IS×World Trigger   作:ガイストは男のロマン

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第7話

 

 

ギィンッ ギィンッ ギィンッ

 

訓練室に鈍い音が響く中、俺は回し蹴りを叩き込む。対する加古さんは小刀『狂骨』で受け流しながら後ろに飛び、周囲に光の球を10生み出してこっちに放ってくる。

 

俺は実体シールドを2枚展開してから、光の球に向かってIS運用における加速機動技術のひとつ、瞬時加速を使うべく、スラスターから放出したエネルギーを再び取り込み、都合2回分のエネルギーで直線加速をする。

 

そしてシールドを投げて10ある光の球の内5つを防ぎ、2つを回避して、3発受ける。

 

しかし俺はシールドエネルギーの減少を無視して強引に距離を詰めて対IS用両手にプラズマブレードを展開する。

 

加古さんはボーダー隊員としてもIS乗りとしても遠距離タイプ、俺はボーダー隊員としてもIS乗りとしても近距離タイプだから遠距離戦では勝ち目は全くないのでどんな手を使っても距離を詰める必要があるからな。

 

そして左のプラズマブレードをぶん投げて、再度瞬時加速の準備に入り、加古さんが『狂骨』でプラズマブレードを振り払うと同時に、瞬時加速を使い距離を一気に詰めながらプラズマブレードを加古さんの胸に振るう。

 

加古さんは身体を捻って狙いが胸から装甲にズレて、装甲の一部が砕ける。

 

しかし胸に当たれば絶対防御が発動してシールドエネルギーを大量に減らせたのだが……っ!

 

そこまで考えていると加古さんの『幻魔蝶』のスラスターから金色の粉が出てくる。マズい!これは……

 

俺は慌てて上昇しようとするが、次の瞬間『狂骨』を顔面目掛けて投げられてくるので反射的に身を屈めてしまう。

 

(しまった……被弾覚悟で上昇するべきだった……)

 

俺が後悔すると同時に……

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッッッッッッッッッッッ!

 

金色の粉は爆発して俺が乗っているラファール・リヴァイヴのシールドエネルギーを削り切る。シールドエネルギーが0になったので俺の負けだ。

 

「咄嗟の判断で優先順位の判断ミスをしたわね。まあこれは繰り返して慣れるしかないわね」

 

加古さんはそう言ってくる。さっきの金色の粉は『爆爆粉』といい『幻魔蝶』の能力の1つで、周囲に爆発性の鱗粉に似たナノマシンを散布して任意のタイミングで爆発させる能力だ。

 

そして破壊力抜群なので回避する優先順位としては、小刀による投擲より高い。

 

しかし俺が小刀を回避する事を優先したのは、ISによる戦いの必須事項がまだ身に染み付いておらず、トリオン体による戦いの必須事項が強く身についているからだ。

 

ISの場合、頭に強い攻撃が当たったら絶対防御が発動してシールドエネルギーは減るがエネルギーに余裕があれば戦闘は続行出来る。

 

一方トリオン体の場合、シールドを突き破られて頭に攻撃が当たれば、トリオン体は破壊され数時間は戦闘が出来なくなる。

 

よって最後の攻防はIS操縦者としては間違いではあったのだが、加古さんの言うように優先順位の判断ミスだ。

 

まあこればかりは加古さんの言うように慣れていくしかないな。

 

「わかりました。気をつけます」

 

「ええ。ただ近接戦闘能力は言うに及ばず、遠距離戦への対応も伸びてるわ。これなら入学時点専用機無しの代表候補生なら問題なく下せるわ」

 

ISは世界各国に割り当てられていて、国としては所有するISの3分の1ちょっとを研究に使用して、残りを政府や軍に配備している。

 

後者のISを持つのは各国代表1人と候補生複数だ。で、候補生で貰えるのは特に強い候補生らしい。

 

で、加古さんによれば弱い候補生なら下せるとの事だ。まあ2ヶ月間ISの操縦しかやってなかったからな。一方の代表候補生は操縦以外の仕事も大量にあるらしいし。

 

「で、束さんの専用機もあれば専用機持ちとも戦えるわよ」

 

「そうですか……って、そういや束さんってまだ作ってましたね」

 

もう2ヶ月弱経ったがまだ出来ていない。機体の製作にかかる期間は知らないが、無人機はサクサク作っていたから早いと思っていたんだがな。

 

「束さんは結構凝り性よ。私の幻魔蝶も引き渡し日から武装の変更をしたいって3週間後になったから」

 

「そうだったんですか。ま、厄介事はもう無いでしょうから大丈夫でしょう」

 

この前の襲撃についても対応は済ませた。正体は日本のIS委員会の過激派で城戸司令はIS委員会に襲撃の落とし前として、莫大な賠償金と俺が奪ったISのコア2つに加えIS委員会の力を弱めるべく更にIS委員会の所有するコア3つを要求した。

 

当然相手側は猛反対で、他の過激派は独断で会談の際に城戸司令に襲撃をしたくらいだ。

 

しかし襲撃は失敗。城戸司令の護衛を担当した二宮さんが襲撃者の纏うIS、打鉄2機をコア諸共破壊して、日本IS委員会は全面降伏を認め、城戸司令が提示した条件を呑んだ。

 

結果として日本IS委員会は所有していたISコア12の内、5つを賠償としてボーダーに渡し、2つを二宮さんに破壊された事で7つ失ってしまう大損害となった。これでIS委員会も女性権利団体も静かになるだろう。

 

ちなみにISのコアを壊した二宮さんはコアを壊されてブチ切れた束さんと罵倒し合いながら個人ランク戦をしてC級隊員にトラウマを植え付けてしまった。

 

閑話休題……

 

何にせよ最近は平和だが、これなら来週からの入学も問題ないだろう。仮に入学までに専用機が出来なくても、訓練機で充分訓練してるからな。

 

そんな風に考えていると携帯が鳴る。

 

「出て良いわよ」

 

加古さんにそう言われたので一礼してから携帯を取り出すと佐鳥からだった。

 

「もしもし?」

 

『あっ、恭弥!今週の土曜なんだけど予定空けといてくれる?』

 

「構わないが何かあったのか?」

 

『折角だし送迎会をやろうと思ってな。日佐人とかコアラとかと企画してるんだよ!』

 

そんな風に言ってくる。別にIS学園に行きたいわけじゃないが好意を無碍にするのは趣味じゃない。

 

「わかった。空けとく」

 

『オッケー、じゃあ当日は18時にボーダー基地集合な!』

 

「ああ。楽しみにしてる」

 

そう言ってから通話を切る。

 

「送迎会か何か?」

 

「はい。土曜日に」

 

「まあ入学したら余りボーダーには来れないし思い切り楽しみなさい」

 

「はい」

 

余りボーダーに行けないのは寂しい。入隊して3年近くで沢山の思い出があるからな。

 

今出来るのは精々良い出会いがある事を祈るだけだ。やはり良い友人が出来れば良い学校生活を送れるだろうからな。

 

俺は4月からの学校生活に淡い期待を抱きながら訓練を再開するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時は知らなかった。良い出会いはあるが、碌でもない出会いや面倒なトラブルが存在するという未来がある事を。

 

入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?

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