IS×World Trigger   作:ガイストは男のロマン

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第13話

 

 

全ての授業が終わり千冬さんが帰りのHRを済ませたので俺は帰りの支度をして立ち上がる。そしてグロッキーになっている織斑に話しかける。

 

「大丈夫か織斑」

 

「な、何とか……頭痛え」

 

そりゃ予備知識無しで授業を受けたら頭も痛くなるわ。まあ参考書を捨てたのが悪いけど。

 

「ま、明日から頑張れ。景気付けにビフテキでも食いに行かないか?お前も1週間は自宅通いなんだろ?」

 

面倒な手続きとが寮の部屋の準備が云々だから1週間くらいは自宅通いと学園側から通知が来ていたからな。

 

「じゃあお言葉に甘えて。俺も暫くは自宅通いなんだよ」

 

「良し行くぞ。クロエは何食いたい?」

 

「美味しいガーリック炒飯が食べたいです」

 

「相変わらず炒飯好きだな。じゃあやっぱ「あっ、いたいた!織斑くん、烏丸君、クロニクルさん。まだ教室にいたんですね。よかったです」……山田先生?」

 

山田先生が書類を片手に教室に入ってくる。HRの時は居なかったが、何かあったのか?

 

「えっとですね、寮の部屋が決まりました」

 

そう言って部屋番号の書かれた紙とキーを俺と織斑とクロエに渡してくる。

 

このIS学園は全寮制ゆえに、生徒は全て寮で生活を送る事が義務付けられている。これは将来有望なIS操縦者達を保護すると言う目的の為だ。自国の優秀なIS操縦者が他所の国に勧誘させない為の防止対策でもある。現にどの国も優秀な操縦者を勧誘に必死だからな。

 

「しかし山田先生、俺とクロエは部屋はまだ決まってないからボーダーから通うという話では?」

 

「そうですよ。前に聞いた話だと、一週間は自宅から通学してもらうって話でしたけど」

 

「確かにお二人の言うとおりなんですけど、3人とも特殊な立ち位置で、事情が事情なので一時的な処置として部屋割りを無理矢理変更したらしいです」

 

「……まあ日本政府としちゃ男性操縦者や束さんの側近を監視したいのはわかりますが……けど、何で俺と織斑が別室なんですか?」

 

さっき山田先生は俺と織斑とクロエにそれぞれ別の紙と鍵を渡してきたが、それはつまり織斑と別室を意味する。俺は部屋が決まったら織斑と相部屋と思っていたし、普通男子同士だろう。

 

「す、すみません。政府特命もあって、とにかく寮に入れるのを最優先したので、結果として部屋に入ることになりまして……」

 

倫理観考えろや。俺と織斑が別々って事は必然的に女子と相部屋だ。せめてクロエがルームメイトならまだしも、知らない女子がルームメイトってトラブルの種だろう。

 

「えぇ……それはちょっとなぁ……」

 

織斑も俺と同じ気持ちみたいで嫌そうだ。

 

「だ…大丈夫です。一ヶ月もすればお二人の相部屋が用意できますから、それまで暫らく我慢してください」

 

「俺や織斑が我慢してもルームメイトが我慢してくれますか?」

 

1番の問題はそこだ。少なくとも最初の1週間は間違いなくトラブルがあるだろう。

 

「え、えーっと……」

 

山田先生はしどろもどろになる。これ以上先生を責めるのは酷だな……

 

「……まあ決まった以上は従います。ただ荷物の準備したいんで今日はもう帰っていいですか?」

 

どの道荷物を取りにボーダー基地に帰る必要はある。早く帰って持って行く物を決めないとな。

 

「あ、いえ、荷物なら――」

 

「既に手配をしておいてやった。ありがたく思え」

 

千冬さんがそう言って3つの鞄を取り出す。

 

 

「ど、どうもありがとうございます」

 

「青い鞄が織斑のだ。まあ着替えと、携帯電話の充電器があればいいだろう」

 

必要最低限だな。少しくらい娯楽物を用意してくれれば良いのに。

 

「黒の鞄が烏丸で赤の鞄がクロニクルだ。準備したのは出水と真木だから後で礼を言っておけ」

 

あ、出水先輩が準備してくれたのか。てっきり兄貴が準備してくれたのだと思ったが、後で礼を言わないと。

 

「じゃあ、時間を見て部屋に行ってくださいね。夕食は六時から七時、寮の一年生用食堂で取ってください。ちなみに各部屋にはシャワーがありますけど、大浴場もあります。学年ごとに使える時間が違いますけど……えっと、その、お二人は今のところ使えません」

 

「まあ女子風呂だから当然っすね。ちなみに湯船が出来るのはいつ頃ですか?」

 

俺としては湯船に浸かるタイプなので、最初は仕方ないがいずれ入りたいのが本音だ。

 

「え、えーっと……1学期中には使えるようにします」

 

「了解しました。その時を待ってます。今日は解散して良いっすか?」

 

「えっと、それじゃあ私たちは会議があるので、これで。ちゃんと寮に帰るんですよ。道草くっちゃダメですよ」

 

校舎から寮まで大して距離が無いと言うのに、どうやって道草を食えと言うんだ山田先生は。

 

内心呆れながら鞄を持って教室を出る。

 

「お前ら、部屋の番号は?」

 

「私は1010号室です」

 

「俺は1025だな。恭弥は?」

 

「1050だな。せめて織斑と隣にしてくれたら都合がつくのに……」

 

つか人を強制入学させるならもっと早く準備しろや。日本政府は馬鹿なのか?

 

内心イラっともしながら校舎を出て寮に向かうが、背後から女子がハーメルンの笛吹きの子供のように後ろからついてくる。暫くこの状態が続くとなれば憂鬱だな……

 

そして寮に入り、案内板を見れば俺の部屋は1番離れている。不幸だな……

 

そしてそのままクロエと別れ、織斑とも別れ、一部の女子が付いていく中、奥の部屋に向かうが、1040号室を通り過ぎようとすると背後からドスッ!ドスッ!って音が聞こえてくる。

 

(まさか織斑の奴、女尊男卑の連中に襲撃されたか?)

 

「トリガー・起動」

 

そう判断した俺はトリガーを起動する。同時に服装が制服から黒いロングコートに変わる……って、前回の防衛任務が終わってからトリオン体の設定を変えてなかったな。

 

寮にいる間は暗殺防止の為に起動許可を貰っている。トリオン体での行動は許可されているが、もちろんシールド以外の武装はISに襲われた時しかは使えない。しかしトリオン体でも拳銃や日本刀くらいは弾くので問題ないだろう。

 

周りにいる女子が騒めく中、俺は元来た道を戻ると織斑が部屋に入るのを見る。その部屋に近づくと1025室のドアには複数の穴が空いていた。

 

(やはり拳銃による銃撃か?いや、ドアの向かい側の壁には銃痕がないし違うか)

 

「なあ。織斑には何があったんだ?」

 

近くの女子に質問をするが……

 

「いや、私達もよくわからないよ。部屋に入ってから暫くしてから出てきたんだけど、直ぐに部屋の中から何かが突き出たんだ。で、丁度今部屋に戻った感じ」

 

突き出た?そうなると刀とかか?何にせよ襲われたのは間違いないだろう。

 

しかし織斑の奴、襲撃した奴がいる部屋に戻るなんて危機管理がなさ過ぎだろ。

 

「というか烏丸君。その格好、トリガーを使ったんだろうけど、何で?」

 

「ん?いや、凄い轟音がしたから織斑に対する襲撃だと思ったから護身用に……」

 

そこまで話していると織斑の部屋からドタドタと足音が聞こえてきて、ドアが開き織斑が必死の形相で出てくる。

 

何事かと思う中、部屋から剣道着を着た篠ノ之箒が物凄い勢いで織斑に竹刀を振り下ろしてくる。コイツら幼馴染じゃないのか?

 

何にせよ下手したら織斑が死ぬ可能性があるので俺は織斑の前に出て右腕で受け止める構えを取る。

 

バキィッ!

 

すると竹刀が俺の右腕に当たり、当たった箇所に生まれた衝撃により竹刀が折れる……いや、竹刀だから壊れるか?

 

(つかこの威力……織斑の頭蓋を破壊する気だったのか?)

 

生身で受けたら腕が折れていただろうし、止めなかったらヤバかったぞ、マジで。

 

「おい。織斑が何をやったか知らないが、やり過ぎじゃないか?というか竹刀を廊下で振るうな」

 

竹刀が折れて呆然とする篠ノ之にそう口にする。つか束さんによれば、実家は剣道道場でガキの頃から剣道をやってたらしいが、生身の人間に竹刀ってダメだろ?剣道をやってない俺でもわかるぞ。

 

「う、煩い!姉さんの手先の部外者は口を出すな!」

 

え?何でここで怒られるんだ?束さんとはベクトルは違うが頭のネジが外れてるだろ。というか手先って何だよ?同じボーダーでも所属部署は違うし、手先はクロエだ。

 

「はぁ……織斑。何があったんだ?」

 

とりあえず織斑から事情を聞いてみよう。

 

「いや、寮のルームメイトが箒だったんだけど、箒に「お前が私と同じ部屋を望んだのか?」って聞かれて否定したらぶん殴ってきたんだよ。酷過ぎじゃね?」

 

どんだけ理不尽なんだ……束さんによれば織斑を好いているらしいが、あからさまに拒否された事で暴力を走ったのだろう。

 

しかし暴力系ヒロインなんか今どき流行らないだろう。

 

「わ、私と同じ部屋なのが不満なのか?!」

 

いや、直ぐに竹刀を振る女と同じ部屋なんて不満に決まってるだろ。

 

「当たり前だろ!俺は恭弥と同じ部屋が良かったぜ!」

 

そりゃそうだ。まだルームメイトは知らないが俺だって織斑と同じ部屋が良いわ。

 

すると……

 

「え?!烏丸君と同じ部屋が良いってあんなに強い口調で……!」

 

「もしかしてそっちの意味で……!」

 

「織斑×烏丸?!烏丸×織斑?!」

 

周りの女子は盛大な勘違いをしている。これには織斑も慌てるが俺も焦りがある。

 

ただでさえボーダーでは兄貴や出水先輩、太刀川さんとそう言った噂を聞いたのに、IS学園でもそんな根も葉もない噂に振り回されてたまるか。

 

「一夏……貴様、いつのまにそんなふしだらな感情を……恥を知れ!」

 

同じように盛大な勘違いをした篠ノ之は折れた竹刀を織斑に振おうとするが、お前は暴力に走るな馬鹿。

 

「シールド」

 

俺は篠ノ乃の周囲にシールドを展開して篠ノ之を閉じ込める。周りを囲んで身動きを封じるくらいならお咎めはないだろう。

 

「何だこれは?!今直ぐ解除しろ!一夏には喝を入れないといけないんだ!」

 

「頼む恭弥!絶対に解除しないでくれ!」

 

篠ノ之と織斑の叫び声が廊下に響き渡る。何で入学初日に、休むべき場所の寮で疲れないといけないのだろうか……

 

 

内心ため息を吐きながら千冬さんに「篠ノ之が織斑に竹刀による攻撃、至急寮に来てください」とメールすると、「直ぐに行く。篠ノ之が逃げないように見ておけ」と返信が来て安堵の息を吐くのだった。

入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?

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