IS×World Trigger   作:ガイストは男のロマン

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第26話

 

 

ピットに戻り、ISを確認するとオルコットから受けたダメージが予想より大きい事がわかった。エネルギーは直ぐに補給出来るが、装甲は直ぐに直らないし、紙装甲である事を考えるとパフォーマンスは大きく落ちるだろう。

 

これでは次の試合は厳しいし……一勝はしてるし、辞退するか。

 

俺は管制室に向かって通信を入れる。

 

『どうかしましたか烏丸君?』

 

出たのは山田先生だった。

 

「山田先生。予想よりもダメージが大きいんで、残りの試合は辞退させてください」

 

『わかりました。オルコットさんからも連絡が来ましたが、2人の辞退を認めます』

 

どうやらオルコットも辞退したようだ。まあミサイルビットとスターライトmk-Ⅲを破壊したから当然だろう。

 

そんな風に考えていると廊下から織斑がやって来る。

 

「お疲れ恭弥。カッコ良かったぜ」

 

「そりゃどうも。それよりお前は厳しい通り越して無理ゲーだが大丈夫か?」

 

クロエの実力は下手な代表より強いからな。織斑が勝てる確率は実質0%だろう。

 

「もちろんだ。俺はクロエから習った事を一つずつ実践するだけだ」

 

どうやら落ち着いているようだ。試合で大切なのは練習でやった事をパフォーマンスを落とさずにやる事で、ぶっつけ本番の無茶は到底成功しないし、次に繋がらない。

 

今の織斑を見ると無茶はしないだろうし、今後の糧になるだろう。

 

『織斑、出撃の準備をしろ』

 

「はい……こい、白式!」

 

織斑がそう呟くと瞬時に白いISが纏われる。腰には白い鞘に覆われた剣が印象的だ。しかし展開速度も初心者の域を出ているし、見込みはあるだろう。

 

「じゃあ行ってくる」

 

「おう、頑張ってこい」

 

互いに言葉を交わしてから織斑はゲートから空に舞い上がる。少ししてからチェスピースを纏ったクロエが出てくる。

 

『お待たせしました。宜しくお願いします』

 

『こっちこそ。お前から教わった事を実践出来るように頑張るぜ』

 

『ええ。楽しみにしています』

 

言いながらクロエはスコーピオンを左手に出して、織斑は右手にアサルトライフルを出す。刀にアサルトライフル……兄貴に似せてきたか。

 

『試合開始!』

 

織斑先生の言葉に織斑はアサルトライフルの引き金を引く。同時に大量のエネルギー弾がクロエに向かうが、クロエは軽いステップで回避しながら織斑に近寄りにかかる。対する織斑は下がりながら射撃をするが、クロエとの距離が10メートルを切ると射撃を止めて、回避行動に入るが……

 

(お、思ったよりも躱しているな)

 

全て回避しているわけではないが、結構回避している。ISをマトモに使って1週間なら上出来も上出来だろう。

 

しかしクロエはどんな訓練を施したのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日前……

 

 

「今後の練習メニューですが、練習の半分を回避訓練にして、残りを射撃訓練と剣術訓練にします」

 

アリーナにてクロエがそう告げる。既に一夏の専用機である白式は冬島の手によって改良が終わっている。

 

「回避訓練?」

 

「はい。織斑様の専用機のメインウェポンの雪片二型はバリアー無効化攻撃という非常に高い攻撃力を持つ反面、自分のISのシールドエネルギーを削る諸刃の剣です。普通に使う場合、千冬様クラスの実力は必要です」

 

寧ろ雪片だけで世界一になれた千冬が異常なのだ。ISでも剣より銃の方が有利だが、千冬はその常識を覆したのだ。

 

「やっぱり?」

 

「はい。しかし持つ以上は練習は必要ですが、織斑様はまず回避訓練に力を入れます。攻撃を受ければシールドエネルギーが減り、雪片の使用可能時間が同じように減ります」

 

白式は装甲が厚く、シールドエネルギー量もかなりあるが、だからといってシールドエネルギーは可能な限り温存する必要がある。

 

「ても回避ばっかしていたら反撃できないんじゃないか?」

 

「だからこその射撃です。現状織斑様の専用機の性能を考慮すると、回避と射撃で相手にストレスを与え、相手が寄ってきた時のみ雪片二型を発動して振るうスタイルを考えています」

 

要はカウンタースタイルになる。千冬とはスタイルは全然違うが、今の一夏の足りない要素を考えるとこの結論になった。

 

しかし一夏には不満はなかった。これまで自分の世話をしてくれたクロエなら信じることが出来る。

 

「わかった。ちなみに射撃用弾丸は何を選べば良い?冬島さんから4種類の弾丸から2種類を好きに選べって言われたし、やっぱりメテオラとハウンドか?」

 

一夏は冬島から射撃弾丸のアステロイド、メテオラ、ハウンド、バイパーの性質を聞いたが、広範囲を攻撃出来るメテオラと自動追尾が出来るハウンドを使いたいと考えている。

 

「最初はシンプルなアステロイドですね。そこで武器の取り回しや立ち回り方、距離感をある程度学んでから他のトリガーを使うべきです」

 

クロエは首を横に振りながらそう返す。その2種は便利だが、初心者に渡すと性能に頼り切りになると考えている。

 

実際シールドを使えないC急ランク戦ではハウンドやメテオラは便利だが、それに頼り切りなままB級に昇格した隊員は、戦術が確立しているB級中位以上のメンバーから洗礼を受けるのがお約束となっている。

 

「では訓練を始めましょう。私が攻撃しますので、最初は武器を使わずに回避に専念してください」

 

「おう!」 

 

一夏は元気な表情を浮かべながら頷き、白式を纏ってクロエに続いて、空に舞い上がった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在……

 

(ぐっ、やっぱり全部回避するのは無理だな。全く本気を出してないのが丸分かりだってのに)

 

回避しながらも攻撃を軽く何回も受けてしまい、シールドが少しずつだが、確実に減っているのを理解させられる。

 

しかし一夏は粘る。自分の為に時間を割いてくれたクロエからの指導を無駄にするわけにはいかないからだ。

 

一夏は焦る気持ちに蓋をして、相手が折れるまで回避に専念するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻……

 

「なんだあの腑抜けた戦いは!?ふざけているのか?!」

 

管制室にて箒が怒号をあげて、千冬の額に青筋が浮かぶ。

 

「黙れ篠ノ之。織斑は特に問題を起こしてない。戦術についても問題ない」

 

まだ荒削りではあるが、一夏の動きには努力した跡が見えるので、余程頑張ったのだと推測出来る。

 

 

「そんなはずありません!あんな邪道みたいな戦い方!」

 

箒は剣を使って正面から堂々と戦う事が正しく、銃を使いながら下がる一夏の今の戦い方は許せなかった。

 

(やはり一夏を堕落させたのはクロニクルのせいだ!絶対に許さない!専用機があれば……)

 

そう呟く箒に千冬はため息を吐く。どこまで強引なんだと呆れの感情を宿してしまう。

 

(はぁ、やっぱり叩き出すべきだったな)

 

そこまで考えていると激しい音が聞こえてくるので顔を上げると、クロエの更なる連撃を重ね、なんとか食らいついている一夏が必死な表情を浮かべている。

 

(強くなれよ一夏、今後どんな敵と戦うかわからないからな)

 

千冬はモニターに映る一夏を見て、強くそう願うのだった。

入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?

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