Re:初代アニメ版遊戯王の世界にクリボー好きが転生したら… 作:無銘の紅茶
転生してはや3ヶ月この生活にも慣れてきた。色々あったものの、詳細は省いて要点を3つほど説明をしよう。
1つ、童実野町での生活がどうなったか。
これは普通にヤバそうな所に近付かなければ大丈夫でした。
まぁ、原作であんな事になってたのって、多分わざわざ危ないところに首突っ込んでたからって言うのと、平和な時は話にしてなかったって言うのがあると思う。
2つ、高校で初代主人公 武藤遊戯 の姿を発見。作品の1ファンとしてリアル遊戯に出会えて感動した……改めて思うのだが、あの髪の毛、一体どうしてああなってるのだろうか?
……周りの人も大して反応していなかった所を見るに、アレがこの世界だと普通なんだろうな、多分きっとメイビー。
そして3つ、何故か全国大会に出場することになりました!
……まるで意味が分からんぞ!?
普通に過ごしていたはずなのに……一体何故……
『いやぁ~せっかく転生させた君を見ていたのに面白い出来事がまったく起きなかったからね。ま、是非もないよネ!』
などと光の玉、俺を転生させた張本柱が供述しており……コイツヨォ……!鍛えあげたデュエルマッスル使って地面とキスさせてやろうか!
しかし殴っても実体が無いのか拳がすり抜けてしまう……やはりカードの実体化でもしない限り無理か。
『アッハッハ!まぁせっかくの機会だし、楽しんできなYO!』
そうして光の玉はスッと目の前から姿を消した。アイツをどうにかして懲らしめる方法でもあればなあ……今度、駄目元でクリボーに頼んで殴ってもらうか?素打点300だが、クリベーの効果で4800にすれば効きはするだろう。破壊神より強いレベル1とは……?
まあ、それはそれとしてだ。
確かに最近は、他の人とデュエルしても殆ど手応えが無かった。この機会に、今のこの世界の上位の実力がどのくらいか、見てみるのも良いのかもしれない。
そして大会当日、沢山の観客や審判に見られながらデュエルが始まった。初戦の相手は原作で見たような変テコな名前ではなく、ハンドルネームのような名前をしている至って普通の……いやキャラは濃いな。そもそも普通ってなんだっけ?まずいな、3ヶ月で街に馴染みすぎたかもしれない。
何はともあれ、試合が始まるのでそんな思考を置き去りにして目の前に集中する。
「対戦よろしくお願いします」
「よろしく頼むわ!まあすぐに敗けるでしょうけどね!」
俺は普通に挨拶をしたが、相手はデュエル前にも関わらず、勝利宣言を……デュエル前にソレは普通に負けフラグなんだよな。社長のアルティメット嫁ぐらいには負けフラグ。
(しっかし何デッキ使いだ……? 名前で分かるかと思ったがA×3TNKって名前は分からんし……)
A×3TNK 先攻 LP4000 手札5
狐桜 後攻 LP4000 手札5
「私のターンね! 私は攻撃力1850の『メカハンター』を攻撃表示で召喚するわ! 特別に教えてあげる、私のデッキにはこのレアカード3枚も入っているのよ! これが財力の力よ、貴方みたいな弱小カード使い相手じゃ話にならないわ。カードを1枚セットしてターンエンドよ」
(メカハンター……大会に出るような上位の人でも攻撃力の高い通常モンスター棒立ち状態でターンエンドね。しかもメカハンターがレアカード扱いか。そんなのを3枚入れてるか、それがどうしたとしか思えないが……)
「私のターンですね。ドロー、スタンバイフェイズに移行します。メインフェイズに移行しますね。速攻魔法『クリボーを呼ぶ笛』を発動してデッキから『ハネクリボー』を守備表示で特殊召喚します。そして相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドに攻撃力1500以下のモンスターが特殊召喚されたため、手札から速攻魔法『地獄の暴走召喚』を発動します。私はデッキから『ハネクリボー』2体を攻撃表示で特殊召喚します。『地獄の暴走召喚』の効果で、貴方もメカハンターを可能な限り特殊召喚してください」
「あらあら、良いのかしらねぇ。それになにそれ、攻撃力300? そんな雑魚カード何体も出したって無駄よ。貴方のお陰で私のフィールドには攻撃力1850のメカハンターが3体も居るの! そんなモンスターだけでこの布陣を越えられる訳がないわ」
「それはどうでしょう、手札から魔法カード『ワン・フォー・ワン』を発動します。手札から『クリアクリボー』を墓地に送りデッキから『クリバー』を守備表示で特殊召喚します。そして、『クリビー』を守備表示で召喚しバトルフェイズに移行します」
「バトルですって? 一体何を──」
「『ハネクリボー』で『メカハンター』を攻撃します」
『クリッ!?』( °д°)!?
(すまんハネクリボー…今度上手いケーキ作ってやるから今は我慢してくれ…)
狐桜LP4000→2450
「あらぁ? もしかして私の『メカハンター』3体を相手にして自棄になったのかしら?」
「『ハネクリボー』の効果が発動し、このターン自分の受ける戦闘ダメージを0にする効果にチェーンして『クリバー』の効果発動、さらにチェーンして『クリビー』の効果を発動します。『クリビー』の効果で『クリボーを呼ぶ笛』を手札に加えます。『クリバー』の効果で『クリボーン』を守備表示で召喚します。そしてもう一体の『ハネクリボー』で『メカハンター』を攻撃し破壊されますが『ハネクリボー』の効果で戦闘ダメージはありません。ターンエンドです。」
『クリクー!』(>д<*)
(あー……すまん。今度から自爆特効は控えるよ)
ハネクリボー達から此方に訴えかけるような泣き顔を向けられ、他のクリボー達にも何すんじゃオドリャア!って感じの反応をされた。すまんな、暴走召喚は攻撃表示なんだ。リンクリボーを出せたら話は別なんだが……リミ解で死にかねないので流石に残すわけにはいかない。
A×3TNK LP4000 手札4枚 攻撃表示モンスター 『メカハンター』×3 セット1枚
狐桜 LP2450 手札2枚 守備表示モンスター 『クリバー』『クリボーン』『ハネクリボー』 『クリビー』
「あら? 狙いは耐久かしら、無駄の事を……『サンダーボルト』を発動してモンスターあなたのモンスター全てを破壊するわ!」
「破壊され墓地に送られた『ハネクリボー』の効果にチェーンして『クリバー』の効果を発動、更にチェーンして『クリビー』の効果を発動。デッキから『増殖』を手札に加えます。そして『クリバー』の効果で『サクリボー』を守備表示で召喚します」
「ッチ! うざったいわねぇ……いいわ! そっちがその気なら、罠発動! 『メタル化魔法反射装甲』! 装備する対象は『メカハンター』よ! まあ『ハネクリボー』で戦闘ダメージは0だけどその『サクリボー』を『メカハンター』で攻撃! 悪足掻きもここまでよ、ターンエンド。さあカードを引きなさい、それが貴方のラストドローになるわ」
A×3TNK LP4000 手札4枚 攻撃表示モンスター 『メカハンター』×3 永続罠 『メタル化魔法反射装甲』
狐桜 LP2450 手札3枚
(さて……決着をつけるか……)
「……自分のターンですね。貴方の墓地モンスターの数より私の墓地のモンスターの方が多いため、手札から『クリバビロン』を特殊召喚します。『クリボーを呼ぶ笛』を発動し、デッキから『クリボー』を特殊召喚。そして速攻魔法『増殖』を発動、クリボーのトークンを4体出します。手札から『クリバビロン』に『団結の力』を装備します。よって『クリバビロン』の攻撃力は9700」
「こ……攻撃力……9700…?」
「『メカハンター』に攻撃します。何かありますか?」
「な……何も……無いわ……そんな……私が……あんな雑魚モンスターの寄せ集めに……負けた……?」
まさかあの状況で自身が負けるとは思っていなかったのか呆然と俺の方を見ながら、うわごとのようにボソボソと何かを呟いていたが、正直俺としては落胆しか無かった。
A×3TNK LP4000→0
「しょ……勝者狐桜選手!攻撃力9700の『クリバビロン』の攻撃で決着です!」
審判、観客共にまさか俺が勝つとは思ってなかったのか、試合後だと言うのに、ザワザワと困惑の声が多い。そりゃルールも未だ整備しきれていない現時点のデュエルモンスターズじゃこうなるわな、俺TUEEEというより蹂躙……これじゃあ面白くない。
(はぁ……やっぱり今の上位もこの程度か)
「すみません、少し体調が悪くなってきたので棄権します」
「か、かしこまりました。気をつけてお帰りください。」
ここにいても得るものも無いし、優勝して悪目立ちもしたくはない、なにより時間の無駄だ。そう思った俺はスタッフに帰る旨を伝え会場を後にした
帰り道、まるで下手な接待を受けたような感覚で落胆と怒りが混ざったような気持ちのまま、神に質問を投げ掛けた。
「なあ、なんで俺を初代に転生させたんだ? ARC-Ⅴ辺りからでも良かったんじゃねぇか?」
『もし、君をリンクやエクシーズがある時代に送っても……君は殆どピンチにはならないじゃん? 多分だけど、エクシーズがあれば耐えてアセンブリーで5連打。リンクじゃリンクリボー3体出して耐久。シンクロといっても5D'sぐらいのカードパワーじゃなんとかなる。だろ?』
「まぁ……だとしてもさっきの試合見てたろ?」
『確かに相手は弱かった、"今"はね? バタフライエフェクトって知ってる? 少しの行動の違いで大きく未来が変わる事なんだけど……君は全国大会という人の目が沢山ある場所であんなデュエルを見せたんだ。初代、しかも原作前という、ルールが殆ど設定されていない時代でだよ? ……さーてここからどう変化していくか楽しみだなぁ』
「……そんな上手く変わるもんかね?」
『フフフ、忘れてないかい? 僕にとってこの世界は箱庭のような物だ。人の思考を操ることだって出来るし、天啓を与えることだって出来る。試しにやってみようか?』
((ファミチキください))
「こいつ直接脳内に……!」
『クリ……!』