IS×World Trigger   作:ガイストは男のロマン

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第22話

 

 

「全くコイツは……私はこの馬鹿を連れて行く」

 

千冬さんは呆れ顔全開で気絶した篠ノ之を俵担ぎして去って行く。つい先程木刀を持って織斑を追いかけていた篠ノ之だが、俺が以前のように篠ノ之をシールドで囲んでから千冬さんに連絡をしたのだ。

 

しかもその際には「貴様らのせいで!」とか「一夏を解放しろ!」とか凄い形相で木刀でシールドを殴りまくっていたが、束さんと違う意味で頭のネジが外れていると思った。

 

しかしISを開発してボーダーに貢献している束さんと違って、コイツは姉の名前に守られてるだけのガキだ。入学してから1週間以内というのに木刀や竹刀を他人に振るいまくってるし。普通なら退学だが、束さんの妹という事が理由で無罪に近い結果になってるだろう。

 

「済まん恭弥。助かった」

 

「無事で何より。それとお前の境遇を考慮して城戸司令に護身用トリガーを貸してもらうように頼んどいた」

 

「それは助かる……ん?護身用トリガーって普通のトリガーとはどう違うんだ?」

 

「要は武器や防具がないトリガーだ。とはいえトリガーを起動したら肉体の性質も変わって、耐久力と身体能力も大きく上がる。テレビのボーダー隊員の防衛日報で屋根から屋根に飛び移るのを見た事あるだろ?」

 

「ああ。つまり箒の竹刀や木刀も痛くないと?」

 

「全然痛くないぞ」

 

実際高層ビルから落下してもトリオン体なら痛くないからな。常に暴力に晒されるコイツは持っとくべきだ。

 

「それは是非とも持っておきたいな。箒、いきなりキレだすから正直言って怖いんだよ」

 

「気持ちはわかる……あと、トリガーを使っている時に暴力は振るうなよ。生身の人を殴ったら大怪我じゃ済まないからな」

 

トリガーを起動すると腕力も向上するからな。生身でくらいつけるのは千冬さんと束さんくらいだろう。

 

「わかった。ありがとう」

 

「気にするな。それより馬鹿が居なくなったし、しっかり勉強しとけ」

 

クロエから宿題を出されているだろうからな。

 

「ああ、また明日」

 

俺達はそう言ってから別れて互いの部屋に向かって、そのまま眠りについた。

 

 

 

 

翌日……

 

『……以上の事からパイロットは拘束されて、ボーダーは倉持技研に抗議をしている状況になります』

 

そのようなニュースが流れる中、食堂で朝食を食べる。ニュースでは倉持技研が逆恨みからボーダー本部を襲撃したら逆に拘束されたと報道されている。

 

それについては間違っちゃいないが、国近先輩によればボーダー基地に近づいてきたISのスラスターを当真先輩と奈良坂先輩と東さんと佐鳥が撃ち抜いて、落下した所を風間隊が制圧したとの事らしい。

 

(ISを撃ち落とすなんて、今更ながらウチの狙撃手は変態だらけだな)

 

俺も以前は完璧万能手を目指してイーグレットの練習をしたが、全然上手くならずに終わっちまったからな。

 

そんな風に考えながら朝食を食べ終えて、食堂を後にしようとした時だった。

 

ピンポンパンポン

 

『1年1組織斑一夏君、1年4組更識簪さん、至急職員室にくるように。繰り返す、1年1組織斑一夏君、1年4組更識簪さん、至急職員室にくるように』

 

いきなり呼び出しのアナウンスが食堂に流れる。確かあの2人は倉持の専用機を支給されていた筈だ。

 

しかし束さんの宣言により倉持はISの開発を出来なくなり、倉持がやっていた開発はボーダーが引き継ぐ事になった。

 

そうなるとIS関係で呼ばれてもおかしくないな。

 

(何にせよ俺は呼ばれてないし、気を休められるかもな)

 

食堂を出て教室に着くと自分の鞄を机の上に置いて待機する。

 

「とり〜、おはよ〜」

 

と、ここで布仏が挨拶をしてくる。

 

「おはよう。相変わらず眠そうだな」

 

「そだね〜、正直後3時間は寝たいよ〜」

 

いや、それは寝不足過ぎるだろ。寮の部屋で遊び過ぎてるのか?

 

「ところでおりむ〜とかんちゃんは何で呼ばれたのかとり〜は聞いてない?」

 

「呼ばれたのは知ってるが理由は聞いてないな。まあ一夏には改良された専用機の支給、4組の代表候補生とは倉持がボイコットした専用機の開発の打ち合わせとかじゃないのか?」

 

それ以外は余り考えられない。

 

「ん〜、かんちゃんは1人で組み立てることに拘ってるからどうだろ〜」

 

「1人で?そりゃ無茶だし意味がわからん。エンジニアならわかるけど、何で代表候補生が組立に拘るんだよ」

 

代表候補生は国防や自国の前での為に強くなろうとしているが、わざわざ組立まで行う理由がわからん。倉持がボイコットした時ならいざ知らず、ボーダーが作ってくれるなら喜んで作ってもらうのだと思っていた。

 

「かんちゃんにも色々あるんだよね〜、詳しい話はかんちゃんがOKを出してからだね」

 

「いや、別にそこまでして知ろうとは考えてないから、またの機会にしてくれ……っと、済まんがトイレに行ってくる」

 

他人の重い話なんて聞いていて疲れるだけだから極力疲れるだけだ。

 

ガラガラガラガラ

 

俺は教室のドアが開けると同じタイミングで織斑がやってくるが、若干疲れた表情だ。

 

「おはよう織斑」

 

「ああ、おはよう恭弥……」

 

「どうした?疲れてるみたいだが、呼び出しがヤバかったのか?」

 

「まあな。冬島さんと真木先輩がやってきて、今後の開発や組立の打ち合わせをやったんだよ。そしたら更識さんは全部自分でやるって言って聞かなかったんだよ」

 

その件については俺も布仏から聞いていたが、どうやら本当のようだ。

 

しかし……

 

「それはわかった。けど何でお前がそこまで疲れるんだ?」

 

話を聞くかぎり、織斑が疲れる理由がわからない。

 

「いや、真木先輩が更識さんに理由を聞いたら、お姉さんが1人で組立てをしたから自分も……って返したんだよ」

 

おいおい、事情を知らないとはいえ、お前が理由を話すなよ。

 

「そしたら真木先輩が『仮に組立てても世間が「姉が出来たんだから当然だ」と言われるのがオチ』とか『寧ろ組立てに時間を割いて鍛錬の時間が減って代表候補生から落とされたら本末転倒だ』とか『優先順位を間違えないで働け』ってメチャクチャヤバいオーラを出して、更識に詰め寄って、精神的に疲れたんだよ」

 

ソイツはご愁傷様だ。というか真木先輩が怖過ぎる。流石冬島隊のナタ振りだ。仕方ないっちゃ仕方ないけどビビりまくりだ。

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

ここでチャイムがなって千冬さんが廊下を歩いてくるので、俺はトイレを諦めて着席する。少しだけ我慢だ。

 

 

 

「席につけ。全員いるようだし朝のHRを始める」

 

「あの、篠ノ之さんがいないようですが……」

 

確かに周りを見れば篠ノ之はいないな。遅刻か?

 

「ああ、アイツは廊下で暴れ過ぎるから数日間懲罰室に叩き込んだ」

 

よし、これで数日は平和だ。どうせなら数日ではなく、ずっと閉じ込めて欲しいものだが……

 

 

内心残念に思いながら俺は窓の外をぼんやり眺めるのだった。視界の先には青空が広がっていた。

入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?

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