IS×World Trigger   作:ガイストは男のロマン

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第20話

 

 

 

「よし、大体こんなもんだな」

 

図書館の閲覧フロアにて俺は息を吐いて端末の電源を切り、USBを抜く。

 

(思ったよりデータはあったし、対策は取りやすいな)

 

閲覧フロアの端末からは膨大な量のISのデータにアクセスできた。各国のISや武器の詳細、大会のデータや各国での公開されている試合や演習がわかりやすく保存されている。これなら初心者の織斑もデータ集めに苦労しないだろう。

 

そう思いながら図書館を後にして食堂に向かうと強い騒めきが聞こえてくる。俺や織斑が揃っている時も騒めきがあったが、その時よりも遥かに大きな騒めきだ。

 

足を早めて食堂に入ると生徒が皆、食堂にある巨大モニターを見ている。モニターには束さん、その脇に護衛として両腰に弧月を差している太刀川さんが映ってフラッシュが焚かれている。見た感じ記者会見のようだが護衛が強過ぎる……

 

「おいオルコット。これはどういう状況だ」

 

仕方ないので近くで見ているオルコットに話しかける。

 

「あら烏丸さん。烏丸さんはボーダーから聞いてないのですの?」

 

「聞いてない」

 

「詳しい理由はまだ話してないですが、今後倉持技研にはISの開発をさせないと発表したんですの」

 

倉持技研って確か織斑の専用機の開発をしている研究所だったよな?

 

暫くするとフラッシュが無くなり、手前の記者が手を挙げる。

 

『何故そのような決定を下したのでしょうか?!』

 

『理由は2つ。倉持の所有する機体の1つは開発に行き詰まっていて、その機体を束さんが改良の余地を残して返したんだけど、倉持はその状態のまま、いっくんの専用機……おっと、織斑一夏君の専用機に回したからだね』

 

途中で言い方を変えるが……

 

「なるほどな。それなら剥奪するわ」

 

「どういう意味ですの?」

 

「束さんが世界各国にISのコアを貸しているのは、あくまで各国の技術や兵装がトリガー技術に役立つ事を期待して、だ。にも関わらず束さんが渡したものに手を加えずに織斑に渡すのは裏切り行為だ」

 

例え質が低くても少しで良くしようとも手を加えていたら、ここまで酷い罰はなかっただろう。

 

『勘違いしてる国や企業がいるだろうから改めて言っとくけど、ISのコアは国や企業のものじゃないから。あくまで束さんがトリガー技術に使えような技術や武器のデータ収集の為にボーダーの代表として貸してるだけで、全然進歩がない所からは返してもらうから』

 

ハッキリとそう告げると空気が重くなる。記者達もプレッシャーに沈黙する。

 

「あの、烏丸さん」

 

ここでオルコットが話しかけてくる。

 

「何だ?」

 

「博士がどの国や企業を低く評価しているかは聞いていますか?」

 

オルコットからしたらイギリスの評価が気になるのだろう。

 

「俺はエンジニアじゃないから知らないな」

 

他国や企業の粗探しをする趣味はない。まあ……

 

「お前の故郷のイギリスはそれなりに高いと思うぞ。以前、支援担当のオペレーターにビット型射撃トリガーを操作して貰う実験があったからな」

 

防衛任務中、オペレーターの更なる支援としてビット型射撃トリガーを使って貰ったが、ビットはイギリスのIS研究で力を入れている分野だからな。

 

並列処理能力が高いオペレーターが必須だが、ウチのオペレーターのは通常支援をしながら6機のビットを操作出来る程優秀だ。

 

「そうでしたか……」

 

オルコットは安堵の息を吐く。低かったらどうしようと思ったのだろう。

 

『で、二つ目の理由だけど、束さんが渡した機体に一切手を加えてないのに、その機体のデータ収集の為に、他の専用機……それも乗る人が決まっている機体の開発から人員を割いているからだね。そんな無責任な企業は信用出来ないね』

 

と、ここで束さんが続いて発言するとフラッシュが焚かれるが、倉持技研は大炎上するだろうな。まあ自業自得だろう。

 

『他の専用機というのは日本の代表候補生の更識簪さんのものと思いますが、織斑一夏君の専用機も含め、両機体はどうするのですか?」

 

『今回の件は馬鹿企業に任せた束さんにも責任の一端があるし、ボーダー預かりにする感じ』

 

『篠ノ之博士が開発するのでしょうか?』

 

『束さんは別件があるから他のエンジニアだね。あ、腕については束さんが技術を叩き込んだから、問題ないよ』

 

『つまりその人もISのコアを作れるのですか?!』

 

『作り方は教えてないね。教えるとしたら男にも使えるISを完成してからだね』

 

あ、それを言ったら……

 

『今男性にも使えるISと言いましたか?!』

 

『ISは女性にしか使えないのでは?!』

 

一斉にフラッシュが焚かれて質問が押し寄せられる。

 

『言っとくけど、ISは完成してないからね?データ収集の為に貸してるだけで、束さんとしては最終的に誰にでも使えるISを作って、ボーダーの戦力を一気に高める事が目標だから』

 

束さんは詰まらなそうにそう告げる。確かに忍田本部長がISに乗ったらヤバいだろう。今の段階でもISを倒せるし。

 

『しかしそうなると世界中で混乱が起こるのでは?』

 

そんな質問が当然生まれる。日本では束さんがボーダーにいる事、二宮さんがISのコアをぶっ壊したこともあり女尊男卑の考えは薄いが、海外ではISは女性にしか使えない事を理由に女性を優遇する法律や女性の権利団体が沢山あり、男性が辛い思いをするケースが沢山ある。

 

そんな中でISが男性にも使えるようになったら男性の不満が爆発して、逆に男尊女卑になりかねない。

 

よって混乱が起こるのは間違いないが、束さんは気にしないだろう。

 

『それが何?束さんは女性を優遇しろなんて一言も言ってない無関係だよね?大体全ての女性を優遇する法律を作る国家が馬鹿なだけじゃん。百歩譲って優遇するとしてもIS関係者のみでしょ?IS関係ない女性を優遇する必要あんの?』

 

流石束さん。普通の人なら言えない事を堂々と口にしている。とはいえ紛れもない事実なんだよな。今の時代、女は偉いと本気で考えている人間は多いが、偉いのはボーダー以外では467機しかないISに携われる人達だ。

 

『まあその話は無関係だから置いとくよ。とりあえず倉持技研には今後ISを開発させないで、倉持がやってた開発は全部ボーダーで引き受けるから……以上!けい君、帰るから護衛よろしく〜』

 

束さんが手を叩いて立ち上がり、太刀川さんにそう告げるが束さんに護衛は要らないだろう。

 

『あいよ。基地に戻ったら約束通り10本勝負な〜』

 

『オッケー……あっ、せっかくだし、いずみんとじんじん呼んで久しぶりにチーム戦やろうよ』

 

『おっ、良いな。どうせなら千冬さんと二宮も呼んで三つ巴やろうぜ』

 

『やだよ。コスプレスーツ野郎と組まされるちーちゃんが可哀想だよ』

 

『はっはっはっ、それもそうだな』

 

『でしょ〜』

 

束さんと太刀川さんはゲラゲラ笑いながら会見場を後にするが、二宮さんの額に青筋が浮かんでいて、加古さんはあたりは笑っていそうだ。

 

というか太刀川さん&出水先輩VS迅さん&束さんの組み合わせの試合は俺も参加したいな。俺が太刀川隊に入った時は既に迅隊は解散していたから戦った事ないし。

 

そんな風に考えていると……

 

ガシャァンッ!

 

背後から音が聞こえたので振り向けば篠ノ之がトレーを回収場所に叩きつけて、顔に怒りの色を宿しながら食堂から出ていく。

 

「篠ノ之博士の発言に気に食わない事があったのでしょうか?」

 

「……さあな」

 

俺は束さんから妹の話は聞いてないからな。

 

とはいえあの様子じゃクロエや織斑に理不尽な八つ当たりをやりかねないし、手を打っておこう。

 

俺は携帯を取り出して千冬さんにヘルプのメールを送り始めた。

入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?

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