IS×World Trigger   作:ガイストは男のロマン

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第32話

 

 

 

「クソッ……あの女、ガンガン殺意をぶつけやがって」

 

影浦さんは憎々しげにそう口にするが疲労感全開だ。影浦先輩のサイドエフェクトは敵意や悪意をより強く受信する傾向がある。殺意ならば言わずもがなだろう。

 

まあ真木先輩の殺意は尋常じゃないからな。影浦先輩じゃなくても疲れてしまうわ。

 

「千冬姉とは別ベクトルでヤバい殺意だったな。クロエはIS学園に入る前は毎日こうだったのか?」

 

「いえ。大半は当真様、偶に冬島隊長が殺意を浴びています。私は数回だけですね。それに当真様が留年になりそうだった時の真木様に比べたら今日の真木様は可愛いものです」

 

織斑の呟きにクロエがそう返す。俺は見てないが相当ヤバそうだな……

 

「お〜、恭弥君ではないか〜」

 

いきなり曲がり角で話しかけられるので振り向くと柚宇さんが手を振りながらやって来る。

 

「お疲れ様です柚宇さん」

 

「トーマ君から聞いたけど、またカゲくんと命知らずな事をやったんだよね〜。大丈夫だった?」

 

「けっ……」

 

「正直メンタルブレイクしそうっす」

 

「今後は自重したまえっと、初めましてだね。恭弥君のチームのオペレーターの国近柚宇だよ。よろしくね〜織斑君」

 

柚宇さんが手を挙げて織斑に挨拶するが、織斑にキョトンとした表情を浮かべる。

 

「えっ?恭弥の部隊って事はA級1位ですよね?」

 

「そだよ〜」

 

「マジか……!」

 

「おい織斑。確かに柚宇さんは抜けてるように見えるが、オペレーターとして超一流だからな」

 

太刀川さん同様に学校の勉強を犠牲にしてるけど。

 

「いや、A級2位のオペレーターの真木先輩がアレだから1位のオペレーターはそれよりヤバい人かと……」

 

『あー』

 

織斑の呟きにそう返す。確かにボーダーを知らない人からしたらそう思われても仕方ないかもしれないな。

 

「安心しろ。ボーダーで真木先輩より怖いオペレーターはいないから」

 

「厳しいオペレーターはいますが、怖いオペレーターは真木様だけです」

 

「寧ろあの女に怒られる側の人間だな」

 

「なるほど。俺はてっきりA級オペレーターは全員怖くて序列が上がるに連れて怖くなると思ってたぜ」

 

どんな考えだよ。3位部隊の三上先輩とか5位部隊の綾辻先輩とか7位の小早川とかはマジで天使だぞ。

 

「それは偏見すぎるね〜、ところで織斑君はボーダーに入るのかね?」

 

「いえ。今日は護身用トリガーを貰っただけで今後は未定です」

 

「なるほど〜、まあボーダーには遊び相手は沢山いるし、太刀川さんや束さんみたいに楽しむと良いよ〜」

 

あの2人はボーダーライフを満喫しているからな。とはいえ束さんは上層部の一員でもあるし、最近は忙しいし会議も頑張っているだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

「次期入隊のトリガーの件は了承した。次にIS部門について移りたいと思う」

 

会議室にて、城戸司令が束を見る。

 

「はーい。まずトリオン体についてだけど、PICの開発は一歩進歩したよ、じんじん」

 

「はいよ」

 

束の言葉に迅が頷くと、宙に浮かぶ。

 

「おぉ……!遂に再現したのかね?!」

 

根付メディア室長は興奮しながら質問をするが、束と鬼怒田開発室長は首を横に振る。

 

「残念だけど、ISに比べて安定性が悪過ぎるね」

 

「トリオンを安定の為に割けば多少マシになるが、玉狛の烏丸のガイストのようにトリオン体が不安定になるし、直ぐにトリオン体を失うわい」

 

開発者の2人がそう口にするので部屋にいる面々が迅を見れば、かなりフラフラしていて危なかっしい。

 

束と鬼怒田が行っているプロジェクトは、男性にも乗れるISの開発に加えて、トリオン体にISと同等の飛行能力を与える事を目的としている。

 

現在ISの武装にトリガーを織り交ぜる技術は完成して、女性隊員に訓練させているが、男性も同等の戦闘能力を持てるようにする事を目指している。

 

ISの基本システムとして、浮遊や加速を行えるPIC(パッシブ・イナーシャル・キャンセラー)システムがあり、これを迅のノーマルトリガーのトリオン体に組み込んでみたのだ。

 

進捗は悪いが、この技術が確立すれば戦略の幅が広がるのは当然として、大規模侵攻が起こった際に県外にいる隊員も数分で三門市に着くし、遠征先で逃亡にも役に立つ。

 

「ま、少しずつ前進してるし、気長に待ってくんない?必ず開発するからさ」

 

「了解した。急かすつもりはないからじっくりやれ」

 

「はいはーい。で、次にISのコアの割り振りについてだけど……もうフランスは期待するだけ無駄だから、フランスに貸した全部のコアを回収するつもり」

 

『っ!』

 

束の言葉に空気が重くなる。今現在、ISは国防において重要な存在である。全てのISのコアを没収されたらフランスは少しずつ衰退して、ドイツやイギリスに吸収されるだろう。

 

「……理由は?」

 

「当然開発がクソだからだね。開発してるのは第二世代と遅過ぎ。しかも一点特化タイプならまだしも、開発したラファール・リヴァイブはトリガーの発展には役に立たないし、イギリスとドイツとアメリカあたりに渡しちゃおっかな」

 

束はつまらなそうに淡々と話す。トリガー開発の発展の為に世界中にISのコアを貸しているが、フランスが開発したラファール・リヴァイブは安定さを重視していて、ボーダーのトリガーと同士をである為、発展の見込みが見えないのだ。

 

「相変わらずISが絡むと容赦ないな束は」

 

「えー、じんじんもベッドの上じゃ容赦ないじゃん。束さんがイってる最中にもガンガン突いてくるし」

 

「束よりはマシだよ。この前なんかこっちが限界なのに、搾り取ってくるから気絶しかけたし」

 

「そこまでにしろ」

 

「「はーい」」

 

話が脱線しかける中、城戸が冷たい眼差しを向けて黙らせる。

 

「ISのコアの最終的な扱いについては一任しているが、コアの回収をする場合、全てではなく半分にして貰いたい」

 

「何で?」

 

「いきなり全て没収となれば、今後スポンサーが付きにくくなる」

 

コアの所有権が束にあるとはいえ、前置き無しで全て没収となれば心象は良くないので、没収はするが最後のチャンスを与える方が良い。実際ビジネスでは最後のチャンスを与えるケースもあるのだから。

 

「ま、それくらいなら良いよ。ただしチャンスは1年以上与えないからね?」

 

「良いだろう。回収についてはお前が直接行くのか?」

 

「そのつもりだけど?」

 

「その場合は天羽を護衛として連れていけ」

 

「あ、天羽君を連れて行くのはちょっと……」

 

根付は冷や汗を流しながらそう呟く。ボーダーの最終兵器の天羽は本気で戦う際に人間離れした姿を晒す。

 

1人でフランスのIS部隊を壊滅させられる彼が暴れたらボーダーの心象はただ下がりとなるのは明白だ。

 

「言いたい事はわかるが、外国に向かう彼女の護衛には最強戦力を注ぎ込ませてもらう」

 

束の存在はボーダーにとって必要不可欠であるので、万が一にも奪われるわけにはいかない。

 

「じゃあ宜しくね〜、束さんの話はこれで終わり!」

 

「では次に来シーズンの遠征について……」

 

こうして次の議題に移り、会議は夜遅くまで続くのだった。

 

 




おまけ


【迅隊】
〔MEMBER〕
・AT 迅悠一
・SH 篠ノ之束
・OP 林藤ゆり


〔UNIFORM〕
青いアウターと白いシャツと黒いズボンとシンプルなデザイン

〔PARAMETER〕
近……4.5
中……5
遠……0.5



第1期東隊や太刀川隊と戦いたいと束が迅とゆりを誘い、チームを組む。迅の未来視のサイドエフェクトが束の圧倒的な手数のバイパーの軌道を読んで回避出来るので、束は他の銃手よりも激しい攻撃を繰り出せて第1期東隊と太刀川隊以外には無敗。

A級1位にもなったことがあるが、結成してから1年後に迅がS級になってから解散して、束もエンジニアに転属する。

入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?

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