宇宙開発企業なんですけど!?   作:明田川

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申し訳ない…ストックは二話しかないんだ……


第二章(年代設定中)
停戦監視軍


「早期警戒機が捉えた目標を確認。報告通り二機、方位302、高度は60ft」

 

「…レーダーコンタクト、こちらでも確認した」

 

「当該地域への侵入は禁止されている、所属と目的を明らかにせよ。規定に基づき、撃墜も辞さない」

 

サーチライトを装備した国連軍塗装のF-15が警告を発しつつ空を飛び、周囲の未確認機に対して火器管制レーダーを向ける。更に上空には大型の無人航空機が飛行しており、早期警戒機として稼働していた。

 

「早期警戒機に再度照合を、あれはソ連系の機体か?」

 

「ここはハイヴから近い、地下侵攻の警戒地域だってのに奴ら何を…」

 

「応答なし、警告射撃用意」

 

オリジナルハイヴの攻略により支配地域の拡大を停止させたBETAは国連軍が主導し建設した防衛線構築計画により包囲、人類は一時の安寧を手に入れた。ML機関搭載兵器によるハイヴ制圧戦術も確立され、BETAはG元素の供給源と見なされつつあった。

 

「突撃砲の射程内にまで接近する、頭を抑えるぞ」

 

そんな中でBETAから奪い返した土地は所有権を巡り各国が対立する原因と化し、亡国同士による紛争へと発展した。彼らの裏には西と東に分かれた陣営の思惑もあり、正に代理戦争の様相を呈した。

 

「…敵機フレア展開、上昇している!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「フレアだと!?対人装備を積んでやがるのか!」

 

「同じ高度まで来る気だ、撃ってくるぞ!」

 

一度奪われた国土は取り返せたとしても大量の地下空洞と重金属汚染によって人が住めるような地域ではなくなった。そんな土地を巡って不安定な情勢が続くのが、BETAとの全面戦争が終わった後に始まった次の戦争だった。

 

そんな戦争を疲弊した人類が続けられるわけもなく、数年と経たずに殆どが停戦協定を結ぶことになる。そういった緊張冷めやらぬ場に配置された国連軍が停戦監視軍であり、周辺地域の治安維持活動を担っている。

 

「ブレイク!ブレイク!」

 

「CP、奴ら完全にやる気だぞ」

 

『ネガティヴだ、完全な敵対行動とは断定出来ない。対象機の監視を続行し、行動を逐次報告せよ』

 

「見て分からないのかッ!」

 

未確認機は段々と近付くにつれてシルエットが明らかとなったが、その鋭角的なブレードを多数有するその姿はSu系列の機体に違いない。細かな差異から対象はSu-27と機体のデータベースは判断したようだ。

 

「前から来る、格闘戦に持ち込まれるなよ!」

 

「このまま敵機との距離を維持する、停戦監視軍を舐めるなよ…」

 

「敵機レーダー照射!来るぞォ!」

 

跳躍ユニットとは違う噴射炎とレーダーに迫る飛来物、自らの力で曲がって距離を詰めてくる。間違いなく誘導兵器だ、空対空ミサイルを吊り下げて来たらしい。

 

「CP!レーダースパイク!スパイクだ!」

 

『交戦を許可する、武装使用自由』

 

「ミサイル!ミサイル!」

 

あまり研究が進んでいない誘導兵器とはいえ、遠距離から撃たれれば多少の軌道修正で当てられてしまう。それに敵機は上昇しつつF-15に対して距離を詰めていた、相対速度はかなりある。

 

「フレア!」

 

「こうも回避させられちゃあ速度が…!」

 

戦術機も対人戦闘を行うために改修が行われ、誘導兵器対策としてセンサーを欺瞞するための装備が搭載され始めた。こういった装備は戦術機の重量を増やすことになり、対BETA戦では完全なデッドウェイトと化すことは少なからず問題となり始めていた。

 

流石はBETA大戦を生き残った猛者というべきか、彼らはF-15Cを巧みに操りミサイルを回避した。しかしその結果運動エネルギーを大きく失い、これ以上回避を続ければ失速してしまうだろう。

 

「奴ら大型機の癖に良く動く!」

 

「距離がある内に叩き落とす、先頭のバンディット1と2に攻撃を集中!」

 

二機は突撃砲を構え、秋津島開発謹製の120mm誘導砲弾を薬室に装填する。本来なら光線属種を遠距離から正確かつ安全に排除するために開発された代物だが、帝国軍からの要求で改修された物が国連軍でも採用されていた。

 

「誘導弾を持ってるのはお前達だけじゃあない、多少射程に難はあるがな!」

 

「FOX2!」

 

放たれた砲発射ミサイルはロケットモーターにより一気に加速、迫る敵機に向かい直進した。そして数発が命中し、4機のうち2機が跳躍ユニットから火を噴いて墜落していく。

 

「命中!」

 

「グッキル、グッキルだ」

 

残りの敵機は高度を下げ、一気にこちらの誘導弾の射程内から逃れていった。直撃はせずとも被弾はしたのだろう、戦術機はそう堅牢には作れない。

 

『こちらCP、早期警戒機が所属不明機の編隊を観測した。現在増援が向かっているが、敵の方が到着が早い』

 

「こんな所で何をしようってんだ奴らは」

 

「知らねぇよ」

 

不毛の地でこれ以上何をしようと言うのだろうか、地表に広がるのは未だ放置されたまま散らばっているBETAの死骸のみだ。

 

『早急にこの場から離脱し、指定座標にて増援部隊と合流せよ』

 

「このまま残りの2機と戦う気にはなれんな…ボクサー1、離脱する」

 

「ボクサー2、同じく離脱する」

 

二機のF-15は速度を殺さないために大きく旋回し、指定された場所へ向かうために反転した。停戦は破られた、この事実は国際社会をまた脅かすことになるだろう。

 

「BETAの次は人間か、衛士も辛くなって来たなぁオイ」

 

「皮肉なことに生存率は上がってるんだ、それにBETAと戦うのは無人機の仕事だろ?」

 

「世界も変わったな、俺達が座席に座らなきゃならんのはいつまでか…」

 




現在オリジナル小説をなろうに投稿中でして、そっちが終わり次第続きを書きます。このまま塩漬けにしておくと第二部をいつまで経っても始められなくなりそうな気がしたので…

辺境惑星冒険譚ってヤツが投稿されてる間はあんまり投稿出来ないと思います、よければ是非。
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