、破壊できるカードも伏せてあるだろうな。
海馬 LP4000 手札4枚 守備表示モンスター 『闇・道化師のサギー』 伏せカード1枚
遊戯 LP4000 守備表示モンスター 『岩石の巨兵』 永続魔法 『悪夢の蜃気楼』 伏せカード4枚
「スタンバイフェイズに『悪夢の蜃気楼』の効果で4枚ドローするぜ」
「姑息な手を……だが、貴様の小細工など全て粉砕してくれる! トラップカード『破壊輪』発動! 貴様の雑魚モンスターを破壊し、互いに攻撃力分のダメージを受ける!」
「くっ……」
遊戯 LP4000→2700
海馬 LP4000→2700
「更に俺は『闇・道化師のサギー』を生け贄に捧げ『ダークフレア・ドラゴン』を召喚! 『ダークフレア・ドラゴン』の効果を発動し、手札とデッキから『守護竜プロミネシス』と『コドモドラゴン』を墓地へ送ることで貴様の墓地に送られた雑魚モンスターをゲームから除外する!
そして墓地へ送られた『コドモドラゴン』の効果により、俺は手札からドラゴン族モンスターを特殊召喚する! 来い! 『
「だが速攻魔法『非常食』を発動! 伏せている2枚と『悪夢の蜃気楼』をリリースし3000ポイントだけライフを回復するぜ。そして、破壊された『運命の発掘』の効果で1枚ドロー!」
遊戯 LP2700→5700
「ふん、だが伏せていたカードは『聖なるバリア─ミラーフォース』と『
「いくぜ、俺のターン! 俺は『クリッター』を召喚。そして『死のマジック・ボックス』を発動! 『クリッター』をお前のフィールドに移し『
「なにっ!?」
「1ターンに1度しか召喚は出来ない。カードを1枚伏せてターンエンドだぜ」
遊戯 LP5700 手札3枚 伏せカード1枚
海馬 LP2700 手札1枚 伏せカード1枚
「おのれ……! 俺は手札の『サンダー・ドラゴン』の効果を発動! このカードを墓地へ送り、デッキから『サンダー・ドラゴン』2枚を手札に加える。更に墓地の『サンダー・ドラゴン』と『闇・道化師のサギー』をゲームから除外し『ダークフレア・ドラゴン』を特殊召喚! 『クリッター』、『ダークフレア・ドラゴン』で貴様にダイレクトアタック!」
「くっ……」
遊戯 LP5700→2300
「ふん……いくら小賢しい手を使おうが、この俺にとっては塵芥に過ぎん。貴様の敗北は既に決まっているのだ! 遊戯!」
「焦るなよ、ゲームはまだ始まったばかりだぜ。オレのターン、手札から『光の護封剣』を発動! このカードによりお前は3ターンの間、攻撃宣言が出来ないぜ。更にカードを1枚伏せて『エクスチェンジ』を発動! 互いに手札を1枚交換する。俺は『サンダー・ドラゴン』1枚を貰うぜ」
「……良いだろう、くれてやる。だが俺は貴様の『ブラック・マジシャン』を手札に加えるぞ」
「ああ良いぜ、オレはこのままターンエンド」
遊戯 LP2300 手札1枚 伏せカード1枚 永続魔法 『光の護封剣』
海馬 LP2700 手札2枚 伏せカード1枚 攻撃表示モンスター 『クリッター』 『ダークフレア・ドラゴン』
「俺のターン! 『天使の施し』を発動! 手札を3枚引き、2枚を墓地へ送る。そして手札から『ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者』を召喚! そして手札より『ドラゴン・復活の狂奏』を発動! 墓地に眠るドラゴン族モンスター2体を特殊召喚する! 再び現れよ! 『
なっ、ブルーアイズが2体!?……そうか『天使の施し』で『サンダー・ドラゴン』と一緒に墓地へ送ったのか。
「フゥン、貴様がいくら策を労しようがこの俺には通用せんわ! さあ、デッキからカードの剣を抜くが良い遊戯!」
「ふっ、そいつはどうかな? オレのターン。手札から『強欲な壺』を発動し、2枚ドロー。そして俺は『グレムリン』を守備表示で召喚、カードを1枚伏せてターンエンドだぜ」
「どうした、威勢が良いのは口先だけか? 守ってばかりではこの俺を倒すことなど不可能よ! 俺のターン!」
遊戯 LP2300 手札1枚 守備表示モンスター 『グレムリン』 永続魔法 『光の護封剣』1ターン経過 伏せカード2枚
海馬 LP2700 手札1枚 攻撃表示モンスター 『クリッター』 『ダークフレア・ドラゴン』 『
「いつかの意趣返しだ、遊戯! 俺は手札から『クロス・ソウル』を発動、貴様の『グレムリン』と俺の『ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者』を生け贄に捧げ『ブラック・マジシャン』を召喚! 精々足掻くことだな。だが残り2ターンでこの盤面を突破するなど不可能! さっさとサレンダーしたらどうだ」
「それはどうかな? オレのターン! リバースカード『所有者の刻印』を発動!」
「なにッ!?」
「海馬、お前に渡した『ブラック・マジシャン』と『クリッター』は此方のフィールドに戻ってくるぜ! 更にマジックカード『魔術の呪文書』を『ブラック・マジシャン』に装備! これで『ブラック・マジシャン』の攻撃力は3200、お前の『
「くっ……遊戯、貴様ァ……!」
「海馬。お前はデュエル中、ずっとオレではない誰かのことを考えている。そんな状態で勝てるほど、オレは甘くないぜ。『クリッター』を守備表示にし、バトル! 『ブラック・マジシャン』で『
「甘いわ! カウンタートラップ『攻撃の無力化』を発動し、貴様のバトルフェイズは強制終了する!」
「ふっ、だがこれで攻勢は逆転したぜ、ターンエンド!」
遊戯 LP2300 手札1枚 攻撃表示モンスター 『ブラック・マジシャン』←『魔術の呪文書』 守備表示モンスター 『クリッター』 永続魔法 『光の護封剣』2ターン経過 伏せカード1枚
海馬 LP2700 手札0枚 攻撃表示モンスター 『ダークフレア・ドラゴン』 『
「俺のターンッ! まだ勝負が決した訳ではない! 手札から『命削りの宝札』を発動! 俺は手札を5枚になるようにドローし、5ターン後に全ての手札を墓地に送らなければならない。だが、貴様を葬るのに5ターンもかからんわ!」
あーっ! 原作効果の『命削りの宝札』だぁ……! 欲しい……が、あまり見ないということは相当なレアカードなのだろう、羨ましい。それにしても……海馬は随分と焦っているな。それも当たり前だろう、弟の命が掛かっているのだ。しかし遊戯はそんな気持ちで勝てる相手ではない。果たしてどうなるか……
「遊戯、貴様に我が最強の僕を見せてやろう。俺は手札から『融合』を発動! 『
「攻撃力……4500だって!? 不味いぜ遊戯……!」
「更に! フィールドにドラゴン族モンスターが存在する時『スタンピング・クラッシュ』を発動! 貴様の『光の護封剣』を破壊し、500ポイントのダメージを与える!」
「くっ……!」
遊戯 LP2300→1800
「バトルだ! 『
「ふっ、トラップ発動! 『シフトチェンジ』! 『クリッター』へ攻撃対象を移すぜ! 『クリッター』が墓地に送られた効果でデッキから『クリボー』を手札に加える!」
「フン、防いだとて貴様の劣勢に変わりはない! 『ダークフレア・ドラゴン』を守備表示に変更し、カードを2枚伏せターンエンド!」
「俺のターン! 俺は『天使の施し』を発動! 俺は手札から『クリボー』を召喚! 更にマジックカード『増殖』を発動し、『クリボー』を可能な限り増やすぜ!」
おお! なるほど、クリボー増殖コンボで守りを固めに来たか……いや? これはもしや……!
「ふん、いくら守りを固めたとて、この俺に勝つことなど出来んぞ」
「ああ、だが『クリボー』には、このコンボカードを使うことで隠された効果を発動することが出来るぜ! マジックカード『機雷化』を発動! 増やした『クリボー』を破壊し、その数までお前のカードを破壊するぜ」
「なにっ!? くっ、速攻魔法『融合解除』を発動! 『
「ならば俺は、伏せカードと『
「ぐっ……『
「ふっ、更にオレは『死者蘇生』を発動! 来い! 『バスター・ブレイダー』! 『バスター・ブレイダー』は、お前の場と墓地に存在するドラゴン族モンスターの数だけ強くなる! コイツの攻撃力は6100だぜ!」
「なにっ!?」
「『バスター・ブレイダー』、『ブラック・マジシャン』でモンスター2体に攻撃! さあ、これで形勢は逆転したぜ」
「くっ……! 俺のターンッ!」
(まだだ! 遊戯の手札は0枚、死のデッキ破壊ウイルスを発動さえ出来れば……! モクバ……ペガサス……遊戯……!)
「────クバ……」
……やはりこうなったか。海馬は決心がついたかのような、吹っ切れた顔になり、静かに後退してゆく。
「……………遊戯……ゲームはこれからだ……」
「……海馬? なにを……ッ!?」
「この床のマス目1つを、俺のライフポイント100とする。そして、失った分だけ、マス目を後ろに下がる」
「なッ!?」
「遊戯、俺はデュエルで死ぬなら本望だ!」
「海馬君! 危険なマネはやめて!」
「あのヤロー! 海馬! てめえきたねえぞ! そんなハッタリでデュエルに勝つ気かよ!」
「でも……もしハッタリなんかじゃなかったら……!」
「……海馬……!」
その後は知っての通り、遊戯は海馬の命を懸けたデュエルに、決着をつけることが出来ず負けた。どちらにも負けられない理由がある。しかしデュエルに勝っても、決闘者として海馬は負けたのだ。そんな状態でペガサスと戦ったとて勝てはしないだろう。
「失礼、狐桜様、この後ペガサス様と海馬コーポレーションの社長である海馬瀬人との特別試合を行います。ですので時間になり次第、指定する場所に来て頂きたいのです」
「──分かりました」
あのデュエルから数分後、部屋の扉をノックをされたので入室を促せば、スタッフの人がそう述べた。……遂に物語としての 遊戯 王 が始まる。俺という異分子が混入したことで、その物語がどうなるか……気合いを入れ直さないとな。
因みに気づいた人がいるやも知れませんが、海馬は精神的に追い詰められているせいか、数回プレミをしています。