IS×World Trigger 作:ガイストは男のロマン
「……ふぅ」
シャワーを浴びた俺はIS学園の制服を着てからトリガーを起動する。トリオン体で寝る以上、生身の格好は何でも良いし、わざわざ着替えなくて良い制服の方が楽だ。まあ何にせよ夕食中に疲れが取れて何よりだ。
結局篠ノ之が木刀によって気絶してから千冬さんが篠ノ之を連行したが、それまでのやり取りで疲れてしまった。篠ノ之って束さんより自分勝手で、挙句には直ぐに暴力を振るうからマジで面倒だ。アレと幼馴染の織斑には心底同情してしまう。
(そりゃアイツも優柔不断な態度を取るのは仕方ないか)
織斑は篠ノ之の言葉が間違っていると思いながら強く反論しなかったが、アレは逆らったら殴られると本能が告げていたからだろう。
織斑の境遇に同情しながらもシャワー室から出ると、オルコットが興味深そうにベッドの上に俺の携帯に視線を向けている。携帯に触れているわけではないが怪しいな。
「何やってんだお前?」
「っ!い、いえ!貴方の携帯が鳴ったので画面を見たら、篠ノ之博士の名前が出ていましたので、見入ってしまいましたの!」
あ、そういう事か。まあそれなら仕方ないか。束さんはボーダーではちゃらんぽらんだが、ISにおいて権威そのものだからな。
「そうか」
俺はそのまま電源を切って携帯を枕に投げる。
「……っ!何普通に電源を切ってるのですの?!それ問題になりませんの?!」
オルコットが信じられないような表情を浮かべて俺を見てくる。
「ならねぇよ。あの人の連絡の対応が面倒だから居留守を使うなんてザラだし、妹の方の篠ノ之の言動に疲れてんだ。今日はこれ以上篠ノ之に関わりたくないから」
「何があったんですの?」
「寮の廊下で篠ノ之が織斑に竹刀を振おうとしたから庇ったり、食堂で言い掛かりに近い形で篠ノ之に木刀を振るわれたりだな」
「本当に何があったのですの?!公共の場でそんな事が起こるなんて普通じゃありませんわ!」
やはり篠ノ之の行動は非常識のようだ。つか部屋の近くの廊下で竹刀を振るのはまだしも、食堂で木刀を振るうのは論外だろう。それはつまり日頃から木刀を持ち歩いている事を意味する。
「悪いが話すのは明日以降にしてくれ。俺は疲れたから寝る」
「あっ……ちょっ……!」
オルコットが返事をする前に俺は意識をシャットアウトする。初日からこの様子だと明日以降も騒がしい毎日になるだろうから今のうちに英気を養っておく必要があるからな。
俺はそのまま襲ってきた睡魔に逆らう事なく身を委ねるのだった。
翌日……
朝練を済ませた俺は視線を浴びながらも食堂で飯を食べる。もう視線の雨については気にしないでおく。
「恭弥様。同席しても宜しいですか?」
米を食っているとクロエの声が聞こえてきたので顔を上げるとクロエとダボダボの制服を着た女子がいた。確かコイツは……
「構わない。で、隣の布仏はクロエのルームメイトか?」
確か布仏本音だったか?ゆるキャラみたいな女子だが何となく油断できない人間というが俺の評価の女子だ。
「そうだよ〜、よろしくね、とりー」
と、とりー?また変わった渾名だな。とりまるはよく呼ばれていたが、とりーは初めてだな。
「お、おう。よろしくな」
「うん。それにしても、とりーの戦闘服カッコいいね〜」
「かっこいいとは思うが、春に見るのは暑苦しいだろ」
布仏は俺の纏う太刀川隊の戦闘服を見る。確かにカッコいいのは否定しないが厨二感がある。まあ二宮隊のスーツよりはマシだけど。二宮さんはコスプレ感を嫌ってスーツの見た目にしているが、異端過ぎて逆にコスプレ感がある。
まあそれは口にしない。以前束さんがバカ笑いしながらそう口にしたことで二宮さんがブチ切れて、束さんの新作無人機を全壊寸前までボロボロにして、束さんもブチ切れていたからな。あの2人がメンチを切りながら戦うのはガチで怖い。
「まだ寒い時があるから大丈夫だよ〜、でも頑丈なのは便利だよね〜」
布仏は昨日の篠ノ之とのやり取りから今の発言をしたのだろう。実際竹刀や木刀でトリオン体を殴ったら、殴った方が壊れたからな。
「まあな。それにしても随分と少ないな」
布仏の前にはパンと小さなおかずと飲み物しかなかった。ダイエット中か?
「お腹が空いたらお菓子があるからねー。でもとりーやクーちゃんも少ないね〜、とりーは身体作りの為に減量してるの〜?」
「まあそんなところだ」
実際は違う。今の俺とクロエはトリオン体だ。トリオン体で食事をした場合、生身以上に消化率が良くほぼ100%を栄養に還元できるから少しの量で充分だ。
まあ満腹中枢が刺激されず、食べ過ぎにより生身が太るリスクがあるけど、エンジニアの寺島さんなんかそれで太ったし。
そんな風に会話しながら飯を食べていると視線が更に集まったので見れば織斑がお盆を持ってこっちにやって来る。
「よう恭弥。俺も一緒に食べて良いか?」
「俺は構わない」
織斑が居ようが居なくても注目は集まるからな。
「私も構いませんよ」
「私も良いよ〜」
「ありがとな」
織斑はお盆をテーブルの上に置くがかなりの量だ。俺は朝は余り取らないから結婚驚いた。
「そういや織斑。篠ノ之は一緒じゃないのか?」
アイツと一緒の飯なんて願い下げだが、織斑を引っ張ってくると思っていたので居ないのは意外だった。
「箒?箒なら懲罰室に入れられた。罰の組み手が終わってから1時間以内に木刀で殴るのは反省の色無しって千冬姉が力づくで投げ入れたらしい。で、暫くは授業以外の時間は懲罰室での生活なんだって」
妥当だな。公共の場で2回も犯罪になってもおかしくないほどの暴力を2回、それも1回目の罰が終わって直ぐに振るったのだ。普通の学校なら問答無用で退学、下手したら少年院行きもある。
そうならないのはアイツが篠ノ之束さんの妹だからだろう。姉を嫌ってる癖に姉に守られている……皮肉だな。
(というか懲罰室がある学校とか怖過ぎるわ)
懲罰室があるって事は懲罰が起きる前提って事だ。そう考えると今後もトラブルが起こるのは容易に想像出来る。頼むから平和な学園生活を送らせて欲しいものだ。
微かな希望を胸に抱きながら食事を続けていると手を叩く音が聞こえる。
「いつまで食べている!食事は迅速に効率よく取れ!遅刻したらグラウンド十周させるぞ!」
千冬さんの声が食堂によく通り、食堂にいた全員が慌てて朝食を食べ始める。しかしこのIS学園のグラウンドは一周が五キロあるし当然だろう。
千冬さんの言葉に俺達も一斉に食べて、食べ終えてから速攻で学園に向かった。
そして教室に入って席に着くが、1番前にいる篠ノ之に敵意剥き出しの眼差しを受けて頭痛を感じるのだった。
入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?
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おかしい
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おかしくない