IS×World Trigger 作:ガイストは男のロマン
pipipi……
射撃訓練をしていると通信が入ってくる。確認すると束さんだった。
「もしもし、どうかしましたか?」
『やー、繋がった繋がった。渡したいものがあるの悪いんだけど今からボーダー本部に来れるかな?しんちゃんのワープを使えば直ぐだし、お願い』
まあ確かに冬島さんのワープがあれば楽だし、別に構わないが……
「IS関係なら織斑とクロエを呼びますか?」
『2人ならさっき連絡したけど、外出してるから直接基地に向かうってさ』
「了解。じゃあ今から向かいます」
俺は通話を切ってから射撃訓練場を出てラボに向かう。
そして冬島さんの開発室に着くとインターホンを鳴らす。
『はいはーい……って、恭弥か。どうした?』
「ちょっと束さんに本部に来て欲しいって言われたんで、ワープをお願いします」
『はいよ』
開発室のドアが開くので中に入ると、冬島さんはパソコンと向き合っているが、巨大モニターにはIS学園の敷地が表示されていた。
「IS学園にもトラップを仕込んでるんですか?」
「まだそこまでの段階じゃないな。広範囲のレーダーの設置と避難用のワープポイントの位置の検討だ。前回の襲撃はトリオン探知が出来ていれば回避出来たかもしれなかったしな」
ああ、例の犬型トリオン兵によるトリオン兵の卵のばら撒きについてか。確かにあの時、IS学園にはトリオンの感知機能を持った監視システムは無かったからな。
「罠の内容については学園と話し合って決める感じだ。とりあえずワープさせるから、その台座の赤丸に立ってくれ」
言われたように台座の赤丸の内側に立つ。そして冬島さんがパソコンを操作すると一瞬視界が真っ暗になり、次の瞬間にはボーダー本部の開発室に移動していた。
やっぱり冬島さんのワープはクソ便利だ。
そう思いながら俺は束さんの開発室に向かうと同じタイミングでドアが開く。
出てきたのは織斑とクロエだった。
「お前らはもう終わったようだが、何があったんだ?」
「ん?新しい駆動プログラムを入れるからって数十秒、白式を渡しただけだぜ」
そんなふうに言ってくるが、それだけならしょっちゅう学園に足を運んでいる冬島さんにやらせれば良いだけだ。多分そのプログラムは別の用途があるのだろう。
クロエを見ると小さく頷いているし、やはり特別な何かがあるのだろう。
「俺達は待ってるから恭弥も入れて貰ってこいよ」
「了解……失礼します」
「やーやー、呼び出して悪いね。ちょうど今いっくんから聞いただろうけど、新しい駆動プログラムを入れるから黒天を貸して」
そう言われたので待機状態の黒天を束さんに渡すと束さんは黒天にコードを繋ぎ、ウィンドウを操作する。それによって黒天は一瞬強い光を放つが、直ぐにいつも通りに戻った。
「はい、これで終わりー」
「そうですか。ちなみにこのプログラムなんですが、俺達に害はないですよね?」
「大丈夫大丈夫。ボーダーに害は一切出ないから♡」
束さんは満面の笑みを浮かべながらそう返す。束さんがそう口にいた以上、ボーダーに害が出ないのは本当だろう。しかしボーダー以外にどれだけの被害が出るかはわからないのが怖い。
まあ口にしても教えてくれなそうだから聞かないでおくけど。
内心緊張しながらも束さんに一礼して、俺は織斑達と一緒にワープでIS学園に戻るのだった。
「では今回のランク戦スケジュールの話はここまでにする。次にIS関連の話がある」
夜、ボーダー本部の会議室にて上層部による会議が行われている。
「IS関係?男性にも使えるISの開発は余り進捗がないね」
「その件については気長に待っているから問題ない。実は先程IS学園の織斑教諭から連絡があり、来週にフランスの代表候補生が転校してくるらしいが「男装の女でしょ?」話が早いな。織斑教諭も男装と見抜き、狙いは烏丸隊員と織斑隊員への接触からのデータの奪取と思われる」
城戸がそう告げるが暗殺の可能性は低い。フランスが国としてピンチの中でフランスの代表候補生に暗殺させたら、自白しているようなものだ。そうなると第3世代のIS開発の為にデータを盗む可能性が高い。
「その件なら大丈夫だよ。さっきくーちゃん達のISに束さん特製のウイルスを仕込んだからね」
城戸の言葉に束は淡々と口にするが、その言葉に上層部の顔色が変わる。この限度を知らない女のウイルスなんて想像するだけで恐ろしい。
「ウイルスの内容は?」
「発動条件はボーダーとIS学園以外のパソコンで起動する事で、開いた瞬間、くーちゃん達のデータが全て消滅。連鎖する形でその国の機密事項を仲の悪い国に流出するね」
『っ!』
それに会議室の空気が重くなる。危険なウイルスを仕込んでいるのは予想していたが、内容は思ったよりも危険だった。
「これについては容赦しないよ。フランスは束さんがわざわざ一回チャンスを与えてやったのに、くーちゃん達のデータを盗もうとするなら慈悲を見せるつもりはないね」
いつもの飄々とした態度ではなく、冷徹な態度を見せる束。こうなったらテコでも動かないのはこの場にいる皆は知っている。
「……迅、束の行動でボーダーに害が出る可能性は?」
「フランスが大打撃を受けてドイツやイギリスの属国になる未来はあっても、ボーダーに国際問題をぶつける事はないね。まあ一部のボーダーアンチがボーダーの陰謀って騒ぐけど、毎度の事だから問題ないね」
城戸の質問に迅が答える。少なくともフランスがボーダーに怒りをぶつける未来はない。
「ならば良い。ISの権限は束に任せているから好きにしろ。ただしボーダーに害が及びそうになったら迅、お前が束を止めろ」
城戸は束の行動を容認する。城戸の決定に根付メディア室長や忍田本部長は苦い顔をするが、止めれなかった。束は優秀ではあるが、限度というものを知らず、敵対する存在に容赦ないことを知っているからだ。
ボーダー成立当初、国際IS委員会がトリガー技術の提供を求めた際も、束はIS委員会の所有するISを全て機能停止させて、全世界中継しようとしていた。
その時は迅が全世界中継を止めに入って、委員会のメンバーの前でしか機能停止をしなかったが、迅が止めなかったら世界が荒れていたのは間違いない。
「了解。この実力派エリートに任せてくれよ」
そして束を制御出来る人間は自分しか出来ないことを知っている迅は迷いなく頷くのだった。
週明け……
「あ、おはよう烏丸君」
「おはよう」
教室に入り、最初に挨拶をしてきた相川さんに挨拶を返しながら席に座る。
「おはよう恭弥、眠そうだけど大丈夫か?」
「おはよう織斑。いや、昨日の夜ランク戦をやりに行ってたんだけど、予定の3倍の人数と戦うことになってな」
最初は兄貴、歌川、菊地原、雪丸と同年代と戦う予定だったが、王子隊の3人、生駒さん、嵐山さん、弓場さん、柿崎さん、カゲさんにも誘われて、帰ってきた頃は寝落ちしてしまった。
「ランク戦とはわかりませんが、寝落ちするほどやるべきではありませんわ」
同室のセシリアにはそう怒られる。まあ同室の人間は私服のままベッドに倒れていたら怒るよな。
「以後気をつける……ん?」
急に周りが静かになったぞ。いきなり何が……あ、篠ノ之だ。
教室のドアから篠ノ之が入ってきた。そういや今日から謹慎が明けるんだったな。クラス対抗戦での篠ノ之の行動は知られているから空気も悪くなるわ。
あれだけの愚行を犯したが反省していると良いんだが……
そう思う中、俺は席に着くと篠ノ之は織斑に近寄ろうとするが……
「皆さん、おはようございます」
「席に着け。HRを始める」
山田先生と織斑先生が来た。それにより篠ノ之も席に向かうが、皆が腫れ物に触れるような態度を取っている。
そんな空気に山田先生は困ったような表情を浮かべるが、直ぐに切り替えるように口を開ける。
「いきなりですが今日はなんと転校生を紹介します!しかも二名です!」
二名……このタイミングで来るという事はデータ収集、もしくは俺か織斑への接触だろう。
「失礼します」
「……」
入ってきたのは2人だ。片方は金髪で男子の制服を着ていた。
しかし俺はもう1人の方に意識を向けられていた。銀髪で片目に眼帯を付けているが……
(クロエそっくりだが……姉妹か?)
思わずクロエを見てしまう。対するクロエはいつも通りの表情だが、クロエについては謎が多いんだよな。束さんがいきなり私の娘って紹介してボーダーに入隊させたからな。
俺は思わず何回も見比べてしまうのだった。
入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?
-
おかしい
-
おかしくない