IS×World Trigger   作:ガイストは男のロマン

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第10話

 

 

 

SHRが終わると直ぐに1時間目のIS基礎理論の授業が行われて、たった今終わったばかりだ。

 

俺は息を吐きながらペットボトルのお茶を飲むが、教室のクラスメイトのみならず、教室の外からも女子に見られる。

 

予想はしていたが視線が痛い。

 

「恭弥様、大丈夫ですか?」

 

「大丈夫じゃないが慣れてくしかないだろ」

 

前に座るクロエにそう返すが、慣れるのは当分先になるだろう。

 

しかもクロエもかなり注目を浴びている。何せ自己紹介では……

 

『クロエ・クロニクルと申します。恭弥様の護衛として入学しました。恭弥様同様、ボーダーにも籍があり放課後に居ない時もあります。趣味はトリガーやISの調整、好物は美味しい炒飯です。宜しくお願いします』

 

ってした。自己紹介としては間違いはないが、護衛って言葉はインパクトが強かったようだ。

 

早く慣れたいものだと考えていると織斑が近づいてくる。

 

「なぁ、ちょっと良いか?」

 

「構わない。初めましてだな織斑一夏。珍獣同士よろしく頼む」

 

織斑がISを起動した事でこの学園に入学する事になったが、その辺りを責めるつもりはない。コイツは授業中に居心地が悪そうだったし、好き好んでISを起動したわけではないのは明白だ。

 

ならコイツも被害者に近いだろうし、俺は織斑を加害者と断ずるつもりはない。

 

「あ、ああ!珍獣同士宜しくな!」

 

安堵した表情で挨拶をしてくる。多分拒絶されると思ったのだろう。

 

「ところで2人ってボーダーに所属してるんだよな?」

 

織斑が確認するように俺とクロエを見てくるが、聞きたいことは予測出来る。

 

「ああ。お前は多分、お前らは束さんと繋がりがあるし、男でもISを使える理由がわかるのか?……って聞きたいんだろ?」

 

「ああ。束さんから聞いてないか?」

 

やはりな。俺も起動してから真っ先に束さんに聞いたし。

 

「申し訳ありませんが束様もわかっておりません。恭弥様の髪や血、皮膚を調べましたが普通の男性のものでした」

 

「完全にイレギュラーらしい。ま、お前はどうかわからんけどな。知りたいなら束さんに調べて貰うから髪や血や皮膚などを用意しておけ」

 

「……いや、やっぱり良い。入学までに遺伝子研究の誘いを受けまくったから、もう遺伝子関係の話は聞きたくない」

 

哀愁を漂わせている。やはりコイツの方にもそんな誘いが来ていたようだ。俺の方もボーダーにそんな勧誘が来ていたからな。まあ城戸司令が一蹴してくれたけど。

 

そんな風に考えている時だった。

 

「ちょっと良いか?」

 

横からそんな声が聞こえてきたので見ればポニーテールの女子……束さんの妹の篠ノ乃箒が腕を組んで立っていた。

 

「……箒?」

 

織斑がポツリと呟く。束さんによればコイツら幼馴染だったんだな。

 

「行け。積もる話でもあるんだろ」

 

俺が織斑にそう言うと織斑はどうしたら良いのかキョロキョロして、篠ノ乃は半ば強引に織斑の腕を掴む。

 

「行くぞ」

 

「うわっ!ちょっと待てよ箒……悪い!また後でな!」

 

織斑は引っ張られながら俺達に謝罪をして、篠ノ乃は俺達をギロリと睨んでから織斑を連れて教室から出て行く。

 

「相当嫌ってるな」

 

「ですね」

 

明らかに敵意を感じた。多分束さんと繋がりがあるからだろう。千冬さんによれば束さんがISを開発した事で篠ノ乃家は保護プログラムとかでバラバラになったらしいし。実際俺もボーダーに所属してなかったら家族とバラバラになっていたかもしれない。

 

しかしだからってあそこまで敵意を向けるか?更識に敵意を向けられたのは専用機において強い関わりがあったからだが、束さんと同じ組織に所属しているだけであそこまで敵意を向けられるのは予想外だ。

 

(まあ実害がないから放っておこう)

 

そんな風に考えながら次の授業の準備をしているとチャイムが鳴り、千冬さんが教室に入ってきて、遅れて入ってきた織斑の頭を出席簿で叩くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――であるからして、ISの基本的な運用は現時点で国家の認証が必要であり、枠内を逸脱したIS運用をした場合は、刑法によって罰せられ――」  

 

すらすらと教科書を読んでいく山田先生。事前に加古さんの指導があったから何とか付いていけている。

 

しかし織斑は絶望感満載となっているが、もしかしてわからないのか?

 

だとしたら結構不味いだろう。今の時点の内容は基礎中の基礎だし。

 

「織斑君はどうですか?何かわからないとこはありますか?」

 

「えっ!?」

 

山田先生に呼ばれ慌てる織斑。最初は慌てるが、覚悟を決めた顔をする。

 

「じゃあ、先生!」

 

「はい織斑君!何でも質問してください!」

 

山田先生の元気ある言葉に対して織斑は……

 

「ほとんど全部わかりません!」

 

堂々と全面降伏する。

 

「え?ぜ、全部ですか……?」

 

山田先生涙目になって戸惑ってるし。というか全部ってマジか?予習してないのか?

 

「え、えっと……織斑くん以外で、今の段階でわからないっていう人はどれくらいいますか?」

 

誰も手を上げない。織斑は信じられない表情になっている。

 

「烏丸君は大丈夫ですか?」

 

「一応は予習してるんで」

 

元々成績優秀って訳じゃないが、必要最低限の予習はやったからな。

 

「……織斑、入学前の参考書は読んだか?」

 

教室の端にいた千冬さんが問いかける。返答次第では出席簿の火が噴くだろう。さて織斑、どう答える?

 

「古い電話帳と間違えて捨てました」

 

正直過ぎだ馬鹿。正直は美徳と言うが、正直過ぎは馬鹿を見るぞ。

 

パァンッ!

 

「必読と書いてあっただろうが馬鹿者」

 

案の定、千冬さんの出席簿の火が噴いた。というか噴き過ぎだろう。

 

千冬さんが呆れた表情を浮かべながら口を開ける。

 

「あとで再発行してやるから一週間以内に覚えろ。いいな」

 

「い、いや、一週間であの分厚さはちょっと……」

 

「やれと言っている」

 

「……はい。やります」

 

ヤクザのように鋭い眼差しで睨む千冬さん。

 

「ISはその機動性、攻撃力、制圧力と過去の兵器を遥かに凌ぐ。そういった『兵器』を深く知らずに扱えば必ず事故が起こる。そうしないための基礎知識と訓練だ。理解ができなくても覚えろ。そして守れ。規則とはそういうものだ」  

 

正論だな。簡単に人を殺せる兵器の知識を身につけるのは損なんて事はないからな。これについてはトリガーも同じだ。

 

「……貴様、『自分は望んでここにいるわけではない』と思っているな?」  

 

と、ここで千冬さんは織斑を睨みながら詰問する。前から思っているがエスパーかよ?

 

「望む望まざるにかかわらず、人は集団の中で生きなくてはならない。それすら放棄するなら、まず人であることを辞めることだな」

 

辛辣な意見が織斑にぶつけられるが、巻き込まれた側からしたら素直に受け入れるのは難しいだろう。俺はボーダーの庇護により進学先が変わった以外は特に変化はないが、織斑はかなりの変化があったかもしれないし。

 

とはいえ織斑よ、この状況から逃げるのは無理だし早めに諦めるのが吉だぞ。でないと暴虐の覇王の出席簿の火が噴き続けるぞ?

 

「お前もお前で失礼なことを考えるな、烏丸」

 

パァンッ!

 

「……はい、織斑先生」

 

……俺も余計なことを考えないようにしないとな、うん。

 

入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?

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