IS×World Trigger   作:ガイストは男のロマン

34 / 44
第34話

 

 

 

「しかし欧州は荒れそうですわね。特にドイツはこれを機にフランスに強気な態度を見せますわ」

 

セシリアが束さんの会見を見てそう呟くが同感だ。束さんはフランスから返して貰うコアをイギリスとドイツとアメリカに貸すと言ったからな。

 

束さんがコアを回収する前からフランスは欧州で国力が低い方だ。

 

何せ国防に直結するISについては開発しているのは未だに第二世代だ。現在は第三世代の開発が主流の中で遅れている為、フランスのIS開発の主力のデュノア社は経営危機になっている。

 

また欧州連合の統合防衛計画のイグニッション・プランにも除名されているし、今回のコア回収の件で「フランスは欧州のお荷物だから」と欧州の各国は強気な態度を見せてもおかしくない。下手したら「フランスのISのデータを渡せ。それがお前達が欧州に貢献出来る事だ」みたいな事を言う国も出るかもしれない。

 

「まあでもフランスには文句は言えないだろ。ボーダーの役に立たなそうなISを開発したらコアを回収するってのは契約に含まれていたからな」

 

束さんはコアを貸す際にちゃんと契約書を作成して向こうの承認を貰っている。よってボーダーの役に立たないISを開発したペナルティとして回収されても文句を言う資格はない。

 

「理屈はわかりますが感情的に納得しないで、倉持技研のように予想外の行動を取るかもしれませんわよ」

 

理屈はわかる。コアを没収された倉持技研はボーダー基地を襲撃したからな。

 

「そうなったらフランス政府は滅びるだけです。束様がフランスに行く際、城戸司令は天羽様を護衛にする予定ので」

 

「マジで?下手したらパリが更地になるだろ?」

 

確かに束さんはボーダーにとって必要不可欠だが、まさか天羽を出すとは。根付さんには胃薬を差し入れしよう。

 

「アモウ?以前にも出た名前ですが、ボーダーの切り札なのですか?」

 

「切り札というか核兵器だな」

 

何せ特別訓練でISに乗った織斑先生と束さんの作った無人ISを20機を3分で沈めたからな。太刀川隊として天羽に挑んだが負けたし。

 

「何ですって?!どういう事よ一夏!」

 

と、ここで離れた場所で飯を食っている凰が織斑に顔を寄せている。

 

「また何かあったのか?頼むから竹刀や木刀を振るうなよ?」

 

「流石にそれは……篠ノ之さんくらいでは?」

 

「だと良いんだがな……」

 

俺はため息を吐きながらパパッと食事を済ませる。願わくばこれからはトラブルが起こらないで欲しいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後……

 

「んじゃ俺は射撃訓練に行くわ」

 

「頑張ってください。では織斑様、今日も宜しくお願いします」

 

「おう、宜しくな!」

 

俺はクロエ達に挨拶をしてから鞄を持って教室を出ようとした時だった。

 

「ちょっと良い!?」

 

凰が教室に入ってくる。

 

「何だよ鈴?なんか用か?」

 

「一夏じゃないわ。このクラスにクロエって人はいる?」

 

「私ですが、何か用事でしょうか?」

 

クロエが不思議そうに口を開ける。

 

「昼休みに一夏に聞いたんだけど、一夏の指導ってアンタがやってんのよね?」

 

「そうですが、それがどうかしましたか?」

 

「それなんだけどさ、あたしに代わってよ」

 

そう来たか。まあ剣道しか教えられない篠ノ之よりもマトモに教えられるだろうが、些か強引だな。

 

「申し訳ありませんがお断りします。織斑様の指導は束様からの命令でありますし、失礼ながら凰様は他人に教えられる程の実力が備わっていないと考えてます」

 

クロエは淡々と答えるが、凰の額に青筋が浮かぶ。

 

「へー、じゃあアンタは一夏に教えられる実力があると?じゃああたしと戦ってよ。勝ったら一夏の指導者を降りなさいよ」

 

「わかりました。それでは第二アリーナに行きましょう」

 

「っ!ギッタギタにしてあげるから!」

 

クロエは特に表情を変えずに頷いて鞄を持つ。その態度に余裕を感じたのか凰は怒りながらそれに続く。

 

しかしこの試合、確実にクロエが勝つだろう。クロエの実力は日本代表の加古さんより若干強い。で、加古さんは中国代表との交流試合で7勝2敗と勝ち越している。それを踏まえると代表候補生である凰とクロエにはかなり差があるだろう。

 

更に凰の専用機の甲龍は比較的新しいが、既にデータが公開されているから、情報がないが故の初見殺しはクロエに通用しない。

 

まあクロエの事だ。本気を出さずに織斑の為に凰の情報をタップリ絞り出すだろう。

 

とりあえず射撃訓練は試合を見てからにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナは沢山の生徒が集まっている。まあ専用機同士の試合だから当然だろう。

 

「織斑はしっかり見とけよ。来週はお前が戦うんだからな」

 

「お、おう!」

 

織斑が頷くのでアリーナを見直すと客席にバリアが張られて、東西のピットからクロエと凰が出てくる。

 

互いのスタート地点に立つと凰は両手に二振りの青龍刀を持ち、クロエは右手にスコーピオンを出す。

 

そして……

 

『試合開始!』

 

山田先生が試合開始の合図を告げると凰は一直線に突き進み、青龍刀を振る。

 

対するクロエは最小限の動きしかしないが、凰の攻撃を全て回避する。上段斬り、袈裟斬り、斬り上げなどの攻撃を容易く回避する。

 

それによって凰の剣筋が荒くなっていく。まあ当然だろう。最小限の動きで回避されているのだから。

 

と、ここでクロエが反撃とばかりにスコーピオンを振るう。対する凰は青龍刀で受け止めようとするが、ぶつかる直前にスコーピオンの形が変わり、青龍刀を回避するように動いて関節部を切る。

 

それにより片方の青龍刀が地上に落下して、同時にクロエの蹴りがもう片方の青龍刀を弾いて、同じように地面に落下する。

 

これで凰は徒手空拳になったが、クロエは追撃しないで凰を眺めている。

 

そんなクロエの行動が気に食わないようで、凰は何かを騒ぎ出す。そして手を振ったかと肩の装甲が一瞬光る。

 

と、同時にクロエは横に跳ぶと、数秒して地面にクレーターが生まれる。

 

「何だあれ?!」

 

「衝撃砲ですわ。空間に圧力をかけて砲身を作り、余剰で出来る衝撃を砲弾として放つ能力ですわ」

 

「さっき肩の装甲が光ったが、アレは空間の一部に圧力をかけたって合図だろうな」

 

織斑の叫びに俺とオルコットが順番に答える中、凰はガンガン衝撃砲を放っていく。それによって地面には更にクレーターが増えていく。

 

しかし肝心のクロエには1発も当たっていない。凰はあらゆる場所から衝撃砲を放っているにも関わらずだ。

 

すると徐々に狙いが荒くなっていく。ドツボにはまっているのがわかる。

 

(しかし本気を出さずに回避ばかりなのは完全に織斑の為だな)

 

今の織斑は回避を繰り返して相手をイラつかせてから、雪片を使って攻撃するスタイルだが、今のクロエはお手本を見せている。

 

それから2分くらい回避しているクロエだが、ここで左手にキューブを生み出して、64分割してから半分を弾丸として凰に飛ばす。

 

対する凰は飛んで逃げるが弾丸は追尾して、クロエの手元にある32のキューブの更に半分を遅れて飛ばし、凰を挟み込むようにする。

 

凰は下に向かうが、次の瞬間クロエは瞬時加速で凰との距離を詰めて0距離で残った16のキューブを叩き込む。束さんから習った1人時間差攻撃だな。

 

その一撃によろめく凰に上から48のキューブの弾丸が一斉に降り注ぎ、甲龍のシールドエネルギーは一気に削れて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『試合終了、勝者クロエ・クロニクル』

 

スコーピオンによる一撃で甲龍のシールドエネルギーを0にして、無傷で専用気持ちの代表候補生を蹴散らした事を証明する。

 

やっぱりISを纏ったクロエは桁違いだな。スコーピオンの師匠の俺も励まないといけないな。

入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?

  • おかしい
  • おかしくない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。