ジム廃業して飛んでパルデア   作:あさいかくり

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 宝探しをするぞ。

 テラスタルタイプの変更を断られた俺、興味本位だからとりあえず諦めたが、いつか使うかもしれない病を発症してしまいテラピースを収集中。

 

 これがなかなか数が集まらない。

 稀に野外で拾えるそうなので、地面に這いつくばって目を凝らすのだが。どう見てもコンタクト落とした人。

 もうまーじで大変だ。そこで俺は考えた。

 

 結晶は採掘できるのでは?

 

 ならば探すべきは地上より地下だろう。閃きに従って取り出したるはたんけんセット。ハクタイの地下おじさんがくれる、地底の探索に必要な道具一式である。

 

 穴を掘って降下すると、シンオウの地下通路とは異なる風景が広がっていた。

 縦横無尽に張り巡らされた洞窟はディグダなどの仕業でどの地方でも大して変わらない。だが、壁面で光る結晶はまさしくテラスタルの輝き。少数でまばらだとしても地上で欠片を探すより楽に採取できそうだ。

 

「堆積物……だけではないですね」

 

 結晶は特定の方向から周囲を侵食している。位置を確認するにパルデアの中心部からだろうか。

 俺は地質学の知識がないので詳しいことは分からない。確かなのは、目の前に宝の山があるということ。

 

 ともあれカセキ掘り開始だ。地下おじさん直伝の採掘技術を見せてやる。あの人トウガンさんやヒョウタの親戚なんだよな、何かと縁がある一族。

 

 

 

 

 

 ハンマーとツルハシで小一時間は採掘に励むけれども、成果はあまり振るわなかった。

 

「テラピースじゃないとか詐欺でしょうよ」

 

 どうもこの結晶とテラピースは微妙に組成が異なるようである。一番明確な違いとして、結晶はタイプごとの特性を帯びてないんだな。それでも壁に埋まったテラピースをいくつか掘り出せたのでよしとする。

 

「――、――――……!」

 

「そして聞こえる人の声。徐々にこちらへ近づいてくるときましたか」

 

 ホラー案件でないと仮定した場合、考えられるのはポケモンの鳴き声、遭難者、あるいはどこぞの洞窟や工事現場と繋がっている、あたりだろうな。

 崩落を恐れて採掘は控えめにしたのだが、音でポケモンを刺激してしまったかもしれん。

 

 はたして、現れたのは機械じみたポケモン。

 

「……ミライドン? ということは」

 

「見つけたー! って、ウズ先生?」

 

 そして竜の背中にライドするアオイだった。

 

「なぜアオイさんがここに」

 

「足跡と落とし穴があったから、誰か閉じ込められてるかもと思って」

 

 それ落とし穴ちゃう。地下の入り口や。

 人が通れないように塞いでおいたのだが、天才児の観察眼は俺の痕跡を読み取ったらしい。それでわざわざいるかもしれない遭難者の救助にやってきたわけだ。

 

「ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません。紛らわしい行動で、余計な心配を抱かせてしまいましたね」

 

「気にしないでください。なんとなく、大丈夫そうな気がしてたから。私の勘って結構当たるんです」

 

 アオイはクラフトの授業でも即興でより良い組み合わせを導き出していた。彼女は感覚派で、直感的に物事を捉える才能を有しているのだろうか。

 

「それに私と私の手持ちは強いので。どんなピンチだってへっちゃらなのです!」

 

「自信があるのはいいですね。それとは別に、自分とポケモンのことは大切にしてください。人助けは立派ですが、あなた方が怪我をしたら大変ですから」

 

「はーい」

 

 なまじ何でもこなせてしまう分、アオイは些か『できないこと』に対して理解が浅い。自分に不可能はないという子供特有の全能感は俺にも覚えがある。なんとなく、考えたことは全部叶う気がするよね。彼女の場合は実力が伴っているので事情は異なるが……少しばかり危うい、教師としては不安である。

 

「素直で元気ないい返事です。そんなアオイさんにはこちらを進呈しましょう」

 

「……おまもり?」

 

「気休めですがね。くれぐれもお気をつけて」

 

「分かりました! ちゃんと気をつけて、みんなのために頑張ります!」

 

 ただ、その心がけは大変素晴らしいものだ。

 ところでアオイさんや、授業で指示通りに作業するのは俺のためになるんですけどね。もはや恒例のやり取りで生徒の笑いのタネになってるんだよあれ。

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