この素晴らしい世界であのクソ女神をぶっ飛ばす……! 作:ブロリーです
「ようこそいらっしゃいませ! 水と温泉の街、アルカンレティアへ! 観光ですか? 入信ですか? それともやっぱり入信ですか!?」
「へあっ!?」
女神アクアを血祭りに上げるため、首なし死に損ない(死亡済み)が言っていた、アルカンレティアとやらへ来てみた途端、とんでもない宗教勧誘が始まった。
街に入った途端に入信書を目の前に差し出される。
「ささ、受け取ってください!」
「いらぬぅ!」
「そんなこと言わずに! ああちょっと!」
これ以上は付き合ってられない。そう判断した俺は、さっさとトンズラすることにした。女神アクア以外に用はないのだ。
そして地に降り立った先でも、またトラブルが……
「きゃあ、助けてぇ! そこの方助けてください。あの凶悪そうなエリス教徒とおぼしき男が、私を無理やり暗がりに引きずり込もうと……」
「おいそこの兄ちゃん! お前はアクシズ教徒じゃねえな。強くてかっこいいアクシズ教徒なら逃げ出したところだったがそうじゃないなら遠慮はいらねえ。暗黒神エリスのご加護を受けた俺様の邪魔をするってんなら容赦しねぇ!」
「ああああ、なんてこと! 今私の手元にあるのはアクシズ教団への入信書。これに誰かが名前を書いてくれさえすれば、この邪悪なエリス教徒は逃げていくのに」
そう言って入信書を手渡そうとしてくる女に、辟易しつつもその場から立ち去ろうとすると、二人揃ってこちらにアクシズ教の特典やらなんやらを語ってくる。アンデットに好かれやすくなるらしいが、そんな特典誰が必要なのか……
ここにいると、それだけで女神アクアに対する怒りがたまってくる。先程の男と女を撒き、一息吐こうと椅子に座ろうとした途端、地面に置いてあった食べられると言う石鹸ですっ転んでしまい、ついに怒りが爆発した!
ちなみにすっ転んだのは彼自身の不注意であるため、女神アクアからすればたまったものではないだろう。
「ぬうううう……! うおああああ! 女神アクア……! 女神アクアァァァァァアア! 必ず貴様をちまつーー」
「其処のおかた! こんなところでアクア様の名前を熱心に呼び続けるとは……あなたにはアクシズ教徒の適性がありますぞ! さあ! 今すぐ入信なさい!」
「へあっ!?」
怒りのあまり伝説のスーパーサイヤ人と化しているこの俺に対して、一切の躊躇なく話しかけてくる老婆。
「いいえ……あなたはもうアクシズ教です! あとは名前を書くだけ! さあ!」
「俺がアクシズ教……? 違う、俺は無宗教だ……! 女神アクア……お前だけは簡単には死なさんぞ……」
それだけいい残し、その老婆の前から飛び去る。そして今度は石鹸で転ばないように注意しつつベンチに座る。
すると今度は、赤目のいかにも魔女らしい少女が急に俺の目の前に現れて、勝手に名乗り出した。
「わ、我が名はゆんゆん! アークウィザードにして、中級魔法を操る者! やがて、紅魔族の長となる者……!」
それもとてつもなく個性的な名乗りを。この変な行動からして、やはりこの少女もアクシズ教徒なのだろう。
「また虫けらが一匹……死ににきたか」
「虫けら!?」
「女神アクア……信者はかわいいか?」
当然女神アクアからの返事なんてものはない。
「アクシズ教徒……まずはお前から血祭りにあげてやる」
「へ!? ちょ、ちょ! わ、私アクシズ教徒なんかじゃありませんっ! そ、その……私と……冒険者パーティーを組んで欲しいんですっ!」
「冒険者パーティーってなんだあ?」
「そ、その……とりあえずこの街から出ませんか……? その、アクシズ教徒は頭がおかしいって有名なので……」
「はーー」
「あら、ちょっともしかして新婚さんかしら? 初々しいわぁ。ねえ、これ。この洗剤持ってって。いいわよお代なんて、おばさんからのご祝儀。この洗剤すんごいのよ。なんせアクア様のご加護を受けてるからどんな汚れだってすぐ落ちるし、体にも全く害がないの、本当よ? それにこの洗剤……飲めるの」
「……血祭りにあげーー」
「は、早く行きましょうっ!!」
「アクシズ教徒……女神アクア……女神アクアァァァアアア!!」
◇
女神アクアを追いかける理由のその全て、それを吐き出した俺は、なんとも心地よかった。きっと誰かに共有したかったのだろう。この辛さを。
ちなみにゆんゆんは、彼らを見た瞬間どっかに行ってしまった。まあ元々はぼっちを拗らせている子だから仕方ないのかもしれない。
「……アクア……お前がぜんーーん? アクア?」
見れば、女神アクアはとても小さく身を屈め、俺たちにバレないようにどこから逃げようとしていた。
「どこへ行くんだあ?」
そんな女神アクアへ、独特の足跡を立てながらゆっくり、ゆっくりと近づいていく。
「あ、あなたに謝罪するために、シュワシュワを買いに行こうと……!」
その言葉を受け、俺はカズマくんの方を一目見る。すると彼はジェスチャーで、女神アクアが一エリスも持っていないことを示した。
「一エリスも持たずにか……?」
その言葉に絶望した女神アクアは、せめてもの抵抗だと言わんばかりにこちらを……と言うよりあれはカズマくんを睨んでいるな。
「か、カズマの裏切り者!」
「これに関して、俺は全面的にユウキの味方だ。全部お前が悪い。と言うわけで大人しく食われてくれ」
「いやよ! もうカエルはいや! ……こうなったら、喰らいなさい! ゴッドブロオオオ!!!」
どうやら女神アクア渾身の一撃らしい。少し……いや、かなり痛かった。だがこの体の装甲を破れるほどじゃない……!
「ぐぅ……! 無駄なことを……今楽にしてやる!」
そう発すると同時に、俺は女神アクアを上空に投げ、空いた両の手で地面を全力パンチした。するとどうだろう。大地は唸り、地響きとなる。やがてそれが大量のジャイアントトードーを呼び起こすことになり。地面から夥しい量のカエルが飛び出してきた。
それを確認した俺は、カエルの口に無理やり放り込むため、飛んで行った女神アクアの頭を両手で掴み、そしてそのままカエルの頭まで急降下をかました。
「女神アクア……シュワシュワを飲みたいとギルドを眺めていたな……今日中に帰れるといいなあ!」
もちろん彼女がカエルの口に放り込まれる回数は一回だけではない。何度も何度も放り込むつもりだ。
「へあっ!? ちょ、それどういーーへぶ!」
「この程度で、この俺の気が治ると思っていたのかあ?」
◇
「汚されたあ……私、女神なのに……本物の女神なのにい……」
一度食われたため、女神アクアを開放すると、とたんにカズマくんのところへ走っていき、泣きついた。さあ、ここからが本番だ。
カズマくんは言っていた。女神アクアが初めて食べられたのは、カエルをぶん殴りに行ったものの、それが全く効かずに食われたと言うことがあったらしい。
「女神アクア……仲間は可愛いかあ……? お前がカエルを殴る意思を見せなければ……俺はお前の仲間を、カエルの方に放り込むだけだあ!」
「ひっ……! か、かじゅましゃん……?」
「は、早く行けー!!」
「うわあああん! こうなりゃやけよ! くらいなさい! ゴッドブロオオオ!!」
当然再び食べられた。女神アクアに1000のダメージ!
女神アクアはカエルの口に押し込まれた! 女神アクアに1000のダメージ!
女神アクアはさりげなくカエルの口に押し込まれた! 女神アクアに1000のダメージ!
女神アクアは簀巻きにされてカエルの餌にされた! 女神アクアに1000のダメージ!
女神アクアは(ry
女神アクアは力尽きてしまった……
「死んだか……クズは所詮、クズなのだあ」
ちなみに、翌日には復活してシュワシュワとやらを飲んでいた。
today's Aqua’s eat!
23回! と、言いたいところなんですけど……多すぎて書ききれません。ということでゴッドブローしてもらうことになりました。
女神アクアの攻撃! カエルを殴った! カエルには効果がないようだ……
カエルの攻撃! 女神アクアは飲み込まれた! 女神アクアは力尽きてしまった……
カエルの腹のど真ん中に、女神アクアの墓を立ててあげてもいいかもしれません。
良ければ感想、評価……をする意思を見せなければ、俺は女神アクアをカエルの餌にするだけだあ!
アクア様の食べられ方
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無理矢理押し込む
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さりげなく押し込む
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ゴッドブローを打たせる
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朝から食べられてゆっくりと沈んでいく