宇宙開発企業なんですけど!?   作:明田川

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遅れました。


第四世代機開発計画

「諸君、集まってもらってすまないが早速説明に入らせてもらうよ!」

 

 世界中からこのユーコン基地へと集められたエースパイロット達だが、とある隊に所属して早々に会議室に集められていた。いつも以上に厳重な警備と各種検査を行った彼らは何があるのかと思っていたが、壇上に立つ男を見て納得した。

 

「今回の第四世代機開発計画は各国の戦術機開発、その足並みを揃えて協力するためには欠かせないプロジェクトだ」

 

 秋津島開発の社長である。飛燕と共にこの基地へとやって来ていたのだ。そして彼の手によってディスプレイに投影されたのは戦術機の世代を表す図であり、第三世代機と飛燕が表示されていた。

 

「BETA戦により急速な進化を求められた戦術機だが、飛燕という総合的なバランスに問題を抱えた機体が生み出されてしまった。そして更に問題なのは、この機体を目標に各国が次世代機開発を進めていることだ」

 

 ML機関の危険性は皆が知るところだが、それでも時代の最先端に乗らなければならないのが今の世界だ。BETAをより効率的に排除出来る兵器が求められつつも、人との戦闘も視野に入れなければならない。

 

 G元素利用兵器と戦えるのは同じ兵器だけ、それが現在の苛烈な開発競争の原因だ。この流れはあまりよろしくない、戦術機本来の役割が忘れられるのは良いとは言えない。

 

「そこでだ、我々はとあることを提案することにした」

 

 第三世代機と飛燕の間に第四世代機と書かれた文字が挿入され、飛燕は試作型第五世代機へと名を変えた。そして何機かの機体が映し出された後、バージョンアップの文字が上に貼り付けられる。

 

「飛燕を第五世代機に繰り上げ、第四世代機という区分を設ける。そしてこのユーコン基地で大々的な技術供与を行い、第五世代機を作るための基礎的な技術を提供することにした」

 

 陰謀が渦巻くのが分かっている以上、人参をぶら下げて行儀良くさせることにしたのだ。パーティの主催者は帝国軍、場所の提供を米国、そして招待客達がその他の国々だ。大人しくしていれば目当ての料理にあり付けるが、場を乱せば追い出される。

 

「その第一段階として先ずは帝国軍と米国軍でそれが可能かを確かめる。機体以外にも、各国に提供する装備に関してもテストを行ってもらいたい」

 

 量産の目処が立ちつつある超電磁突撃砲、大気圏外での活動を目的とした大型跳躍ユニット、全環境適応型の強化装備、そしてそれらを扱うための新たなソフトウェア…記載された項目は多岐にわたる。

 

「我々の頭を常に悩ませたBETAに新たな剣を突きつける時だ。このプロジェクトは戦術機の技術史に大きな影響を与えることを確信するとともに、太陽系から彼らを叩き出すための第一歩となることを期待する」

 

 宇宙をこの手に収めるまで、秋津島開発が止まることはない。この数日後、第四世代機開発計画は様々な広報組織によって大々的に報道された。今も戦いを続ける前線の人々にとってそれは大きな福音となり、この長年に渡る戦いも新たな段階へと進んだことを思わせるものとなった。

 

「既に飛燕がこの試験区画に運び込まれたことは言うまでもないが、既にそれ以外の装備についても調整は始まっている。次世代の力を存分に感じて欲しい、私からは以上だ」

 

ーーー

ーー

 

 プレゼンじみたブリーフィングも終わり、話を聞いていた人々は持ち場へと戻っていた。格納庫の戦術機達も新たな装備を扱うための調整が始まり、衛士達は暫くの間座学に勤しむことになるだろう。

 

「おぉ、武御雷じゃあないか」

 

「初陣が大変なことになった機体ですね、こうして量産されたのを見ると感慨深いものがあります」

 

「海外じゃあ少しばかり運用が難しいだろうが、そこは開発元である我が社も協力させて貰いたいところだな」

 

 帝国斯衛軍から一人出向して来ているというのは知っていたが、まさか乗機も一緒に持ってくるとは。原作への修正力かと社長は思いつつも、作業する人々の邪魔にならぬように場所を変えることにした。

 

「第四世代機開発計画、上手く進むでしょうか」

 

「さあな、だがどんな形であっても完遂しなければならん」

 

 人類はこの世界だけでなく、他の世界から来るかもしれないBETAにも備えなければならないのだ。並行世界からの侵略を知った社長が安心出来る時は無い、いつハイヴが街中に出現するかも分からないというのは恐ろしいものだ。

 

「仕事が多いのは困るな、国外だから設計図も書けない」

 

「この基地で下手な物を書くと戦争になるので勘弁して下さい」

 

「G弾で発生する重力異常の解消方法がやっと浮かびそうなんだよ」

 

「…それは恐らく、暫く実現しないほうが人類のためですよ」

 

「やっぱり?」

 

 過労とストレスで死ぬのが先か、香月専務が無理矢理延命するのが先か。社長が地球以外の惑星に降り立つ日は来るのか、それはまだ先の話である。




ゆっくり進めたいと思います、最近マブラヴ周りのコンテンツはゴタゴタしてますしね。新作いつ出るんだろうか、タクティクスも出るらしいけども。
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