Re:初代アニメ版遊戯王の世界にクリボー好きが転生したら…   作:無銘の紅茶

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遂に王国へ

「でっけぇー……」

『クリィ……』

 

 とある船着き場、目の前には超巨大な豪華客船が……これが王国行きの船か、想像の数倍デカくて圧倒されるな。船を前にして呆けていれば、ガタイの良い黒服の男が俺に近付いて声を掛けてくる。

 

「招待客様でしょうか? 御乗船の場合はスターチップの提示をお願いします」

「ああ、はい」

 

 促されるままにスターチップを見せれば、ポートサイドまで案内されて流れるように乗船する。無駄に長い廊下を歩いていると、俺の目の前に突然光の玉が現れて言葉を発した。

 

『おや意外、遊戯達と一緒に行かないんだね』

 

「別に一緒じゃなくても多分タコ部屋で合流するだろ」

 

『……へー』

 

 なんだその反応、心なしかコイツがニヤついている様な気がする……なにか見落としていたか?嫌な予感がしつつも、足を止めずに歩き続ける。徐々に歓談の声が大きくなり、その方へ向かえばとうとうタコ部屋に辿り着いた。さて、遊戯と城之内は──

 

──30分後──

 

 ……おかしい! ここまで探して居ないのは絶対におかしい!

 

『そりゃあ、大会上位入賞者には別に部屋が与えられるんだよ? タコ部屋に居ないのは別におかしい事じゃないと思うけどなぁ?』

 

 あ……そうだ、原作と違って今の城之内は日本大会4位だった……あれ?もしかして、皆も一緒の部屋に?

 

 ・ ・ ・ \(^o^)/

 

 その後、何事もなく船は進み続け……やがて目的地へと辿り着いた。船を降りて案内されるまま広場へと足を運ぶ。その際に遊戯達の姿が見えたので、大筋の流れは原作と違っていないことに一安心しつつも、城之内が参加する理由が理由なので、改めて気を引き締める。まあ最悪俺が出資しても良いのだが……流石に城之内も友人から大金を貰うってのは気持ち的にアレだろう。なので今回は謎の決闘者Kとして傍観しつつ補助に回るとしよう。

 

「ウェルカム、ようこそデュエリストキングダムへ! それではルールを説明しまショウ!」

 

 おっと、考え事をしていたら主催者のペガサス・J・クロフォードがルール説明を始めた……真面目にに聞いておこう。

 

「──ではデュエリストの諸君検討を祈ってマース!」

 

 ふむ、ライフ4000の通常ルールで、戦う場所に応じてフィールド魔法が貼られる……と。原作の%処理が無くなって安心ではあるものの、高々攻守が200上がっても、なぁ。『闇』とか『ダークゾーン』が貼られるなら良いのだが、まあそんな場所はねぇってのがオチだろう。にしても、あれがペガサスか……やっぱり変な喋り方だ。

 

 さて、自由行動になったので早速遊戯達を……って居ない!?どこ行った!?

 

「クリボー! 見てなかったか?」

『クリクリ~(('д'≡'д'))』

 

 クリボーに聞くが知らないといった風に全身を横に振る……Oh my god……!

 

『なに呼んだ?』

「お前じゃない!」

 

 はぁ、遊戯達とは別行動か……ま、まあ遊戯は言わずもがな。城之内だって相当に強い。……城之内はカードパワーが低いのが難点だが……パックを買うお金すら無いのだ。それを言ってもしょうがない。それでも俺からカードをちょくちょくあげているし、持ち前の運だって……あー、まあ、ここぞという時は強い奴だから。うん、だ、大丈夫だ、問題ない……筈。

 

「あ、そうだ! 自称神なら何処に行ったか分かる──って居ねぇ!?」

 

 光の玉を探すがこういう時に見つからないんだから……しゃあなし、とっとと星集めて城に行くか。

 

 

 ──とある森の中

 

「「デュエル!」」 『クリッ!』

 

「私は『ヂェミナイ・エルフ』を攻撃表示で召喚! そして『ワンショット・ワンド』を装備。カードを1枚伏せてターンエンドです」

 

「私のターン、ドロー、スタンバイ、メイン。手札から『隣の芝刈り』を発動。デッキの上から20枚のカードを墓地へ送ります」

 

「へ? あ、はい」

 

「……手札から『サイバー・ドラゴン』を特殊召喚し『ティンクル・ファイブスター』の効果でリリース。デッキからクリボー5兄弟を特殊召喚。そして『クリバー』の効果で5体をリリース、『クリバビロン』をデッキから特殊召喚します。フィールド墓地には合わせて20枚のクリボーモンスターが居るので、『クリバビロン』の攻撃力は7500。バトルです、『ヂェミナイ・エルフ』に攻撃、何かありますか?

 

「なっ! 7500!?」

 

「何かありますか?」

 

「……サ、サレンダーだ」

 

「分かりました。ではスターチップを貰いますね」

 

「……はい」

 

 

 うっひょー! 『隣の芝刈り』無制限環境たっまんねぇ~

 魔法罠20枚程度なので墓地にクリボー達が溜まり『クリバビロン』でワンキル。伏せてある魔法罠カードが怖いが、大体の人達は神より火力の高い『クリバビロン』に恐れ戦き降参してゆく。スターチップはパパッと集まった。

 

 


 

 

 スターチップを8つ集めた初日の夜中、テントを張って中でスヤスヤと眠っていれば──

 

「うわぁぁああ!」

 

 と、遠くから耳を劈くような悲鳴が聞こえて飛び起きる。

 

「……聞こえたかクリボー」

 

「クリ……クリ?」

 

「行くのかって? このまま放置とか目覚め最悪になるぞ」

 

「クリぃ……」

 

 目を擦りながらも眠そうな顔をしたクリボーを連れ出し、悲鳴が聞こえた方へと走る。……カードの精霊でも眠くなることってあるんだなんて状況にそぐわぬ事を考えていれば、暗闇の中、遠くに人影が見えた。

 足下が悪い暗き森の中を飛び走り、現場と思わしき場所に辿り着くと──そこには、デュエルリングの前で黒い服を着た人相の悪い男と、地面に倒れ伏せている人が居た。

 あー、なんだっけ……プレイヤーキラーみたいな敵もそういや原作に居たっけな?でもあんな顔だったか……そもそも暗くてよく見えん。

 

「よぉ、今宵は随分と騒がしいな……お前の仕業ってことで良いんだよな?」

 

「何者だ!」

 

 ローブを身に付け、フードを深く被り全身を覆う不審者……そう、俺だ!特段変装する意味は無いが、遊戯達とブッキングしても困る。これにはウィチプルーフ山より高くアゾフ海より深い事情が……っと、それは追々で良いか、今は目の前のキラーをなんとかしなければ。

 

「なんだかんだと聞かれたら、答えてあげるが世の情け……やっぱ答えねぇで良いか」

 

 クリボーとプレイヤーキラーが俺の発言にずっこけた、なにもそんなオーバーリアクション取らなくても良いじゃないか。

 

「ほ、本当に何なんだお前は……」

 

「ふっ、地獄からの死者! 栗魔道師!」

 

 深夜テンションのままポーズを取り変な奴を演じる。不審者には不審者ぶつけんだよぉ!

 

「くっ……まあいい、お前も決闘者だろう? ならば正々堂々デュエルで語ろうではないか!」

 

「受けて立とう、スターチップは何個掛ける?」

 

「5個全てだ、お前も全て掛けてもらう」

 

「残念だが俺は8個、3個足らんぞ」

 

「ちっ、まあ良いだろう。さあ、デュエルリングに上がりな! ゲームを始めようじゃないか」

 

「良いだろう」

 

「「デュエル!」」

 

 デュエルリングへ足を運び、互いに定置について開始を宣言すれば、デュエルリングから機械が飛び出し俺はその場に固定される。相手も俺と同じようで、足と肩に機械が取り付けられてその場から動けなくなっていた。

 

「この機械はデュエルが終了するまで外れんぞ、これで逃げられなくなったわけだ」

 

「じゃあとっとと終わらせてやる、こちとら夜中で眠いんだわ」

 

「ではお望み通り終わらせてやろう、私は手札から『魔道サイエンティスト』を守備表示で召喚! 更に手札から永続魔法『異次元海溝』を発動! 手札の『カタパルトタートル』をゲームから除外する。そして『魔道サイエンティスト』に『月鏡の盾』を装備! カードを2枚伏せ、ターンエンドだ」 

 

「げぇ、サイエンカタパ……!」

 

 皆大嫌いお手軽ワンキルコンボだ。けどそれ、俺相手だと──

 

「ふっ、知っているようだな。さっさとサレンダーしたらどうだ?」

 

「なにをぉ、俺のターン……俺は『クリバー』を守備表示で召喚。カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

「そこで! 速攻魔法発動『ダブル・サイクロン』! 私は自分の『異次元海溝』を破壊し、貴様の伏せカード1枚を破壊する!」

 

「ちっ、エンドサイクなんて古典的な……いや、今は主流か?」

 

「何をぶつくさ言っている、私は破壊された『異次元海溝』の効果で除外されている『カタパルトタートル』を特殊召喚する!」

 

 狐桜 LP4000 手札3枚 伏せカード2枚 守備モンスター 『クリバー』

 

 雇われ決闘者 LP4000 手札0枚 伏せカード1枚 守備表示モンスター 『カタパルトタートル』 『魔道サイエンティスト』←『月鏡の盾』

 

「私はァ! 手札から『治療の神ディアンケト』を発動。それなチェーンし、速攻魔法『非常食』の効果で『治療の神ディアンケト』と『月鏡の盾』の2枚をリリース。『月鏡の盾』の効果でライフポイントを500払い、デッキの一番上へと戻す。これによりライフポイントは6500となった! そして『魔道サイエンティスト』の効果でライフを1000減らし、エクストラデッキから『紅陽鳥』を特殊召喚! それを3回行わさせてもらう!」

 

 雇われ決闘者 LP4000→6500→3500

 

「『カタパルトタートル』の効果を発動! 『紅陽鳥』をリリースし、お前に1150のダメージを与える!」

 

「手札から、『クリアクリボー』の効果を発動。ダメージを与える効果を無効にする」

 

「ちっ、だがまだ弾は残ってるぜ? 再び『紅陽鳥』を射出!」

 

「ライフで受ける」

 

 狐桜 LP4000→2850

 

「再度『紅陽鳥』をリリース!」

 

「『クリアクリボー』の効果で無効だ」

 

「ちっ……だが甘い! 『魔道サイエンティスト』の効果を発動! 更に『アクア・ドラゴン』を3体特殊召喚! そのまま射出だぁ!」

 

 雇われ決闘者 LP3500→500

 

「……頃合いか。『カタパルトタートル』の効果にチェーン、『ジャンクリボー』を手札から捨て、効果を無効にし破壊する」

 

「……な、な、なぁッ!?」

 

 男は酷く狼狽する。まあ、まさか凌がれるとは思ってもなかったんだろう。当たり前だ、手札3枚全部ダメージ無効とか誰も思わんよ。なんだこの事故手札は……けど、今は助かったがな

 

「馬鹿みたいにライフ削るもんだから此方も手間が省けたよ、そのまま殴ってきた方が強かったんじゃねぇの?」

 

「貴様ァ! 『アクア・ドラゴン』でその雑魚モンスターに攻撃!」

 

「破壊された『クリバー』の効果で、デッキから『クリバビロン』を特殊召喚」

 

「攻撃力……3000だと!?」

 

「戦術としては悪くないが、残念。相手が悪かったな……ほら、ターンエンドしろよ。それともサレンダーするか?」

 

「ぐ、ぐぐぐ……舐めやがってェ!」

 

 ジャキッと機械音が鳴り、男は大きな銃のようなモノを取り出し、此方に向けた。……あー、はい。火炎放射器か。ガソリンとガスの臭いから察し、俺を押さえつけていた機械を力任せに壊して振りほどく。前傾姿勢で男へと走り出すと共に、頭上には凄まじい熱気を放つ真っ赤な炎が発射された。

 

「くっ、来るなぁ"ア"ッ!」

 

 喚き散らす男に近付き、レバーブローを叩き込めば、男は息を荒げて地面に倒れ伏す。……あ、やりすぎた。

 

「……まあ良いか、それじゃあスターチップは頂くぞ」

 

「ゲホッゲホッオエッ……ぁ、ぁあ、あ……」

 

 男は息も絶え絶えになりながら、呻くように声にならない声を漏らす──正当防衛! これは正当防衛です! とはいえ目覚めも悪いので、スタッフに電話をしてから現場を後にする。

 

 テントに戻り、寝袋に再び入る。何はともあれスターチップは集まったし、明日は朝イチで城に向かうとしよう……

 

 

 

 ──あ、そういや最初に倒れてた人のことすっかり忘れてたけど……まあ良いか! 多分スタッフの人が救護してくれるだろう、そう、きっと、メイビー。

 

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