IS×World Trigger 作:ガイストは男のロマン
クラス代表決定戦前日……
ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!
射撃場にて俺はリボルバー拳銃兵装「ベルセルク」の引き金を引いて30メートル先の的に当てていく。
それから激鉄を鳴らすと弾倉が光りリロードされるので再度引き金を引いて的を破壊する。
それを200回繰り返してモニターを見ると、705点/1000点と表示される。
今回の訓練は的のど真ん中に当てたら5点、ど真ん中から離れた場所に当たれば点数は減り、的の端だったら1点与えられる。
そして今回は5点を18つ、4点が84つ、3点が86つ、2点が9つ、1点が3つとなった。的に当たらないという結果は出なかったが、思ったより伸びなかった。
(やっぱり射程の違いは問題だな)
ボーダーでもリボルバー拳銃型トリガーを使っていたが、その時の射程が20メートルちょいだ。
対するこのベルセルクの射程は40メートルだが、普段から20メートルくらいの射程で戦っていたので射程が伸びると命中率が落ちてしまう。
(やはりクラス代表決定戦では20メートル以内に相手が入った時に使うか)
そう思いながら次のトレーニングプログラムを起動しようとした時だった。
「烏丸君!烏丸君!練習熱心なのは良いですが、射撃場を閉める時間ですよ!」
背後から山田先生に呼ばれるので時計を見れば、閉まる10分前だった。確かにこれなら無理だな。
「わかりました。すみませんでした」
「いえいえ。それにしても烏丸君の武器の射程はかなり短いですね」
まあ否定はしない。大抵のISの銃火器の射程は100メートル以上あるからな。実際、離れたレーンで訓練していた生徒は100メートル離れた場所に的を設置していたからな。
「その代わりに威力と弾速は桁違いですから」
ISの基本的の中距離兵装で訓練機の打鉄のシールドエネルギーを満タンから0にするまで大体30発くらい打つ必要があるが、ベルセルクなら8発で済む。
だから俺のISの基本的なスタイルはハウンドで敵の動きを誘導して、機動力で距離を詰めてスコーピオンとベルセルクでボコす感じだ。
「まあ中距離のバランサータイプの山田先生からしたら、俺のスタイルは異端でしょうけど」
山田先生は中距離戦を得意として、様々な銃火器で相手を誘導して、相手が隙を晒したら榴弾砲を叩き込む戦闘スタイルだが、状況に合わせた射撃で味方を援護する事や敵をコントロールするのが上手い。
ボーダーでいうなら犬飼先輩や水上先輩に近く、一緒に戦う人からしたら頼りになるだろう。
「確かに新鮮には見えますね……ん?烏丸君は現役時代の私の記録を見ているのですか?」
「入学前に教師と代表候補生の戦闘記録は一通り見てますね」
国の命令とかで闇討ちしてくるかもしれないからな。出来る限り対策はしておくべきだ。まあそれを口にしたら空気を悪くするから言わないけど。
そんな風に話しながらも食堂に向かう。
「私はまだ仕事がありますけど、烏丸君は明日に備えてゆっくり休んでくださいね」
「はい。ありがとうございます」
校舎の近くにて山田先生からそう言われたので挨拶をして別れる。
そして食堂に着いて日替わり定食を注文してから席を探すと、机に突っ伏している織斑と織斑の頭を撫でているクロエがいた。いや、どういう状況?
「あっ、お疲れ様です」
クロエはこちらに気付き礼をしてくるが、織斑は起き上がらない。
「お疲れ。織斑はどうした?お前の修行に限界を感じたのか?」
「いえ。私の訓練は特に厳しくしてないですが、私と模擬戦をした後、反省会をしていたら、冬島隊長のサポートの為にIS学園に来ていた真木様がやって来て……」
「OK。それ以上は言わなくて良い」
大方模擬戦を見ていた真木先輩が容赦ない指摘を連発して、織斑のメンタルが大ダメージを受けたのだろう。真木先輩がランク戦の解説をすると、一部のB級中位や下位の隊員が織斑のようになるし。
「恭弥……真木先輩が怖過ぎる。言い過ぎだって止めようとした冬島さんも黙れって一蹴してたし、冬島隊じゃなくて真木隊じゃないのか?」
「単純にオペレーターはやる事が多いからな。けど実質的な隊長は真木先輩と思うのはおかしくない」
冬島さんと当真先輩はいつもナタ振りの餌食になってるし。
「でもキレてないからマシだぞ。真木先輩がブチ切れると塵を見る眼差しを向けながら正座を強要してくるぞ」
「恭弥様が膝カックンした時ですね」
「お前マジでやったの?!」
「まあな」
思い出すだけで背筋が冷える話だ。1年くらい前に影浦先輩と個人ランク戦10本勝負をした際に負けなら何でも1つ言う事を聞く罰ゲームを含めたら、6-4で負けてしまい真木先輩に膝カックンをしろって命令をされたんだよ。
年下にあんな風に命令するなんて血も涙もない先輩だ。二宮さんの尻を触ってこいって命令しようとした俺とは違うな。
「何にせよ明日は試合なんだから、しっかり休め」
「そうする……ありがとな」
織斑はトレーを持って去っていくが、明日までに回復する事を祈る。
「で?結局アイツはどうなんだ?」
「そうですね。思ったよりも飲み込みが早く、2年生の大半には負けないでしょう。ただ専用機持ちに勝つのは厳しいですね」
まあそれはそうだろう。織斑のISの稼働時間は20時間ちょい。入学するまでに使ってない事を踏まえると相当努力しているのはわかるが、専用機持ちの代表候補生は数百時間もISに乗っているからな。
「まあ確率が0でないので全力で挑んで貰います。恭弥様も頑張ってください」
「ああ。やるだけはやる」
クロエはトリガーを使った場合は俺の弟子だが、ISを使った場合は俺の師匠だ。情けない姿を見せるわけにはいかないからな。
俺は飯を一気に食べて、そのまま自室に戻り、体力の回復に努めるのだった。
翌日……
「ではこれより試合の組み合わせをくじ引きで決めて貰う。しかし……」
アリーナのピットにて織斑先生が紙の箱を持って見せてくるが、訝しげな表情だ。
「何故お前がここにいる篠ノ之。部外者は客席に行け」
この場にいるのは俺、クロエ、織斑、オルコット、織斑先生、山田先生、篠ノ之だ。
俺とクロエと織斑とオルコットは選手として、織斑先生と山田先生は審判としているが、篠ノ之がここにいる理由はわからない。確かに今日から謹慎明けだけど。
「私は一夏の幼馴染です!」
「それが何だ」
「なっ……!」
篠ノ之の言葉に織斑先生が一蹴するが、幼馴染は関係ないだろう。普通に考えたら出ていくべきだ。
しかし……
「良いんじゃないですか?追い出したら客席で不機嫌オーラ全開にしながら木刀を振り回して、クラスメイトが不快な思いを抱きそうですし」
木刀はともかく、今篠ノ之を追い出したら絶対に不機嫌になるだろう。これについては賭けても良い。
そして謹慎明けの彼女が客席で不機嫌な態度を出したら、クラスメイトらは怖がっておかしくない。
それなら織斑先生の近くにおいて監視して貰う方が良いだろう。
「なっ!貴様私を愚弄するか!」
「いや、所構わず木刀や竹刀を振り回しているんだし、普通の人間なら俺と同じ考えをもつぞ?」
マジで。しかも寮のドアをぶっ壊したりもしてるからな。
「何だと?!」
「黙れ篠ノ之。烏丸の提案だが、私も同意見だから特例として置いてやるから騒ぐなよ」
激昂する篠ノ之に織斑先生が割って入るが、織斑先生も同意見のようだ。
「っ……」
「改めてクジを引いて貰う。最初は奇数同士、偶数同士で戦って貰う。クロニクルから引いていけ」
織斑先生が絶句する篠ノ之を一瞥すらしないで箱を出してくる。最初にクロエが箱に手を入れて……
クロエ→4
オルコット→3
俺→1
織斑→自動的に2
このような引きとなり、第一試合で俺とオルコットが、第二試合でクロエと織斑が戦うことに決まるのだった。
入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?
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おかしい
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おかしくない