Re:初代アニメ版遊戯王の世界にクリボー好きが転生したら… 作:無銘の紅茶
プロローグ──転生──
かぁー! 巳剣ライゼオルとかデュエルさせる気ねぇだろうが、汎用誘発も引けてないし……!こーっなったら一滴だ!幸いライストが手札にあるし、キマイラ初動だってある。その上影の光にサクリボーも居るからデモスミにも移行できる! さあ来い! 来い! コォーッイ!
そんないつも通りの日常を送っていた俺の視界は、突如として暗転した。
気が付けば真っ暗な空間に居た、何がなんだか分からないが周囲を確認しようと頭を動かすがもっと意味が分からなくなった。見渡す限り暗く黒く床がない、かといって落ちている様な感じでもない……一体どういうことなのだろうか?
(……そうか夢か)
『残念ながら夢じゃないんだよねぇ』
急に目の前が明るくなったと思ったら光の玉が目の前に居る……うん?この玉なんつった?
「いやいや、夢じゃなきゃおかしいだろこの状況」
『ホントにそう思ってる? 夢だったら、もう夢だと思った時点で覚めればいいだろう。現実逃避もいい加減にしな、君は死んだんだ』
「そんなこと言われたって信じれるかよ。それに人は死んだら脳が止まって考えることすら出来ないんだぞ。そもそも人に魂なんてあるわけが無いし──」
『あぁ普通はそうだね、ただ君はこうして意識を覚醒したまま認知しているじゃないか。』
「……なんでこんなことを?」
『話が早くて助かるよ……とはいえ、もう少し狼狽えてくれても良いんだけどなぁ』
「だって夢にしては意識がしっかりしてるし……お前さっき「死んだら脳が止まって」ってことに『普通はそうだね』って返しただろ? ってことは、お前が何かしたんじゃないかって思い至ってな」
『えぇー普通はもっと焦るんじゃないの? つまらないなぁ君』
「つまらなくて結構、それで? なんでこんなことをしたんだ?」
『僕の単なる暇潰しさ、完成された物語に異分子が入り込んだらどうなるか、興味が湧いてね』
「……神は神でも邪神の類いだったか」
『アハハハハ! なーに言ってんのさ、神様なんて録なヤツ居ないんだから当たり前でしょー?』
「……それで、完成された物語に~ってどういう意味だ?」
「ん? ああ、所謂転生ってヤツだよ。転生特典として君の要望はある程度聞いてあげるからさ、この四つの中から転生する世界を選んでくれるかい?」
そう言われて空中に出された文字にはこう書いてあった。
1回目の転生先
a ドラゴンボール
b ハイスクールD×D
c 遊☆戯☆王
d モンスターハンター
『さぁどれにす「cで」最後まで言わせてよ』
全部ヤバイが命の危険が無さそうなのはcなのでcを選ぶ。闇のデュエル?戦争?知りませんねぇ!
『そうかい、じゃあ次は所謂転生者特典だ! なんでもいいよ、言ってごらん』
「……じゃあカードの精霊の可視化と欲しいカードを3つずつ。あと様々な時代と時空の遊戯王世界に行けるようにしてほしい。あプラスでディスティニードローも出来るようにしてくれ」
『随分と多いね!? まぁいいけど……ああ、それと転生した君の設定だけど……まず一つ、親は居ないよ。年も変わんないから15歳だね、家賃光熱費税金諸々は僕がなんとかするから気にしなくて良いよ~』
「至れり尽くせりだな……」
『まあね、物語関係ない所で死なれちゃ困るの僕だから。それじゃあ準備が終わったんで、そろそろ行ってらっしゃあーい』
そう言われて俺の意識は遠退いて行く……分からんことしか無いが、まあ良いか……
──プロローグに続く──
──アルバイト──
さて困った金がない……いや500万あるがこれが無くなるのも時間の問題だろう。そもそも15歳という食べ盛り且つ成長期真っ只中なのにお金が500万しかないとかあの神ケチだなぁ
バイトでもするか。
さて、ここで問題が一つ。俺が通っている童実野高校は、なんとアルバイト禁止である。特別な事情があれば良いらしいのだが……変装してするか。 おおーっと勘違いするなよ? 勿論アルバイトで身分を偽るのはいけないことだが、俺が言っているのは逆だ、普段変装してアルバイトの時に変装を解けばいい。法律遵守、ふはは! 完璧ではないか! 校則違反? 知らんなぁ!
『君って時々馬鹿になるよねぇ』
『クリクリ~(;゚Д゚)』
「いやいや、意外と眼鏡掛けただけでも結構バレないもんよ。それにカツラを被ればいい。そもそもなぁ、お前に転生させられて、何 故 か 髪の色が変わってるもんで、毎朝鏡見ては違和感凄いんだよ。日常生活の時ぐらい見慣れた黒髪になりたい」
この世界に来て顔も筋肉も体型も変わっていないのに、何故か髪色だけ変わっているという……本当に何故?
『えぇーいいじゃんその髪の色、意外と難しかったんだからね地毛の色を変えるの……まあ良いや、それぐらいなら僕が作ってあげるよ。変装セットとかあったら面白そうじゃない?』
「まあ、貰えるんなら貰うけどさ」
コイツ、行動全て面白いか面白くないかで決まってんのか……?
──修行──
『それじゃ今度は熊を倒してきてよ』
「……ふざけんなぁ! 俺はドラゴンボールの世界やグラップラーの世界に転生した覚えはないぞ!」
時は夏休みの始めに遡る。
俺は部屋で腕立てやプランク、腹筋やスクワット等で体を鍛えていれば、急に──
『やぁ!いつまでそんなちまちました修行してるんだい?』
と、目の前に光の玉が現れた。その時点でも結構警戒をしていたものの……
「これ以外にデュエルマッスルを鍛える方法があると?」
『そうだなぁ、取り敢えず無人島に行こうか!』
──はい……?
その後の事はあまり覚えていない……というか思い出したくもない。滝行やらドローの練習とかをやらされた気もするが……まぁ取り敢えず──
「熊を1頭伏せてターンエンドォ!」
人間、なんとかなるもんである。
──主人公チームとオリ主──
「そう言えばさ狐桜君ってもう大会に参加しないの?」
ヒトデ頭の気弱そうな少年、武藤遊戯が此方へ話し掛けてくる。時刻は12時50分、授業が始まる少し前の昼休み。
大会に参加するかは……正直楽しそうなら参加したい。けれど目立ったら目立ったで面倒臭そうなので、あまり乗り気ではない。
「そうだなぁ、面白そうだったら参加するかな。少なくとも相手が強そうなら参加したいもんだね」
「あはは、そうだね。デュエルモンスターズも人気になってきたし、そろそろ町内でも規模の大きい大会がありそうだけど……」
「だと良いんだけどなぁ」
「お、デュエルモンスターズの話か? 俺も混ぜてくれよ」
そう話し掛けてくるのは凡骨……というより初代の成長系主人公、城之内克也。なんか一瞬顎が尖っていたような……気のせいか?
城之内が会話参加した直後、後ろから本田ヒロトと真崎杏子も出てきて初代の仲間達が大集合……俺邪魔では?
「なぁ、そういえば前々から気になってたんだけどよ、狐桜のデッキなんか分厚くないか?」
「60枚デッキだからね、40枚よりは多いよ」
「60枚だとォ!? ……そうか、クリバビロンか」
「まてまて、何がそうかだよ。全然分からねぇよ」
「へへーん、本田もまだまだだな。オレのデュエル……なんだっけか? スフィンクス? は一流なんだぜ」
「……もしかしてタクティクスって言いたいんじゃないでしょうね」
「それだそれ、タクティクスな!」
「デュエルは出来ても覚えんのは苦手なんだな」
「なぁにをぉ!」
何故か聞き覚えのある間違い方をする城之内を横目に、まさか本当にスフィンクスと言うとは思わなかった俺はこの日常会話に感動していた。デュエル中にデュエルタクティクスと言い続けていた甲斐があったというものだ。
「……あ、もう授業が始まっちゃいそうだよ」
「そんな時間か……なぁ、狐桜! 放課後またデュエルしてくれよ」
「良いよ、コテンパンにしてやるさ」
なんだかんだ仲良くなっていくのは、この四人が凄く良い奴等だからなのだろう。ずっと、こんな調子で過ごせれば良いんだけどなぁ……