IS×World Trigger   作:ガイストは男のロマン

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第37話

 

アリーナには沢山のギャラリーがいて、中央には打鉄を纏った織斑と篠ノ之が待機している。

 

「それでは打鉄の装備を確認します。近接ブレードの葵、アサルトライフルの焔備の2点のみの初期装備で宜しいですね?」

 

『ああ、それ以外の装備はないぜ』

 

『問題ない』

 

「結構。それではこれから試合を始めます。織斑様が負けた場合は私、クロエ・クロニクルが織斑様の指導役を降りる、篠ノ之様が負けた場合は篠ノ之様は今後織斑様の指導に口出しをしない……賭けの内容は問題ありませんね?」

 

『ああ』

 

『正直納得してないけど……了解』

 

『一夏!』

 

不満タラタラの織斑に篠ノ之が怒鳴るが、織斑の立場からしたら擬音語ばかりの篠ノ之の指導は嫌だろう。

 

「ねぇ恭弥。どっちが勝つと思う?」

 

隣に立つ鈴が話しかけてくる。さっき話したが、直ぐに名前呼びでって事になったがコミュ力の高い奴だ。

 

「普通に戦えば絶対織斑だな。篠ノ之は束さんからISについて習ってないが、織斑は入学してからクロエの操作と戦術の指導をしっかり受けて稼働時間は30時間以上あるからな」

 

篠ノ之は授業以外で、初めて訓練機に乗るみたいだから経験値が少ない。

 

更に打鉄の装備は近接ブレードとアサルトライフルだが、これは織斑の専用機の白式と同じ仕様だから織斑からしたら使いやすいだろう。

 

経験、戦術、武器の理解度、全てにおいて織斑が勝っている。普通に戦えば織斑が勝つ。

 

「じゃあ初心者の壁は突破してるわね。けど普通に戦えばってどういう意味?」

 

「篠ノ之が地上で剣で戦えってごねて、織斑が我儘に付き合った場合はわからない。篠ノ之は剣道にこだわりがあるからな」

 

実際地上で剣を振るのと空中で剣を振るのは全然違う。俺もグラスホッパーを入れた当初は空中戦が苦手だったので、防衛任務において合流にしか使ってなかったからな。

 

で、篠ノ之の性格的に空中で思うように戦えなかったら「地上で正々堂々と戦え!」って喚きそうだ。

 

「じゃあ仮に一夏が付き合ったら負けるって事?」

 

「いや、それでも勝つと思うが、負ける確率が0から15%くらいになるって話だ」

 

地上なら多少マシになるが、ISと剣道は違うからな。既に織斑の回避と捌きには厚みがあるし、有利なのは織斑だ。

 

 

そう思う中、2人が構えを見せる。篠ノ之は近接ブレードを出すが織斑は武器を出さない。

 

『一夏、早く武器を出せ』

 

『いや、俺はこれで良い』

 

『私を馬鹿にしてるのか?!早く出せ!』

 

『必要になったら使うさ。それに箒が有利なんだから良いじゃないか』

 

『……その思い上がり、邪道な剣と同じように砕いてやるぞ』

 

篠ノ之は苛立ちを露わにしているが、それは悪手だ。

 

「ねぇ、一夏ってああいう挑発をするタイプじゃなかったような気がするんだけど」

 

「後で教えるが、武器の特性の関係上、今の織斑は相手をイラつかせる戦闘スタイルだからな」

 

鈴にそう返す中、試合開始のカウントダウンが始まり……

 

「試合開始!」

 

クロエが試合開始の宣言をする。

 

『はぁぁぁっ!』

 

同時に篠ノ之は叫びながら織斑との距離を詰めにかかるが、ある程度進むと織斑は右斜め後ろに飛び始める。篠ノ之も飛びながら距離を詰めて近接ブレードを振るうが、織斑は当たる直前にギリギリで回避する。

 

『このっ!』

 

篠ノ之は毒づきながらも剣を振る。しかし剣の動きは全て小手、逆胴、面など剣道に通じるものであり、踏ん張りが効かないから鈍い動きだ。

 

当然短い期間とはいえクロエに全力で鍛えられた織斑には余裕のようで簡単に回避されている。

 

試合前の苛立ち、普段とは違う剣の動き、織斑に全て回避されるという事実もあって、篠ノ之の剣は元々鈍かったが、更に荒くなっていく。

 

「……なんかデジャヴを感じるわね」

 

鈴がそう口にするが、さっきクロエにやられたパターンだからな。

 

篠ノ之の剣がどんどん荒くなる中、遂に織斑が近接ブレードを出して、篠ノ之の近接ブレードの横っ腹に思い切り叩きつけて、はたき落とす。

 

ブレードが地面に落下する中、織斑は距離を少し取りながらアサルトライフルを展開して至近距離から発砲する。

 

『ぐぅぅぅっ!』

 

篠ノ之はシールドを展開するが、織斑の攻撃は続くので苦悶の声をあげる。

 

打鉄は防御よりのISで、展開されたシールドが破壊される前に修復する事で継戦能力を高めているが、至近距離からアサルトライフルの連射によって常にシールドの修復の為にエネルギーを消費している。

 

篠ノ之は射撃を浴びながらも地上に向かって、そのまま剣を拾うが……

 

「いや、無理に剣を拾ってんじゃないわよ」

 

「剣を回収するにしても、普通はアサルトライフルを使って牽制しながらやるべきですのに……」

 

鈴とセシリアの言う通りだ。どんだけ剣に拘ってんだよ。

 

内心呆れる中、織斑の射撃は近接ブレードに当たり、また落としてしまい、篠ノ之は射撃を浴びせられているのに拾おうとしている。

 

エネルギーを確認すると、織斑は射撃や移動により全体の2%くらいしか減ってないのに対して、無駄な行動により必要以上に攻撃を受けている篠ノ之の方は3割を切っている。

 

『ぐっ!一夏ぁ!卑怯だぞ!』

 

と、ここで篠ノ之の怒鳴り声が響くが、どっか卑怯な要素があったか?

 

『剣で戦わないどころか、地上で戦わず、終いには武器を拾おうとする相手に攻撃するなんて恥を知れ!』

 

どこがだよ?ISは武道じゃないからな。ルール違反ならクロエが止めているだろう。

 

というかこれ、織斑が勝っても篠ノ之が「あんな卑怯な手による勝利は認めない!勝負は無効だ!」とか言いそうだな。

 

『聞いているのか一夏!お前は銃を使わず、地上に降りてぐっ!』

 

喚く篠ノ之に対して織斑は構わずに射撃を続ける。どうやら織斑は相手の土俵に上がらないようだ。まあそれが当然だけど。

 

『悪いな箒。俺はクロエから指導を受けたいし、負けるわけにはいかないんだよ!』

 

言いながら織斑は射撃を続けて、打鉄のスラスターの一機を破壊する。それにより機動力も落ちたし、詰みだろう。篠ノ之はアサルトライフルを使うつもりはないようだし。

 

しかし織斑よ。気持ちはわかるがそんな事を堂々と口にすると面倒な事になるぞ。

 

『ふざけんな!あんな醜女なんか一夏に相応しくない!銃なんか捨てて剣で戦え!』

 

……随分と言ってくるな。俺の弟子であり師匠でもあるクロエを醜女呼ばわりと良い度胸だな。

 

「きょ、恭弥さん落ち着いてください」

 

「アンタ、人を殺す目をしてるわよ」

 

と、ここで鈴とセシリアが宥めてくるが、俺はそんな目をしていたのか?思った以上に怒りが宿ったようだが、悪い事をしたな。

 

内心反省してる中……

 

『箒!言って良い事と悪い事があるだろ!それもわからないお前から教わる事はない!』

 

織斑も今の発言は看過出来なかったようで、銃ではなく腰に刺しているブレードを待機状態にして、射撃のみで戦い……

 

 

『試合終了。勝者、織斑一夏』

 

勝負が決まる。ルール上、これで篠ノ之は織斑にISについては干渉しないことになるが……

 

『……ない。こんな勝負、認めない!認めないぞ!』

 

やっぱりこうなったよ。さっきまでの怒りが消えて頭が痛くなってきたぞ……

入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?

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