戦術機とはマブラヴに登場する人型ロボットである、特徴は三次元戦闘が得意なことだ。
「戦術機って、具体的にどう説明するのが良いんでしょうか」
「…そうだな」
秋津島開発の社員二人は日本帝国に住む一般市民向けの広報資料を作成していた、さまざまな資料を開発班や製造班から譲り受けていざ作り始めたものの早速壁にぶつかっている。
「戦闘機でも、戦車でもない全くもって新しい兵器体系ですからね」
「だからこそインパクトはある、見た目が気を引きやすいのは利点だぞ」
戦闘機ほど早く高く飛べる訳ではなく、戦車ほどの火力と装甲がある訳でもない、ましてや歩兵とはサイズが違いすぎる。
「全体のスペックを見ると昔からある兵器に負けてますよね、なんというかこれだけを見ると器用貧乏みたいな印象です」
そう、既存の兵器と撃ち合いをすればこのロボットは負けるのだ。
「BETAと戦うにはその器用貧乏さが必要だとも聴いたぞ」
「あー、月帰りの人が言ってましたね」
戦闘機のように常に高く飛ぶ必要はない、光線級に撃ち落とされるからだ。
戦車のように分厚い対弾装甲も必要ない、奴らは銃火器を使わないからだ。
「なるほど、要求される戦場で使わないものを削ぎ落としているんですね」
「逆に必要とされているものも面白いぞ、器用貧乏というより万能に近い気がするが」
低く飛び、尚且つBETAの群れを掻い潜るためには二機で一組の推進器が必要だ。瞬間的な大推力を生み出すロケットエンジンと持続的に使うには適しているジェットエンジンを組み合わせた物を装備する。
「これが腰部の特徴的なパーツだな、小さな飛行機が2つくっついているみたいだ」
「噴射跳躍システム、戦術機に乗せられている実機は跳躍ユニットと呼ばれているようです」
「これが無いとBETAにあっという間に囲まれる、戦術機の生命線って訳か」
両腕には様々な装備を使用出来る、補給に時間がかかる他の兵器と比べて戦術機は武器を持ち替えるだけで直ぐに戦闘へ復帰することが可能だ。
戦車であれば一発一発砲弾を弾薬庫に積み込まなければならない、この差は確かに重要だ。
「確か武器弾薬を詰めたコンテナを戦場にばら撒いておくんでしたっけ、そこから戦術機が必要な物を引っ張り出して補給をするということですか」
「ああ、無駄が多そうに聞こえるが補給車両が入り込むには過酷すぎる戦場で急な補給路の確保は不可能に近いらしい」
それに両腕があれば人と同じように射撃も格闘も熟すことが出来る上に、360度好きな方向に火力を指向出来る。
常に周囲にはBETAが押し寄せる環境で、火力を自由自在に運用出来る戦術機は接近した上での多対一が強いられる状況において、従来の兵器とは比べ物にならない適性を発揮するだろう。
「聞けば聞くほどBETAを相手に出来るのが戦術機くらいに思えるんですが」
「そりゃあ対人類用の兵器と対BETA用の兵器だからな、何もかも違うに決まってるだろ」
無論戦術機が常に主役である訳ではない、光線級さえ倒せれば戦場の女神と形容される砲兵達がBETAを全てミンチに変えてくれるのだ。
「時代は変わっても機甲戦力の火力がBETA相手に有効なのは変わらない、腕で持つっていう設計上の制約に縛られた戦術機の火力は必然的に小さくなるからな」
手で待つからには人間が使う銃のように形を整える必要がある、戦術機が人型であるための弱点ともいえよう。
「まあ周囲との協調が大事な対BETA戦の主力兵器、あたりの総評じゃねえの?」
「まあ全部戦術機でやれたら、苦労しませんしね」
しかし世界は広い、中隊規模の戦術機でBETA群の中央に居る光線級を掃討しに行く部隊が編成されたりもするのだ。
「取り敢えずざっくりと新兵器特集でも組んでもらおうか、こっちには政府が付いているんだしパーっとやろう」
「第一印象は大切ですしね、帝国軍初めての独自開発機って触れ込みですし」
彼らには解説役を担当して貰います