IS×World Trigger 作:ガイストは男のロマン
普通の感性の主人公からしたら、大半のヒロインはイカれキャラって思う事を
「ふぅ……大分遅くなったな」
夜、加古さんのポイズン炒飯による気絶から目覚めた俺はボーダーの廊下を歩いている。目覚めてから携帯を確認した所、家族は今日から保護の為にボーダー基地で暮らす事になったのだ。俺が適合者と気付いて直ぐに動いてくれたのはありがたい。
「恭弥」
背後から誰よりも聞いた声で話しかけるので振り向く。
「兄貴」
そこにいたのは兄貴の烏丸京介。今は玉狛支部に所属しているが、本部にいた頃は太刀川隊に所属していた俺の前任者だ。
「今日は大変だったみたいだな。怪我してなくてよかった」
「まあさっきまでハズレ炒飯で意識を失ってたけど。兄貴達にも迷惑をかけた」
既に俺、烏丸恭弥が第2の男性操縦者というのは世間に広まっている。更に今の時代はネット社会だし俺の家族にも注目が集まっているのは明白だ。
「気にするな。恭弥は巻き込まれただけだし、既に城戸司令や束さん、唯我グループが俺達を保護してくれているからな」
実に頼りになるな。未知なるテクノロジーを牛耳る2人と世界有数の大企業が相手では日本政府もIS委員会も下手に動けないだろう。実際ボーダーには100人以上の戦闘員、束さんが独自で作った30近くのISのコア、非公式だが20体の無人ISを保有している。その気になれば世界を支配出来るだろう。
「良かった……」
「お前こそあまり無茶はするなよ。笹森と半崎から聞いたがISの一部を破壊したみたいだしな」
そういや検査の時には同じクラスでボーダー所属する笹森と半崎も見ていたな。
「気をつける。まあその件は既に片付いたから大丈夫だ」
「なら良かった。それよりそろそろ部屋に行こうか。母さんが夕食を作って待ってる」
それはありがたい。やはりお袋の味が1番だからな。特に激物を食った後ならな。
俺は楽しみにしながらボーダーが俺達家族に与えてくれた居住場所に向かう。
そして着いた時にお袋達には謝ったが全員が怒ってないと告げてきたので安堵と歓喜の感情が俺の胸中に生まれたのだった。
翌日……
「じゃあ恭弥君。始めましょうか。まずはアレに腰掛けて」
訓練室の一室にて加古さんが紫と黒の鎧……加古さん専用のIS『幻魔蝶』を纏いながら横を指差す。そこには鉄色の鎧……日本産の訓練用IS『打金』が鎮座している。昨日触ったフランス産の訓練用IS『ラファール・リヴァイヴ』とはまた違った雰囲気だな。
そう思いながら俺は『打金』に腰掛ける。するとキィィィィィィンッと音が聞こえてきて、『打金』は俺の身体にくっつき、やがて俺の身体は『打金』に乗る体勢となり、地面から20センチくらい浮き上がる。
「どう?頭痛とはある?」
「特にないっすね」
寧ろスッキリしてくる。 そう答えると次回にモニターが表示される。
――戦闘待機状態のISを感知。操縦者加古望。ISネーム『幻魔蝶』。第3世代型IS。戦闘タイプ近中距離型。特殊装備有り――
センサーが加古さんのISの情報を開示する。どうならISを感知するとそのISに関する情報が手に入るようだな。
「じゃあ先ず訓練の流れを説明するわね。今週はISの基本的な動作のみ、来週はそれに加えて武器の特性の勉強、それ以降はひたすら実戦訓練ね」
「了解しました」
ISの練習メニューは詳しくないが日本代表が提示したメニューなら信じられるだろう。
「最初は歩行。まずは地面に着地する必要があるから着地してみて。普段のランク戦で建物から地面に着地する場面をイメージすれば良いわ」
加古さんがそう言うので、俺はA級ランク戦で敵を追撃する際に住宅地から地面に着地する場面を思い出す。
すると『打金』はゆっくりと地面に着地して、地面に触れる感触が足に伝わってくる。
「OK。じゃあ普通に歩いて訓練室を一周してみて」
そう言われて歩いてみるが、自分で歩くのとは勝手が違う。転びはしないが違和感を感じるな。
俺は多少疎ましく思いながら一周する。
「どう?違和感を感じたでしょう?」
「メチャクチャしましたね」
「ISは飛行機能があるから歩くことは余りないわ。けど細かい動きをするコツとしては自分の身体とISの一体感を高める事で、歩行訓練は地味だけど違和感を無くしていけば一体感が高まるわよ」
「なるほど……スポーツやトリガーと同じように地味な反復訓練が強さの秘訣って事ですね」
「正解」
あらゆる物事で実力を高める場合、最後に物を言うのは基礎の積み重ねだ。それはISとでも変わらないようだ。実際ランク戦でもデータを繰り返し見て、トリガーを繰り返すのが強くなるための最善だからな。
「歩行については毎日の訓練の始めと終わりにやって貰うわ。次に移動の訓練を説明するわ」
言いながら加古さんは宙に浮きながら、動く歩道に人が乗ったように、空中を滑るように移動する。
「イメージをすれば動かせるけどイメージ内容は自分で考えてみて。人によってイメージが違うわ」
「そうなんですか?」
「ええ。私はスケートをイメージしてるけど、私の知り合いの代表候補生はベルトコンベアーをイメージしてるから」
そう言うことか。なら俺は最初に思いついた動く歩道をイメージをして……おっ、上手くいった。
「飲み込みが早いわね。ISの飛行や武器の展開、特殊武装の攻撃には強いイメージが必要だけど、教科書の見本に頼らないで自分だけのイメージを確立する事が大切よ」
「わかりました」
まあボーダーでも他人の動きを参考にすることはあっても、丸々真似することはない。真似する対象とは骨格も身長も性格も違うから、コピーしようとしても劣化コピーしか出来ないからな。
「オッケー。じゃあ今の移動方法で訓練室を3周。問題なく出来たら飛行訓練に行くわよ。GO!」
加古さんに指示を出されたので常に足元に動く歩道がある事をイメージしながら訓練室を移動する。
そして2周半した所で訓練室に俺の弟子のクロエが大きな本を入ってくる。何だアレは?契約書関連か?
疑問に思いながらも移動して3周回って2人の元にやってくる。
「ようクロエ。それは契約書関係の本か?」
「いえ。先程IS学園の方から恭弥様に送られてきた参考書です。入学までに熟読しておくようにとの事です」
クロエは電話帳のように分厚く、表紙に必読と書かれた参考書を渡してくる。これを全部覚えろと?
「あー、懐かしいわね。私も入学前に大変だったわ。後で私の参考書をあげるわ。少しくたびれてるけど、重要ポイントにはマーカーや付箋があるからわかりやすいわよ」
「そうですか、ありがとうございます」
重要な場所を重点的にやれるのはありがたい。多少ボロくても全く問題ない。
「あ、クロエちゃんも暇なら練習に付き合って貰えないかしら?」
「もちろん構いませんよ。師匠の恭弥様には日頃からお世話になっていますので付き合うのは「ありがとう。お礼に今日のお昼に炒飯を作るわよ」……すみません。束様と昼食をする約束をしてますので練習は午前中のみしか出来ません」
おい。日頃からお世話になっているなら俺1人にギャンブルをさせるな。お前本当に俺の弟子か?
「そうなの?なら今日振る舞うのは恭弥君だけね」
アカン。午後の訓練は中止になるかもしれない。
俺は2日連続で気絶する事を想像して真冬なのに冷や汗をかくのだった。
それから2時間後……訓練が1段落してから加古さんが炒飯を作ってくれたが、キムチチキン炒飯と当たりでクソ美味かった。
入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?
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おかしい
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おかしくない