ジム廃業して飛んでパルデア 作:あさいかくり
ダブルバトルは奥が深い。
流石はバトル重視の学校。一般生徒も容赦がない。
味方が倒れること前提のとくせいを活かすやつ。
連続技を味方に撃って能力を上昇させるやつ。
とりあえず味方もろとも大爆発するやつ。
おめーら人の心はないんか。
そんな面々の頂点に君臨するブルベリーグ四天王、彼らが弱いはずがなく。
「……戦闘終了。お疲れ様、メタグロス」
「ハァ……ハァ……」
なぜバトル。しかも四連戦。
リーグ部とやらの部室に顔を出したらこれだ。
別に「本当は弱いのかねぃ?」的な煽りに乗せられたわけじゃないんだからね。いやマジで。
シアノ校長め……勝手に話を進めやがって……クラベル校長の友人じゃなきゃ許してない。
「……負けました。ネリネ、無念」
ブルベリーグ四位、おのれはがね使いのネリネ。
寡黙かと思いきや意外と愉快な女子である。
だが先発のダグトリオ、お前だけは許さん。
「おおっと!? 四天王を全員倒すたあ! いやはやさすがだねぃ。元ジムリーダー」
ブルベリーグ二位、竜使いのカキツバタ。
昼行燈を気取りたい年頃なのかもしれんが、あまり大人を舐めるなよ。言いつけるぞシャガさんに。
生身でドラゴンポケモンとスパーできるからなあの人。怖いわ。なぜにこやかに俺を誘う。
「すげー! 二人とも強火の熱いバトルだった!」
ブルベリーグ五位、フライパン使いのアカマツ。
正直、君が一番苦戦したんですよ。
晴れ下のほのおタイプは強いって当たり前だよね。
「お疲れ様です。うちのカキツバタがすみません……でもでも、どっちもかわいかったですよ!」
ブルベリーグ三位、フェアリー使いのタロ。
有利かと思いきや切り札はドリュウズ。
テラス読みどく技読みでそのままじしんを撃ってきやがるとはかわいくない。おのは(略)。
だがガラルヤドランはいい。実にピンクだよ。
「いや、みんな気になってたろ? スグリご執心の留学生二人が、絶対に戦いたくないと言うんだぜ?」
あの二人、何を吹聴しているのやら。
本気の盤外戦術にも綺麗に対策するくせして。
おかげでコトブキジム特訓メニュー百〇八式をひっくり返す羽目になったんだぞ。もうこっち来るな。
そんなパルデアチャンピオンは課外活動で不在。
ブルレクなるミッションをこなすと、通貨代わりのBPを入手できるそうな。
受注できるのは生徒だけ。無念……まあここの食堂にはあまり心を惹かれないからいいけど。
「しかし、ブルベリーグのチャンピオンが不在とは少々解せないものがありますが」
「あー、ちょいと立て込んでてなー。休業中みたいなもんだと思ってくれい」
深く突っ込んでくれるなってか。
まあ他所のチャンピオンも放浪癖あるからね。
俺としては追加の一戦がないならおっけーです。
「試合の動画ならあるよ! ほら」
「ちょっとアカマツくん!」
校内戦の録画映像が再生される。
アーボックとガオガエンが相手をいかくして完封する光景はいっそ公開処刑と言っても差し支えない。
アップで映るトレーナーが件のチャンピオンだろうか。桃太郎みたいな仮面をつけてまあ。
見覚えしかないが?