ジム廃業して飛んでパルデア 作:あさいかくり
レジエレキ足はっや。
まさかやつが徘徊系ポケモンになるとは……。
おかげで全力疾走する羽目になった。つらい。
「なんで初速ガブリアスと同じなんですか」
シロナさんから逃げるために決まってるだろ。
結局は最高速度の差で捕まるが。
どちらもテレポートするエスパーポケモンと比べたら、目で追えるだけマシな方である。
ポケッチのマーキングマップ使うの何年振りだ?
リアルタイムで居場所を反映するって、よく考えなくてもハイテクが過ぎるな。地元愛が高まるぜ。
しかしレジエレキもさるもの、でんきタイプらしいすばやさでこちらを翻弄してくれやがった。
図らずもシンオウ地方横断である。
バトルの余波でナギサシティが大停電したのはごめんだよね。またジムリーダーのせいになってしまった。
すまんデンジさん。日頃の行いが悪いと思うの。
くろいまなざし使えって? うっせばーか。
レジトリオは……だいばくはつ、っすね……。
なんで俺を見た瞬間に悲壮な覚悟を決める。
まあ二回目からは対策させてもらったが。
ありがとうヌオー。普段頼らないから忘れてたぜ、しめりけって特性のありがたさをよ。
こうてつじまで爆発なんて起こした日にゃ、ゴローンが誘爆して大惨事になるのは火を見るより明らかだ。
次の瞬間に住処を荒らされたと判断して、げに恐ろしきハガネールが襲ってくる。
「やっと五匹が揃ったね。お祭りの間、腕試しにも付き合ってくれるみたい」
「この玉とカゴは一体どこから……」
「細かい事はお気になさらず。二人ともお疲れ様でした。後始末はこちらでやっておきますので、君達はお祭りを楽しんでくださいね」
アオイとハルトを労い、俺も一休みだ。
レジアイスが陣取る『氷山の戦場』は涼しげな空気が漂っており快適だ。雪が積もるシンオウの気候も、最近の日中はひざしがつよいせいで暑いからな。
もしかしてコライドンの特性が原因か……?
ともあれ。
コトブキングレジ祭りは無事に再開できそうだ。
いつの間にか頭文字が増えていたり、そもそも何故レジ系が一ヶ所に集まったのかだったり、考える事は山積みなのだが。まずは羽休めさせてくれ。
「それじゃついて来いウズ!」
「黙りなさいヒゼン。僕は屋台のキングイモモチとやらを食すのに忙しいんです」
「なーに腑抜けた事ぬかしやがる。最高にキングな祭りの主役を迎えないと始まらないだろうが」
「祭りの主役……」
おいまさか。
俺はレジ系が揃ったキング場を見やる。
五つある台座。否、五つあった台座。
その中央により大きな台座が新設されている。
「巨人達の王、レジギガス! キングレジ祭りに相応しい一大ゲストだろ!」
ふざけてんのか?
「正気ですか? 荒唐無稽が過ぎますよ」
「先生。レジギガスって伝説のポケモンですよね」
「ご名答ですハルトさん。レジギガスはレジアイス達を造ったとされるポケモンです。縄で縛った大陸をどこからか引いてきてこのシンオウ地方を作った、という伝承も残されています。真偽の程は定かではありませんが」
「そしてレジギガスは創造神と戦った、最高にキングなポケモンだ」
「そういう学説があるという話です」
子供達の前で断言すな。誤解を生むだろ。
確かにレジギガスを始めとするレジ系のポケモンはアルセウスと関連があるとされている。
前世のゲームでは、各タイプのプレートに刻まれた文章が関連性を匂わせていた。
うちゅう うまれしとき
その かけら プレートとする
プレートに あたえた ちから
たおした きょじんたちの ちから
……という箇所だな。
ただな、まだ謎が多いんだよ。だから専門の考古学者でも意見が分かれるところであってね。
「だから俺は行くぜキッサキシティ! レジギガスに会いに!」
「やめろと言っているんです。少しは耳を傾けなさい」
「否定しないって事は、いるんですか?」
アオイ、我が生徒アオイよ。
勘が良いのも困りものだな?
「ええ、まあ。キッサキシティの神殿にレジギガスは眠っている。これは確かな情報です」
キッサキシティのジムリーダーは代々、キッサキ神殿の番人を務めている。
以前スズナが言ってたもんな。たまに腕試しで侵入するトレーナーがいるから管理大変だって。
キッサキジムは俺の教え子が一人働いているので、その縁で何度か愚痴を聞かされた記憶がある。
「ただ基本的に動かないそうですよ。余程の事態が起こったり、あるいは因縁でもなければ……」
『着信ロト!』
「失礼。少し外します」
誰からだ? 今は説得に忙しいのだが。
スマホロトムの表示名は……噂をすれば。
若干気乗りしないまま一応通話に出る。
『もしもーし! ウズさん元気ー!? スズナです! 今、時間大丈夫かな?』
「少しの間であれば。どうされましたか」
『ありがとうっ! ちなみに今どこにいる?』
「コトブキシティです」
『あ、本当にシンオウ戻ってきてるんだ。じゃあひとつお願いがあるの。落ち着いて聞いてね?』
「その前振りで既に平静でいられないのですが」
『実は昨日から神殿のポケモンが騒がしくてさ。様子が変なんだよね。で、コトブキシティでやってるお祭りが関係してるんじゃないかなーとスズナ思って』
「弁明すると僕はノータッチですよ」
『分かってる分かってる! お祭りに現れたポケモンを神殿まで連れてきてほしいだけ』
「それは……藪をつついてアーボックを出す事になりかねないのでは」
『たぶん平気。先にこっちで調べた感じだと、誰かを待ってるみたいだから』
お役目を務めるスズナの言だ。信頼できる。
となると、方法を考えなくてはならない。人目を忍んで単独で向かうのは難しいだろう。腹を括るか。
だから盗み聞きはやめろヒゼン。しがみつくな。
マキシのヌオー ♂
ゆうかんな性格。打たれ強い。
ノモセシティで出会った。
友好の証として交換した。好きなことは友達のドククラゲと一緒にプロレス観戦。
得意わざはじめんタイプを飲み込み押し流すだくりゅう。