IS×World Trigger 作:ガイストは男のロマン
トリオン兵を片付けた俺達は一旦集まる事になった。
「んじゃ改めて挨拶をするが、太刀川隊の太刀川だ。恭弥とは仲良くしてやってくれよ」
太刀川さんが軽い調子で挨拶する。
「ふぁ、凰鈴音です。今日はどうもありがとうございました」
「お、織斑一夏です。いつも恭弥には助けて貰ってます」
2人は緊張しているが、戦闘が絡んでない時の太刀川さんはダメ人間だからそんなに緊張する事はない。
「気にすんな。しかし今回は災難だったな」
「それなんですけど、何で三門市以外に出たんでしょうか?」
「そこはエンジニアを呼んで調査してみない事にはわからないが、何にせよ当分は俺達がIS学園に警備として派遣されるかもな」
「?ボーダーが開発した無人機はダメなんですか?」
鈴が太刀川にそう尋ねるが、無人機は基本的に警戒区域と市街地の境界に配備して余裕がないし……
「いや、ゴーレムは何機か負けたし、上層部はA級隊員を派遣するだろ」
ゴーレムの戦闘能力はB級上位クラスで、何機か負けた事を考えると今回の新型トリオン兵の実力はB級上位からA級下位クラスだ。
それを踏まえるとボーダーから派遣される隊員はA級隊員、もしくは生駒さんや弓場さんみたいな上位個人ランカーだろう。
「何や、まだ全然集まってへんやん」
次に入ってきたのは生駒さんと日本代表候補生の更識簪だった。どうやら2人が組んで事にあたっていたのだろう。
「俺達はアリーナ組だからな。で?生駒が組んだ彼女は強いのか?」
太刀川さんは好奇心旺盛な態度を見せるが、この人は本当に戦闘狂だな。
「中々やるで。リアルタイムでバイパーの弾道を引けるし」
「マジか。束、出水、那須に続いて4人目か。お前はボーダーに入るのか?海外の代表候補生は厳しいだろうが、日本なら加古って前例がいるし、入れるだろ?」
太刀川さんはそう言っているが、加古さんを代表にする際は相当揉めたみたいだし、また揉めるんじゃないか?それ以前に当人が入るかわからないけど。
「……考えてみます」
太刀川さんの話に更識は緊張を露わにしながらもそう返す。まあもしかしたら案外スムーズに行くかもしれないし、選択肢を狭めないのは良いだろう。
ガチャリ
ドアが開いて次にやってきたのは二宮さんだった。単独で迎撃をしていたのだろうが、あの硬いトリオン兵を単独で迎撃するなんて射手としては桁違いの実力であると改めて認識させられる。
『っ……』
二宮さんの登場に鈴と更識は警戒心を露わにする。まあISのコアをぶっ壊した男だから警戒して然りだろう。
そんな中、二宮さんは椅子に座ると足を組んで、カバンの中からジンジャーエールの缶を取り出して飲み始める。
(この人本当にジンジャーエール好きだな……)
前に焼肉に行った際もジンジャーエールしか飲んでなかったし。
「……織斑さんはまだ来てないのか?」
「千冬さんなら束の妹を連れてくるって席を外してるぞ」
「あの愚物か……姉妹揃って傍迷惑な……」
二宮さんは舌打ちをするが相変わらず束さんの事は嫌いなようだ。
とはいえば篠ノ之の行動が愚かだったのは紛れもない事実だ。山田先生は生徒に避難指示を出したのに、それを無視して放送室に向かい、騒ぎを起こしたのだ。俺とクロエがガードしたから無事なだけで俺達が間に合わなかったらアイツは肉塊だっただろう。
「おいおい二宮。確かに軽率だったかもしれないが不機嫌なオーラを出して空気を悪くすんなよ」
太刀川さんが笑いながら注意すると二宮さんは不機嫌そうに鼻を鳴らしながらも多少オーラを小さくする。とはいえ束さんと揉めたらまたオーラが増幅するのだろう。
そして次に入ってきたのは迅さんとロシア代表の更識先輩だった。
「お疲れ迅……って、あれ?束さんはおらへんの?」
「お疲れ生駒っち。束なら現場の解析をしてるから先に行ってろって。場合によっては専用の門の誘導装置について考えないといけないっぽいからさ」
確かに今回の件は予想外だった。三門市以外にも門が開くってのは知っていたが、今までIS学園周辺に門が開いた記録はなかった筈だ。それが今日になって大量に開くって事は、何かしらの問題が起こったのだと思えてしまう。
「ほーん。にしても束にロシア代表と両手に花やね」
「違います!誰がこんな痴漢男と!」
「あらら」
更識先輩は怒りを露わにするが迅さんのセクハラについては改善するべきだろうな。
そして遂に織斑先生がやってくる。後ろには篠ノ之がいるが、明らかな震えている。まるで死刑執行を待つ囚人のようだ。
「待たせてすまない……束はどこだ?」
「現場検証してます」
「わかった……先ずはボーダー隊員ならびに専用機持ちには感謝する。お前達が居なかったら人的被害が出ていたかもしれない」
「それは問題ないですが、教員の質が低過ぎでは?俺の近くにいた教員は碌に援護もしないし、しても立ち回りが下手でした」
二宮さんが仏頂面でそう口にするが、ISは余り集団戦をしないからだろう。加えて二宮隊のメンバーは3人の支援能力が高いというのもあるだろう。
「記録は見ておく。それに適した改善を約束しよう」
織斑先生はそう告げるが連携の練習でもするのだろう。
「改めて話すが警戒区域外で門が発生した事は看過できないことだ。こちらも協力するが、事件解決に力を貸して欲しい。太刀川、後日学園長を交えて話し合いの時間を作りたいと城戸司令に伝えてくれ」
「それは良いけど、何で俺?」
「ボーダーに命令階層はないが、年齢かランクで判断する束とお前が1番上だろう?」
確かにな。年齢なら束さんが、ランクなら太刀川さんが1番上で束さんがこの場にいないから太刀川さんが城戸司令に話すべきだろう。
「なるほどね。了解」
「また今回の件は学園内で緘口令を敷くことを約束するが、万が一にもあるから根付メディア室長にも話をしておいてくれ」
「了解」
緘口令を敷いても一部の馬鹿が漏らす可能性もあるし、念には念を入れておくべきだろう。
「また当面ボーダー隊員を派遣するように話をして貰いたい」
「もちろん。今日は俺達が待機しとくよ。大学も休めるし、一石二鳥だしな」
おい。アンタ単位がヤバいんだし、真面目に授業に出ろや。
「……迅。忍田さんに連絡して太刀川に代わるA級隊員の派遣を頼む」
織斑先生は馬鹿を見る眼差しを太刀川に向けながらそう口にする。
「ちょっ……!それは勘弁してくださいよ!」
太刀川さんは焦るが口は災いの元だ。絞られてください。
「……まあ馬鹿は後回しにするとして……篠ノ之」
織斑先生が小さく呟くと篠ノ之はビクリとする。
「山田先生はシェルターに避難しろと命じたはずだ。なのに何故命令を無視して放送室に向かった?」
嘘偽りは許さないと冷たい眼差しが篠ノ之に向けられるが、篠ノ之のやった事は洒落にならないから誰も口も挟まない。織斑も理解しているようで黙ったままだ。
「わ、私は一夏に喝を入れようと……」
「貴女の喝が何の役に立つの?寧ろ近界民を倒せる烏丸君とクロニクルさんは貴女のガードに回って、近界民を倒せない織斑君と凰さんは貴女から意識を逸らすように負担が増しただけじゃない。しかも貴女をシェルターまで引っ張ろうとした人を突き飛ばしてまで」
更識先輩が冷たい声を出すが、そんな事があったのかよ?もしかして更識先輩の友達が突き飛ばされたのか?
「……ふん。姉妹揃って碌でなしか」
と、ここで束さん嫌いの二宮さんが呆れながら息を吐くと篠ノ之は二宮さんを睨む。
「……貴様、今何と言った?」
「姉妹揃って碌でなしと言っただけだが」
「私を姉さんと一緒にするな!」
「当たり前だ。姉は碌でなしだがトリガーやISの技術の発展に尽くしているのに対して、避難命令すらこなせないお前は何の価値もない唯の不良品だ。一緒じゃない」
うわぁ……容赦ないな二宮さん。口の悪さはともかく、言っていることは否定できない。
避難命令を無視するどころか、止めようとした人に暴力を振るうなんて愚かだろう。
「貴っ様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
二宮さんの言葉に篠ノ之は激昂してどっからか木刀を取り出して二宮さんに振るうが……
バキィィィィッ!
トリオン体の二宮さんは無傷で木刀が折れる。
「……織斑さん。直ぐに木刀を振るってますが、あの馬鹿の妹だからって甘やかし過ぎでは?」
二宮さんは呆れ顔を織斑先生に向ける。
「同感だが、上層部が束の妹だからと厳罰にするなと煩くてな」
あ、やっぱり圧力がかかってるのか。また普通に考えて木刀や竹刀を振る奴が退学にならないなんてあり得ないよな。
「姉さんは関係ありません!」
「ほう?関係ないというならばお前を速攻で退学にして、女性少年院に入るように働きかけ、お前が怪我をさせた生徒の治療費や慰謝料をお前の両親に請求するが、良いな?」
「なっ?!何でですか?!」
激昂する篠ノ之に織斑先生が冷静にそう返す。
「当たり前だ。人の弟に木刀やら竹刀を振る危険人物など、警察に訴えるに決まってるだろう」
ですよね。普通に考えたらそうだよな。
「それはクロニクルの邪道な戦い方を参考にしている、一夏が悪いんです!大体今回だって正々堂々と戦っていれば一夏が勝って「篠ノ之。本気で言っているのか?」当たり前です!ですから私が怒られる謂れはどこにも「歯ぁ食い縛れぇっ!」があっ!」
「ほ、箒ちゃぁぁぁんっ?!」
戯言を吐いた篠ノ之に織斑先生渾身の頭突きが叩き込まれ、現場検証が終わったらしく戻ってきたら束さんが絶叫を上げるのだった。
入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?
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おかしい
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おかしくない